返礼品で“趣味のもの”を受け取った、私の「ふるさと納税」体験記

返礼品で“趣味のもの”を受け取った、私の「ふるさと納税」体験記

応援したい地域に寄付ができる制度、ふるさと納税。自治体からさまざまな返礼品をもらえたり、確定申告などで税金が還付・控除されたりすることから、近年注目を集めています。

実際にふるさと納税を利用した人は、どんな返礼品を選び、どんな体験を得ることができたのでしょうか。今回は、趣味の「釣り」道具を手に入れたhachiさんと、各地域の「おいしい食べ物」を受け取ったmana-catさんに、自身の「ふるさと納税体験」をつづっていただきます。

「釣り道具」を受け取ったhachiさんの場合

hachiさん

はじめまして。5人の会社員で構成された「TEAM釣りラボ」のメンバー・hachiといいます。私は釣りが大好きで、暇さえあれば海の天気や潮見表を見ています。ふるさと納税では、趣味に関連する返礼品として「釣り道具」を受け取りました。

私が考えるふるさと納税のメリット

寄付した自治体は、福岡県行橋市。行政の施政方針や一般会計などを閲覧し、教育に注力する同市を応援する意味で、使途を「子育て」や「教育」に指定して寄付しました。ふるさと納税のメリットは、自分で自治体を選べる上に、寄付金の使途を選択できるところです。

会社が年末調整などをしてくれるため、会社員にとって節税の手段は限られてきます。そんな中、ふるさと納税は、会社員でもできる数少ない節税の枠組みです。私は、2015年ごろに先輩から「JTBギフト券20万円分をふるさと納税で手に入れた」という話を聞いて、初めてふるさと納税の存在を知りました。それ以来、私も毎年ふるさと納税を行うようになり、お米や肉、ビールなどを返礼品として受け取るようになりました。

しかし、ありがたいことに所得がだんだん高くなっていき、ふるさと納税で寄付できる上限金額が50万円程度になると、寄付額1〜3万円ほどでもらえるお米や肉を選んでいては、なかなか上限金額までたどり着きません。まとまった金額を寄付できれば……と思って探していたところ、出会ったのが電動リールでした。節税もできる上に趣味のものまで手に入れられるのは得だと思い、これしかないと即座に寄付しました。

返礼品として電動リールをゲット

沖波止や磯など、さまざまな場所で釣りをしている私。最近ではヒラマサやハタなどを釣るために、船に乗ってジギングや落とし込み釣りを行う機会が増えてきました。そこで必要になるのが、電動リールです。使い勝手が良くて値段も高過ぎず、とりわけ私が好きなシマノ製品で良いものがないかと探していました。

そんな時に、福岡県行橋市が電動リール「SHIMANO フォースマスター3000XP」を返礼品として扱っていることを知り、釣りの師匠に相談。「電動リールの入門機として1台持っておくにはちょうどいい」と教わり、寄付を決意! 寄付額は17万円でした。ちなみに、店頭やネットでは6万円弱で販売されています。

電動リール「SHIMANO フォースマスター3000XP」

電動リールを受け取った後は、すぐにPEラインという釣り糸を300m巻き、週末にはもう知人の船に乗っていました。水深80~150mまで釣り糸を垂らして青物や根魚を狙っていましたが、電動リールは疲れ知らずで本当に便利! 今までもステラやツインパワーなど上等な手巻きリールを使っていましたが、深海釣りにおける電動リールの便利さと快適さには脱帽です。これが“実質タダ”で手に入るなんて、嘘みたいな話!

ブリの画像

釣果は……90cmのブリがヒット! ここまで大きいブリは釣ったことがなかったので、とにかく感激したのを覚えています。

釣果の画像
左にあるのはキジハタという高級魚。手前にあるような大きなサイズだと、デパートで1万円ぐらいで売られている。その隣にある白い魚は、ヤズというブリの子供。その下にはカサゴ、マハタ、ウマヅラカワハギ、マゴチ、タイ、ヒラメが並んでいる。
このサイズのヒラメは、なかなか釣れない大物。

「SHIMANO フォースマスター3000XP」のパワーは前評判通りすさまじく、ギュンギュンと巻き上げることができます。この翌週には、80cmのヒラメやアラカブ、鯛などをゲット。これ以降も、毎度充実した釣果を得ています。

地域を応援しつつ趣味のアイテムを手に入れられたという満足感

リールの画像
リールの画像2

今回手に入れた「SHIMANO フォースマスター3000XP」は、素晴らしいの一言でした。実質的な費用負担は寄付金控除の2,000円のみです。

ふるさと納税は、寄附をした合計金額から2,000円を差し引いた額が翌年の住民税から差し引かれるほか、所得税が還付という形で控除されます(所得税の還付は、ワンストップ特例制度ではなく確定申告をした場合のみ)。地域を応援しながら節税しつつ、さらに趣味のアイテムを手に入れられるなんて最高です!

他にも、行橋市はさまざまな釣り道具を返礼品として用意しています。「タイラバリール 紅牙IC 100PL-RM (左ハンドル)」という水深カウンター付きのリールは、タイラバという釣り方に挑戦する場合や、水深のある沖波止などで釣りをする際におすすめです。大阪府東大阪市も、深海釣りにぴったりな電動リール「COMMAND AT-5S」を用意しています。

ふるさと納税の後は、確定申告やワンストップ特例制度の手続きを忘れずに!

ふるさと納税をした後に大事なのは、きちんと還付の手続きをすることです。

寄付する自治体が5つ以内ならば、確定申告ではなくワンストップ特例制度を選択します。6つ以上の自治体に寄付すると、ワンストップ特例制度は使えないので、確定申告するしかありません。

事前に「寄付先の自治体は5つ以内になるな」と分かっているのであれば、寄付の際に「申請書の要望」にチェックを入れると「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」が自治体から送られてきます。そこに必要事項を記入し、自治体に返送するだけで手続きは完了です。確定申告の際も、国税電子申告・納税システム(e-Tax)に入力するか、税務署へ行って書類をまとめるだけなので、手続き自体はそんなに面倒ではありません。忘れないように気をつけましょう!

「ご当地のおいしいもの」を受け取った、mana-catさんの場合

mana-catさん

こんにちは、mana-catです。私は全国のおいしいものを食べるのが好きなので、ふるさと納税では「ご当地のおいしいもの」を返礼品として受け取っています。お取り寄せ感覚で全国のグルメを楽しんでいます。

私が考えるふるさと納税のメリット

私はふるさと納税を約3年半続けており、これまでに20品ほどの返礼品を受け取りました。継続している理由としては、主に以下のようなメリットがあると感じているからです。

【1】家計がコントロールしやすくなる……ふるさと納税は、寄付をした金額に応じて所得税と住民税が還付・控除されます。自己負担額2,000円を除いた全額が対象です。翌年度の住民税を“前払い”することになるため、家計をコントロールしやすくなります。

【2】食費の節約になる……返礼品で受け取れる食材は、量が多く、食欲旺盛な子供がいる家庭でも満足できます。食費の節約にもなります。

【3】食育にぴったり……返礼品が届くと、大人だけでなく子供も喜びます。食材に対して興味を持ってくれるので、全国にはどのような特産品があるのかといった食育にもぴったりです。

これまでふるさと納税で選んだ自治体と返礼品

私がこれまでに受け取った返礼品のうち、「特に良かったおいしいもの」を厳選して紹介します。

伊勢海老の贅沢セット

まず、2015年8月に初めてのふるさと納税で受け取った、千葉県南房総市の「伊勢海老の贅沢セット」。活伊勢海老6尾、房州産さざえ10個、房州産黒あわび4枚が届き、調理方法を調べながらおいしくいただきました。滅多に買わない贅沢な食材ですし、伊勢海老を調理することはあまりないので、良い経験にもなりました。

伊勢海老のテルミドール

こちらは、クリーム系のソースをかけて味わう、伊勢海老のテルミドール。この他にも、塩焼きにしたり、絞りたてのレモンや生醤油のソースをかけたり、マヨネーズソースをかけたりと、バリエーション豊かな味わい方で楽しめました。

反省点としては、予想よりも多くの伊勢海老が届いて、冷蔵庫に全て入らず家族だけでは食べきれなかったこと。近所に住んでいる知人にもおすそ分けしました。

量が多い返礼品の場合、自治体によっては「定期便」として発送するタイミングを分けるプランも用意されています。また、複数の自治体へ寄付する際は、冷蔵庫へ収納できる量を考えて、返礼品が到着するタイミングをずらすなど工夫することをオススメします。

当時の寄付額は6万円。現在はリニューアルされて金額が変更されたようですが、千葉県南房総市は2019年3月現在も、海の幸を返礼品として多数取り扱っています。

この初めてのふるさと納税でとても良い体験ができたので、継続を決意。ただし、高額の寄付でまとまった量の返礼品を受け取ると冷蔵庫に入りきらないという前回の反省を生かして、1回の寄付額を1万円程度に抑え、保管場所に困らないサイズのものを選ぶようにしました。

佐賀県大町町の「九州産シャインマスカット 約2kg(4房程度)」

そして、2018年6月に1万円の寄付で受け取ったのが、佐賀県大町町の「九州産シャインマスカット 約2kg(4房程度)」。酸味が少なくて爽やかな味わいに加え、皮付きのまま食べられるので、子供たちの食後のデザートに最適でした。

2019年3月現在、佐賀県大町町ではシャインマスカットの取り扱いを休止していますが、他の自治体では返礼品として登録しているところがあります。

兵庫県洲本市の「淡路牛の贅沢切り落とし 1.5kg(300g×5パック)」

1万円の寄付で2018年8月に受け取った兵庫県洲本市の淡路牛の贅沢切り落とし 1.5kg(300g×5パック)」 は、上質な淡路牛で、肉質も柔らか。我が家ではすき焼きにしておいしくいただきました。みんなで鍋を囲めば、楽しい家族団らんの時間が過ごせますね。

この返礼品に限らず、お肉を受け取る場合、私は冷凍された状態で届くものを選んでいます。そのまま冷凍庫に保管しておけば、夕食の献立に困ったときでもサッと鍋料理や焼き肉などに使えるので、とても助かります。また、返礼品でお肉を選ぶと、食欲旺盛な育ち盛りの子供がいる家庭では食費の節約にもつながります

「ふるさと」を応援するために、熊本県や北海道にも寄付

名前の通り、生まれ育った故郷を応援するためにふるさと納税をすることも可能です。自治体のふるさと納税ページで寄付金の使い道について詳しく説明されているので、支援したい事業を選ぶときの参考になると思います。

私も実際に、故郷を応援する目的で寄付をしました。その際に受け取った返礼品を紹介します。

「いわみざわスィートメロン2玉」

2016年6月に受け取ったのは、北海道岩見沢市の赤肉メロンいわみざわスィートメロン2玉」で、寄付額は1万円 。岩見沢市は夫の故郷です。家族と里帰りしたときに食べたメロンがとてもおいしくて「また食べたいな」と思っていたところ、ふるさと納税の返礼品として用意されていたので選びました。

「いちご・淡雪」

そしてこちらが、2018年11月に受け取った熊本県玉名市の「いちご・淡雪」で、寄付額は1万円。熊本県は私の故郷です。あまり市場に出回らない珍しい果物で、収穫の関係上、1月~4月の限定発送になっています。

糖度が高い上に希少な白イチゴを食べた後の感動は、プライスレス。子供も喜んでおり、おやつにもちょうど良かったです。

ふるさと納税で受け取る返礼品は、食育にも良い

ふるさと納税で受け取った返礼品を通して、全国にはどのような特産品があるのか、果物の旬はいつ頃なのかを知るきっかけにもなりました。また、食育としても「おいしい返礼品」は最適だと思います。

例えば、返礼品が届くとよく観察して絵に描いて残したり、子どもと一緒に調理方法を調べて料理をすることで、苦手だった食材もだんだんと好きになって残さず食べてくれるようになりました。「おいしい返礼品」は、子ども自身が食に興味を持ってくれる良いきっかけ作りにもなりました。





地域の応援だけでなく、返礼品として趣味のアイテムを受け取ったり、届いた食材を子供の食育にもつなげたりと、さまざまな観点で取り入れることができるふるさと納税。自治体によっては幅広いジャンルの返礼品を取り扱っているので、各自治体やふるさと納税の専用サイトなどをぜひチェックしてみてください。


(※本記事の情報は2019年3月時点のものです)

妻と娘をこよなく愛する会社員。忙しい平日と釣りに没頭する土曜、この良質なオン・オフが最高のカタルシス。一日生涯を掲げ、釣月耕雲を夢見て、明日も日本経済に貢献します。

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1983年生まれ、熊本県出身のITエンジニア。二児の母で、趣味は写真とグルメ。最近はRaspberry Pi、Arduinoを使った家庭内IoTについて日々研究するIT系母ちゃんとして活躍中。著書に『OpenStack 構築手順書 Mitaka 版』(共著、インプレス)など。『改訂3版 Linuxエンジニア養成読本』(技術評論社)に寄稿。

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編集:はてな編集部