堺ブランド「堺技衆」とは?堺商工会議所による優れた企業を認証する取り組みをご紹介 PR

堺ブランド「堺技衆」とは?堺商工会議所による優れた企業を認証する取り組みをご紹介

現在の大阪府堺市のエリアには平安時代末期から鋳造技術者集団が存在し、戦国時代には鉄砲の生産で栄華を極めました。安土桃山時代からの刃物製造の伝統を受け継ぐ「堺打刃物(さかいうちはもの)」は、堺市の名産品として有名です。

堺市では、明治維新以降、ものづくりの伝統を活かして自転車の部品などが製造されるようになりました。第二次大戦後の復興を経て、現在では伝統産業に加えて最先端技術の研究・開発も盛んです。

なお、堺商工会議所では、地域経済の発展を後押しするため、堺ブランド「堺技衆」の認証など、さまざまな取り組みを行っています。

本記事では、堺市の歴史や名産品をご紹介したうえで、堺ブランド「堺技衆」について詳しく解説するので、ビジネスを行う際の参考にしてください。

伝統産業の匠の技と最先端技術が共存する「堺市」の概要

堺市役所展望ロビーからみた街並みと百舌鳥古墳

堺市は、大阪府の中央部(やや南側)に位置する政令指定都市であり、面積は149.81平方キロメートル、人口は817,322人です(2022年5月1日時点の推計)。

以下、堺市の歴史名産品についてご紹介します。

堺市の歴史

旧石器時代から現在の堺市のエリアに人が定住していることが、考古学的な証拠から明らかになっています。4~5世紀には大和朝廷が成立し、100基を超える古墳群が造られました。

堺市の百舌鳥古墳群には、日本最大の前方後円墳である「仁徳天皇陵古墳」も含まれます。2019年には、羽曳野市・藤井寺市の古市古墳群と合わせて、「百舌鳥・古市古墳群」としてユネスコの世界遺産に登録されました。堺市を訪問した際には、ぜひご覧ください。

ところで、「さかい」と呼ばれるようになったのは、平安時代からです。名称の由来は、摂津・河内・和泉の「境」に位置していること。ちなみに、平安時代末期から室町時代初期にかけては、現在の堺市美原区周辺地域で鋳造技術者集団「河内鋳物師(かわちいもじ)」が活躍しています。

鎌倉時代に海運の拠点になってからは、勘合貿易・南蛮貿易で発展し、会合衆(有力商人)による自治も行われるようになりました。そして、戦国時代後期に入ると、堺は鉄砲の生産によって黄金期を迎えます。

1543年に種子島でポルトガル人が鉄砲を伝えたことは、多くの方がご存知でしょう。その直後、堺の橘屋又三郎という商人が種子島を訪れて鉄砲の製造方法を学んだことから、堺は鉄砲の生産地として栄えることになりました。

なお、鉄砲伝来と同じ時期にタバコもポルトガル人から伝わり、タバコの葉を刻むための包丁(煙草包丁)が堺で製造されるようになりました。

江戸時代には幕府から「専売」を認められて日本全国に出荷されるようになり、現在でも堺市には刃物製造業者が多数存在します。国の伝統工芸品に指定されている「堺打刃物」は、名産品として有名です。

明治維新後は、自転車の部品の製造や修理が盛んに行われるようになりました。第二次大戦中に空襲で市街の大半が焼けましたが、戦後に復興を果たし、2006年に政令指定都市に移行しています。

堺市の名産品

ここからは、堺市の名産品をご紹介します。

堺市の名産品
  • 刃物
  • 自転車
  • 敷物
  • 注染
  • 線香
  • 和菓子
  • 昆布

堺市では、本職用から家庭用まで、さまざまな刃物(包丁など)が製造されており、「堺打刃物」として有名です。安土桃山時代からの伝統の技が光る銘品の数々が販売されているので、ぜひ購入をご検討ください。

また、自転車部品も堺市の名産品です。明治維新後、機械や金属に関する知識と経験を有する鉄砲鍛冶が、自転車部品の製造や修理に携わるようになり、現在でも「堺の部品がなければ、日本の自転車産業は成り立たない」と言われています。

さらに、堺市では敷物の生産も盛んです。ルーツは、糸物商の藤本庄左衛門によって製造された「堺緞通(さかいだんつう)」であり、現在は「新素材の開発」「自動化」「コンピュータ化」によって、ニーズに合わせて多種多様な商品が生産されています。

ところで、堺市を流れる石津川は水量が豊かであり、明治20年頃から、川の周辺地域で「ゆかた」の染色を行う業者が増加しました。

現在でも堺市の染色業者は、江戸時代初期に開発された「注染法」を受け継いでおり、国の伝統工芸品に指定されています。表と裏を同時に染めるのが特長で、長期間利用していてもほとんど色あせません。

線香も堺市の名産品です。創業280年を超える老舗も存在するので、堺市を訪れた際にはお土産として購入してはいかがでしょうか。

旧堺港は15世紀頃に貿易基地として栄え、「沈香」「白檀」といった香料の取引も行われていました。

堺は京都・奈良についで寺院が多く、「泉南仏国」とよばれるほどです。そのため「お香」の調合方法が盛んに研究されるようになり、現在に至るまで伝統技法が受け継がれています。

16 世紀、中国から伝わった製法により既に製造されていた。当時は自由都市であり海外からの線香原料が入手しやすく、京都・奈良に次ぎ「泉南仏国」といわれる程寺院が多いことも線香製造を始めた要因と思われる。

なお、堺は千利休の生誕地です。お茶に合う和菓子の生産・販売も盛んに行われており、創業400年を超える老舗も複数存在しています。堺市を訪れた際には、ぜひご堪能ください。

ちなみに、堺市は、大正から昭和のはじめにかけては昆布の加工品の一大産地であり、約150軒の昆布加工業者が集まっていました。現在では「とろろ昆布」と「おぼろ昆布」が、堺市の主な昆布加工品です。

地域経済の発展に貢献する「堺商工会議所」の概要

堺商工会議所の外観画像

商工会議所」とは、商工会議所法に基づいて設立された特別認可法人です。

堺商工会議所は、1879年に設立されて以来、「地域経済の基盤作り」「快適に企業活動を営むのに必要な経済環境作り」「社会一般の福祉の増進」を目的として、堺市で活動している総合経済団体であり、重点項目として以下の4つを掲げています。

堺商工会議所が掲げる重点項目
  • 都市の魅力の発信
  • 経営力強化に向けた支援
  • 市場拡大のための連携促進
  • 組織力の強化

この重点項目を踏まえ、堺商工会議所では、以下に示す施策・事業を実施しています。

堺商工会議所の施策・事業
  • 共済・保険・福利厚生事業
  • 各種検定
  • 企業の交流イベント
  • 創業・起業支援事業
  • マル経融資(小規模事業者経営改善資金)を受ける際の推薦
  • 事業承継支援事業
  • 事業継続計画(BCP)策定支援事業
  • 税務・法務・労務・ITなどに関する相談窓口の設置、専門家の派遣
  • 労働保険事務組合の設置(労働保険の事務代行)
  • 堺ブランド「堺技衆」の認証

堺商工会議所は各種共済事業の窓口になっているので、ぜひご活用ください。

中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)」には、引き続き1年以上事業を行っている中小企業者が加入できます。

取引先企業が倒産した場合に積立額の10倍の範囲内で無担保・無保証人・無利子で共済金が貸し付けられるほか、共済金の貸付を受ける事態が生じない場合でも解約手当金の範囲内で事業資金の一時貸付が受けられるので、加入を検討してはいかがでしょうか。

小規模企業共済」は、小規模企業の事業主や役員が廃業・退職後の「生活の安定」「事業再建」などを実現するための資金を、あらかじめ準備しておく共済制度です。「事業主の退職金制度」として、加入しておきましょう。

中小企業退職金共済」は、独自に従業員の退職金制度を設けることが困難な中小企業のための「従業員向けの退職金制度」であり、掛金の一部が国から助成されています。

納付した掛金は、法人企業の場合は損金として、個人企業の場合は必要経費として全額非課税になるほか、加入後の面倒な手続きや事務処理もなく管理が簡単です。

また、堺商工会議所では、「簿記」や「珠算」などの検定も実施しています。簿記を学べば、記帳を行うスキルだけではなく、コンサルティングの能力も身につけることが可能です。ぜひ、受験をご検討ください。

なお、地元の優良企業に対して実施している堺ブランド「堺技衆」の認証は、堺商工会議所ならではの取り組みと言えるでしょう。次の節で詳しくご紹介します。

堺商工会議所が認証を行っている堺ブランド「堺技衆」とは?

大阪勧業展での「堺技衆」ブース画像

堺ブランド「堺技衆(さかいわざしゅう)」とは、伝統産業や最先端技術、独自サービスなどを有する優れた企業の認知度を高め、市場競争力を向上させることを目的とするブランドのこと。

ロゴのモチーフは「仁徳天皇陵古墳」です。仁徳天皇陵古墳の造営には、「測量」「土木」「製鉄」といった分野で、当時の最先端技術が駆使されていることから、堺市が誇る「伝統の技」と「高度な先端技術」のシンボルとして使用しています。

堺には「モノのはじまり、みな堺」という地域固有の伝統的な価値観が存在し、「長い歴史に育まれた伝統産業」「世界に誇る最先端の技術を有する企業」「独自のサービスを保有している企業」などが多数集積しています。

しかし、優れた製品・サービスを開発・生産しても、受け身で待ち続けているだけでは世間に広く知られず、ビジネスチャンスを逃してしまうかもしれません。

そこで、堺商工会議所では、堺市の優良企業に対して堺ブランド「堺技衆」の認証を行って、内外に情報を届けています。認証を受けた企業は、名刺や看板にブランドやロゴマークを使用できるほか、冊子や動画での情報発信サポートを受けることが可能です。

なお、認証を受けた企業の紹介動画がYouTube上にアップロードされているので、下記URLからご覧ください。

そのほか、堺商工会議所は「大阪勧業展」へのブースの設置や、「メイドインさかいフェア」における「オリジナルグラスづくり体験コーナー」の出展など、さまざまな方法で堺ブランド「堺技衆」のアピールを行い、堺市の優良企業の認知度向上に努めています。

「メイドインさかいフェア」オリジナルガラスづくり体験の画像

堺ブランド「堺技衆」の認証基準および参加企業をご紹介

堺ブランド「堺技衆」の認証における評価項目は、以下の4つです。

堺ブランド「堺技衆」の認証評価項目
  • 競争力
  • 経営
  • 市場開拓
  • 社会・環境・地域等への配慮・貢献

競争力」を有していなければ、堺ブランド「堺技衆」の認証は受けられません。認証の際には、先進的な、あるいは、他社に真似できない製品・サービスや技術を有しているかどうか(また、それらに関連する注目すべき事柄や方針など)が評価対象になります。

また、「経営」に対する考え方や具体的な取組み、今後のビジョンなども、認証の際に考慮される要素です。地域内でのネットワーク作り、交流についての考え方や取組み、個人情報管理、コンプライアンス(法令遵守)についての意識・体制も問われます。

さらに、マーケティング活動や情報発信活動などもチェックされ、日頃の「市場開拓」に関する取り組みが不充分な企業は、堺ブランド「堺技衆」に認定されません。

そして、「社会・環境・地域などへの配慮・貢献」を行っているかどうかも重要な要素です。企業倫理を遵守することや、環境保全への取組み(リサイクル・省資源など)、地域交流・貢献への取組み、「堺市民の地域愛の醸成」という点についての考え方も踏まえて、認定が行われます。

ちなみに、3年に1回の頻度で新規募集および更新が行われており、直近では2021年に実施され、2022年3月10日に認証状が交付されました。

堺ブランド「堺技衆」には、「機械・金属」「地場・伝統産業」「食料品」「その他製造」「建設」「運輸」「サービス」といった多種多様な分野で活躍する企業が認証を受けています。認証企業の具体例は、以下のURLからご確認ください(2022年以降の認証企業は、更新を含めて計105社)。

堺商工会議所による堺ブランド「堺技衆」は、堺市の発展に不可欠

日本経済は長期的に低迷を続けており、「失われた30年」と表現されることもある状況です。国内の多くの地域と同様に、堺市でも「産業構造の変化」「安価な海外製品の流入」「後継者の人材確保」といった課題を抱えています。

堺商工会議所では、堺市の企業が抱える諸課題を解決するために、さまざまな取り組みを行っており、堺ブランド「堺技衆」の認証事業は、地域経済の活性化・発展に不可欠な存在です。

堺ブランド「堺技衆」公式サイト上では、堺市で活動している数多くの優良企業が紹介されているので、取引先を探す際に、ぜひ参考にしてください。

株式、投資信託、ETF、REIT、FX、仮想通貨、キャッシュレス決済など、金融・マネー全般に関心を持つ。実際に投資をしており、株式やETFなどを長期保有中。PayPay、楽天ペイ、LINE Pay、メルペイ、d払いなどのQRコード決済を毎日のように利用。単にインターネット上で調べるだけではなく、実際に使って確かめるように努めている。マネ会では、主にクレジットカードやキャッシュレス決済についての記事執筆を担当。

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