保育士から転職したいと思う理由とは?おすすめの転職先や異業種への転職方法も解説
現在保育士として働いている方のなかには、ほかの仕事に転職したいと考えている方もいると思います。
転職先を決めるにあたっては、保育士としての経験を活かせるようなところが良いと思いますが、どのような仕事があるのでしょうか。
また、転職時には転職サイトや転職エージェントを利用するケースも多いですが、転職を希望する業界によって使いやすいサイトやエージェントは異なります。
この記事では、保育士からの転職理由や保育士の転職先としておすすめの業種について説明すると同時に、保育士の転職におすすめの転職サイトや転職エージェントを紹介します。
保育士からの転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
保育士から転職したいと思う理由は?TOP3を解説
保育士から転職したいと考える理由は、人それぞれでしょう。
東京都福祉保健局は「東京都保育士実態調査報告書(令和元年5月公表)」のなかで、保育士として働いていた人が退職するに至った理由を調査しています。
その上位3つの理由について、以下で説明します。
職場の人間関係
職場の人間関係は、働きやすさに大きく影響する要素のひとつです。
とくに保育士という職業は、保護者の方と接する機会が多いですし、先輩や同僚の保育士さんと一緒に子どもの世話をすることも多いです。
総じて人員が不足しがちな業界ということもあり、限られた人数で多くの仕事をこなさなければならない環境のなかで、人間関係がうまくいっていなければ仕事がしにくいことは間違いなく、転職を検討する大きな要因になり得るでしょう。
給料が安い
厚生労働省がおこなった「令和元年賃金構造基本統計調査」によると、保育士の平均的な年収は363.5万円で、月収換算すると30.3万円でした。
その一方、全職種での年収平均は500.7万円で、月収換算すると41.7万円です。
つまり保育士の月収は、世間一般の平均的な月収よりも11万円ほど低いことになります。
毎日多くのストレスを抱えながら仕事をしているにも関わらず、平均的な収入さえ得られないとなれば、転職を検討するのもやむなしかもしれません。
仕事量が多い
仕事量の多さも、保育士の仕事を大変なものにしている要因のひとつです。
毎日おこなわなければならないルーティン的な仕事に加えて、クリスマスなどの行事が近付けば、イベントの用意もおこなう必要があります。
また、子どもが体調を崩したりケガをしたりといったイレギュラーなことが発生した場合には、その対処もおこなわなければなりません。
常に柔軟な対応が求められる保育士として働くことは、想像しているよりもはるかに厳しく、その厳しさが限界に達して転職を検討するケースも多いです。
保育士の転職先にはどんな業種がある?
保育士から転職を検討する際に気になるのは、保育士から転職できる職業にはどのようなものがあるのか、ということでしょう。
実際のところ、保育士の経験が活かせる職業は数多くありますし、保育士の方歓迎の求人も種類が豊富です。
保育士の方が転職するのにおすすめの職業を、以下でいくつか紹介します。
幼稚園教諭
子どもの世話をするという観点では、幼稚園教諭の仕事は保育士としての経験を活かしやすい仕事です。
保護者の都合によって夜遅くまで子どもを預かることも多い保育士とは異なり、比較的早めに仕事を終えられることが多いのも魅力でしょう。
さらに、保育士よりも幼稚園教諭のほうが、給料は総じて高めの傾向にあります。
幼稚園教諭として働くためには「幼稚園教諭免許」が必要ですが、令和6年度までは、保育士資格を持っており保育士として「3年以上かつ4320時間の勤務経験」がある場合、特例的に幼稚園教諭免許を取得できる措置も設けられているので、チャンスです。
保育園と幼稚園では子どもを預かる主な目的が違うため、転職したばかりのころは戸惑うかもしれない点は念頭に置いておくと良いでしょう。
学童保育
学童保育とは、正式名称を「放課後児童健全育成事業」といい、主に小学校低学年までを対象とした保育事業のことを指します。
一般的に「保育」というと、保育園や幼稚園といった未就学児童を対象とした施設をイメージすると思われますが、学童保育では主に小学校低学年ぐらいまでの子どもを対象としています。
また、通常の保育とは異なり「教育」の要素が強いのも、学童保育の特徴です。
子どもにとって適切な遊びや活動を提供し、自主性や社会性などを培う役割を担います。
給料は保育士として働く場合と大きく変わらないことが多いですが、残業がほぼないことや子どもの年齢が上がって面倒を見やすくなることなどを、大きな魅力と考える方もいるようです。
病院内保育
病院内保育は、医師や看護師の方が利用する保育施設のことを指します。
通常の保育園の預かり時間は朝~夕方までが一般的で、それ以降どこまで延長できるかは保育園によって異なりますが、医師や看護師の方はスケジュールどおりに仕事を終えられないことも多いです。
そんな医師・看護師のために、病院が独自に保育施設を設置することが増えてきています。
子どもを預かって保育するという点では通常の保育園と変わらないので、仕事内容に困惑することはないでしょう。
サービス残業はほぼありませんし、給料も一般的な保育士と比べると高めに設定されていることが多いです。
企業内保育
企業内保育とは、従業員の子どもを預かるために企業が設けた施設のことです。
子どもを保育園に預けられないという理由で復職できないような従業員のために、企業が福利厚生の一環のような形で提供しています。
仕事内容は一般的な保育園と大きく変わりませんが、勤務時間が企業の営業時間に左右される点や、0歳~2歳といった幼い子どもを預かるケースが多いといった点は、違いとして認識しておくと良いでしょう。
給料は企業そのものが保育施設を運営しているのか、企業が委託した保育園運営会社が運営しているのかによって異なり、前者の場合は企業内保育を設けられるほど余裕のある会社であることが多いので、良い待遇が期待できます。
原因が人間関係なら別の保育園も選択肢に
保育士の仕事自体にはとくに何の不満もないものの、人間関係が原因で転職したいと考えている場合は、別の保育園で働くことを検討してみても良いかもしれません。
人間関係が一新されることで、とても良い環境で働けることは十分考えられます。
ただ、どのような職場にも人の入れ替わりは付きものなので、働きやすかった職場が突然望ましくない環境に変わってしまう可能性があることは、考慮しておきましょう。
保育士の転職におすすめの転職サイト・エージェント7選
保育士の方に限らず、転職時に転職サイトや転職エージェントを利用する方は多いでしょう。
転職サイトや転職エージェントは転職を成功させるための大きなカギを握りますが、数が多いのでどれを選んで良いかと悩んでしまうことも考えられます。
以下では、おすすめの転職サイトや転職エージェントをいくつか紹介します。
保育士ワーカー
保育士ワーカーは、保育士に特化した転職エージェントです。
全国に15ヶ所の拠点を構えているので、どの地域にお住まいでも利用しやすいのは大きな魅力でしょう。
転職するにあたっては、エージェントの担当者といろいろ相談したいこともあると思います。
担当の方が相談しやすく話しやすい方であれば、利用者としても安心でしょう。
保育士バンク!
保育士バンク!は、保育士専門の就職・転職支援サービスです。
保育系の事業に特化した就職・転職フェアも開催しているので、フェアに参加することでさまざまな企業の情報を1日で効率良く収集することができます。
転職活動をスムーズに進められるかどうかには、担当者の方も大きく影響します。
こまめに連絡の付く方が担当になってくれれば、効率良く転職活動をおこなえるでしょう。
マイナビ保育士
マイナビ保育士は、株式会社マイナビが提供する保育士に特化した人材紹介サービスです。
公開求人だけでなく非公開求人の数も豊富であり、ほかでは出会えない求人に出会える可能性があるのが魅力といえるでしょう。
転職先で悩んでいる場合は、それぞれの特徴や待遇などを比較検討したうえで判断したいところです。
マイナビ保育士であれば、働きたいと考えている園同士を比較しやすいので、自分の納得できる条件のところを見つけるのに役立つでしょう。
保育のお仕事
保育のお仕事は、保育士・幼稚園教諭さん専門の転職支援サービスです。
保育業界に精通したキャリアアドバイザーが、保育業界で働きたい方の仕事探しを全面サポートしてくれます。
実際に保育のお仕事を利用していた方からも、使いやすいという評判を得ているようです。
好条件の非公開求人も数多く取り扱っているので、納得のいく転職先に巡りあえるでしょう。
保育士人材バンク
保育士人材バンクは、保育業界で働く方と事業所のための就職・転職マッチングサービスです。
求人数の豊富さ、とりわけ独自ルートによる非公開求人の種類および質には定評があります。
ヒトシア保育
ヒトシア保育は、保育士・幼稚園教諭向けの求人を掲載する転職支援サービスです。
保育士や幼稚園教諭の転職についての情報収集ができる転職フェアを定期的に開催しており、実際にその園で働いている方や採用担当者の方と直接話をすることもできます。
保育求人ガイド
保育求人ガイドは、保育士向けの転職サイトです(※)。
保育士転職サイトのなかでもトップクラスの求人件数を誇っているので、自分が納得できる転職先に巡り合える可能性が高いでしょう。
自分が受けたい求人をほかの人に先に受けられてしまう可能性もありますが、求人数が多い分、求人の入れ替えも頻繁におこなわれます。
そのため粘り強く求人を探すことで、魅力的な転職先を見つけやすくなるでしょう。
完全異業種に転職したい場合は?
保育士の方が転職を検討する場合、保育に関連する職種や職場を選ぶケースが多いですが、まったくの異業種へ転職しようと試みる方もいるでしょう。
完全異業種へ転職する場合の方法や注意点について、以下で説明します。
キャリアを1からスタートする覚悟を持とう
業種が変わると、これまで築いてきたキャリアを捨ててあらためて1からスタートすることになります。
年齢によってはキャリアを捨てることはなかなか厳しいことだと思いますが、異業種に転職するためにはそれだけの覚悟が必要です。
今までのキャリアを活かしたいのであれば、保育士としての経験を活かせるような業種への転職を目指すと良いでしょう。
保育の仕事には就きたくないけれど人と関わりを持つ仕事がしたいという場合は、接客や営業の仕事がおすすめです。
「誰かのお世話をする」という軸で仕事を探すのであれば、介護業界での仕事が向いているかもしれません。
一時的に給与が下がることも
異業種に転職する以上、その業種では素人なので、給与が今までもらっていた金額よりも下がることは覚悟しておく必要があります。
ただ、新しい業種できちんと経験を積んでいけばキャリアアップは可能なので、転職後にどういったキャリアパスを歩んでいきたいかのイメージを自分なりに持っておくことを、心がけましょう。
保育士は需要が高い!自分の使いやすい転職サービスを探そう
保育士から転職したいと考える理由は、職場の人間関係や待遇など人それぞれでしょう。
保育士から転職する場合は、幼稚園教諭や学童保育などが主な転職先になりますが、勤務先の人間関係が要因で転職したい場合は、別の保育園で働くという選択肢もあります。
保育士として働いてきた経験を活かして異業種に転職したいのであれば、営業や接客業などが向いているかもしれません。
あらためて保育の業界で働きたいという場合は、ご紹介した転職サイトや転職エージェントなども利用しながら、自分の納得のいく転職先を見つけるのがおすすめです。
不動産広告の営業マンを経て、現在はフリーランスのライターとして活動中。 クレジットカードやカードローンに関する知識を、公平な視点で分かりやすく伝えることを目指しています。 私生活でもいろいろなクレジットカードを使い分けながら、自分にとって最適な使い方を模索中。毎月貯まっていくポイントを見ながらその使い方を考えるのが、ひそかな楽しみ。 自分の実体験や気付きをもとにした、オリジナリティのある記事をお届けしたいと思っています。