地域の皆さんと力を合わせて取り組む、三重県多気町のふるさと納税返礼品とは?ご担当者にインタビュー
食べ物が豊富な三重県多気町は、松阪牛や前川次郎柿などの特産品を楽しめる町です。地元の高校生がクラブ活動の一環として運営している「高校生レストラン」では、おいしい料理だけでなく、将来料理人を目指す高校生が一生懸命取り組む姿を見ることができます。
今回は三重県多気町役場の青木和之さんに、ふるさと納税に対する思いやふるさと納税返礼品を紹介いただきました。
食べ物が豊富な三重県多気町
ー本日はよろしくお願いします。まずは多気町の特徴やおすすめの観光スポットについて教えてください。
多気町は三重県の真ん中に位置している、人口が1万4千人ほどの小さな町です。「多気町」という漢字は、「気が多い町」と書きますが、「気」という漢字には「命」という意味があるそうです。そのため、多くの命が育まれる場所として、命を支える食べ物が豊富に取れる場所と言われてきました。
特産品には、多気町でしか取れない伊勢芋や前川次郎柿がありますが、これらを生産している農家さんが運営しているレストランがあったり、全国で初めて高校生がクラブ活動の一環でレストランを運営している高校生レストランがあったりと、食の面で楽しんでいただける町だと思います。
さっぱりとした旨みを楽しめる松阪牛
ーありがとうございます。食文化が栄えている多気町ですが、ふるさと納税の返礼品にはどのような商品があるのでしょうか。
先ほどもお伝えしたように、食に関する商品が豊富です。なかでも全体の6割を占める人気の返礼品は、松阪牛のステーキや焼き肉用スライス肉などの牛肉に関する返礼品です。
返礼品提供事業者の一部は、東海三県で初めて「JGAP家畜・畜産物」の認証を取得、そして三重県で初めて「農場HACCP認証農場」の認証を取得しているので、安心して食べていただけます。
赤身ステーキは高タンパク・低カロリーのため脂は少なめで食べやすいですが、噛めば噛むほど肉の旨みを感じていただける商品です。
高校生レストラン「まごの店」
ー先ほど、多気町では魅力的なレストランが多くあると伺いましたが、レストランを楽しめる返礼品もあるのでしょうか?
高校生レストラン「まごの店」の食事券があります。三重県立相可高校調理クラブの生徒が一生懸命料理する姿や、おいしい料理を楽しんでいただけると嬉しいです。普段は予約を承っていない高校生レストランですが、ふるさと納税の返礼品に限り予約を承っております。
食事券だけでなく、まごの店で作られた「松阪牛のローストビーフ」の返礼品もありますので、直接行けないという方にはおすすめの商品です。ソースには、相可高校生産経済科が開発したバジルソースと、相可高校食物調理科が開発した和風照り焼きソースをお楽しみいただけます。
完全甘柿の前川次郎
ー特産品には果物もありましたが、ふるさと納税返礼品にもあるのでしょうか?
秋の季節には「前川次郎」がおすすめです。種なしのため食べやすく、シャキシャキとした食感と強い甘味をお楽しみいただけます。
なかには傷がついてしまい、出荷できない柿も相当数出てしまうことを問題視していましたが、「その問題をなんとかしたい」と地域の中学生たちの思いが、多くの方々を動かし、「柿シベリア」というお菓子ができました。
傷のついた柿をペースト状にして、カステラ生地で挟んだ「柿シベリア」のレシピは相可高等学校食物調理科が考案し、パッケージは多気中学校の3年生がデザインして完成した商品です。
町内の事業者と力を合わせて取り組む
ーふるさと納税の取り組みを進めるなかで、苦労されたことはありますか?
多気町のふるさと納税は少ない人数で進めているので、寄附者の方を増やすためにサイトを増やしたり、新しい商品を見つけたりと、手間や時間がかかってしまうのが大変ではありますが、それほど苦労だとは感じていません。
そもそも「ふるさと納税」という制度を通して、地域の取り組みや地域の事業者さんが作る商品を発信できれば本意だと考えているので、魅力的な商品であれば、たとえ10セットしか作れない事業者さんであっても、ふるさと納税の返礼品として採用させていただいてきました。
足を運んで直接事業者さんとお話したうえで掲載しているので、「多気町が一丸となって故郷を盛り上げよう」「町を盛り上げよう」という気持ちに賛同してくださった方々です。
寄附者の方から、商品や発送方法についてご意見を頂戴することもありますが、そういった言葉は本当にありがたいと思っています。寄附者からいただく言葉を町としてしっかり受け止め、真摯に対応し、より良い取り組みを目指していきます。
寄附金を活用して動物園を再生
ーふるさと納税の寄附金はどのようなことに使われているのでしょうか。
子どもや産業に関することなど、6つの使い道を寄附者の方に選んでいただいておりますが、1番多いのは子育てに関することですね。寄附金を活用して、一昨年は町の大きな公園に遊具を設置させていただきました。
去年からは「町内の動物園を再生させる」という寄附項目も増えました。観光客の拠点となるだけでなく、命の大切さや生物の多様性を発信する役割としても動物園は大切な施設だと思いますので、寄附金を活用させていただきながら、30年以上経った動物園を再生していきたいと考えています。
ー読者の方に向けて、メッセージをお願いします。
多気町は小さな町ですが、寄附者の皆さんからいただく寄附金を有効に活用させていただき、より良い町にしていきたいと思っています。町の取り組みを知っていただいて、長くお付き合いいただける方と繋がりを作っていけたら嬉しいです。
多気町の人口は約1万4千人ですが、町外に「町の人口以上の関係人口となってくれる方が増えたら」と思っています。みなさんに応援してもらえる町になれるよう、これからも取り組んでいきますので、興味を持っていただいた方には町にも来ていただけると嬉しいです。
―本日はお話いただき、ありがとうございました。
三重県多気町役場 企画調整課 商工観光係
気になるけど、なかなか話しづらい。けどとても大事な「お金」のこと。 日々の生活の中の身近な節約術から、ちょっと難しい金融知識まで、知ってて得する、為になるお金の情報を更新していきます。