宇治の魅力を大発信!販路拡大を支援する宇治商工会議所にインタビュー PR

宇治の魅力を大発信!販路拡大を支援する宇治商工会議所にインタビュー

京都府宇治市にある「宇治商工会議所」では、地域の中小企業・小規模事業者の身近な相談相手として、経営に関するさまざまな支援・事業を行っています。

新たな取引を生み出すプロジェクトへの参加や展示会への出展、ご当地キャラクター活用などを通じて、宇治市の魅力を発信してきた同所。

今回は宇治商工会議所の中小企業相談所 支援課課長の稲田将人さんに、販路開拓支援事業やご当地キャラクター活用事業について伺いました。

「お茶と観光のまち」京都府宇治市

ー本日はよろしくお願いします。まず宇治市の特徴や観光スポット、特産品について教えてください。

宇治市は京都府の南部に位置し、古くは平安貴族にも別荘地として愛されてきました。千年の時を超えて滔々と流れる宇治川を中心とした美しい景観と、世界遺産の「平等院」「宇治上神社」をはじめとする豊かな歴史・文化資源に恵まれています。

特産品である宇治茶、抹茶スイーツ、そして源氏物語最後の十帖「宇治十帖」の舞台として知られる「お茶と観光のまち」です。

周辺の道路状況は、京滋バイパス、第二京阪道路、京奈和自動車道に加え、新名神高速道路の全線開通に向けた整備も進められています。

鉄道状況はJR西日本、京阪電気鉄道、近畿日本鉄道、京都市営地下鉄の4路線が市内に乗り入れ、京都駅から宇治駅までは快速で約16分です。観光はもとより、京都市域のベッドタウンとしても発展してきました。

―ありがとうございます。宇治商工会議所様についても教えてください。

宇治商工会議所は昭和27年2月に通商産業省の許可を受け発足した、商工会議所法によって運営されている特別認可法人で、地域の商工業の振興に力を注ぎ、国民経済の健全な発展に寄与するための地域総合経済団体です。

地域の中小企業・小規模事業者の皆様の一番身近な相談相手として、「経営改善」「新事業展開」「経営計画策定・各種補助金申請」「金融・税務・労務」「販路開拓支援」「会員相互交流」など、経営に関する様々な支援・事業を行っています。

販路拡大・取引成立までの直接的な支援

宇治商工会議所の外観画像

―宇治商工会議所では、販路開拓支援に力を入れているそうですね。何かきっかけがあったのでしょうか?

伝統技術や地域資源を活かした産品をつくる地域産業の担い手は、小規模事業者が多く、代表者自身が製造に多くの時間を拘束されています。

職人として優れた製品をつくりながらも、その魅力を伝える資料作成や営業提案を不得手としたまま、埋もれてしまっていることも少なくありませんでした。

また、大規模展示会への出展や海外展開には大きなコスト負担やノウハウが必要で、事業者が単独で取り組むには障壁となります。「販路開拓に取り組みたい」という想いは抱えつつも、新しい一歩を踏み出すことに躊躇されているケースもありました。

契機となったのは、平成20年度に立ち上げられた「経済産業省事業 にっぽんe物産市プロジェクト」です。これは、地域生産者とバイヤー・消費者の架け橋となる地域プロデューサーを全国30地域に設置する取り組みでした。

この頃、私たちはセミナーや専門家派遣といった間接的な支援のみならず「販路・取引」という事業者の出口までの直接的な支援も強化していこうと考えていましたので、このプロジェクトに参加しました。京都府内で、また全国の商工会議所で唯一の参画でした。

―製品の魅力を伝え、取引につなげていくための取り組みをされたのですね。成果はいかがでしたか?

経済産業省事業であった2年間に、年間100件を超えるビジネスマッチング成立等の成果につながり、地域事業者からも好評の声が寄せられました。以後も当商工会議所の独自事業として事業継続し、現在で16年目を迎えています。

商工会議所の強みを生かし、展示会支援やECサイト運営

展示会画像

ーほかにはどのような支援をされていますか?詳細をご紹介ください。

販路開拓支援事業では、食品を主とした地域産品の生産者のBtoB、BtoC両面の支援として複数のツールを用意し、年間を通じたビジネスマッチング等を行っています。

1つ目が、展示会への出展支援です。日本最大規模の食品展示会「スーパーマーケット・トレードショー」をはじめ、複数のバイヤー専門展示会に当商工会議所ブースを構え、小規模事業者でもトライしやすいコスト負担で数万名を超えるバイヤーに提案できる場を創出しています。

成約率を高めるため、効果的な商品展示や商品カルテ作成の指導、製造現場を長期間離れられない事業者のために職員が現地でも代理提案を行うなどのサポートをしています。現在は小売向け・外食向けなどの来場層や開催時期など、特徴の異なる複数展示会に出展しています。

2つ目として、国内外での百貨店・スーパー等との連携フェアに取り組んでいます。事業開始当初の例では伊勢丹新宿店や銀座三越、最近は米国のスーパーマーケットというように、事業者の多くが提案・取引機会を望まれるような先を中心に開催してきました。

小規模事業者単独では提案機会を得ることも難しい販売チャネルに、「地域を知り、生産者を知り、多数の地域産品の情報がそろう」という商工会議所の強みを活かし、京都・宇治といった「面での提案」を行い、連携フェアを開催してきました。そこで輝いた事業者や商品が、以後の継続取引につながるようにと取り組んでいます。

3つ目は、府内地域産品を集めたEC「京都宇治土産.com」の運営です。老舗から気鋭店まで約100ブランド・1,000品以上の地域産品のインターネット販売を行っています。

これは主としてBtoC・WEB販路の支援ツールですが、立ち上げ当初は、まだITツールの普及過程であり、ノウハウ不足や管理面の不安から自社でECをされていないケースも多くありました。

商工会議所で顧客対応から配送まで一貫したサポートを構築することで小規模事業者のWEB活用を促すとともに、「京都」「宇治」のブランドや商材がそろうという点で、単独のホームページでは行き届かない潜在顧客層への認知度獲得と販売を支援してきました。

また展示会などのBtoB事業とも相乗効果を図ることで、バイヤーの方が商品発掘をする際にも同サイトを便利よく活用いただき、通年様々な商談希望をお寄せいただき、多くのビジネス取引成立にもつながっています。

地域産品の例「京の野菜ジャム」画像

ノウハウ習得だけでなく、成約・利益の獲得が目標

―支援をされるなか、どのようなときにやりがいや難しさを感じますか?

取引という出口まで直接つながる支援事業として、熱心にお取り組みくださる事業者の方々が良い結果に結びつくと、非常にやりがいや喜びを感じる事業だと感じています。

ただ、ビジネスに100%結果につながるという保証はありません。ノウハウの習得も大切ですが、コストもかけていただく上で、ご参加いただく全ての事業者様が、それ以上の成約や利益を獲得いただけることが理想であり目標ですので、毎年、緊張感と責任を感じています。

また年間を通じて多数の商談を寄せていただく中で、事業者とバイヤー双方のスケジュールを考慮してマッチングを行うには、スピード感が求められる案件も多いです。好評をいただくほど突発的な商談も増えますので、全体の業務スケジュールの管理は難しさもあるところです。

―支援を受けた事業者様にはどのような変化がありましたか?

昨年度(2022年度)は年間約221件の取引成立、事業経由の取引発生額は約3億円となりました。

たとえば当事業を通じて毎年1,000万円以上の取引を獲得いただき、事業参加当初の数倍の売上規模に成長されたり、取引増加によって初の直営店舗兼ピッキングセンターを構築されたりなど、経営のステップアップを実現いただいたケースもあります。

またこの事業には、生産規模やビジネス取引経験の有無など、さまざまな規模や経営環境の異なる事業者に参加いただいております。

展示会やフェアなど事業者間同士での交流機会もあるため、成功体験や取引先の紹介など、参加者同士での情報交換も積極的で、事業者単独では難しいノウハウの獲得に対しても喜んでいただいています。

ご当地キャラクター「チャチャ王国のおうじちゃま」活用事業も

宇治市ご当地キャラクター「チャチャ王国のおうじちゃま」画像

―ご当地キャラクター「チャチャ王国のおうじちゃま」誕生の経緯をご紹介ください。

販路開拓支援事業の規模や運営が安定してきた中、同事業は「食品製造業者約100社」という対象業種等が限られたものでした。そのため、次の新しい事業は「より広く、地域に役立つ取組みを」という想いから、宇治市で初となるご当地キャラクター事業に取組み、「チャチャ王国のおうじちゃま」が誕生しました。

―海外ショップでも活躍中のようです。どのように活用されたのでしょうか?

「チャチャ王国のおうじちゃま」は名前に“うじちゃ”が入るとおり、宇治茶をモチーフとした宇治市公認のご当地キャラクターです。

国内に1店舗・海外に12店舗ある、おうじちゃまの「別荘(公式ショップ)」では、グッズだけではなく、京都宇治の老舗茶舗が厳選した宇治抹茶を使用したドリンク・スイーツ・フードなども提供するカフェやレストランがあります。

海外ショップの内観画像

このように「チャチャ王国のおうじちゃま」をアイコンに展開することで、キャラクターにも愛着を持っていただいており、海外から宇治に訪れられた際にも「Matcha Prince」「茶茶小王子」の愛称でお声掛けいただくなど、可愛がっていただいています。

コロナ禍によって海外との往来が制限され、宇治観光が打撃を受けた際にも、ショップや海外の商業施設等と連携したフェアに宇治茶を輸出し、海外取引額は約3億円規模と、おうじちゃまも頑張ってくれていました。

ポストコロナを迎えた今後は、公式ショップを通じて海外の多くの皆様にも、ますます宇治に関心と愛着をもっていただき、ぜひ観光にお越しいただければと思います。

カフェで提供される宇治抹茶スイーツの画像

産業交流拠点や宇治グルメの動画チャンネルも運営中

産業交流拠点「うじらぼ」の室内画像

―今後のご計画や目標がありましたらお聞かせください。

販路開拓支援事業とご当地キャラクター活用事業、おかげさまでどちらの事業も立ち上げから気づけば長い年数の継続となりました。今後も少しでも多く地域に貢献できるよう、一歩一歩取り組んでいきたいと思います。

また商工会議所では、この2つの事業以外にも多岐に渡る事業に取り組んでいます。今後も中小・小規模事業者の方々に役立てる様々な事業に取り組み、地域の商工業の振興のために努めていきたいと考えています。

―最後に、この記事を読まれた方にメッセージをお願いします。

2020年11月、宇治市産業会館1階に「産業交流拠点 うじらぼ」をオープンしました。

事業者・起業家・学生等が仕事等を行う場で、多様な働き方や起業のための共有オフィスとして、利用料無料・Wi-Fi完備のコワーキングスペースもあります。

また、市民が愛する「宇治のうまいもん」を紹介するYouTubeチャンネル「宇治飯うまいもんチャンネル」も公開中ですので、ぜひご覧ください。

―本日はご紹介いただき、ありがとうございました!

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