良質な海の幸、山の幸がたくさん!北海道留萌市のふるさと納税返礼品についてインタビュー
北海道の北西部に位置する留萌市は、海と山に囲まれた豊かな自然が魅力です。かつて栄えていたニシン漁とともに発展した歴史があり、今では日本一の生産量である塩数の子をはじめとした水産加工業が盛んな港まちとして知られています。
今回は、留萌市の人気のふるさと納税返礼品や寄附金の使い道などについて、留萌市役所ふるさと納税課の加藤尚規さんにお話を伺いました。
「塩数の子」加工生産量日本一を誇る留萌市
―本日はよろしくお願いします。まずは、留萌市について教えていただけますか?
留萌市は、西は日本海が広がっていて、南北には暑寒別天売焼尻国定公園が連なっており、海と山の豊かな自然に囲まれた留萌振興局の中心都市です。留萌港は国の重要港湾に位置づけられております。
以前はJR留萌本線が走っておりましたが、2023年3月に惜しまれつつ廃線となったため、現在の主な移動手段は、バスか自家用車となっています。留萌市へは、バスで札幌から約3時間、旭川から約2時間でアクセス可能です。
―観光名所や特産品についてご紹介いただけますか?
日本海に面しているので、落陽が非常に美しく見えます。「黄金岬」は、日本の夕陽百選にも選ばれています。
昔、夕陽に照らされたニシンの群れが、まるで黄金を散りばめたかのように光っていたことから、黄金岬と呼ばれるようになったと言われています。
ごつごつとした形の奇岩がいくつも並び、日本海の荒波が押し寄せます。その向こうに沈む夕陽を眺めることができる独特な景観の海岸です。黄金岬では年間を通して夕陽が楽しめますが、冬は「気嵐」という珍しい現象を見ることができます。朝に海水の温度が空気の温度よりも高くなると湯気のように霧が出ます。これが見られたときは、朝日が非常に美しいです。
特産品は、数の子が有名です。留萌市は、日本一の塩数の子の加工生産量を誇っております。かつて日本海側で大量に漁獲されていましたが、乱獲や海洋変化の影響によって1950年代中頃からニシンが一切獲れなくなってしまいました。それまでも留萌市の水産加工会社は、ニシンや卵の加工で技術を培ってきたということもあり、ニシンが獲れなくなった以降も原料を海外に求め、引き続き数の子を生産し続け、今日に至ります。
また、北海道のブランド米として有名な「ゆめぴりか」を留萌市でも生産しております。留萌市産のお米は、良質で低タンパクという特徴があります。
留萌市は、海と山の距離がとても近く、川が多く存在しています。その川にミネラルを含んだ雪解けの伏流水が流れて良質な土壌を育んでいます。昼と夜の寒暖差が大きいため、低タンパク米が生産される割合が非常に高くなります。一般的にタンパク質の割合が低いお米は、甘いお米と言われています。
留萌市を代表する数の子は、返礼品としても大人気!
―留萌市のふるさと納税について伺います。どのような返礼品が人気ですか?
特産品でもある数の子です。味付け数の子、塩数の子、どちらも人気です。留萌市では、良質な原料にこだわっています。数の子は、カナダやアラスカ産の原料が非常に良質だと言われており、基本的には留萌市内の会社さんはこちらの原料を使って加工されています。
そして、何と言っても留萌市の数の子はパリパリの食感が特徴です。「数の子は音を食すもの」という言葉もありますが、パリパリとする音がいいほど、数の子としてはいい商品だと言われています。
数の子の原料は、北海道産ではありません。北海道産の原料を使った商品もおいしいですが、国産の原料よりもさらにおいしい原料にこだわってつくっているのが留萌市の数の子です。留萌市の返礼品では、より質が高く歯応えがあってパリパリ感が味わえる海外の原料を使用しています。昔から数の子という商品を加工し続けて、そのノウハウを積み上げてきたという点が当市の特徴かと思います。バイヤーが現地に出向き、その年の出来を確かめて、買い付けをしておりますので、原料には非常に自信があります。
数の子をよく召し上がる方には、塩数の子をおすすめしております。こちらは自分で好みの味付けをしたり、料理に使えたりするので幅が広がります。
「なかなか自分では味付けが難しい」「塩抜きの方法がよくわからない」という方には、最初から味が付いている、味付け数の子の方が手軽に召し上がっていただけます。種類も様々取り揃えておりますので、ニーズにあわせて選んでいただければと思います。
―数の子はどのような食べ方がおすすめですか?
まずは、味付け数の子をそのまま食べていただきたいです。数の子本来のおいしさが味わえます。また、「数の子ふりかけ」もおすすめです。数の子をほぐしてご飯の上に散らし、のりをのせて、わさび醤油で食べます。非常においしいのでお試しください。
濃厚な旨味を感じられる「いくらの醤油漬」
―他にはどのような返礼品が人気ですか?
「鱒いくらの醤油漬」も非常に人気があります。いくらは、鱒と鮭どちらも扱っておりますが、鱒の方がお申し込みが多いです。鱒いくらは、卵が小ぶりです。粒は小さいですが皮が薄いため、口に残りにくく、さっぱりとしています。自慢のたれで味付けをした商品です。また、鮭いくらに比べて安価なため、鮭いくらよりも大容量でお届けできます。
数の子を贅沢に使用!「数の子屋こだわりの松前漬」
―ご担当者様のおすすめの返礼品はありますか?
「数の子屋こだわりの松前漬」がおすすめです。
松前漬とは、北海道の郷土料理で、数の子やスルメイカ、昆布などを醤油で漬け込んだものです。
数の子屋さんが本当に自分たちが食べたい商品をつくろうとしたのが始まりで、もともとは販売する予定ではなく、社内向けの商品でした。万人受けするものより自分たちが食べたい味を追及したそうです。どういった数の子を入れるのか、一緒に入っているイカや昆布などの具材ひとつひとつにもこだわりました。何度も試行錯誤を重ね、完成までに2年ほどかかったという商品です。
味は、北海道らしい濃いめの味付けです。ご飯もお酒も進む商品になっています。大きな数の子が入っていて、食べ応え抜群です。
―寄附をされた方からの感想をお聞かせいただけますか?
あまりなじみのない商品だからなのか、印象的な感想をたくさんいただいています。
「数の子屋のこだわりの松前漬とうたっているだけあって、数の子、昆布などそれぞれの具材が引き立っていてすごくおいしい。」「今まで食べていた松前漬の概念が変わるくらい数の子が入っていた。」「量も多すぎず、少なすぎず、冷凍で保存しやすくて非常におすすめ。」「味も塩辛くなく、小分けになっていてよかった。」「自分自身は松前漬に興味がなかったけれども、両親に送って大好評だった。リピートの際には、両親と自分用にも注文した。」「リピート確定。」といった声があり、とてもうれしいです。
留萌市の豊かな自然で育った甘味が強い「るもい米」
―特産品でもあるお米は、返礼品でも取り扱っているそうですね。
より質のいい品を求めていて、本当においしいお米を食べたいという方がいらっしゃいましたら、留萌市のお米をぜひお試しいただきたいです。
ふるさと納税では、大容量で安価なものが注目されやすいですが、お米のブランドイメージを保つために、留萌市の場合はそういった返礼品はご用意しておりません。るもい米は低タンパクで甘味が強く、ふっくらとした炊き上がりです。品質には自信があります。
観光資源の掘り起こしや卓球の教育に寄附金を活用
―ふるさと納税寄附金の使い道を教えてください。
基本的には市政運営の全般に使わせていただいています。
近年は、留萌市の豊かな自然を活かした、アウトドアアクティビティや観光資源の掘り起こしを目指して事業を進めています。
具体的には、モンベルさんのアウトドア拠点施設を建設して、サイクリングやマリンスポーツなどを通して豊かな自然とともに過ごしてもらうような空間や施設づくりを進めています。サイクリングやカヌーを試すなど、実証実験を行っている段階です。
たとえば、オロロンラインをサイクリングすると、きれいな落陽を見ながら走ることができます。地域の資源を活用し、どういった観光アクティビティがいいのか試行錯誤しています。
また、留萌市は「卓球のまち」でもあります。日本代表やプロ選手を目指す子どもたちの夢を後押しできるように、卓球の技術向上のための取り組みを行っています。VICTASさんという会社から有名な指導者を招聘し、卓球の教育に力を入れています。
留萌高校は、全国レベルの卓球の強豪校です。全国大会でベスト8に入るなど、成績も上がってきています。少しずつ取り組みが実を結んできているなと感じています。ゆくゆくはオリンピック選手が輩出されたり、Tリーグに参加できるようなチームが留萌市にできたりするとうれしいなと思います。
卓球は競技目的だけではなく、小さなお子さんからお年を召した方までみんなが楽しめるスポーツです。競技とは別に卓球に親しみを持ってもらえるよう、公民館のようなところに卓球台を置いて、健康のために運動をする場を提供しています。寄附金を活用しながら、卓球を身近に感じてもらえるような施策を進めています。
ふるさと納税を通して、留萌市と特産品の魅力を全国に届けたい
―今後の目標や計画などがありましたらお聞かせください。
留萌市は水産加工品をはじめとした商品やお米、お肉、銘菓と魅力溢れる特産品や返礼品が揃っています。ふるさと納税という制度を通して、留萌市と留萌市の特産品の魅力が全国に届けばいいなと思います。
数の子に関しては、年末年始の消費以外にも松前漬やカズチ―などの商品を通して、企業さんが日常的に召し上がっていただけるような工夫をこらしております。「数の子を日常食に」という夢を持って、これからもふるさと納税を推進していきたいと思います。
―最後に、マネ会読者へメッセージをお願いします。
ふるさと納税は寄附をしたまちを応援する制度です。最初のきっかけはどうしても返礼品が目的になってしまうとは思いますが、それをきっかけに寄附をしたまちをその他大勢のまちにしないで、まちのことを調べて、「こんなまちなんだ」と興味を持っていただけたら、この制度は非常に意義があると思います。ぜひそういった目線でもふるさと納税を楽しんでいただきたいです。
さらには現地に足を運んでいただき、実際に寄附をしたまちを感じていただきたいです。もし機会があれば、留萌市にも立ち寄っていただければ非常にうれしいです。
―本日は、貴重なお話をありがとうございました!
北海道留萌市役所 ふるさと納税課
気になるけど、なかなか話しづらい。けどとても大事な「お金」のこと。 日々の生活の中の身近な節約術から、ちょっと難しい金融知識まで、知ってて得する、為になるお金の情報を更新していきます。