看護師にとって異動はチャンス!異動をスムーズにすませるポイントとは?
「突然に異動の通達を受けて戸惑っている」
「なぜ私が異動させられるの?」
「異動先で上手くやっていくためには?」
異動の通達を受けたとき、看護師の反応は人それぞれです。
しかし、「なぜ?」とショックを受ける人も少なくないでしょう。なかには、どうしても納得できないという人もいるかもしれません。
この記事では、看護師に異動がある理由、一般的な異動への不安や疑問にお答えます。
また、転職を考える際におすすめの看護師転職サイト3社もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
看護師の主な異動理由について
看護師の異動は、どのような理由でおこなわれるのでしょうか。
突然に異動の話が振られて戸惑っている人も、理由を理解できれば、異動を前向きに捉えられるようになるかもしれません。
ここでは、看護師の異動がおこなわれる4つの理由をご紹介します。
- 幅広く知識・技術を習得するため
- 人員調整のため
- 職場環境の活性化のため
- 異動願を叶えるため
幅広く知識・技術を習得するため
配属先の診療科によって、必要とされる知識や技術は異なります。
そこで、ある程度の経験を積んだ看護師に、さらに幅広い分野での看護技術を身につけてもらうため、病院側が部署を異動させることがあります。
部署異動により、幅広い知識や技術を習得できれば、キャリアアップにもつながるでしょう。看護師として成長する大きなチャンスです。
これまでの経験や実績、適性を見て、専門性の高い部署へ異動の話がくるケースもあれば、「なぜ?」と理由がわからない異動の話がくるケースもあります。
いずれにしても、異動をキャリアアップのチャンスと前向きに捉えて、新しい分野に取り組むようにしましょう。
人員調整のため
看護師は、女性が多い職業です。職場では、おのずと産休や育休を申請する人も多くなるでしょう。
そこで、雇い手にとってネックになるのが、人手が足りないという問題です。ひとたび休暇に入ると、1~2年という長期間人員が減ることになります。
また、病棟ごとに看護師の年齢・経験・能力に偏りが出てしまうと、業務に支障が出てしまうでしょう。
そのため、病院全体で人員のバランスを調整するために、異動がおこなわれるケースもあります。
職場環境の活性化のため
定期的に異動を実施することで、新しい仕事や考え方に触れられるため、異動してきた人も長く同じ病棟にいる人も、視野を広げる機会になります。
長年同じメンバーで仕事をしていると、「あうんの呼吸」で業務はスムーズに進むかもしれませんが、問題点や改善点などには、気づきにくくなってしまうものです。
また、緊張感がなくなることで仕事上のミスにつながったり、人間関係のトラブルが起きやすくなったりします。
異動により新しい空気が入ることで、職場環境が活性化されて、より働きやすい環境へと改善されるきっかけになるでしょう。
異動願を叶えるため
人間関係に悩んでいたり、キャリアアップを目指していたりする人が、本人の希望で異動願いを出すケースもあります。
病院側も退職されるよりは、部署異動で悩みを解決できたり、希望を叶えたりできるのであれば、異動を承諾する方が良いと考えて、希望をとおしてくれることもあるでしょう。
看護師の異動に関する不安・疑問
「なぜ私が?」異動の内示を受けて、このように思う看護師も少なくないかもしれません。
ただ、本人にとって異動を望まない場合、拒否することはできるのでしょうか。
ここでは、看護師の異動に関する不安と疑問にお答えしていきます。
一般的な異動スパンは?
看護師の異動がおこなわれるのは、一般的に年度初めの4月と下半期が始まる10月です。
事前に異動希望の調査が実施される場合もあるので、日頃からキャリアプランについて考えておくことで、希望を明確に伝えられるようになるでしょう。
また、異動の通達は、異動の1ヶ月前までに本人に伝えられることが一般的です。
通達方法はさまざまで、看護師長をとおすこともあれば、掲示板に異動辞令が掲示されたり、呼び出されて伝えられたりすることもあります。
異動は拒否できる?
原則として異動の辞令を拒否することはできません。異動は「業務命令」であるため、合理的な理由がない限りは従う必要があります。
合理的な理由としては、介護や育児のために異動すると勤務を続けることが難しいなどが挙げられます。
どうしても異動するのが難しいと感じる理由があれば、上司に相談してみるのもひとつの方法です。
しかし、合理的な理由とみなされるかどうかは、雇用主の判断にかかっています。ほとんどの場合、異動を拒否することはできないと考えた方がいいでしょう。
異動に選ばれる人とは?
異動の対象となるのは、一般的に3年目以降の看護師です。
3年以上勤務していると、基本的な看護スキルや知識を身につけていると判断され、より幅広く経験を積めるよう異動させられることがあります。
あるいは、転職して入職した看護師の場合、3年経っていなくても1~2年で異動になることもあります。
また、人間関係にトラブルを抱えていたり、適性に応じてほかの部署でスキルを活かせると判断されたときには、3年以下で異動を命じられることもあるでしょう。
異動によるメリット
異動をなかなか前向きに受け止められない看護師は、異動のメリットに注目してみましょう。
メリットについて理解しておくことで、異動も悪くないと思えるようになるかもしれません。
ここでは、異動のメリットを3つご紹介します。
- スキルアップの機会
- モチベーションアップ
- 新たな視点の獲得
スキルアップの機会
同じ診療科で長く勤務していると、専門性が磨かれる一方で、スキルアップには限界があります。
一方で、同じ病院内でも、部署によって求められる知識や技術は異なるため、新たなスキルや経験が身につくというのが、異動の最大のメリットになります。
部署を異動すると、はじめは新しいことをたくさん覚えなければならないため、辛く感じるかもしれませんが、慣れてくるころには、一段と成長した自分に転身できるでしょう。
モチベーションアップ
働く場所や人が固定されてしまうと、仕事がマンネリ化して、刺激が少なくなります。
職場に緊張感がなくなると、医療ミスが起こりやすくなったり、人間関係が悪くなったりしがちです。
そこで、定期的に異動がおこない組織全体の活性化を促すことで、各個人にとって刺激し合える良い機会となるわけです。
自分の経験が誰かの仲間の役に立ったり、さまざまな経験を経て成長できるのは、看護師にとって喜ばしいことでしょう。
仕事に対するモチベーションが上がり、職場の雰囲気もより良いものに変化していくはずです。
新たな視点の獲得
同じ診療科で同じメンバーとだけ仕事をしていると、新たな視点の獲得は難しいでしょう。問題点や改善点にも気づきにくいものです。
新メンバーが異動してきて、職場に新たな風が吹くことで、新たな視点で職場環境を見られるようになり、より働きやすく改善されるというのも珍しいことではありません。
異動する本人にとっても、新しい環境で幅広い知識や技術を習得できるなら、これまでと違った視点で物事を捉えられるようになるでしょう。
異動によるデメリット
異動にはメリットがある一方で、デメリットもあります。
デメリットも理解した上で、異動の準備を進めるようにしましょう。
ここでは、異動の3つのデメリットをとり上げます。
- 人間関係のリセット
- 不安やストレス
- ライフスタイルの変化
人間関係のリセット
異動すると新たな環境で、新たな人間関係を築かなければならず、せっかく築いた今までの人間関係はリセットされてしまいます。
新たな環境で新人として知識や技術を習得しながら、人間関係にも不安を抱えるとなると、そのことを負担に感じる人も少なくありません。
入職したての新人看護師ではないのに、新人として仕事を覚えなければならないため、質問したくてもプライドが邪魔することもあるでしょう。
しかし、謙虚に学ぶ姿勢を示すことで、人間関係は築きやすくなります。
不安やストレス
新しい部署で仕事をきちんと覚えられるか、職場の人と上手くやれるか、これらの不安に悩まされる人も多いでしょう。
異動先によっては、これまでの知識や技術があまり活かせず、すべてが新しいことばかりで、一から学び直さないといけないこともあります。
また、同じような業務内容であっても、ローカルルールがあり、仕事のやり方が違う場合もあるでしょう。
新たな診療分野の知識や技術に加えて、ローカルルールも学ばなければいけないことに、大なり小なりストレスを感じる看護師もいます。
異動に伴う不安やストレスにより体調を崩してしまうことも、珍しくない話です。
ライフスタイルの変化
勤務時間や勤務体制は、部署によって異なるものです。
これまで外来で夜勤がなかったのに、病棟に異動になり夜勤に入らないといけなくなることもあるでしょう。外来・病棟・救急など、働き方は大きく変わるものです。
このように、部署によって働き方やライフスタイルが一変するというのも、異動のデメリットといえるでしょう。
特に子育てや介護をしている人にとっては、調整が難しいかもしれません。
ライフスタイルの変化により勤務を継続することが難しいなど、深刻なケースは上司に相談してみるのも一案です。
異動をスムーズにすませるポイント
異動に納得できていてもいなくても、異動をスムーズにすませるために、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
これらのポイントに沿って準備をするなら、新しい職場での仕事がやりやすくなるはずです。
- 異動先への挨拶
- 異動先の情報収集・事前学習
- 引継ぎ事項の整理
異動先への挨拶
異動後、スムーズに良好な人間関係を築くために、最初の印象というのは大切です。
そのため、異動が伝えられたら、早めに異動先への挨拶をすませましょう。
「○○からこちらでお世話になります、○○と申します。よろしくお願いいたします。」という簡単な挨拶でかまいません。
異動の挨拶は、伝えられてから一週間以内に済ませるのが一般的です。
感じの良い人という印象を持ってもらえるよう、明るく爽やかな挨拶を心がけましょう。
異動先の情報収集・事前学習
異動先で必要となる知識や技術に関する情報を収集し、事前に予習しておくことで、スムーズに仕事に慣れることができますし、そのような積極的な姿勢は新しい職場で評価されるでしょう。
看護師として長年の経験がある場合でも、診療科によって必要となる知識や技術は異なるので、そのような事前準備は欠かせません。
特に看護師は、患者さんの命を預かる仕事です。「知らなかった」ではすまされない場面も多々あります。
異動前は慌ただしくて、なかなか学習の時間をとれないかもしれませんが、できる限りの努力はしておきましょう。
引継ぎ事項の整理
異動するにあたり、もうひとつ大切な準備が引継ぎ事項の整理をして、スムーズに引継ぎをおこなうことです。
きちんと引継ぎができておらず、異動先に問い合わせが必要な事態になると、以前の職場と新しい職場の両方に迷惑がかかってしまいます。
異動しても同じ病院内で働くわけですから、今後も顔を合わせることは十分にあり得ます。きちんと引継ぎをして、気持ちよく現在の部署を去るようにしましょう。
異動に納得できないときの対処法
異動に納得できないままでいると、モチベーションも下がり仕事が苦痛になってしまうかもしれません。
ここでは、異動に納得できないときの3つの対処法をご紹介します。
前向きな姿勢で看護師という仕事を続けていくために、お役立てください。
- 上司に相談する
- 異動の目的・理由を考える
- 転職を検討する
上司に相談する
どうしても異動に納得できないときは、看護部長や看護師長など上司に相談してみましょう。
「異動願いを出していたのに、希望と全然違う部署に配属された」
「自分のキャリアプランとかけ離れた異動を命じられた」
特に上記のような思いがあれば、異動先によっては、理想のキャリアから大きく離れていくことも懸念されます。
原則として異動は拒否できませんが、熱意や積極性のアピールは業界問わず重要です。低い確率ながら、希望を考慮してもらえることもあるかもしれません。
上司に相談するなど、自分にできることをやってだめだったのであれば、諦めもついて、異動に前向きになれるということも考えられます。
異動の目的・理由を考える
異動の目的でも説明したように、異動は新たなスキルや知識を獲得できるチャンスです。
また、あなたのポテンシャルや適性を評価して、そのようなチャンスが与えられたということを思い出せば、異動に対するネガティブな感情も払拭できるかもしれません。
異動を自分が期待されている証であると考えれば、前向きに捉えられるでしょう。
転職を検討する
異動に納得できず、不安やストレスが解消されない場合は、転職を検討するのもひとつの方法です。
異動というシステム自体がストレスの原因になっているのであれば、異動のない診療所や、クリニックへ転職することもできます。
看護師の資格を活かして活躍できる場は、病院に限らず訪問看護ステーションや介護施設、保育施設、一般企業などさまざまです。
今後のキャリアプランも見据えて、自分の希望する働き方ができる職場を探してみるのも良いでしょう。
異動に悩む看護師におすすめな転職サイト
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まとめ
看護師の異動には、職場環境を活性化させ、幅広い看護スキルや知識を身につけてもらうといった目的があります。
職場の雰囲気がマンネリ化して緊張感がなくなったり、人間関係が悪くなったりすると、医療ミスなどの重大な事態を引き起こしかねません。
そういったことを避け、職場をより働きやすい環境へと改善し、看護師一人ひとりのスキルを向上させることを期待して、定期的に異動を実施する病院は少なくないのです。
とはいえ、異動に納得できず悩むこともあるでしょう。原則的には異動を拒否することはできませんが、合理的な理由がある場合は考慮してもらえるかもしれません。
それでも悩みや不安が解消されないときは、転職するのもひとつの選択肢です。転職するかどうか悩んでいる人は、看護師転職サイトに登録して、転職のプロであるキャリアアドバイザーに相談してみましょう。
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