救急救命士と看護師の立場はどちらが上?仕事内容や資格、給料について比較
救急救命士と看護師の仕事は、どちらも人の命を救う仕事です。いずれも重要かつ、なくてはならない仕事であるという点においては変わりありません。
しかし、資格の難易度や給料などは異なります。救急救命士と看護師はどちらが上なのか解説します。
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救急救命士の仕事内容
救急救命士は主に消防機関に所属し、傷病者を搬送する救急車のなかで救護活動をおこなう仕事です。
医療機関やドクターヘリ、ドクターカーなどに所属する救急救命士もいますが、仕事内容は消防機関に所属する救急救命士とほぼ同じで、主に下記のような仕事内容があります。
- 器具を用いた気道確保
- 静脈路の確保
- 薬剤投与
- 血糖測定および低血糖状態になった傷病者に対するブドウ糖溶液の投与
- 心臓機能停止ではない重症傷病者に対する静脈路確保と輸液
看護師の仕事内容
- 医師の診察や検査の補助
- 入院患者さんの療養生活においての援助
- 患者さんのカルテ入力
- 手術室での補助
それぞれの仕事内容を見ていきましょう。
医師の診療や検査の補助
入院患者さんの療養生活においての援助
患者さんのカルテ入力
入院・外来を問わず、担当している患者さんのカルテ入力も看護師が担当することがあります。カルテ内容に基づいて医師が治療方針を決定するため、実施した処置の内容やデータを正確に記録することが必要です。
近年は紙のカルテではなく、電子カルテが主流となってきました。そのため、看護師にも基本的なパソコンスキルが求められます。
手術室での補助
救急救命士と看護師の資格の違い
救急救命士の国家資格
- 大学入学資格があり、なおかつ2年以上救急救命士としての知識や技能を習得している。
- 大学で1年以上(高等専門学校は4年)修業して公衆衛生学などの特定の課目を履修し、なおかつ救急救命士養成所で1年以上学んでいる。
- 学校教育法に基づく大学(短期大学以外)で公衆衛生学などの特定の課目を履修し、卒業している。
- 消防法第14条に規定するもの講習を修了し、なおかつ5年もしくは2,000時間以上の救急業務に従事し、救急救命士養成所で1年以上救急救命士として必要な知識と技能を修得している。
救急救命士試験の合格率は、93.8%(令和5年3月実施)です(※)。
ただし、救急救命士試験に合格後、各自治体の消防官採用試験も受験して合格しないと消防機関に所属することはできません。救急救命士の試験勉強だけでなく、公務員試験の勉強も並行して実施しておきましょう。
看護師の国家資格
- 学校教育法に基づく大学(短期大学を除く)において看護師になるのに必要な学科を修めて卒業している、あるいは指定日までに卒業する見込みである。
- 文部科学大臣の指定した学校において3年以上看護師になるのに必要な学科を修めている、あるいは指定日までに卒業する見込みである。
- 都道府県知事の指定した看護師養成所を卒業している、あるいは指定日までに卒業する見込みである。
- 免許を得てから3年以上業務に従事している准看護師、もしくは高等学校か中等教育学校を卒業している准看護師で、指定大学、指定学校またま指定養成所において2年以上修業している、あるいは指定日までに卒業する見込みである。
看護師試験の合格率は、90.8%(令和5年2月実施)です。
なお、新卒者だけでみると、合格率は95.5%(※)となります。
看護師資格取得後は、医療機関などで看護師としての仕事に従事することが可能です。ただし、別途採用試験があるため、希望する勤務先でどのような試験を実施しているのか調べておきましょう。
救急救命士と看護師の歴史の違い
救急救命士の歴史
看護師の歴史
救急救命士と看護師の給料の違い
救急救命士と看護師の給料にはどの程度違いがあるのでしょうか。
詳しくみていきましょう。
救急救命士の給料
地方公務員給与実態調査(令和3年4月1日時点)によれば、消防職に従事する公務員の平均月給は40万344円(※)です。給与の内訳には、各種手当などが含まれています。
ただし、消防職員すべてが救急救命士の資格を持ち、救急救命士として働いているわけではない点に注意が必要です。
看護師の給料
賃金構造基本統計調査によれば、各種手当を加えた看護師の平均月給は35万1,600円です。救急救命士と比較すると、給与が少し低めと考えられます。なお、地方公務員として働く看護師・保健師に限定すると平均月給は38万9,770円となります。
救急救命士と看護師の新たな活躍の場
- 病院の救急救命士
- 救急救命士と看護師のダブルライセンス
- 認定看護師・専門看護師
病院の救急救命士
救急救命士と看護師のダブルライセンス
認定看護師・専門看護師
救急救命士と看護師の立場はどちらが上なのか
結論から説明すると、救急救命士と看護師の立場に上下関係はありません。
救急救命士は傷病者を病院へ搬送する途中に救命処置を実施する仕事、看護師は医療機関で患者さんのケアや診療の補助をおこなう仕事です。
いずれも人の命を助ける重要な仕事です。どちらの職種を選ぶか迷ったときは、仕事内容や働き方を参考にしてご自身にあうかどうかを吟味してみましょう。
救急救命士や看護師におすすめの転職エージェント
看護roo!
看護roo!は、業界最多水準で看護師の就職活動や転職活動ができる転職エージェントです。求人数が多いため、希望する条件に合う仕事が見つかりやすいという特徴があります。
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レバウェル看護
レバウェル看護は、入職後のミスマッチを防ぎ自分の理想とする働き方を実現しやすい転職エージェントです。
登録すると、アドバイザーが条件にあう仕事を紹介してくれます。また、希望の時間にLINEやメール機能を使って情報提供するサービスも実施しているため、自分のペースで転職活動を進めることが可能です。
まとめ
救急救命士も看護師もどちらも人の命にかかわる仕事ですが、活躍する場所や場面が異なります。どちらが上かと考えるのではなく、どちらも重要である点に注目しましょう。
救急救命士と看護師は履修する分野も重複するため、ダブルライセンスを目指しやすい資格ともいえます。両方の資格を取得し、活躍できる場所を広げてみてはいかがでしょうか。
医療関係職を専門とする転職エージェントを活用すれば、専属のアドバイザーのサポートを受けて、転職活動をスムーズに進められます。救急救命士と看護師の違いを理解し、ぜひ転職活動に活かしてください。
投資信託・株式の運用歴20年以上。相続問題が発生したことを機に、ファイナンシャルプランナー2級とAFPの資格を取得。 大学や省庁で研究活動をおこないながら、2014年度からはマネーやファイナンス、医学関係の執筆活動を開始。 ライフマネープランニングやIPO投資、金融詐欺の見分け方、ローン・クレジットカードの使い方などを得意テーマとしている。 現在メインで利用しているカードはアメリカンエクスプレスのプラチナ。招待制から申込制に変わって、ちょっと残念に思う毎日。