全国有数のフルーツ生産地!北海道余市町のふるさと納税返礼品についてインタビュー
フルーツの一大産地として知られている北海道余市町。近年は果樹栽培に適した風土を活かしてワイン用のぶどうを育てて醸造する、ワインの産地としても注目されています。
今回は、余市町の人気のふるさと納税返礼品や寄附金の使い道などについて、余市町役場政策推進課の糠塚英司さん、髙橋朋子さんにお話を伺いました。
豊かな海や畑で育まれた特産品が揃う余市町
―本日はよろしくお願いします。まずは、余市町の自然の特徴やアクセスについて教えてください。
余市町は北海道の西側、積丹半島の付け根に位置していて、海と山に囲まれた豊かな自然を有しています。人口は約17,000人の小さなまちです。車では札幌から高速道路で1時間以内、スノーリゾートで有名なニセコからも1時間程度の好立地です。
―特産品や観光名所についてご紹介いただけますか?
果物の栽培が盛んで、りんご、ぶどう、なしは全道一の生産量です。
また、海の幸も豊富です。日本海に面しており、北海道屈指の漁場となっています。エビ、ウニ、カレイ、最近は牡蠣やムール貝の養殖も盛んに行われています。
近年とても勢いがあるのが、ワインです。町内には現在19のワイナリーとヴィンヤードが50くらいあります。余市町は北海道で初めてワイン特区の認定を受けました。
観光で人気があるのは夏の時期です。海水浴客や果物狩りで賑わいます。
以前ドラマの舞台になったということで、ニッカウヰスキー余市蒸溜所の見学には、今でも多くの観光客が訪れます。
また、町内にはかつて栄えたニシン漁に関わる文化施設である「旧余市福原漁場」や「旧下ヨイチ運上家」、続縄文期の遺跡である「フゴッペ洞窟」などがあります。
フゴッペ洞窟は、800を超える岩壁彫刻が残されている貴重な史跡です。年間10,000人を超える観光客の方が訪れます。大きな国道に面しているためアクセスがよく、気軽に見ていただける施設なのでおすすめです。
―町の歴史について教えていただけますか?
余市町は、江戸時代にニシンの中心的漁場として発展し町の基礎を築きました。明治時代には恵まれた気候風土のおかげで日本で初めて民間でのりんご栽培に成功し、そこから果樹栽培が広がりました。40年ほど前からはワイン用ぶどうの栽培も始まり、それ以来、道内外に高品質なワイン用ぶどうが出荷されています。
2011年に道内で初めてワイン特区として認定されてからは、自らワイン生産を手掛けるワイナリーも増え続けており、現在、飲食・宿泊・観光も含めたワイン産業の振興を推し進めています。
北のフルーツ王国で生産される種類豊富な果物
―余市町のふるさと納税について伺います。どのような返礼品が人気ですか?
フルーツは大変人気があります。さくらんぼ、ブルーベリー、プルーン、りんご、ぶどうなど、季節ごとに旬のフルーツをお届けしています。
濃厚な旨味を感じられるウニ
―他にはどのような返礼品が人気ですか?
夏季限定の「塩水ウニ」が人気です。こちらのウニは、折に入っておらず、ミョウバンを極力使わずに塩水に浸けています。余市町は塩水ウニ発祥の地と言われています。
また、通年で取り扱っているウニもあります。冷凍保存が可能な「福雲丹」という商品です。独自の技術により冷凍で保存ができます。一般的にウニは冷凍すると味が落ちてしまいますが、こちらは特別な製法でつくられているため風味を損ないません。
生産地ならではの貴重な生のプルーン
―ご担当者様のおすすめの返礼品はありますか?
余市町のプルーンをぜひみなさんに食べていただきたいです。
プルーンはドライフルーツとして口にすることが多いと思いますが、余市町の返礼品では生のプルーンを扱っています。北海道はプルーンの生産量が全国第2位です。そのほとんどを余市町と隣町で占めています。
完熟して皮にシワが入り始めたら冷蔵庫で冷やし、皮ごと食べてください。とても甘くておいしいです。道外だと市場にはなかなか出回らないかと思いますので、この機会にぜひ味わっていただきたいです。
良質で希少な余市産のワインが手に入る可能性も
町を代表する特産品のワインもおすすめです。
余市町は北海道の中では比較的温暖な気候です。冬は雪がとても多いですが、内陸部に比べたら極寒というわけではなく、夏もそれほど暑くはなりません。
この気候は、ワインの産地として有名なフランスのブルゴーニュに似ていることもあり、欧州系のワイン用品種の栽培に適しています。余市町では国際的に人気の高いワイン用ぶどう品種への補助を手厚くするなど、海外マーケットを意識した取り組みも行っています。
ふるさと納税では、毎年年末に行う「余市町感謝祭」という期間限定のイベントで、希少なワインを提供しています。余市町には家族経営のワイナリーさんが多く、なかなか通常時から返礼品として提供できないという声もあり、期間限定で開催している状況です。
赤や白はもちろんですが、オレンジ、ロゼなどバラエティーに富んだワインを扱っています。ワイナリーさんごとにいろいろな特色があります。通常は町民でも手に入れられないことが多いのですが、そのようなレアなワインが感謝祭では手に入る可能性があります。
毎年、数日間で大変多くの寄附をいただいています。開始と同時にお申し込みが集中するようなイベントです。なくなり次第終了となりますので、ご興味がある方はお早めにお申し込みいただければと思います。
毎年10月上旬くらいにイベントの開催日程を決定しています。最新情報はHPなどで発信していきますので、楽しみにしていてください。
「何でもある」のが余市町の魅力
―寄附をされた方からの感想をお聞かせいただけますか?
余市町のふるさと納税は、寄附をしていただく返礼品がひとつのものに集中していないのが大きな特徴だと思います。寄附金額上位の自治体さんは、おおむねひとつの産品で、寄附額の50%を超えるような状況です。余市町の場合は、ひとつの返礼品で多くても5%ほどのシェアで、全体的に寄附をいただいています。この数字からもわかるように、海の幸も山の幸もお酒も、何でもあるまちだと思っています。
レビューでも「余市のウニは濃厚で本当においしかった」「珍しいワインを手に入れられてよかった」など、返礼品それぞれにうれしいお言葉をいただいています。
また、「頑張ってください」という余市町や生産者さんへの応援の声も多くいただきます。これは、いつも生産者のみなさんが返礼品をよい状態でお届けしてくださっているからだと感じています。
まちの未来につながる事業に寄附金を活用
―ふるさと納税寄附金の使い道を教えてください。
新しく始めた事業では、保育料の無償化、学校給食費の無償化、子どもの医療費の無償化などがあります。
余市町では寄附金の使い道について、「未来のために」という基本方針があります。単純に補填的な形で使うのではなく、新しい投資のようなもの、子どもたちや定住、未来のためになるような事業に使わせていただいています。
クラウドファンディング型ふるさと納税「余市町ふるさと納税3.0事業」がスタート
―今後の目標や計画などがありましたらお聞かせください。
2024年度から、クラウドファンディング型ふるさと納税「余市町ふるさと納税3.0事業」が始まりました。資金を調達したい人がプロジェクトを立ち上げて、それに賛同された方に応援していただく取り組みです。事業を始めたい方と応援する方をつないで、余市町をより盛り上げていけるようなお手伝いができたらと思っています。
自治体が事業を決めて行うクラウドファンディングではなく、事業者さんがプロジェクトを考え、採用されたものに対して補助金を交付します。新たな雇用創出の機会にもなればと考えています。
―最後に、マネ会読者へメッセージをお願いします。
余市町の返礼品を見ていただけましたら、品質がよく、いかにお得なものであるかがおわかりいただけるかと思いますので、ぜひふるさと納税で余市町を選んでいただきたいです。
余市町はいただいた寄附金で精一杯まちの施策を進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
―本日は、貴重なお話をありがとうございました!
北海道余市町役場 政策推進課
北海道余市町役場 政策推進課
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