富士山の麓で暮らしたい方必見!富士吉田市の魅力について移住担当者に聞いてみた
富士山で有名な山梨県富士吉田市(ふじよしだし)。近年、地方への移住が増えてきており、富士吉田市への移住を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、一般財団法人ふじよしだ定住促進センターで定住促進担当の渡邉 麗さんに、富士吉田市の魅力や移住についてお話を伺いました。
富士山信仰や機織りで発展した富士吉田市
―本日はよろしくお願いいたします。まずは、富士吉田市はどのような町なのでしょうか。
渡邉 麗さん(以下、渡邉):富士吉田市は山梨県内の南東部に位置しており、富士山の北麓地域と呼ばれるエリアにあります。
標高の高さでいうと650~850メートルのところに市街地がある高原都市です。スカイツリーの高さ634メートルよりも高いところにあるという話をすると、みなさん驚かれますね。
富士山信仰や機織り(はたおり)産業の町として栄えてきた歴史や文化が強いです。
―富士山信仰とはなんでしょうか。
渡邉:富士山信仰について簡単にご説明させていただくと、もともと山自体が神聖なものとして日本では考えられているみたいで、山岳信仰というものがあります。
富士山はその中でも日本一高くそびえていることもあり、特に神聖なものとして考えられていたみたいです。江戸時代は江戸の庶民が「講(こう)」というグループを組んで、江戸から富士山まで登りにくるという文化がありました。
富士吉田は山麓での巡礼や水行などの修行がおこなわれていた場所でした。その歴史があるため、今でも人を受け入れたり、困っている人を助けたりする考え方が強いのではないかなと思います。
―例えばどのような点が今にも通じているのでしょうか。
渡邉:移住者の例でいうと、大きい荷物とかスーツケース持って歩いていると、街の人が「車乗っていく?」と話しかけてくることがあります(笑)。
定住促進センターに来られた移住の相談者の方たちもびっくりしたと話していました。
外の人を受け入れたり、困ってる人に手を差し伸べたり、ちょっとお節介的なところもあると思うのですが、そういう人たちが多い街だと思っています。
―人が温かい街なんですね!機織り(はたおり)の歴史もあるとお話されていましたが、どういう歴史があるのでしょうか。
渡邉:機織りは平安時代から始まっており、1,000年以上の歴史があるといわれています。
江戸時代は派手なものを着てはいけない決まりがあったみたいなのですが、着物の裏地を派手にして粋なオシャレを楽しんでいたようです。その裏地に使われていたのが、富士吉田市とか山梨県内で織られている甲斐絹(かいき)という生地でした。
その後、機織り産業がかなり落ち込むのですが、第二次世界大戦後、再び機織り産業が発展しました。
このあたりの地域では「ガチャマン時代」と呼ばれる時代です。機織り機は「ガチャガチャ」と音を立てながら織られるんですけど、ガチャっと織られるごとに、1万円儲かるくらい栄えていました。
―いまでも機織り産業は栄えているのでしょうか。
渡邉:今は海外の安い生地が出回ってきているので、かなり厳しいという話を聞いています。
ただ、その中でもみなさんかなり工夫をされていて、2代目、3代目の方たちが自社でブランドを立ち上げており、再び盛んになってきているのかなという印象があります。
―そうなんですね!うどんも有名と聞いたことがあるのですが、富士山信仰や機織り産業と関連はあるのでしょうか。
渡邉:ガチャマン時代に発展した西裏という富士吉田市内のエリアがあるのですが、女性が機を織って、男性が食事を作る文化がありました。
その時に男性がうどんを作っていたことから、今でも富士吉田市ってうどんが有名です。男性が作っていたことからかなりコシのあるうどんで、日本一硬いうどんといわれています。
―今でも町の方はよくうどんを食べられるのでしょうか。
渡邉:お昼に食べに行きますね。いっぱい400円とか500円くらいで食べれるので富士吉田のファストフードとしてみなさん食べられてますよ!(笑)
富士吉田市はチャレンジしたい人をサポートしていきたい
―ここからは富士吉田市の移住についてのお話をお聞きできればと思います。今までどれくらいの方が移住してきたのでしょうか。
渡邉:定住促進センターが平成27年度から開設されているので、それ以降の数字になるんですけど、平成27年度14組18名、平成28年度8組9名、平成29年度8組14名、平成30年度8組11名、平成31年令和元年度12組16名、令和2年度1月時点では8組13名の方が移住してきてくれています。
平均的に毎年10組前後くらいですね。ただ、正確なデータではないのですが、あくまで定住促進センターが移住に関わった方の数字になります。
ーコロナによるテレワークの推進によって移住の相談は増えたのでしょうか。
渡邉:数値的にはあまり変わっていないのですが、現実的な相談が増えたなという印象があります。これまでは、「移住してみたいです」、「移住に憧れています」っていうぼんやりした相談が多かったんですけど、今年度に関しては「家を探したい」、「家族で住むにはどういう形がいいのか」とか、具体的な相談内容が増えてきています。
ーそうなんですね。どのような方々が富士吉田市に移住してくることが多いのでしょうか。
渡邉:本当にさまざまなのですが、2,30代の方が多い印象ですね。
リタイア世代と呼ばれる60歳を超えた方々からも、「富士山の麓で暮らしたい」という相談を受けるんですけど、冬の寒さや雪が降ったときの心配で踏み切れない方が多い印象です。
センターを通じて移住してきた人の中には、やりたいことがあって移住してきてくれる方が多く、「宿を経営をしたい」、「飲食店を経営したい」、「機織り産業に携わりたい」という方は多いですね。あとは富士山の麓なのでトレイルランナーの方も多いです。
ー明確な目的があって移住してくる方が多いのですね。逆にこういった方々には向いていないというのはあるんでしょうか。
渡邉:田舎への憧れが強い人は向いていないと思います。
移住の相談を受けるときに、住む場所についての問い合わせが多く、移住っていうと古民家、いわゆる平屋の大きな一軒家を想像する方が多いんですよね。しかしそういう物件ってそもそも富士吉田市内にないんですよね。
富士吉田市は都会ではないんですけど、そこまで田舎すぎるわけではありません。なので、そういう物件に憧れてくるような方々の期待には応えられないかなと思います。
何かチャレンジしてみたいことがあるとか、この土地を選ぶ理由がある人に関しては、定住促進センターとしてもサポートしていきたいなっていう思いがあるので、そういうところから話していきながら移住の目的を見つけていけるといいのかなと思っています。
2拠点暮らしの方への手当も充実している富士吉田市
ー移住のサポートとしてはどのようなものがあるのでしょうか。
渡邉:住居のサポートとしては空き家バンク制度がありまして、空き家バンクに登録されている物件に関しては、家賃支援と空き家改修の補助に対して市が奨励金を出します。
あとは遠距離通勤支援やテレワーク支援を出しているのは珍しいのではないかなと思います。コロナの影響で2拠点とか多拠点で移住を検討される方が増えてきていまして、そういった方々に対して、遠距離通勤支援やテレワーク支援の手当を毎月1万円出しています。
ー遠距離通勤支援やテレワーク支援については初めて聞きました。奨励金以外でもサポートしてくれることはあるのでしょうか。
渡邉:人と人をつなぐという部分に関してのサポートをしており、富士吉田市を知らない人がそこでお店を始めようとしているので、業者さんやご近所の方を紹介をしています。
今後は、移住者コミニュティみたいなものを作って、移住してきてくれた方が孤独になったり、友達がいなくて寂しくなったりしないようにしていきたいですね。
ーたくさんのお話を聞かせていただきありがとございました。最後に富士吉田市への移住を検討している方へメッセージをお願いします。
渡邉:移住を検討している場合は富士吉田市に定期的に遊びに来るところからスタートしてほしいと思っています。
その環境に慣れたり、色んな人と出会ったりする中で、移住する目的を明確になったり、移住したい思いが強くなったりしたほうがいいなと思うので、まず定期的に遊びに来るところから始めてみてほしいです。
そういう経験があると、この街での暮らしが数十倍楽しくなると思います。
また、当たり前のことなんですけど、移住ってお金がかかることです。
移住すると思っていたよりもお金がかからないというイメージを持っている方は多いんですけど、移住すれば生活水準は下がると思うのですが、収入もきっと減ると思います。生活にはそれなりのお金がかかってくるので、生活が裕福になるわけではありません。
心が満たされるとか、精神的に癒やされるとか、お金に変えられない価値があると思うので、そういう面で移住を検討してもらえればいいかなと思います。
―本日はありがとうございました!
ふじよしだ定住促進センター 定住促進担当
2019年に株式会社サイバーエージェントに入社。 クレジットカード、キャッシュレス、カードローンの記事作成を担当。 愛用クレジットカードは楽天ゴールドカードでネットショッピングでは楽天市場を利用するようにしている。楽天ペイ、楽天Edyも使っており、楽天のダイヤモンド会員を維持している。最近はスマホを楽天モバイルに変えるか悩んでいる。 ヤフーカードやPayPay、Kyashなども利用しており、お得にポイントを貯めることが趣味。