ファイナンシャルスタンダード株式会社にインタビュー!資産運用の専門家「IFA」とは
不安定な経済情勢や、老後資金への不安から資産運用の重要性が広く知られるようになりました。一方で、資産運用を始めたいと思っていても、知識や経験がなく踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は資産運用の専門家「IFA」によるコンサルティングサービスを提供する、ファイナンシャルスタンダード株式会社の福田猛さんにお話を伺いました。
安心できる長期資産運用の実現をサポート「ファイナンシャルスタンダード株式会社」
ー本日はよろしくお願いします。まずは、御社の事業内容について教えてください。
弊社の主幹事業は金融商品仲介業です。弊社は、財務局に金融商品仲介業者の登録をおこない、認可を受けて事業を展開しております。
金融に関するアドバイザーだけでなく税理士の有資格者や不動産鑑定士、ポートフォリオマネージャーといったさまざまな分野の専門家が在籍しており、資産運用のご相談に幅広く対応できる点が弊社の特徴です。
弊社は、インターネット大手証券会社の楽天証券株式会社様と業務委託契約を結んでおり、対面店舗の無い楽天証券様に代わって対面で、お客様の資産運用をサポートさせていただいております。
楽天証券様をはじめ、インターネット証券会社には対面で相談できるアドバイザーがいない点に不安を感じられる方もいらっしゃいます。
そこで、弊社のアドバイザーがお客様に楽天証券様のさまざまな金融商品やサービスを対面でご説明したうえで、ご提供させていただくという仕組みです。
お客様から資産運用のご相談をいただいて、その内容に基づいたご提案やプランの作成、証券口座開設や金融商品の購入、その後のフォローまでワンストップでサポートさせていただいております。
資産運用の専門家「IFA」とは
ー資産運用の専門家「IFA」について教えてください。
IFAは、金融機関から独立した立場で金融商品を紹介したり、アドバイスしたりする資産運用の専門家です。
FA(ファイナンシャルアドバイザー)に、独立(インディペンデント)の頭文字を冠して「IFA」と呼ばれています。
IFAがおこなう金融商品の紹介や提案する仕組みを金融商品仲介業というのですが、大手証券会社も金融商品の提案をおこなっています。
一方で、弊社のようなアドバイザー会社は、証券会社など金融機関との資本関係もなく、営業方針の影響を受けない、独立した立場のフィナンシャルアドバイザーです。
弊社は、お客様が証券会社に払う手数料を証券会社と弊社でシェアして利益を得ているため、お客様からは相談料やプランニング料などの手数料は頂いておりません。
IFAはファイナンシャルプランニングを専門におこない、お客様のプランニングに沿った金融商品の提案から購入、購入後のフォローまで実行支援をします。
FP(ファイナンシャルプランナー)もライフプランニングを含めた資産運用へのアドバイスはできますが、具体的な金融商品の提案や購入までは対応できません。
これは、金融商品仲介業をおこなうための登録が必要だからです。
ーIFAとして顧客にアドバイスをする際、心がけていることはありますか?
まず弊社では、資産運用においてアドバイスすること、しないことを明確に決めています。
運用には大きく3種類あり、投機、投資、資産運用です。この内、投資の一部と資産運用を我々はご案内しています。
①投機とは短期売買のことです。株価チャートを分析したり、マーケットのタイミングを計って短期で売買を繰り返したりして、資産を増やしていく方法です。これは、ギャンブル性が高く、ハイリスクハイリターンかつ、再現性がないので対策も難しく、アドバイスに価値が無いため弊社では対応しておりません。
②投資は長期的に「個別株式」、「個別債券」に投資することです。個別株式の場合、短期的には情勢の変化やさまざまな要因で大きく株価が変動するため、投機に近い運用になってしまいます。
そのため、個別株式への長期投資はアドバイザリーの価値を出しづらいので、弊社でご提案することはありません。
しかし、個別債券への長期投資は国や企業にお金を貸す行為なので満期があります。
満期になれば額面金額も返ってくるし、固定の利息が貰えるので定期的な収入を望む方や、シニア世代で退職金などの資産が大きい方にはアメリカドル建債券に絞ってご案内しています。
③資産運用は長期的に分散することです。個別企業に投資をするのではなく、世界の株式や債券に分散したり、時間分散のために積み立てをしたりとさまざまな組み合わせで投資します。
投資先や投資のタイミングを分散することで価格変動リスクを吸収しながら長期的に利益を出すことを目指します。
このように、最終的なお客様の目標「ゴール」に向けて積立投資や一括投資など、金融商品を組み合わせて提案します。
ー具体的にはどんなサポートをしてもらえるのでしょうか?
実際にお客様のゴールに辿り着く為、またご要望に応える為にバランスシートやキャッシュフローを可視化し、資産全体から考えて計画を立てていきます。
運用目標達成の為に「目標」「戦略」「実行」「メンテナンス」のプロセスで行います。
「目標」を立てる為にまずはカルテを作成し、社内でカンファレンスを行います。
次に、社内のポートフォリオマネージャー(運用専門家)中心にお客様にご提案する金融商品の選別をおこない「戦略」を立て、お客様にご提案する内容が決まったら「実行」に移ります。
お客様との定期的な面談で「メンテナンス」をおこない、継続をサポートしていきます。
ー自分に合うIFAを見極めるポイントはありますか?
今後、IFAは日本でも需要が大きくなると言われていて、その事業者も増加傾向にあります。
しかし、そのサービスの質は玉石混合と言われています。
IFAは資産運用のアドバイザーです。運用の目的やヒアリングもなく、金融商品をすすめてくる場合は注意が必要です。
まずは自身の現状について、ヒアリングから初めてくれるアドバイザー、資産運用の理論についてご自身が納得するまで説明してくれるアドバイザーかどうかをしっかり見極める必要があります。
ー分からないことは積極的に質問するべきですね。
そうですね。後は「何のアドバイスをくれるのか」、そして「自分は対価に何を支払うのか」を曖昧にしたまま、資産運用を始めるのはおすすめできません。
IFAは資産運用する上でのパートナーですから「あなたはどうやって儲けてるんですか?」「どこに手数料がかかるんですか?」など、ビジネスの仕組みを理解してから利用するのが大切です。
資産運用の始めどきはいつ?
ー今後、資産運用を始める方へのアドバイスをお願いします。
いきなり金融商品を買うのではなく、金融商品はあくまで手段だということを知っていただきたいと思っています。
まずは、資産運用の目的が何かを明確にして欲しいですね。
「増やす」にしても短期的なのか、老後のためなのか、お子様の教育資金なのか。できるだけ具体的に目的を設定してほしいです。
そうしなければ儲けることが目的になってしまい、短期的な成果に目を向けて本末転倒になりがちです。
ー客観的な立場で資産運用の継続をサポートしてもらうのは大切ですね。
そうですね。お客様の大切な資産ですから、相場の上がり下がりをつい気にしてしまう気持ちも理解できます。
相場が下がった時など、止めてしまいたくなるシーンで理論を説明し、感情に左右されないようサポートするのが私たちIFAの役目です。
損するかも、と思うと理屈は分かっていても回避したくなるものです。
そこをサポートするよう心がけています。
ー最後にマネ会の読者に向けて何かメッセージをお願いします。
資産運用は長期的に行うものです。そして人生を豊かにするものです。しかし、1人では難しいものでもあるので、是非ご相談ください。
読者の方には、年齢の若い方や運用できる資産が少ないと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、思い立った「今」がスタートするタイミングだと言えます。
長期の運用においては、早くにスタートした方が有利です。
特に若い人はお金を貯めてからやるものだと思われがちですが、資産が少額のうち、お金が無い時からやってみた方が仕組みを理解しやすい点もあります。
理屈は本を読めば分かりますが、体得するには身体で覚えることもあります。桃栗三年柿八年、積立投資はまる十年、なんて言うくらいなのでまずは始めてみることをおすすめします。
弊社でも資産運用セミナーを開催しておりますので、ご興味お持ちいただけたらセミナーへの参加をぜひご検討ください。
ー本日はお時間をいただき、ありがとうございました!
ファイナンシャルスタンダード株式会社 代表取締役
大手証券会社にて10年間、1,000人以上の資産コンサルティングを経験。2012年 IFA法人ファイナンシャルスタンダード株式会社を設立。2020年 一般社団法人ファイナンシャル・アドバイザー協会理事就任。現在プロフェッショナル資産運用アドバイザーとして幅広い層に支持を受け活躍中。講師を務める「投資信託選びの新常識セミナー」は延べ10,000人以上が参加し、経済誌等で話題となる。2015年、楽天証券IFAサミットにて独立系ファイナンシャルアドバイザー総合1位を受賞。主な著書に、「お金の不安から一生自由になれる 考えない投資生活」(飛鳥新社)、「プロがこっそり教える資産運用のはじめかた」(毎日新聞出版)などがある。