G検定とは?AI領域のリスキリングが起業につながった株式会社バンソーロジスティックスにインタビュー PR

G検定とは?AI領域のリスキリングが起業につながった株式会社バンソーロジスティックスにインタビュー

新たなスキルを身につけること、学び直すことを「リスキリング」と呼び、注目を集めていますが、その背景には多くの企業で進む事業のDX化があります。

業務改善や新規ビジネスの立ち上げなど、企業のDX推進に必要とされるデジタルスキル。リスキリングによって身につけたいと考える方も多いのではないでしょうか。

AIのあり方や活用事例を学ぶ「G検定(ジェネラリスト検定)」も、DX領域のリスキリングにつながる資格の一つです。

今回は、株式会社バンソーロジスティックスを創業し、リスキリングとして「G検定」を独学で受検した岸上 剛さんから、起業の経緯や検定内容のお話を伺いました。

リスキリングと周囲の理解から起業を決意

ダイビングの画像

―本日はよろしくお願いします。まずは、御社の沿革や事業内容を教えてください。

弊社、株式会社バンソーロジスティックスは2018年2月に創業し、6期目となる企業です。事業内容は国際輸送・国際貿易分野で4つあり、国際輸送の物流サービス、輸出入を扱う貿易、貿易会社や物流会社向けのクラウドサービス、海外展開の戦略コンサルティングを行なっています。

フィールドとしては、アジア圏との取り引きが特に広がっており、そのほか北米や欧州の一部の国へ輸出入や貿易を展開しています。

―起業のきっかけや経緯を教えていただけますか?

起業する前は、今と同じような運送事業サービスを展開する会社に約13年間勤めていました。前職では、香港や中国で事業の立ち上げから軌道に乗るまでの運営・経営を約10年経験し、その後、日本の本社に戻ったのですが、海外との違いを目の当たりにして、いろいろと考えることがありました。

海外では20~30名くらいの組織だったので、規模の小さいチームで統率しやすく、一丸となってプロジェクトを推進できていました。しかし、日本に戻ってみると会社はいつの間にか上場していて組織の在り方も少しずつ変化していました。

自分としては海外で体験した良い部分を吸収し、日本でも還元したいという思いがあって、改革案を経営陣に提案してみたのですが、私自身の力不足もあって、1年以上かけて練り上げた案は通りませんでした。

このときの案は本当に良いものだと思っていましたし、いっそ自分でやるのもありかなと、一瞬思ったこともあります。ただ、勤めていた会社も居心地が良く、定年までそこで頑張るつもりでいました。

そんなとき、起業へと背中を押す出来事が2つありました。

1つは、自分自身も起業に挑戦したい気持ちが芽生えてきたことです。その頃、リスキリングのため経営学を学ぶ社会人大学院へ通っており、そこで出会った人から刺激を受けたことも影響したのだと思います。

もう1つは私の事業案と起業に対し、妻が理解を示してくれ「やってみたらいいんじゃない?」と言ってくれたことです。妻も独立志向が強く、同じ業界で働いていたのですが、そんな妻が「一応3年やってみて、それで芽が出なかったら諦めて会社員に戻ってもいいんじゃないか」と背中を押してくれました。

そして、自身の気持ちも固まり、お世話になっていた上司や会社関係の方に話を通して円満に退職し現在に至ります。

AIやディープラーニングについて学ぶ「G検定」とは?

G検定リーフレット画像

―岸上さんはリスキリングの一つとして「G検定」を受検されたそうですね。受検のきっかけを教えてください。

2006年に初めて香港に駐在し、そこの人たちが仕事のあと学校に通って勉強している現実を目のあたりにしました。眠そうな顔をしながらも、仕事のあとに勉強していて、どうしてこんなことをしているのか聞いたところ、日本とは雇用規則が異なり、自分の身は自分で守れるようスキルアップが必須だという意識が強いからだとわかりました。

その後、社会人大学院に通ったのも、学びの大切さを実感する体験になったと思います。そして、今後必要になるであろうIT方面の知識が自分に不足していると感じ、G検定に目を着けました。

―G検定に向けて、どのように学習されたのですか?

まずは素早く学習できそうな市販のテキストを購入し、じっくり2回読みました。しかし、技術的な内容について理解が進まず、もう少しかみ砕いた表現で書かれた図解も多いテキストを探して購入し、5~6回読み込みました。そのうえで最初のテキストに戻ると、以前は内容を掴めなかった部分も理解できたので、あらためて2、3回読み直したんです。

それからテキスト付属の問題200問を、3回解きました。1回目の正答率は5割ほどだったので、もう1度テキストを読んで2回目に問題を解いたら正答率は6割に。ちょっと自信が付いてきて、3回目には7割を超えられました。これで検定対策も大丈夫かと思いましたが、これも1つの訓練データしか使っていないのと同じではないかと思い、さらに別のテキストを購入して問題を解きました。

合格に必要な学習時間は100時間が目安になっていましたが、自分の場合は多分200時間以上かかったんじゃないでしょうか。2022年4月から勉強を始めて、試験直前の10月中旬まで毎日1時間~2時間は勉強しました。

下地となるような数学的素養がなく、ITやデジタルについてのリテラシーも皆無な状態で挑戦したので、こんなにかかってしまったんだと思います。

G検定とは?

G検定は、一般社団法人 日本ディープラーニング協会が実施する、AI領域の検定です。ディープラーニングまでを含めたAIについて、体系的に学び、活用知識を深めることができます。

AIに関する検定と聞くと、AIを実装するプログラミング的なものをイメージされるかもしれませんが、G検定はAIを活用する知識を身につける位置づけです。

例えばAIを活用する上での法律や社会的・倫理的観点、各種産業における活用事例といった内容が入っており、実装については一切出てきません。「ここにAIを使うとどうなるか?」「この問題にAIを使って解決できるのか?」「AIを活用するにはどんな準備が必要か?」などを学び、必要に応じてAIの要不要を判断する知識を習得するものです。

営業職だけでなく、バックオフィス業務をされている方が社内システムの導入やデータ整理に利用できないか、顧客情報の収集・分析を進めてサービスに活用する方法はないかなどを理解するために学習されるケースも増えています。

G検定に挑戦した結果、得られたこと

G検定リーフレット画像

―G検定で学ばれたことは、お仕事にどのように活かされていますか?

G検定を通じて学んだことは、今すぐ仕事に活用できるタイプのものではないんです。ただ、検定を受けるために学んだことから、気付きにつながったのはメリットだと感じています。

IT技術を使って顧客の問題を解決したり、経営課題を発見したりを考えると、データ活用AIは避けて通れません。私たちの会社でも近い将来、何らかの形で導入していくことになるでしょう。弊社も6年目となり、たくさんデータが蓄積されていますし、これを活用しなければと思います。

データは人に紐付くものなので、人の出入りによっても変化します。誰かが退社したときに、蓄えていたデータもその人と共に失われてしまう恐れもあるでしょう。経営的な観点で見ても、会社としてデータを蓄え、活用して行く必要はあると思います。それにはAIの活用も必要だと考えています。

こうした考えができるようになったのは、G検定で学んだ結果です。AIの活用と聞くと、新しいことをスタートして攻めるイメージを持っている人も多いと思いますし、私も以前はそう思っていました。でも、足下を固める、守りに使っていくやり方もあるんだと気付けました。

3年くらい前の自分には、AIなんて雲の上のようなイメージで、その資格を自分が取得するとは考えていませんでした。でも、検定に向けて学習し、学んだことから仕事に活用する方法を考えられるようになったので、リスキリングの効果を感じています。

―AIの利用はもちろん、IT技術の活用やDX化について、今気運が高まっていると思いますが、物流業界での浸透具合はいかがですか?

「DX」という名称自体はすごく浸透してきていると思います。でも、これまで何十年もやってきた仕事のやり方を変えるのは難しく、どの企業も苦戦しているのではないでしょうか。

物流業界も例外ではなくて、メールで済むのにFAXを使っていたり、複数の会社に同じデータ毎回送っていたり。都度、同じものを送付するのではなく、数社で共有できる場所にアップロードして、必要なときにアクセスすればいいんじゃないかと、ずっと思っています。

とはいえ、今までのやり方で回ってきたのだからという意識は強く、変える必要性を理解してもらうのは、どこも苦戦しているところです。弊社が提供するクラウドサービスは、こうした問題を解決したい思いからスタートしています。

学び得たことを事業に反映させ社会に貢献

岸上さんの画像

―会社としての今後の展望をお聞かせください。

具体的な目標としては、あと5、6年で売上規模を20億~30億円にしたいと思っています。ただし、従業員は闇雲に増やそうと思いません。過去の経験から考えると、まとまりあるチームとして機能するのは、30名くらいまでの規模だと思います。

そして創業13年目ぐらいには、後継者へバトンを渡して行けたらと考えており、私が会社を離れても事業が回る仕組み・体制を整えていきたいです。そのときには取引先となる国・地域をさらに拡大させ、全世界で継続したビジネスを展開したいと思います。

また、借り物のサービスを売るのではなく、我々独自のサービスを2つくらい開発し、コアサービスにしていく必要があると、今後の課題として考えています。

―岸上さん個人としては、今後どのような学びやリスキリングを考えていますか?

個人的に環境保護分野への関心があるのですが、内容の幅が広く、何をテーマにするか迷っているところです。環境保護分野に関心を持ち始めたのは2016年から本格的に始めたスキューバダイビングがきっかけでした。

これまで国内外の海を潜ってきましたが、年々珊瑚の白化現象が進んでいることに心を痛めております。

まだ模索中ではありますが、ライフワークとして取り組みつつ、何らかの事業にもしていって、社会貢献にもなればと考えています。

ダイビングの画像

こうした目標を考えていくと、やはり大学院に行って学びたいという思いもあります。とはいえ、まだ自分自身の研究テーマが定まっていない状況ですので、まずは今年中にはそれをはっきりさせ、来年以降、取り組んで行ければと思います。

ビジネスでも個人の研究でも、AI・データ活用は切っても切り離せないものです。さらに理解を深め、活用していくために今年は、ITパスポート統計検定への挑戦も考えています。今年3月中にITパスポートの学習を完了し、それ以降は統計検定を2級合格を目指す予定です。そして、来年以降はITストラテジストでもいいですし、海外の認証資格にも挑戦してみようかなと考えています。

学んでいくうちに足りないもの・もっと学びたいものが出てくる状態で、学習には終わりがありません。

―最後に、マネ会読者へのメッセージをお願いします。

私個人の実感として思うのは、学習は自己実現への近道だということです。なりたい目標がができたとき、必要な準備が整っていれば、回ってきたチャンスをすぐ掴めます。日頃から学び、下地ができていないと、せっかくのチャンスが巡ってきても活かせないでしょう。

だから、生きていくうえで学習しておかないと損だと私は思います。自分が興味を持った分野に関して、どんどん積極的情報を取りにいって学んでいけば視野が広がり、見えないものが見えるようになると感じています。

―本日はお話いただき、ありがとうございました。

株式会社バンソーロジスティクス 
代表取締役

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気になるけど、なかなか話しづらい。けどとても大事な「お金」のこと。 日々の生活の中の身近な節約術から、ちょっと難しい金融知識まで、知ってて得する、為になるお金の情報を更新していきます。

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