看護師が転職したいと考える理由7選|転職したいと考えた時にすべきこととは?
「周りに転職している人がいない」
「転職すべきか悩んでいる」
「人手不足で転職を申し出しにくい」
転職したいと考えているものの、転職すべきかどうか悩んで、二の足を踏んでいるという人も少なくないかもしれません。
この記事では、転職している看護師は多いのか、どのような理由で転職しているのかをお伝えします。
あなたが抱えている悩みは、ほかの看護師も同様に悩んでいると知れば、多少は安心できるかもしれません。
また、看護師が転職する際に知っておくべきポイントについても解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
転職したいと考える看護師は多い?
実際のところ、転職を考える看護師は多いのでしょうか。
厚生労働省の調査によると、看護師の平均転職回数は1.1回、また看護師の60.6%が少なくとも1回は離職を経験しています(※)。
過半数以上の看護師が離職を経験していることから、転職したいと考える看護師は多いといえるでしょう。
自分の周りに転職経験のある看護師が少ないために、転職をためらってしまう気持ちもあるかもしれません。
しかし調査からも分かるとおり、看護師全体でみると、「転職」は決して珍しい選択ではないのです。
仮に今、転職したいと考えているのであれば、本記事で紹介する内容を踏まえて、転職すべきかどうか、検討されてみてはいかがでしょうか。
(※)厚生労働省「看護職員就業状況等実態調査結果」
看護師が転職したいと考える主な理由7選
先述の厚生労働省が発表しているデータには、看護師が転職を考える理由に関する調査結果も含まれています。
ここでは、看護師が転職を考える理由について、上位の7つをご紹介します。
これらの理由のなかには、あなたが転職を考えている理由と同じものがあるかもしれません。
ぜひ参考にしてみてください。
- 他施設への興味
- 他分野(看護以外)への興味
- 人間関係による悩み
- 給与・待遇への不満
- 責任・プレッシャー
- 超過勤務・夜勤の負担
- 休暇が取りづらい
以下より、それぞれの理由について解説していきます。
他施設への興味
看護師の資格を活かして活躍できる職場は病院だけではありません。クリニックや介護施設、訪問看護、一般企業など多岐にわたります。
勤務時間も夜勤がなく日勤のみであったり、残業がほとんどなかったりするところもあるため、プライベートと両立させながら看護師として働ける施設が多くあります。
また、患者さん一人ひとりとしっかり向きあいたい、人々の健康に貢献したいといった、自分の看護観・やりがいを求めて、他施設に興味を持つかもしれません。
他分野(看護以外)への興味
看護師として働いて培った経験や能力は、ほかの分野の職種でも活かすことができるものです。
患者さん一人ひとりを気遣い、その変化にいち早く気づいて必要な看護をする観察力やコミュニケーション能力は、多くの職種で必要とされるスキルです。
プリセプターとして後輩を育成した経験や、限られた時間内であらゆる業務をこなす管理能力なども重宝されます。
これらの経験やスキルを活かして、ほかの職種へ挑戦してみたいと考える看護師も少なくありません。
人間関係による悩み
職場の人間関係に悩んで、転職を考える人も少なくありません。
同僚と性格が合わないという悩みや、いじめ・パワハラなど、なかには深刻な悩みを抱える人もいるでしょう。
人間関係を改善させようとしても、個人の努力だけでは、どうにもならないことがほとんどです。
改善の目処がたたないようであれば、精神的なストレスから体調を崩してしまう前に転職するというのが、賢明な判断といえるでしょう。
給与・待遇への不満
看護師は体力仕事で、肉体的にも精神的にも大きな負担が掛かります。
それに見合った給与や待遇を受けられれば、不満がたまることもなく、やりがいを感じながら仕事を続けられるかもしれません。
一方で、仕事に見合った給与や待遇を受け取れなければ、モチベーションを保つのが難しいと感じる人もいるでしょう。
また、経験を積むにつれて仕事量や責任が増えたとしても、給与はそれほど上がらないことに悩まれる方もいます。
そのような給与や待遇への不満が、転職を考えるきっかけになるかもしれません。
責任・プレッシャー
看護師は、人の命を預かる仕事です。
自分のミスひとつで、患者さんの命を危険にさらしかねないという責任やプレッシャーは、計り知れません。
もちろん、看護師も人間なのでミスをすることがあります。
ミスが重なると責任やプレッシャーが重くのしかかり、自信をなくして、最終的には「自分は看護師には向いていない」と考えるようになるかもしれません。
超過勤務・夜勤の負担
慢性的な人手不足で、看護師1人あたりの業務量が多く、超過勤務が日常的な職場は珍しくありません。
また、人手が足りなければ、夜勤が回ってくるペースも早まるため、肉体的にも精神的にも負担が大きくなります。
そのような職場環境に加えて、労働に見合った残業手当や夜勤手当が受け取れていないと、不満も募りやすくなるでしょう。
年齢を重ねるにつれて体力がネックになるため、夜勤のない職場への転職が増えるのも自然なことです。
休暇が取りづらい
人手不足の職場では、休暇が取りづらいという理由で転職を考える人もいるようです。特に子育て中の人だと、子どもの学校の行事のときに休めないというのは大きなストレスになります。
また、子どもの急な体調不良などにより、早退や休みが必要になっても、申し出にくいという状況もあるでしょう。
そのような場合、もっと子育てに理解のある、労働時間に融通が利く職場への転職を考えるかもしれません。
他施設へ転職したいと考えた時にすべきこと
ここでは、自分の現状や希望に合った施設を見つけるために、すべきことを4つご紹介します。
他施設への転職を考えているなら、あとあと後悔しないためにも、以下に挙げる段階を踏んで転職活動を進めていくようにしましょう。
- 転職に至った理由の深掘り
- 現職で身につけたスキルの確認
- 他施設の比較・検討
- 看護師転職サイト・エージェントの活用
以下より、それぞれの項目について解説していきます。
転職に至った理由の深掘り
自分が転職を考えた理由をはっきりさせないまま、何となくで転職先を決めてしまうと、また同じ状況に陥って後悔することになりかねません。
したがって、転職に至った理由の深掘りは、転職を成功させるために欠かせないプロセスであるといえます。
たとえば、「超過勤務や夜勤が負担」ということであれば、超過勤務がほとんどなく、夜勤のない施設を選ぶと良いでしょう。
「命に関わることへの責任やプレッシャー」が重くのしかかるのであれば、検診センターや美容クリニックなど、予防や施術をメインとする施設を選ぶことで、悩みが解決されるはずです。
現職で身につけたスキルの確認
看護師として、どのようなスキルを身につけたのか、転職する前に確認してみてください。
今まで培ったスキルが十分発揮できる職場であれば、転職した後もしっかりと活躍でき、充実した日々を送れるようになるでしょう。
たとえば、幅広い看護スキルや高いアセスメント力を活かして、患者さんとじっくり向きあいたい方は、訪問看護師として働くという選択肢があります。
また、コミュニケーション能力や、マネジメント能力に長けているのであれば、企業看護師に転身するというのも一案です。
スキルに自信がないという方でも、自分では気付けていないだけかも知れません。
そういった場合は、同僚や転職アドバイザーなど、第三者の意見を参考にしてみてはいかがでしょうか。
他施設の比較・検討
転職したい施設形態が決まったら、転職先候補の施設をいくつか選定し、比較・検討をおこないましょう。
同じ施設形態で業務内容が同じだとしても、施設を比較・検討する姿勢が、転職を成功させる上で重要なポイントです。
たとえば、診療所はひとつの地域に複数ありますが、給与・待遇・勤務形態はそれぞれの診療所で異なります。
美容クリニックの場合、固定給の職場もあれば、指名料・歩合制といった給与形態も珍しくありません。
十分すぎるほどの吟味を経て、その上で選んだ転職先であれば、おそらく転職後に後悔する余地は残されていないでしょう。
看護師転職サイト・エージェントの活用
転職先候補の施設を比較・検討する際に、施設に関する詳細な情報があれば、より自分の希望に合っている職場を見つけやすいでしょう。
そこで助けになるのが、看護師転職サイト・エージェントです。
それぞれの看護師転職サイト・エージェントは、とり扱っている求人施設の詳しい内部情報を持っています。
給与や待遇などの情報だけでなく、職場の雰囲気・人間関係・休みのとりやすさなど、求人票だけでは知り得ない情報を教えてもらえます。
また、希望条件を伝えておけば、希望に合った求人を紹介してもらえるため、在職中で時間が割けない方でも、効率的に転職活動を進められるでしょう。
他分野(看護以外)へ転職したいと考えた時にすべきこと
ここからは、看護以外の他分野への転職を考えている時にすべき、4つのポイントについてお伝えしていきます。
時間を無駄にせず、効率的に転職活動を進めていくために、ぜひお役立てください。
- 転職市場のリサーチ
- 異業種交流会に参加
- 転職スケジュールのプランニング
- 看護師転職サイト・エージェントの活用
以下より、それぞれの項目について解説していきます。
転職市場のリサーチ
看護師を辞めて他の分野の職種へ転職を考えているなら、第一にすべきことは転職市場のリサーチです。
闇雲に転職活動を進めても、成功率は低いでしょう。転職を希望している職種では、どのような人材が求められているのかを知らなければなりません。
まずは、転職を希望している職種の未経験で入れる分野や応募要件などを調べます。第二新卒が適用される年齢であれば、中途採用枠ではなく、第二新卒枠からエントリーすべきです。
また、第二新卒の年齢を過ぎている場合は、中途採用枠の募集時期や求人倍率なども調べて、転職活動をしっかりとプランニングしておきましょう。
また、希望の転職先候補が決まったら、入念な下調べや企業研究が必要であることも覚えておいてください。
異業種交流会に参加
看護師以外の分野への転職を考えているなら、異業種交流会へ積極的に参加するのもおすすめです。
参加することで、未経験の分野についてのリアルな情報を集めることができるでしょう。
また、他分野の職種と比較することで、現職を客観的に見ることができ、現職の労働環境が恵まれている、もしくは劣っていることに気づけるかもしれません。
客観的でより広い視野からの情報を得ることで、転職することが現実的か、自分の悩みを解決することになるのかなどを見極める判断材料となります。
転職スケジュールのプランニング
看護師から看護師への転職とは異なり、未経験の分野への転職は「若さ」が重視される傾向にあることは否定できません。
そのため、時間を無駄にすることなく、転職のためのタスクを効率的に捌くには、スケジュール管理が極めて重要です。
職種によっては資格の取得が必須ということもあります。資格取得試験に向けてスクールに通ったり、また試験のタイミングを逃すと、転職時期も大きく後ろ倒しになります。
他分野への転職に興味があるなら、できるだけ早く応募要件や、必要資格などを調べておきましょう。
事前にどのような準備が必要かを確認し、転職スケジュールのプランニングを入念に組むことで、時間を無駄にしなくとも済むはずです。
看護師転職サイト・エージェントの活用
看護師転職サイトには、看護職の求人だけでなく、他分野の求人が掲載されています。
そのため、看護師から他分野への転職を考えている場合は、一般的な転職サイトだけではなく、看護師転職サイト・エージェントの活用がおすすめです。
看護師転職サイトのキャリアアドバイザーであれば、看護師の強みやスキルを理解されているため、他分野への転職であっても役立つアドバイスをしてくれるでしょう。
看護師が転職する上で知っておくべきポイント
ここでは、看護師が転職を成功させるうえで、知っておくべき5つのポイントをお知らせします
より確実に希望の転職を叶えられるよう、ぜひお役立てください。
- 看護師は売り手市場である
- 看護師の求人は時期によって増減する
- 職場見学は積極的に参加する
- 失業手当を申請する
- 採用における年齢制限は原則禁止である
以下より、それぞれのポイントについて解説していきます。
看護師は売り手市場である
看護師は慢性的な人手不足であることから、非常に需要の高く、売り手市場の職業です。
求職者一人あたりの求人数を示す有効求人倍率が2.05倍と高く、これは看護師の求人が豊富にあることを示しています(※)。
転職先の選択肢が豊富にあるため、しっかりと情報を集めることで、理想の職場に転職できる可能性は高まるでしょう。
「看護師としての経験が浅い」「時短勤務を希望している」「日勤のみで働きたい」など、転職への条件が厳しいと感じることもあるかもしれません。
しかし、求人によって条件はさまざまであるため、諦めず根気強く探すことをおすすめします。
(※)日本看護協会「2020年度ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析報告書」
看護師の求人は時期によって増減する
看護師の転職の成功率は、時期によって異なります。
なぜなら、月ごとに看護師の求人数は増減し、また入職後の職場の受け入れ態勢も変わってくるからです。
そのため、転職を考えている看護師は、時期をしっかりと見極めることをおすすめします。
たとえば、1月は内定を獲得しやすい時期であると考えられます。年末にボーナスを受け取って、退職する人が増え、求人数が増加するためです。
一方で、8月や12月などは長期休暇の時期で、現場が人手不足に陥るため、採用活動や入職してからの手厚いフォローは期待できないかもしれません。
職場見学は積極的に参加する
他施設へ転職したいのであれば、ミスマッチを防ぐためにも職場見学は積極的に参加するようにしましょう。
職場見学をしたい旨を伝えれば、快く受け入れてくれる職場がほとんどです。
実際の職場の雰囲気を見ることで、求人票ではわからないスタッフの様子や関係性などを観察できます。
現地に足を運んでおくことで、周辺地域の施設や環境を確認したり、自分が住む情景もイメージできるでしょう。
失業手当を申請する
退職してから転職活動を進めるのであれば、失業手当を忘れずに申請するようにしましょう。
なぜなら、金銭的に厳しくなると、どこでもいいから転職したいという気持ちになり、よく考えずに転職先を決めてしまうことも考えられるからです。
せっかく転職しても、また同じような悩みを抱えてしまえば、また転職を検討しなければなりません。
ただ、失業手当を申請することで、退職中もじっくりと熟考して転職先を決められる余裕を持つことができるでしょう。
また、他分野への転職を考えている人は、ハローワークの「公共職業訓練」などを活用して、給付金を受け取りながら、必要なスキルを身につけるという方法もあります。
採用における年齢制限は原則禁止である
上述したとおり、看護師は売り手市場であり、年齢関係なく人材需要は大きいといえます。
一方で、看護師から未経験の分野に転職する場合、年齢をネックに感じることがあるかもしれません。
なぜなら、若いほど理解力や吸収力が高く、また体力的にも長期的な勤務が期待できるからです。
ただ厚生労働省は、「採用における年齢制限」を原則禁止しています(※)。
したがって、応募要件を満たしているのであれば、躊躇する理由はありません。迷わず挑戦することをおすすめします。
(※)募集厚生労働省「募集・採用における年齢制限の禁止について」
転職したいと考える看護師におすすめな転職サイト
看護師転職サイトは、充実した転職サポートを受けられるサービスです。
転職を考えている看護師は、転職サイトを活用して、転職の成功率をアップさせましょう。
ここでは、看護師にぜひ活用して欲しい、おすすめの転職サイトを3社ご紹介します。
看護roo!
「看護roo!」は、キャリアドバイザーの質が高く、充実した転職サポートに定評のある看護師転職サイトです。
転職サポートが充実しているだけではなく、看護師にとって役立つ情報の掲載や、看護師同士で交流できるコミュニティの運営もおこなっています。
病院以外のあらゆる施設形態の求人も多く、看護師から新たな分野に挑戦したい人にも向いているでしょう。
自分だけでは転職先を決められないという方は、その旨をキャリアアドバイザーに相談してみてください。
豊富な選択肢のなかから、希望条件に合った求人を紹介してくれるため、効率的に転職活動を進められるでしょう。
レバウェル看護
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施設や病院と繋がりをもつキャリアアドバイザーから、施設の良い点や悪い点をヒアリングできるため、求人情報からは分からないリアルな情報を集めることができます。
それらの情報を踏まえておくことで、「転職したものの、想像とは違った」といった転職後のミスマッチを防げるはずです。
転職するに至った理由が明確になっているのであれば、同じ理由で悩まないよう、遠慮なく担当のアドバイザーに尋ねると良いでしょう。
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まとめ
看護師の60.6%は、少なくとも1回の離職を経験していることから、転職を考える看護師は少なくないことがわかります。
ライフスタイルの変化や他施設・他分野への興味をきっかけに、転職を検討される看護師も多いでしょう。
どのような理由から転職を考えるにしても、転職したい理由を深掘りすること、入念に情報を収集し、比較・検討することが転職を成功させるカギです。
そのためにも、看護師転職サイト・エージェントの活用をおすすめします。
転職先のより詳細な情報を得て、内定を獲得できるよう転職サポートをしてもらうことで、転職の成功率は大きく高められるでしょう。
気になるけど、なかなか話しづらい。けどとても大事な「お金」のこと。 日々の生活の中の身近な節約術から、ちょっと難しい金融知識まで、知ってて得する、為になるお金の情報を更新していきます。