顧客の心を掴んで離さない「ロイヤルティ・マーケティング」とは?セイリングデイズ株式会社にインタビュー
サービスや商品の告知活動、認知拡大や購買促進や来店促進のために、広告や販売促進は常に必要なツールです。ただし、値引きや特売商品の告知が中心でお得意様や浮気客の対策を怠っていては粗利獲得、売上維持などの成果につなげることは出来ません。
今回お話を伺ったのは「売れる広告・販売促進支援」を行っているセイリングデイズ株式会社。代表取締役社長大野慎二さんに、売れる広告・販売促進提案を行ううえで一番大事にしている「ロイヤルティ・マーケティング」をはじめ、同社が展開する事業などについてお話を伺いました。
顧客購買データに基づいて粗利が取れる「売れる広告」を提案
ー本日はよろしくお願いします。まずは、御社の沿革や事業内容について教えてください。
当社はBtoC企業様をメインに、ロイヤルティ・マーケティングを用いて粗利が取れる、売れる広告・販売促進の支援活動を行っています。
例えば、テレビのコマーシャルは広く視聴者にアピールするためのいわゆるGetCustomerを目的としたマス広告ですが、DMはお得意様や浮気客など特定のターゲットに絞って出すパーソナル広告であり、広告の主眼や目的が異なります。
当社では、売り上げや粗利を上げるためにはどの広告ツールや販促プロモーションを使うべきか考えながら、お客様の購買心理や顧客購買データ等も踏まえて、企業様にあった最適な広告展開の提案をしています。
我々は、「どのように売り上げを上げればいいか」と困っている企業さんに、「商売の足跡を見せてください」と言っています。商売の足跡というのは、例えば、去年の1月はこれだけ売れたとか、 過去3年間で2月は売り上げ悪かったとか、そういうことを表す売上データやPOSレジを導入されておられる企業様やネット通販企業様がお持ちの顧客別購買データのことです。これらの売上データや顧客別購買データを見ると何をするべきか?が見えてくる、データは売上を改めて考えさせてくれる「宝物」なんです。
私は広告業に長年携わってきましたが、正直、データに頼らずに感性だけで好き勝手にデザインしていた時代もありました。 感性で本当に売れるのかと言われて、「売れると思いますよ」といい加減な答え方をしてきたと思います。しかし、売上データや顧客別購買データを見ると、自分たちがやっていたことが、いかに的外れな甘いものであったかがわかりました。
お客様の購買データや年間の売上データをみることで、 どんな広告から誰に始めるのか?一年間の中で何をやるべきか見えてくるんです。
お得意様から順番に広告・販売促進を展開
ーロイヤルティ・マーケティングとは、どのようなマーケティング手法なのでしょうか?
ロイヤルティというのは「忠実」という意味です。忠実なお客様から順番に考えるマーケティングを、ロイヤルティ・マーケティングと言います。マーケティングで言う忠実なお客様とは、長年にわたり頻繁に来店してくれるお客様のこと、いわゆるお得意様です。
いろんなお店に行っているお客さんや一見さんよりも、まずはお得意様に向けて広告を打っていきます。そして、お得意様が一通り済んだら、次に他のお店にも行っているお客様、いわゆる浮気客ですね。この浮気客を振り向かすことができたらお得意様になってくれるじゃないですか。初めて来店するお客様をいきなりお得意様にするには時間がかかります。じっくりと関係を構築しないといけないんです。
お客様のデータを見ながら、予測してお得意様から順番に販促費をかけていくという広告・販売促進の提案をしています。
ーしっかり優先順位をつけていくんですね。
はい!これは商売人としては当たり前のことなんです。お店を支えてくれているのはお得意様なんです。だから、忠実なお店や商品を愛してくれているお得意様から順番に広告を展開していくことが大事なのです。
例えば、郵便受けに届いたDMを真剣に見ますか?きれいにデザインし大量に印刷したであろうDMをだしたところで、おそらく多くの人は「ああ、また広告だ」と真剣に見てくれないと思います。私がよく言うのは「ラブレターを印刷して出しますか?」ということです。 印刷したラブレターって嫌だと思いませんか?印刷してあったらたくさんの人に送っているのが、すぐに推測できるじゃないですか。ラブレターは手書きだから愛情が伝わるんですよ!
だから、お得意様へのDMは手書きで書くべきだと思います。「手書きは大変」という方もいますが、大変ではない量のDMを出せばいいんです。大企業はわかりませんが、おそらく多くの企業はお得意様が1万人もいないと思います。1番のお客様に1通出すことで、反応率100パーセントのDMは出せるんです。だから小さいお店のほうが大企業より反応率がいいDMを出せるんです!
売れる広告提案営業マンとして、「売り上げより粗利を上げましょう」と提案する以上、いかにお得意様、浮気客、一見客の顧客の心理を理解し、クライアントに寄り添い、その商品を愛おしいと感じながら広告・販促ツールを作ることが重要なんです。
α・Z世代、オタク層が注目するサブカルチャーをマーケティング視点で活用し企業の売上を獲得する
ーサブカルチャーイベントも開催されているそうですね。
これまではテレビ、ラジオ、新聞、雑誌で広告を打ってきました。しかし、インターネットが若者の間で使われるようになり、マス広告が効かなくなってきていますね。
今ではインターネットを大いに活用し、ネット活動者のファン達にSNSなどで告知し、お店に来てもらい、リアルな場でのイベントでの販促活動に力を入れるようになってきています。そのなかで、α・Z世代の若い方やオタクの人たちなど、ネットにいる人たちを引き付けるためには、彼らの注目するサブカルチャーを活用し、彼らを集めて顧客となるように誘導出来るのではないかと考えて企業様に提案しています。そこで、重視しているのがイベントです。
時代が変わってきて今やサブカルチャーを愛するα・Z世代、オタク層は増加傾向にあるので、彼らが愛しているサブカルチャーをトリガーにして広告・販促販促提案をしていくのが最適だと考えました。コスプレイヤーを応援するウェブマガジンの展開や、カラオケメーカーとアニソンカラオケ大会などスポンサーと組んでイベントを開催しています。
例えば、アニメは春と秋に各200本も放送されるほど人気があるので、アニメの主題歌も高い人気を誇っています。そこで、カラオケメーカーさんと組んで、アニソンカラオケ大会を開催してみると大ウケしたんです。
このように、若者に人気のサブカルチャーをマーケティング視点で取り入れ、イベント化したりウェブマガジン化したりして、企業とこれからのお得意様になるであろうお客様を的確に結び付けて企業様の広告・販促販促支援を行っています。
生涯のお客様になってくれるお店作りを
ー今後の展望を教えてください。
BtoCビジネスを展開して商品やお店を持っていらっしゃる企業さんには、 顧客データベースマーケティングをもとにロイヤルティ・マーケティングを用いて、守る顧客、育てる顧客、攻める顧客にターゲットを分類し効果的な広告・販促を行っていきます。
α・Z世代の若い方やオタクたちに向けては、ネット戦略が非常に重要です。しかし、単に売りたい事がバレるようなネット戦略を実行していては不十分です。彼らの心理を分析し、ロイヤルティ・マーケティングを取り入れたネット戦略で商売をすれば彼らを取り込むことが出来るでしょう。
ネットで活動している活動者たちは、SNSのいいねやライブ参戦など活動の応援を期待しています。活動者たち発信者と活動者のファンである受信者に対し、ファン・マーケティング、ロイヤルティ・マーケティングを元に企業様の販売促進企画を推進することで「心」の通ったネット戦略が成立するのだと考えています。
ー読者の方に向けてメッセージをお願いします。
お店や商品を選ぶ際には、安いだけではなくこれから長年利用したいお店・商品かどうか?心が通い合うようなお店、生涯のお店になるような場所を選ぶことが大切です。長年通っていてお互い顔を見たことがあるのに「いらっしゃいませ」と「ありがとうございました」しか言えないお店ではお得意様・常連客としてとっても寂しいじゃないですか。 「明日寒くなるみたいですよ、気を付けてくださいね」などと伝えてくれるだけで、私達はお客様のことを思ってますよ!気遣っていますよ!と感じてもらえます。そういった自分を歓迎してくれるお店を見つけられるといいですし、そういうお店に進化しないと強いお店にはなれません。
企業さんは今一度お客様のことを考え直して、もっと心のこもった商売をして、生涯のお客さんになってくれるようなお店作り・商品開発をするべきです。そこで、顧客関係構築のロイヤルティ・マーケティングが重要になってくるのです。そのためには、顧客購買履歴のデータを商売人の目と心で見た方がいいですし、ロイヤルティ・マーケティングを勉強することも大事です。
「気の利いた商売がしたい」「もっとお客様を大事にしたい」「もっとうちのお得意様になっていただきたい」と思っているもう一度マーケティングを勉強し直したい企業様はぜひお声掛けください。私と一緒に強い企業にしていきましょう!
ー本日はお話しいただき、ありがとうございました。
セイリングデイズ株式会社 代表取締役社長
気になるけど、なかなか話しづらい。けどとても大事な「お金」のこと。 日々の生活の中の身近な節約術から、ちょっと難しい金融知識まで、知ってて得する、為になるお金の情報を更新していきます。