貸付型クラウドファンディング『Funvest(ファンベスト)』とは?Fintertech株式会社に聞いた
資産形成を考えていても、価格変動のリスクや商品選びの難しさから、なかなか投資に踏み出しにくいという方は多いでしょう。
しかし近年は、新しい投資商品として、共感した事業への貸付けをもとにリターンを受け取れる、「貸付型クラウドファンディング」が登場しています。
大和証券グループとクレディセゾングループの合弁会社であるFintertech株式会社では、貸付型クラウドファンディング『Funvest(ファンベスト)』を展開中です。
今回は同社ご担当者に貸付型クラウドファンディング『Funvest』について伺いました。
大和証券グループ×クレディセゾングループの連携で、新たな金融プロダクトを展開
―本日はよろしくお願いします。まず御社の沿革について教えてください。
Fintertech:私たちの社名「Fintertech(フィンターテック)」は、「Finance」「Entertainment」「Technology」の3つをあわせた造語です。
当初は大和証券グループ本社の子会社として設立され、現在は株式会社クレディセゾンとの合弁会社になりました。従業員も、ほぼ全てが両者グループから集まったメンバーです。
大和証券は総合証券業を展開していますが、当社は既存の枠組みに当てはまらない、新しい金融商品の登場を見据え、調査・研究やサービス開発のために立ち上げられた会社です。
設立当時、新しい資金調達方法としてクラウドファンディングが登場するなど、リターンのみならず、「共感」をもとに投資してもらう金融商品が注目されていました。
私たちはこのような投資を『We-vestment』と呼び、カンパニースローガンとしています。
そこで、出資された方へのリターンを中心とした資金調達ではなく、「共感」や「直感」をもとに投資してもらう金融商品を扱うことにしたのです。
近時では、ブロックチェーン技術を活用したデジタルアセット(資産価値のある電子データ)と、関連する『WEB3.0』と呼ばれる分野に注目しています。
今年(2023年)4月に代表となった相原はブロックチェーン・『WEB3.0』分野のエキスパートですので、この領域への取り組みは今後ますます強化していくことになると思います。
―ありがとうございます。事業内容について詳しく教えてください。
Fintertech:現在展開している事業は大きく4つです。『デジタルアセット担保ローン』、『KASSAI』、『不動産投資プライムローン』、そして貸付型クラウドファンディング『Funvest(ファンベスト)』で、この順番で立ち上げてきました。
『デジタルアセット担保ローン』は一番ブロックチェーンに近い分野の事業で、暗号資産を担保に日本円をお貸しするサービスを提供しています。
事業内容としては貸金業ですが、ビットコインやイーサリアムといった暗号資産を担保として受け入れており、日本では現在数社しか行っていない、レアなサービスです。
『KASSAI』はいわゆる「投げ銭」の仕組みを提供するサービスで、オーケストラやスポーツチーム、高校野球チーム等に、応援金を集めるための仕組みとして活用いただいています。まさに共感投資に直結する内容です。
『不動産投資プライムローン』は、株式会社クレディセゾンとの連携により生まれたプロダクトで、主に大和証券グループの顧客を対象とする不動産担保ローンです。
そして今回ご紹介するのが貸付型クラウドファンディング『Funvest』です。
貸付型クラウドファンディング『Funvest』とは?
―『Funvest』立ち上げの経緯を教えてください。
Fintertech:『Funvest』は、投資家の皆様が、国内外に貸付けを行う運営会社(Fintertech株式会社)が組成するファンドに投資し、分配金を受け取るという仕組み=『貸付型クラウドファンディング』です。
『Funvest』は「Fun(楽しい)」と「Invest(投資)」を組み合わせた造語となっています。
個人を中心とした投資家の皆様に、手軽に投資していただける金融商品を目指しており、2021年11月にスタートし、同年12月に最初の案件募集を行いました。
将来的には、ブロックチェーンにより、デジタルアセットが身近になり、投資持分がデジタルアセットとして流通することが考えられます。
そのイメージに最も近く、実現可能なビジネスとして、貸付型クラウドファンディングを選択したのです。
サービス開始当時、すでに複数の企業が「ソーシャルレンディング」として同様のサービスを立ち上げていましたが、一部のサービスでは、集められた資金が正しく運用されないといった不祥事も起きていました。
投資家から見ると、運営会社の安心感に注目が集まっていた時期でもあり、大手金融機関が母体となっている私たちがサービスを運営すれば安心して投資していただけると考え、『Funvest』を新事業として開始しました。
―クラウドファンディングには応援したい人や企業を支援してリターンを受け取るイメージがあります。貸付型の『Funvest』はどのように違うのでしょうか?
Fintertech:投資家の皆様が、出資金に対するリターンを商品やサービスではなく、貸し付けた元本と利息に基づく分配金として受け取る点が異なります。
私たちが国内外の企業へ資金を貸し付け、貸し付けた元本・利息が戻ってきますので、営業者として一定の手数料をいただき、残りを分配金としてをお支払する仕組みです。
―特徴やメリットについても教えてください。
Fintertech:『Funvest』の特徴は、「ミドルリスク・ミドルリターン」である点です。
銀行預金のような元本割れリスクのないローリスク・ローリターンな投資と、株式投資のように値動きが大きいハイリスク・ハイリターンな投資の中間に位置する金融商品といえます。
銀行預金よりは利回りが高く、株式投資のように値動きがあるものではない債権型の投資ですので、投資家の皆様は分配金をお待ちいただくだけの手軽な投資商品といえます。
―とくに『Funvest』へ参加していただきたいのはどんな方でしょうか?
Fintertech:サラリーマンや自営業者・主婦の皆様など幅広くご投資いただければと思いますが、特に資産の大半を銀行預金が占めていて、株式や投資信託といった既存の投資商品にハードルを感じていらっしゃる方に参加いただきたいと考えています。
「銀行預金ではほとんど利回りが期待できないから、もう少しリターンがほしい。でも値動きの激しい株式投資には踏み切れない」という方はよくいらっしゃると思います。
株式投資というと、お金持ちがまとまった資金を使ってやるものというイメージがありますし、勉強して投資先を選べるようにならないといけないといった、心理的なハードルもあると思います。
『Funvest』は、より小さな単位で手軽に投資できるものです。全国どこからでもファンドへの投資ができ、お昼休みのちょっとした時間に、スマートフォンから投資できるという手軽さもあります。
新しいジャンルの商品ですので、まだまだニッチな分野ですが『Funvest』の登録者数は順調に増えており、数千人規模まで拡大しています。
「投資はしたいが、何からやったらよいかわからない」という方へ新しい選択肢を示していくことが、この業界の使命ではないかと思います。
分配金に加えて、プラスアルファのプレゼント企画も
―出資案件はどのように開拓されているのでしょうか?
Fintertech:大和証券グループとクレディセゾングループのネットワークを活かしつつ、独自の営業活動を通して案件を開拓しています。
―国内案件と国外案件では、投資家にとってどのような違いがありますか?
Fintertech:リターン面では、国外案件のほうがやや魅力的ですが、ウクライナ情勢等の影響もあり、皆様には国内案件のほうが安心感があるようです。
―扱われている案件には、どのような特徴がありますか?
Fintertech:現在は国内不動産会社向けの貸付案件が中心です。継続的な資金需要があるうえ、多くの案件では不動産を担保とすることになるため、投資家の皆様にとっても受け入れやすいようです。
ちなみに、分配金とは別にプレゼントを行っている案件もあり、とても好評です。
過去には、借手企業がスポンサーをしている野球チームのグッズを抽選でプレゼントした例や、借手企業の関連会社が展開する飲食店の食事券をプレゼントした例があります。
借手企業の中には、上場企業だけでなく、堅実な経営をされている非上場企業もありますが、特に後者の場合には、「資金調達するとともに知名度を上げたい」「一般の方に関連サービスを知って利用してもらいたい」といったニーズがありますので、今後も随時プレゼント企画は行っていきたいですね。
―借手企業と投資家、どちらにとってもメリットがあるのですね。
Fintertech:独自のプレゼントキャンペーンも展開しています。
現在(2023年6月~8月)、カタログギフト『SDGsのギフト』を抽選または投資金額によってプレゼントする『Funvest サマーキャンペーン 2023』を開催中です。ファンドへの投資実績に基づいてA賞からC賞までご用意しましたので、ぜひ投資をご検討ください。
Fintertech:また、ファンドへの投資額に応じてAmazonギフトカードがもらえる『Amazonギフトカードプレゼントキャンペーン』も随時行っています。分配金とあわせて考えると、お得な内容ではないかと思います。
多くの投資家が参加できるよう、1人あたりの出資上限額を設定
―現在、参加できる案件数はどのくらいあるのでしょうか。
Fintertech:現在は月に3件ほどのペースで募集を行っており、今後はさらに増やしていくことを検討しています。ただ、登録投資家数が増えているため、最近は公開初日の数分で募集が埋まってしまうケースも出ています。
投資家の方から「すぐに埋まってしまって、なかなか投資ができないです…」と問い合わせもいただいており、案件の拡大が必要だと考えていますが、どんな借手でも良いわけではありません。
安心できる貸付先で、条件面も納得できることが前提ですので、チーム一丸となって新規案件の開拓に励んでいます。
―出資金額のボリュームゾーンを教えてください。
Fintertech:全体では、1回の出資で20万円~50万円が多いです。魅力的なプレゼントが付く案件では多くなることもあります。
金額が低すぎると出資の際の送金手数料が割高になりますので、私たちのファンドへの出資額は10万円以上とさせていただいています。
また、より多くの投資家の皆様に投資していただけるよう、お1人あたりの出資金額に上限(500万円~1,000万円程度)を設けていることが通常です。
業界大手を母体とする運営体制の安心感
―実際に出資された方からの反響を教えてください。
Fintertech:「運営母体が大和証券・クレディセゾンのため安心できる」というお声はよくいただいています。
もちろん投資商品ですので、リターンを保証するものではありませんが、業界において不祥事が発生していた経緯から、私たちに対しては安心感を持っていただけているようです。
また、『Funvest』では、多くのケースで私たちの自己資金で先行して貸付を行い、その後投資家を募るという流れでファンドを組成している点が、投資家の皆様にとっても安心できる要素の一つになっていると思います。
これは、仮に投資家から出資が集まらず、私たちの自己資金で融資を続けるとしても、貸付先として問題ないと慎重に判断しているということでもあります。
一方で、募集で集まる金額に関わらず、希望した金額を借りられる点は、借手側にとってもメリットです。
自社でウェビナーを開催した際は「『Funvest』は預金よりも利回りがよく、株式投資のような値動きがないのが魅力だ」と言ってくださる方が多かったです。
『Funvest』は一定期間が経ったら分配金が戻ってきて、その間の値動きを気にしなくて良いので、その点でメリットを感じていただけているように思います。
あとはやはり「案件をもっと増やしてほしい」「1出資あたりの金額を増やせないか」という要望はよくいただきます。
先ほどもお話したように、当社も案件を増やしたいと考えています。借手企業の審査は引き続きしっかりと行いつつ、多くの方にご参加いただけるよう努力していく所存です。
幅広い層が参加できるサービスを目指して
―今後、利用をおすすめしたい顧客層はありますか?
Fintertech:より幅広い層にご投資いただければと思います。最近は60代~70代の投資家の方もインターネットを活用されている方が多く、ご投資をいただいています。
また、Funvestは男女問わず参加しやすい仕組みだと思いますので、例えば専業主婦の方で銀行預金をお持ちの方も、投資をご検討いただけたらうれしいです。
―今後の目標やご計画がありましたらお聞かせください。
Fintertech:より安心できる運営を実現するため、規模の拡大が当面の目標です。コツコツと案件を積み上げ、より大きな運用資産規模を目指していきたいと思います。
ただ、成長をむやみに急ぐつもりはありません。案件の精査には注意を払いつつ、規模拡大を進めていきます。
現在は50代~70代ぐらいの投資家さんが多いのですが、徐々に30代・40代、将来的には20代からでも気軽に投資を始められるサービスにできればと思います。
―投資に興味がある方へメッセージをお願いします。
Fintertech:『Funvest』は今後、Web3.0やブロックチェーンなど、新しい技術を取り入れ、より進化していくことを想定しています。
よくあるサービスとは一味違うものにしていきたいと考えていますので、今後も私たちの事業に注目いただけますと幸いです。
また、これから会員登録をされる方向けに、『ウェルカムキャンペーン』を実施しています。
『Funvest』の新規登録完了でAmazonギフトカードを1,000円分、初投資をした方にはさらにAmazonギフトカード1,500円分をプレゼントするお得なキャンペーンです。
現在実施中ですので、ぜひ『Funvest』の会員登録・ご投資をご検討ください!
――本日はご紹介いただき、ありがとうございました!
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