スタッフをDX化する「STAFF START」とは?株式会社バニッシュ・スタンダードに取材 PR

スタッフをDX化する「STAFF START」とは?株式会社バニッシュ・スタンダードに取材

「STAFF START(スタッフスタート)」は、店舗スタッフがオンラインで商品のコーディネートやレビューなどを投稿することでEC売上アップ、顧客のファン化を促進し、投稿経由での売上に応じて報酬が得られるなど、スタッフの成果も可視化できるDXアプリです。

アパレル業界を中心に様々な企業で導入され、個性豊かなスタッフがその販売力を発揮しています。

今回は「STAFF START」を開発・提供する株式会社バニッシュ・スタンダードのPdM(プロダクトマネージャー)である猪首さんに、主な機能や導入事例、同社が開催する販売員No.1を決めるイベント「STAFF OF THE YEAR」などについて伺いました。

導入ブランドは2600以上。店舗とECの共存を目指して生まれた「STAFF START」

スタッフスタートのロゴマーク

―本日はよろしくお願いします。まず、御社の沿革と事業内容を教えてください。

当社は、大手Web制作会社でアパレルのEC開発に従事していた代表の小野里が独立して立ち上げた会社です。

創業当時はECサイトの構築を手がけていたのですが、経営不振が続き社員がゼロになるなど、苦しい時期を経験しました。

その後、小野里の友人の一言をきっかけに生まれたのが、スタッフの販売力をオンラインに拡大できる“スタッフDX”サービスの「STAFF START(スタッフスタート)」です。

―きっかけとは、どのようなものだったのでしょうか。

小野里の友人は実店舗で働いている販売員さんで、当時は一般的に販売チャネル間で在庫が一元化されておらず、お店とECで在庫とお客様を取り合うような状況でした。

店舗からすると「店舗の販売実績を上げられないのは、ECに在庫もお客様も持っていかれるから」で、お店で働く方にとってECはいわば敵のようなものだったのです。

EC事業を展開している小野里は、「店舗とECがどうすれば共存できるだろうか」「お店の人がオンラインでできることはないだろうか」と考えました。

その結果、販売員の販売力を活かしたオンライン接客を行い、店舗のスタッフが個人成績に基づいてインセンティブを受けられるように、オンライン接客でも売上に応じて報酬を得られるDXアプリ「STAFF START」を開発しました。

―現在の「STAFF START」導入数はどのくらいでしょうか。

導入ブランド数は2023年8月時点で2600ブランド、「STAFF START」経由の売上は2022年9月~2023年8月で1748億円を突破しました。

例えばアパレルだと株式会社ユナイテッドアローズ様、スポーツ用品なら株式会社アルペン様、家具・インテリアなら株式会社ニトリホールディングス様など、店舗数の多い企業に多数導入いただいています。

充実した機能でスタッフにオンラインでの強みをつくる

実際の投稿事例を紹介する画像

―「STAFF START」の主な機能を教えてください。

主な機能は、スタッフがスナップ写真やショート動画を撮ってコーディネートや商品の魅力を発信できる「SNAP PLAY」、商品特集などオリジナリティのあるブログコンテンツをつくれる「まとめ機能」、店舗スタッフが独自の評価スケールをつくり、商品のポイントや特徴を一言でレビューできる「スタッフレビュー」です。

ちなみに「SNAP PLAY」には、投稿にかかる手間を減らし時間を短縮するため、撮影した写真や動画に商品情報を紐づけ、AIによる投稿文を自動で生成する「AIアシスト」という機能もあります。

商品情報とスタッフさんが付けたハッシュタグなどからAIが文章を生成しますが、いずれは各スタッフらしさのある文章を提案できるように開発していく予定です。

―お客様が退店する際に使える機能もあるようですが、どのようなものでしょうか?

「店舗接客」という機能ですね。これはECサイトにアップされた様々なスタッフのスナップ投稿を見せながら接客ができ、商品のECページをQRコードで簡単に共有できる機能です。

従来、店舗で購入を迷われるお客様のために、試着した商品の情報をスタッフさんが紙に書いてお渡しすることがあるそうで、それをQRコードにしてお持ち帰りいただくイメージでこの機能を作りました。

「STAFF START」の導入企業様に使い方をお聞きしたところ、お客様が試着室にいる間に同じ商品を在庫から持ってきて、QRコードを発行し、その商品を使ったコーディネートも考えておくというふうに活用されています。

―試着中もスタッフさんは無駄なく動いて「STAFF START」を活用されているのですね。

お客様の購入意欲は、試着をしている時が一番高いのではないでしょうか。そのタイミングで購入しないとしたら、恐らく価格やサイズが主な理由かと思います。

もし欲しいサイズの在庫がなかったとき、従来はお客さまがECサイトで購入しても、店舗の売り上げになりませんでした。

でもこの「店舗接客」で発行したQRコードからECで購入があると、そのQRコードを発行したスタッフさんに通知が届きますので、スタッフさんのモチベーションアップにつながります。

他にも、LINEヤフー株式会社との提携による「LINE STAFF START」というサービスもあります。コロナ禍に寄せられた「お店が休業しているときでもお客様とつながりたい」というお声をきっかけに生まれました。

これは、店舗スタッフそれぞれがLINE公式アカウントを作り、友だち追加したお客さんに商品やコーディネートの紹介、キャンペーンの告知などをメッセージで簡単にオンライン接客し、売上を可視化できるサービスです。

このように、「STAFF START」はスタッフの皆さんがオンラインでの強みも作れるよう、様々な機能でサポートしています。

予約の半分を「STAFF START」経由で得た結婚式場も

―「STAFF START」活用の事例をご紹介ください。

例えばワインショップのエノテカ株式会社様では、扱う商品がワインですから、写真を撮っても商品の魅力が伝わりにくく、ブログコンテンツを作るにも時間がかかると感じていらっしゃいました。

実は、そのエノテカ様と一緒に考えて作った機能が、先ほど紹介した「スタッフレビュー」です。ワインの香りや味わいのイメージをスケールに反映したり、ソムリエが持つ資格を紹介してプロフィールを拡張したりといった活用をされています。

ソムリエさんによって提案の得意分野も異なるそうです。どのソムリエが何を得意としているか、また、ワインのテイスト、テクスチャーなど、ワインショップならではの表現を活かしながらオンライン接客できるように工夫されています。

―食品業界のお店でも導入されているのですね。他にはどのような事例がありますか?

ウェディング施設などを運営されているアニヴェルセル株式会社様では、「STAFF START」を使って様々な式場スタッフさんによる発信をされています。

結婚式場スタッフの職種は、ウェディングプランナーやヘアメイク担当者、料理人など、多岐にわたりますよね。アニヴェルセル様では、それぞれのスタッフさんがご自身の担当したお仕事について発信することで、広告だけでなく、スタッフの方々自身の力でよりリアルな情報を届けていらっしゃいます。

―たしかに、結婚式場のお仕事のすべてがお客さんによく知られているわけではないですよね。

お客様の声を紹介するという方法もありますが、それだけでなく、少し切り口を変えて当事者に魅力を発信していただくことができているのではないかと思います。アニヴェルセル様のある式場では、予約の半分が「STAFF START」経由だったこともありました。

―研修で「STAFF START」を活用する企業様もいらっしゃるそうですね。

はい。例えば家具・インテリアのニトリ様では、新卒研修のカリキュラム内に「STAFF START」での投稿実践を組み込んでくださっています。

社員の方々のご自宅にはやはり同社の家具やインテリア用品がよくあるようです。インテリアコーディネートのスキルを高めるために、コーディネート例を「STAFF START」で投稿し、お客様からの反響を業務に活かしていらっしゃいます。

店舗スタッフの魅力を発信するイベント「STAFFOF THE YEAR」

「STAFF OF THE YEAR2023」のファイナリストの皆さん

―御社が開催されている「STAFF OF THE YEAR(スタッフオブザイヤー)」についてもお聞かせください。

「STAFF OF THE YEAR」は、一年に一度、令和のカリスマ店員を決めるイベントで、4回目の開催となる2024年は、アパレルブランド、スポーツブランド、ファッション小物ブランドの店舗スタッフの皆さんが対象者です。

私たちは、このイベントを通じて店舗スタッフの仕事の魅力を発信し、この仕事に就きたい人をもっと増やしたいと考えています。全国の販売員の中には、「STAFF OF THE YEAR」を楽しみに1年間お仕事に励んでいる方もいらっしゃるんですよ。

優勝した方々からは「人生が変わった」という声もいただいています。販売員として働き続けながらも、各方面から取材を受けたり、広告のお仕事依頼を受けたりと、その後もご活躍中です。

過去には、準優勝した方が賞金を使って全国の店舗を回り、お客様に会いに行くということをされたこともあります。そのスタッフさんに会いたいと非常に多くのお客様が来店されていて、影響力の大きさに驚きました。

スタッフの成果を正しく評価する測定法がポイント

―「STAFF START」がアパレルをはじめ各業界のスタッフさんの力を引き出し、オンラインでも活躍する機会を提供されていることが分かりました。開発の過程で大変だったことはありますか?

当初、オンライン接客の効果測定については苦戦しました。アフィリエイトや広告など、サイト外からの集客について効果を測定する方法は一般的ですが、サイト内のコンテンツによる効果をどのように測定するかは、よく検討する必要があったからです。

その結果、「STAFF START」は売上の種別を「直接売上」「間接売上」の2つに分け、独自の効果測定を行っています。

直接売上とは、「STAFF START」で投稿したコンテンツ経由で購入された、コンテンツに紐づけられた商品の売上です。それに対して間接売上は、「STAFF START」で投稿したコンテンツ経由で購入された、コンテンツに紐づけられていない商品の売上を指します。

つまり店舗での接客でいうなら、スタッフさんが提案した商品そのものが売れたら直接売上、提案したものが売れなくても、お客様のアシストをした結果で売れたら間接売上です。「STAFF START」を始めた頃はこうした概念による効果測定がありませんでした。

私たちは、スタッフさんの成果を報酬に還元したいという思いがありましたし、正しい評価ができるサービスを提供したかったので、設計は苦労しましたが、こだわって開発しました。

また、デジタルサイネージを活用した取り組みも、お客さんにスタッフさんをもっと知っていただくために開始した取り組みです。

全国のイオンモールで働く専門店スタッフさんからのおすすめ商品やコーディネート提案などを、「STAFF START」を通じてお店のECサイトに投稿すると、館内のデジタルサイネージでも配信されるという取り組みを行っています。

「STAFF START」はスタッフさんの販売力を店舗でもオンラインでも発揮するDXアプリサービスなので、お店への送客につながるこうした取り組みも力を入れていきたいです。

「STAFF START」なら誰でも、いつからでも可能性を広げられる。

―今後の展望をお聞かせください。

「STAFF START」はアパレルを中心に導入が進んでいますが、今後は小売業やサービス業など、さらに幅広い業種・業態への展開を目指しています。

また、コロナ禍を経てお店が忙しくなっている今、時短投稿できる仕組みも必要です。過去の売上データをもとに、商品が売れやすくなる方法などをスタッフさんに共有したり、AIを活用して投稿をサポートしたりして、より効率的な運用を実現していきたいと思います。

―オンライン接客、店舗スタッフのDXに興味がある方へメッセージをお願いします。

「STAFF START」を導入いただいている企業のスタッフさんを見ていて感じるのは、このツールを年齢に関係なく、皆さんそれぞれの個性を活かしながら楽しんで使っていただけているということです。

いわゆるモデル体型ではなくても、凝ったポーズや撮り方でなくても、自然体で撮影したコーディネート写真をアップしているうちにSNSフォロワーが18万人になったり、その投稿からお店のECにお客さんが集まったりしているスタッフさんもいらっしゃいます。

また、収入の面でも可能性が広がると思います。「STAFF START」を使っているスタッフさんの中には、月30万円以上のインセンティブを得ている方もいらっしゃるんですよ。

いつも通り販売員としてのお仕事をしながら、DX化で人生が変わる。そんな可能性を持った「STAFF START」を今後も広げていきたいと思います。

―本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!

株式会社バニッシュ・スタンダード
BizDev.ユニット STAFF START PdM

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気になるけど、なかなか話しづらい。けどとても大事な「お金」のこと。 日々の生活の中の身近な節約術から、ちょっと難しい金融知識まで、知ってて得する、為になるお金の情報を更新していきます。

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