働き方の多様化と場所・人・コトの関係構築!株式会社AnyWhereに聞いてみた PR

働き方の多様化と場所・人・コトの関係構築!株式会社AnyWhereに聞いてみた

テレワークが急速に普及し、働き方が多様化する昨今、コワーキングスペースやシェアオフィスも注目されています。働く場所とのマッチング方法として、新しいプラットフォームも誕生し、場所や時間にとらわれない働き方も実現しつつある状況です。

そこで今回はワークプレイスプラットフォーム「TeamPlace」を運営する、AnyWhere株式会社 代表取締役 斉藤 晴久さんに、サービスを立ち上げられた背景や多様化する働き方の今後についてお話を伺いました。

場所・人・コトをつないで多様な関係を構築する株式会社AnyWhere

AnyWhere株式会社

―本日はよろしくお願いいたします。まず、御社の沿革や事業内容を教えてください。

弊社、株式会社AnyWhereは、2020年1月に創業したベンチャー企業です。事業としては、働く場所をマッチングするプラットフォーム「TeamPlace(チームプレイス)」の運営と、コンサルティングの2つを行なっています。

TeamPlace」は、現在国内で約750ヶ所のコワーキングスペースやシェアオフィスといった、働く場を全国につなげているサービスです。

ただ場所と使いたい人をマッチングするのではなく、場所の特徴や地域のイベント、関わっている人を紹介して、場所・人・コトをつなげるのを目的にしています。

そして場所を使う機能として「TeamPlaceエリアパス」を2022年の末にローンチしまして、場所を使うきっかけ作りも今、始めているところです。

コンサルティング事業では、システム開発やEコマース体制の構築を伴走したり、コワーキングスペースの開設や場を作るお手伝いをしたりしています。

地域の魅力や運営者の人柄もフォーカスする「TeamPlace」

―「TeamPlace」を立ち上げられた経緯や背景について教えてください。

もともと日系のシステム開発会社で働いていましたが、外資系の企業に移り、マーケットプレイスのプラットフォーム立ち上げを経験しました。

そこで出品事業者のマネジメントをしていた時期があります。全国を回って、出品事業者の方からお話を聞き、マーケットプレイスでどのように売るか話していたのですが、地域の課題空き家の増加も話題になりました。

個人的に空間や建築、古民家などに興味を持っていたこともあり、活かされていない「場」を使って地域振興できないかと思うようになったんですね。それで、空間をネット上で流通させるマーケットプレイスを立ち上げました。

場所を様々な用途で使ってもらえるよう流通できましたが、場所を運営している人の面白さその地域が持つ魅力まではフォーカスできていませんでした。そういった部分を取り上げれば、もっと面白いことができるんじゃないかと思っていたんですよね。

そんななかで、シェアリングエコノミーをテーマにしたカンファレンスを開催していて、海外のプラットフォーム事業者を何社か招いたことがありました。

そこで「コワーキングスペースをユーザーが無料で使えるという」とても興味深いモデルを聞いたんです。ユーザーは場所を無料で使える対価として、自分の経験や知見をそこで還元するモデルです。非常に面白いと思い、日本でも作りたいと思って今の会社の創業につながりました。

―やはり海外のほうが、シェアリングエコノミーは盛んなのでしょうか?

そうですね、割と自然に浸透していますかね。ただ、日本もかつては近隣で醤油の貸し借りに見られるような、シェアリングエコノミーの文化があったように思います。生活スタイルが変化して、各自でものを買う時代になりましたが、遡れば実は共有・共用する文化は日本にもあったのではないでしょうか。

―地域に残る古民家や古くからの文化・技術などへの興味も、サービス開発にあたって着目されたポイントですか?

昔の暮らしや建物には興味があり、今では再現できない素晴らしい技術が使われていているものもあります。でも、活用されなくてどんどん取り壊されているのが現実です。

そういったものをうまく残しつつ、何らかの方法で伝えられたらいいなと思っています。個人的にも、そういった活動をしている団体に所属し、集落の訪問などをしています。

「人でつながる」をテーマにしたプラットフォーム作り

―「TeamPlace」のサービス内容や特徴を教えてください。

TeamPlace」は「人でつながる」をテーマに、全国で働ける場所を紹介してマッチングするサービスです。特徴としては、「サーチ」「コネクト」「コラボレーション」の3つの機能・観点があります。

サーチ」は場所を探す機能ですが、場所の紹介ページではコンセプト運営者の思い人物像など、空間だけではなくて人柄を含めて総合的に見られる仕様になっています。

コネクト」は、場や人物のつながりを可視化する仕組みです。例えば、運営者やスタッフ、利用者などのつながりを可視化すれば、場の特徴にもなります。それが、その場所に行くきっかけにもなるでしょう。

また、プロフィールページも用意していて、自分の価値観強みなどを百数十種類のタグから選んで付けられます。これまでの経歴や今後の展望、仕事のことだけではなく、人となりも感じられるページです。

コラボレーション」の観点から、その場所で行なわれるイベントの紹介や、何かをやろうとしたときの募集情報を投稿する機能もあります。投稿された情報や主催者の人物像に興味を持って、連絡を取ったり、場所を訪れたりするきっかけ作りになるのが特徴です。

このサービスは場所とその運営者さんがいないと始まらないビジネスです。現在、約750ヶ所登録いただいており、全国の方々とのつながりを作っています。

また、2022年末から「TeamPlaceエリアパス」の発行を始めました。これは地域に根ざした活動を続けられるように、利用できる地域を限定して、そこにあるコワーキングスペース数カ所を一定時間使えるサービスです。東京や関西、長崎、京都府京丹後市などのエリアで展開しています。

その地域の団体でパスを購入し、メンバー内で使ってもらって、ワーキングスペースに行くきっかけ作りにしてもらっています。


―TeamPlaceエリアパスを発行されている地域名がいくつか出てきましたが、これはどういったご縁でつながりを持たれたんですか?

これは私や弊社メンバーの今までの関係が主体で、つながりのあった自治体さんやメンバーからの紹介ですね。広告の類いはまだ出していないのですが、こうしたご縁のおかげで事業が拡大しているところです。

―実際に「TeamPlace」を活用されている事例を教えてください。

活用事例ですと、宮城県女川町にある「女川フューチャーセンター」で導入いただきました。

ここは移住相談の窓口、交流施設兼、コワーキングスペースとして色々な人が利用し、関わっていましたが、そういった情報をストック化できていませんでした。

ヒアリングシートはあったのですが散在していて、まとまりのある情報として活用できていなかったんですね。

そこで、「女川フューチャーセンター」の利用者のうち、希望する人は「TeamPlace」への登録をしてもらい、登録情報がセンターに提供される形にしています。何十名かがその場所とのつながりができて、紹介につながったという例があります。

その他でも活用いただいているのですが、イベントを開催するにあたっての告知先の一つとして弊社サービスを使っていただくケースが多いようです。

時間や場所にとらわれない働き方

―コロナ禍の影響もあり、人々の価値観や働き方に大きな変化が見られるようになりました。働く場所をつないで作っていく事業をされる側として、最近の変化はどのように感じていますか?

コロナ禍の影響でリモートワークやテレワークと呼ばれる働き方の浸透が、一気に10年分くらい加速したと感じています。12年前に外資系企業で働いていたときは、欧米諸国の人たちと一緒に仕事していて、その場に居ない人とプロジェクトを進めることも多かったです。

でも日本の企業では、実際に会って進めていく文化が当たり前で、コロナ禍をきっかけに変化しました。ただ、急速に進んだ結果、今度はコミュニケーションを取りづらい状態にも陥っています。入社してからこの3年、上司や先輩に会えない状態が続き、困っている新人の方も居るでしょう。

だから、リアルにコミュニケーションを取る機会・場所も必要ですし、それは一つである必要もないと思っています。つながれる場所を自分で選択しながら、任されている責任や役割を果たす。自分が居たい場所で、やりたいこと・やらなけれないけないことをやる。それができれば成長にもなるのではないかと思います。

―場所や時間にとらわれない働き方が広まるメリット・デメリット、それぞれの視点から考えてどのように感じておられますか?

メリットとしては、自分の裁量で働ける自由度がさらに高まると思います。求められる役割・責務を果たせれば、あとは自由にできる働き方ができるんじゃないでしょうか。

一方で、自分の役割が明確でなかったり、仕事の軸ができていなかったりすると、自由な働き方を選ぶのがそもそも難しいのはデメリットじゃないでしょうか。完全にフリーで、全部自分で選んでやっていける人は、まだまだ少ないかもしれません。

それに、絶対にどこでも働ける状態にする必要もなくて、実際に集まったほうがいいタイミングもあるでしょう。かといって、全てオフラインで進めなければいけないわけでもありません。

自分の役割を果たすにはどんな働き方をするべきか、何ができるのかを理解して取り組む、プロフェッショナリズムがより求められるようになるのではと思います。

―今後、世の中の働き方はどのように変わっていくと考えていますか?

働く場の観点としては、ハイブリッドな働き方が進み、定着する思っています。テレワークをしつつ、出社する日もある程度あって、それ以外の日は自分の裁量で場所を選べる働き方が増えるのではないでしょうか。

そのとき、どの場所を選ぶのかについて、ある程度固定する人もいれば、いくつかを回りながら仕事する人も出てくると思います。

人とのつながりとしては、自分の役割やできることが、もっといい意味でジョブ化できていくんじゃないでしょうか。

副業
も割と解禁されてきてますし、社会人の人も色んな仕事を並行してできる世の中になりました。自分にできる仕事を探すとき、経験を活かせる場所とか、募集している場所にはどういう背景があって、どんなたちが関わっているのか、そういった情報が見えてくると、より自分のやりたいこと・やれることとマッチングしやすくなります。

そこでも「TeamPlace」を使ってもらえたら面白いと思います。プロフィールページにはこれまでやってきたこと・これからやっていきたいこと、自分の価値観も書けるので、自身の振り返りにも使えます。

自分の特性や強みが何なのかを改めて確認できますし、そういう振り返りを複数人でやっても面白いんのではないでしょうか。


やりたいことを叶えるために、全部自分でできる人は限られています。ある程度はどこかに所属しながらやる人が大多数だと思うので、少しでも自分の特徴得意分野好きなものを洗い出すツールとしても使ってもらえたらと思います。

新しい出会いやつながりを通じて豊かな社会へ

―今後の展望もお聞かせいただけますか。

まず「TeamPlace」のプラットフォームとしてはフェーズ0の段階だと思っています。ゆくゆくは各自の価値観や特性、強み、訪れた場所の履歴などを情報として蓄積し、レコメンデーション機能を入れたいと思っています。

「あなたが興味を持ちそうなイベントがあります」とか、「あなたの個性を活かせる募集があります」とか、そういった情報が得られるものにしていきたいです。

また、TeamPlaceエリアパスはまだできたばかりで、地域を限定した買い切りモデルになっています。それをサブスクリプション形式にして、継続的に使える仕組みは作っていきたいです。

それから新しい働き方の支援として、2次元のバーチャル空間「SpatialChat」と提携をし、オンラインとオフラインを組み合わせた新しい働き方やコミュニケーションを提案していくことになりました。

仮想空間のなかでコミュニケーションができ、それでを企画したり、誰かとつながる場所として使っていただいたりすると面白いかなと思います。


プラットフォームを使う施設運営者の観点では、管理システムに改善の余地があると思うので、進めていきたいです。

最近では受託した案件の地域では、土地の魅力や場の可能性があるのに、知られていなかったり活動が見えていなかったり、残念に感じた部分があります。

それらをできる限り見える化して発信していくことで、地域の活性化や興味を持つ人を発見できるでしょう。
それがマッチングして、新しいつながりやチームができれば、豊かな社会になると思っています。

―今後の展開が楽しみですね。最後にマネ会読者へのメッセージをお願いします。

我々は世界中の誰もが、どこでも豊かに働きやすい社会を目指して事業を展開しています。そして、場とのつながりや行くきっかけができることで、気付きになるものと作っていきたいと思っています。

弊社が提供するサービスを利用いただき、見つけられたこと・面白いと感じた場所や連携できることがあれば、ぜひ教えていただければありがたいです。

ー本日は貴重なお話を、ありがとうございました!

株式会社AnyWhere
代表取締役

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気になるけど、なかなか話しづらい。けどとても大事な「お金」のこと。 日々の生活の中の身近な節約術から、ちょっと難しい金融知識まで、知ってて得する、為になるお金の情報を更新していきます。

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