日本一を受賞した「そのぎ茶」の産地!長崎県東彼杵町のふるさと納税返礼品についてインタビュー
全国的にも有名な「そのぎ茶」の産地である長崎県東彼杵町。長崎県の茶葉生産量の約6割を占めている、県内有数のお茶どころです。
また、古くから陸上・海上・空路など交通の便がよく、人と産物と情報が集まる長崎県の玄関口として知られています。
今回は、東彼杵町の人気のふるさと納税返礼品や寄附金の使い道などについて、東彼杵町役場税財政課の和田翔さんにお話を伺いました。
茶畑が広がるのどかなまち、東彼杵町
―本日はよろしくお願いします。まずは、東彼杵町について教えていただけますか?
東彼杵町は、長崎県のほぼ中央に位置しています。東北は佐賀県嬉野市に接し、南西は大村湾に面しています。人口約7,300人で、長崎県内で2番目に人口が少ないまちです。東彼杵町は、高速道路が通っており、長崎方面から佐賀方面に抜ける通り道となるため、交通の要衝となっています。
高速道路を利用して、長崎空港や長崎市内まで約30分、福岡市内まで約1時間半と主要都市へのアクセスもいい地域です。
―特産品についてご紹介いただけますか?
主要な特産品は、お茶です。西九州で一番の茶園とも呼ばれています。もともと、このあたりの地域のお茶というと、嬉野茶が有名で、そのぎ茶は嬉野茶の一部としてつくられていました。今から36年ほど前に嬉野茶から独立したブランドとして、そのぎ茶が流通するようになりました。
温暖な気候ですが、昼夜の寒暖差が大きいため、お茶の味が凝縮され、いいお茶ができると言われています。そのぎ茶は、長崎県の茶葉生産量の約8割を占めており、県を代表する特産品のひとつとなっています。
お茶の全国大会では、これまで何度も賞を獲得しています。毎年開催される全国茶品評会では、蒸し製玉緑茶部門で日本一である「農林水産大臣賞」、消費者の方々が日本一おいしいお茶を選ぶ日本茶AWARDでは最高賞である「日本茶大賞」、出品市町村の個人上位3人の合計点によって決定する「産地賞」を受賞しました。
そのぎ茶は、くるくると丸みを帯びた茶葉が特徴です。急須の中で葉がゆっくりと開くことにより、甘さが引き出され、渋味や苦味の少ないふくよかな味と香りが楽しめます。
受賞により、知名度やブランド価値が高まっていると思います。さまざまな場面で東彼杵町のそのぎ茶を知っていただく機会が増えています。
他には、みかんやいちごも生産しています。
また、くじらも有名です。江戸時代初めから明治にかけては、捕鯨が盛んに行われており、鯨肉取引の中心地として栄え、全国各地へと送られていました。その名残もあり、現在でも鯨肉が食卓や宴席に並び、広く親しまれています。
―観光スポットやイベントについて教えていただけますか?
一番大きいイベントは、5月に開催される「そのぎ茶市」です。3日間行われます。長年続いているお茶のお祭りで、町内の茶農家や製茶問屋、商店などが出店します。新茶詰め放題やお得な商品を求めて、町外からもたくさんの方が訪れます。2024年は、ありがたいことに多くのお客様にお越しいただき、前年よりも多く、3日間で29,000人ほどお越しいただきました。
また、道の駅「彼杵の荘」も多くの方が訪れるスポットです。特産品のお茶やくじらのグルメが楽しめます。そのぎ茶を使ったソフトクリームもあり、お客様から人気です。
お茶本来の味が楽しめる!そのぎ茶を使用した「茶バター」
―東彼杵町のふるさと納税について伺います。どのような返礼品が人気ですか?
一番人気があるのは、「茶バター」です。抹茶味と焙じ茶味がセットになっています。テレビなどで取り上げていただく機会も多く、話題となっています。
町内の「ちわたや」というパン屋さんが製造されています。地元のお茶を活かしたパン屋ならではの商品をつくりたいという思いから、誕生した商品です。バターですが、重くなくホイップのような食感です。優しい甘さでお茶本来の味が広がります。
定期便やジャムとセットになったものなど、種類もさまざまありますので、お好みでお選びいただけます。
職人が手打ちする切れ味抜群の「森鍛冶屋の包丁」
―他にはどのような返礼品が人気ですか?
森鍛冶屋さんがつくられている包丁も人気があります。小魚用の小さいものから、刺身包丁、文化包丁など用途にあわせてお選びいただけます。
この包丁は、職人さんが1本1本丁寧に手打ちされています。機械でつくったものとは切れ味がまったく異なります。丈夫で、使い込むほどに味が出て手になじみます。
小魚用を頼み、気に入ったので別の包丁を頼まれる方もいらっしゃるほど、一度お使いいただき、この包丁のよさを感じてくださる方が多いです。
季節限定の商品では、温州みかんや不知火(しらぬい)などの柑橘類や長崎びわなども人気です。
東彼杵町の特産品でもあるおいしい果物をぜひ一度食べていただきたいです。
手軽に日本一のお茶が堪能できる!「アルミボトル入りそのぎ茶」
―ご担当者様のおすすめの返礼品はありますか?
アルミボトル入りのそのぎ茶がおすすめです。苦味や渋みが少なく、まろやかな味わいです。アルミボトルは、ペットボトルに比べ、遮光性に優れており、酸化速度を遅らせて変色を防ぐ効果があるため、おいしさを長く楽しめます。手軽に飲めて、持ち運びにも便利です。490mlと290mlの2種類ご用意しています。
一度寄附をしていただき、おいしかったからまた飲みたいということで、繰り返し寄附をいただいているリピーターの方も多いです。あまりのおいしさに取り扱い店舗のお問い合わせもあるほどです。
町内ではコンビニや道の駅でも取り扱いがありますが、全国的にはあまり流通していません。ちなみに役場の自動販売機にもこのお茶があり、職員も飲んでいます。
この機会に、ふるさと納税を活用して味わっていただきたいです。
茶葉の取り扱いも多数!そのぎ茶の飲み比べも楽しい
お茶に関連した商品も充実していますが、もちろんそのぎ茶の茶葉も返礼品として取り扱っています。
町内のさまざまな事業者さんのお茶があるので、種類や味の違いを楽しんでいただければと思います。
未来につながる事業や子どもたちのために寄附金を活用
―ふるさと納税寄附金の使い道を教えてください。
毎年固定の取り組みにというわけではなく、さまざまな事業に活用させていただいております。
教育関連では、給食食材の購入やスポーツ振興、健康増進の目的で、九州大会や全国大会などに出場する小中学生の大会経費の助成を行いました。
また、町内の道路の修繕や整備にも活用させていただきました。
返礼品をさらに充実させ、生産者こだわりの品を全国に広めたい
―今後の目標や計画などがありましたらお聞かせください。
ふるさと納税のルール変更などもありますが、寄附額を落とすことがないように、町内でどう対応していくかが重要だと考えています。
今後も返礼品はできるだけ増やしていきたいです。現在も新しく養殖サーモンを使った返礼品を開発中です。
ただ、町内の事業者さんだけでは、どうしても金額や個数が確保できないという状況もあります。今後は、町外にいらっしゃる東彼杵町に関わる商品をつくられている事業者さんやその事業所がある他の自治体さんと協議しながら、東彼杵町でも返礼品として扱えるようにしていきたいと思っています。
どういった商品が話題になるかがわからない時代なので、さまざまな可能性を探していきたいです。茶バターは、テレビで取り上げられたことがきっかけで口コミが広がり、爆発的にお申し込み数が伸びました。
また、東彼杵町としては、長崎県の事業で工業団地の誘致なども始まっています。そういった面でも地域活性化が進んでいくのではないかと思っています。
―最後に、マネ会読者へメッセージをお願いします。
東彼杵町の生産者のみなさんはどなたも熱い方で、自分の商品に自信を持って出されております。寄附者のみなさんの期待を超えられるような返礼品を東彼杵町からお届けしたいと思っています。ちょっとした疑問や思ったことに関しては、できるだけ対応できるようにこちらも準備しております。心配せず、あまり不安にならずに寄附をしていただけると幸いです。
また、東彼杵町は大きな工場がなく、返礼品として扱える枠に限りがあります。人気の商品ですと、お時間を要してしまうことがありますので、納期はしっかりお知らせできるようにいたします。
「迷ったときには東彼杵町」という言葉をぜひ覚えておいてください。
―本日は、貴重なお話をありがとうございました!
長崎県東彼杵町役場 税財政課
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