こだわりのトマトやスーツ仕立券、無人島体験!長崎県西海市のふるさと納税返礼品を取材
長崎県の西彼杵半島にある西海市は、大村湾の内海と五島灘の外海に囲まれており、ポルトガルとの貿易港となった歴史を持つまちです。
ブランド戦略に力を入れている同市にはみかん、大島トマト、西海ポークなど、魅力的な特産品が多数あります。
今回は西海市役所ふるさと資源推進課の百岳(ひゃくたけ)さんと岩永さんに、西海市のおすすめスポットやふるさと納税の人気返礼品についてお話を伺いました。
自然がもたらす美しい景観と特産品。長崎県西海市の魅力
―本日はよろしくお願いします。まず、西海市の特色を教えてください。
百岳さん:西海市は長崎県の西彼杵半島北部に位置し、東側は大村湾の内海、西側は五島灘の外海に囲まれています。かつては炭鉱の町として栄え、キリシタン大名である大村純忠がポルトガルとの貿易港を開港した地域です。
現在は長崎県の2大都市である長崎市と佐世保市のちょうど中間に位置しています。
―西海市の特産品はどのようなものがありますか?
百岳さん:西海市では、豊かな自然がもたらす恵み、交流によって育まれる歴史・文化、それらを活かす人々の想いによって、多くの産品が生み出されています。
その中から、厳選した産品などをぎゅぎゅっと詰め込み「ぎゅぎゅっと!西海」というプレミアムブランドを立ち上げ、18品目を選定しています。
例えばみかん、大島トマト、西海ポーク、ゆでぼし大根、シマアジなど、厳選された魅力ある特産品です。
豊かな自然と生き物、文化に触れられる西海市の名所
―西海市を訪れる方におすすめの観光名所も教えてください。
百岳さん:まず、西海市と佐世保市をつなぐ「西海橋」が国の重要文化財に指定されており、そこにある長崎県立西海橋公園も名所です。橋の下で外海と内海がつながるため、うずしおが見られます。春には桜も咲き誇る、人気スポットです。
カピバラやカバなどのさまざまな生き物と出会える動植物園「長崎バイオパーク」や、6万枚ものレコードを所蔵する「音浴(おんよく)博物館」もあります。
音浴博物館は、西海市大瀬戸町の森の中にあり、建物は廃校になった小学校の分校を修復したものです。音楽を心と体全身で味わうことができます。
約3,000万年前の海底隆起によってできた「七ツ釜鍾乳洞」も人気ですね。洞内が通年15℃前後で湧き水も流れているため、涼やかさを求めて夏は特に見学客の方が多い印象です。
―観光スポットがたくさんありますね!他にお気に入りのスポットはありますか?
百岳さん:西海市にある松島という島には、地域の方々によってつくられた「日本一小さな公園」があります。
自然木のベンチとシュロの木が1本あるだけの小さな公園ですが、水平線に沈んでいく夕日の景色はとても癒されます。この景色を楽しむために、遠方から足を運ばれる方もいらっしゃるそうです。
海の幸・山の幸を堪能できる「さいかい丼フェア」
―西海市で催されるイベントもご紹介ください。
百岳さん:毎年10月~11月ごろに開かれる「さいかい丼フェア」をご紹介します。これは西海市の新鮮な海の幸、山の幸をふんだんに使った丼をさまざまなお店が提供する食のイベントです。2023年は16店舗に参加いただきました。
丼というと海鮮丼をイメージする方が多いかもしれませんが、「さいかい丼フェア」には人気のお菓子屋さんによるスイーツ丼もあるんですよ。
また、11月の上旬は「ぎゅぎゅっと!西海フェス」というイベントも開催しています。西海市の食やステージイベントなどが楽しめるお祭りです。
高級スーツ仕立券と大島トマトが人気。こだわりのふるさと納税返礼品
ー西海市のふるさと納税について伺います。まず、人気の返礼品から教えていただけますか?
岩永さん:人気の返礼品はいくつかありますが、まず明治38年創業で名古屋に本社を構える「御幸毛織」の高級オーダーフォーマルスーツお仕立券があります。
西海市にある直営工場「ミユキソーイング」で入念に縫製されるスーツです。ご自身用のみでなく、内定祝い・入社祝いとしてお子さんやお孫さんへのプレゼントにもぴったりの返礼品だと思います。
百岳さん:食品で一番人気があるのは長崎和牛で、特にヒレ肉が人気です。「地養卵」という、黄身がつかめる卵のお申し込みも増えています。
地養卵は地養素という純天然の特殊飼料で育てられた鶏が生む卵で、栄養価が高く、コレステロールは一般の卵よりも少ないという特徴があります。
他にはみかん、大島トマトもリピーターが多いですね。
―大島トマトとは、どのようなトマトでしょうか?
岩永さん:大島トマトは、西海市大島町にある大島造船所の農産部門で生産されていて、甘みが強く、酸味もしっかりしたトマトです。
同社は海のミネラルが豊富な大島町独自の土壌環境を活かすため、発酵有機肥料を使い、微生物農法による土壌づくりにこだわっています。
これにより環境負荷を軽減しつつ、植物の免疫力を高め、糖分・旨み成分・ビタミンなどを80~100gの小さなトマトに濃縮しています。
一般的なトマトは糖度4~6度ほどですが、大島トマト農園は独自の糖度基準で、糖度8度以上のトマトだけを「大島トマト」として出荷しています。
百岳さん:通常、トマトは内部に空洞や気泡などを含むので水に浮きますが、「大島トマト」は、果実が締まっているため空洞がほとんどなく、水に沈むくらいずっしりしているのも特徴です。
岩永さん:返礼品に対するご感想の中では、大島トマトに関するお声を多くいただいています。例えば過去には「こんなに美味しいトマトは初めてです」「しっかりした固さで、甘みと酸味が濃厚です」といったメッセージをいただきました。
ギフトにもぴったり!植物由来の焼き菓子「やさいのカリカリ」
ー他に、西海市ならではの返礼品はどんなものがありますか?
百岳さん:村の菓子工房というお店が作っていらっしゃる「やさいのカリカリ」というお菓子がユニークな返礼品だと思います。
ごぼう、さつま芋、かぼちゃなど地元の野菜を使っていて、ノンフライ・グルテンフリー、卵・乳製品・白砂糖も不使用の誰もが安心して食べられる焼き菓子です。素朴な味ですが、噛めば噛むほど味わいがあってクセになります。
出産祝いのお返しなど、ギフト目的で購入する方もいらっしゃいますよ。
岩永さん:長崎県出身で女優の仲里依紗さんも、ご自身のYouTubeチャンネルで「やさいのカリカリ」を紹介してくださいました。その反響もあって、人気の商品になっています。
気軽に無人島キャンプができる「田島」の宿泊チケットも
ーその他、おすすめの返礼品があればご紹介ください。
岩永さん:体験型の返礼品として、大村湾に浮かぶ無人島「田島」でキャンプができる、宿泊チケットもあります。自然豊かな島を散策したり、シーカヤックで海を渡ったり、ツリーハウスを楽しんだりと、無人島でさまざまなアクティビティを楽しめるチケットです。
五右衛門風呂やドラム缶風呂を湯沸かしから体験したり、釣りもできたりと、自然の中で過ごす時間を思い切り楽しめます。
あらゆる面で「選ばれる」地域を目指して。人口減対策や自治体DXに注力
一西海市では、ふるさと納税で集まった寄附金をどのように活用されていますか?
岩永さん:当市へのふるさと納税では、寄附金の使い道を3種類からお選びいただけます。1つ目は「生涯にわたり活躍できるひとづくり」という項目で、子育て支援・教育環境の充実に関する事業です。
活用例としては、子どもたちに魚の魅力を伝え、漁師の仕事を知ってもらう水産教室の運営があります。
2つ目は「さいかいで活躍できるしごとづくり」という項目で、寄附金を産業振興に関する事業に活用させていただいています。
過去の具体例としては、大阪の梅田駅で開催された物産展への出展に活用させていただきました。
3つ目は「市長におまかせ」の項目で、西海市の発展に寄与するその他の事業に活用させていただいています。
ー西海市のふるさと納税や今後のまちづくりについて、展望をお聞かせください。
岩永さん:2023年は、ふるさと納税を通じて9億7,000万円のご寄附をいただきました。今後は寄附金額10億円を目指しており、新しい返礼品の開拓やレビューキャンペーンに力を入れ、リピーター獲得につなげていけたらと考えています。
百岳さん:当市は「活躍のまちさいかい」という将来像を掲げており、起業、就職、進学、観光などあらゆる面で選ばれる地域となるよう、移住・定住促進や自治体DXの推進などの取り組みなどを実施しています。
特に「ゼロカーボンシティ」の実現に向けて、再生可能エネルギーの導入促進に力を入れているところです。
―最後に、マネ会読者の皆さんへメッセージをお願いします。
岩永さん:西海市は甘くて美味しいみかんやトマト、高級オーダースーツのお仕立て券など、様々な魅力ある返礼品を取りそろえております。
交通の便は決して良くはありませんが、それゆえに手つかずの自然があふれており、美しい海や山間から楽しめる絶景はこのまちの宝物です。
ふるさと納税を通じて西海市の魅力を感じ、ぜひ遊びに来ていただければと思っています。
百岳さん:当市は過疎地域で、生活など不便なイメージがあると思いますが、豊富な農水産資源や観光資源など、それを補って余りある魅力にあふれたまちです。今後も魅力発信に力を入れていきますので、ぜひご注目ください。
―本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!
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