シングルマザーになる看護師は多い?転職すべきケースとおすすめ転職先について
「看護師は離婚率が高い?」
「シングルマザーの看護師に多い悩みは?」
「シングルマザーの看護師におすすめの職場は?」
不規則な勤務体制であることが多い看護師は、離婚率が高いというイメージを持っている人も少なくないかもしれません。
特に子どもが生まれると、夫婦の時間がとりにくくなり、すれ違いが増えてシングルマザーになるという人も少なからずいます。
この記事では、実際にシングルマザーになる看護師は多いのか、その要因や条件についてお伝えします。また、シングルマザーの看護師が抱える悩みや転職すべきケース、おすすめの転職先も合わせて見ていきましょう。
シングルマザーとしてやっていけるか迷っている方や、転職しようか悩んでいる方は、自分が抱えるであろうシングルマザーとしての悩みを理解しつつ、ふさわしい転職先を見つけるためにお役立てください。
シングルマザーになる看護師は多い?
看護師という職業に、シングルマザーは多いのでしょうか。
それを示す統計的なデータがあるわけではありませんが、看護師という職業は、女性にとって離婚しやすい条件が揃っているのは事実です。
ここでは、看護師がシングルマザーになることを選ぶ、5つの理由を紹介します。
- 給与水準が高い
- 配偶者とのすれ違い
- 定年まで働ける
- 子育て環境の充実
- 人材ニーズが高い
給与水準が高い
看護師が離婚しやすい大きな要因となるのが、看護師の給与水準の高さです。
厚生労働省が実施した、賃金構造基本統計調査によると、看護師の平均年収は498万円でした(※)。
国税庁の発表している女性の平均年収は280万円であることから、看護師の平均年収は、女性の平均年収を200万円も上回っていることが分かります。
したがって、パートナーがいなくても子育てが十分可能であるため、シングルマザーになることを選ぶ看護師も少なくないのです。
(※)令和3年 賃金構造基本統計調査
配偶者とのすれ違い
看護師の勤務体制は、一般企業とは大きく異なります。
慢性的な人手不足であることも多く、仕事がハードで残業が多いこと、配偶者が起きる時間に夜勤明けの仮眠をとることは、看護師の日常です。
また、看護師は土日に仕事であることも多く、配偶者と一緒に休日を過ごせないことも多々あります。
これらの勤務体制の違いにより夫婦間にすれ違いが生じ、次第に険悪な雰囲気になってしまうことも、離婚の大きな要因といえるでしょう。
定年まで働ける
看護師の雇用は非常に安定しており、定年まで働くことができます。
また、キャリアアップも目指せるため、子どもが大きくなるにつれ増える教育費なども、自分の収入でやりくり可能です。
このように、将来的にも金銭的な不安を抱えにくいことは、シングルマザーという道を選びやすくしている要因のひとつでしょう。
子育て環境の充実
職員のために、24時間の院内保育や託児所などを設置する病院が多くあります。
そのような病院であれば、夜勤に入ってしっかりと収入を確保することも可能です。
業界的にも子育てしやすい環境が充実しているため、ひとりで子どもを育てていくことを選ぶ看護師も少なくないでしょう。
人材ニーズが高い
看護師業界は常に人手が足りておらず、売り手市場のため転職先も決まりやすい傾向にあります。
シングルマザーとして働くうえでネックとなる「夜勤シフト」や「残業」についても、さまざまな条件を付けて仕事を探すことも可能です。
人材ニーズが高いため、転居しやすく、離婚しても次の住居が決まりやすいなど、シングルマザーとしてリスタートを切りやすい条件も揃っています。
シングルマザーの看護師が抱える悩み
給料水準が高く、将来的にも安定している職業なので、シングルマザーになることを選ぶ看護師も少なくありません。
とはいえ、シングルマザーの看護師が抱えやすい悩みについても、知っておく必要があります。
今後、離婚を考えている看護師の方であれば、下記の悩みを抱えやすいという点を踏まえて、シングルマザーの道を選ぶかどうか検討してみてください。
- 家事育児の両立が大変
- 夜勤シフトに入りづらい
- 急な欠勤の可能性
- 貯金ができない
- 自分の時間がとれない
家事育児の両立が大変
シングルマザーになると、家事や育児をすべて自分ひとりで担わなければなりません。
看護師の仕事は体力仕事なため、疲れたまま帰宅して、掃除・洗濯・料理・子どもの世話といった家事全般を、すべてひとりこなすことに負担を感じる人は少なくないでしょう。
また、看護師は職業柄、日々進歩する医学の知識を取り入れ続ける必要がありますが、家事や育児に追われて勉強の時間がとれないというジレンマにも陥るかもしれません。
夜勤シフトに入りづらい
小さな子どもがいる場合、夜に子どもを見てくれる人がいないと夜勤シフトに入りづらい、という悩みもあります。
特に、夜間に預かってくれる保育園や託児所はあるものの、子どもが小学校に上がると夜間に預かってもらうことは困難です。
ある程度の収入を確保するには、夜勤手当がほしいところですが、子育てを優先すると夜勤に入りづらいものです。
シングルマザーの看護師のなかには、夜勤の回数を減らしたり、休日の前の日だけ夜勤に入ったりなど、工夫をしている人もいます。
しかし、育児・介護休業法の第19条(※)では「未就学の子どもを持ち、一定の条件を満たす労働者に対して、午後10時から午前5時までの間に労働させてはならない」とあるため、小学校に上がる前の子どもがいる場合は、本人に意欲があっても夜勤に入れないことがあります。
(※)育児・介護休業法
急な欠勤の可能性
子どもの体調不良によって、保育園や学校にお迎えが必要になり、急な早退や欠勤を求められる点もシングルマザーの看護師が抱える悩みです。
病児保育などの施設もありますが、急な体調不良で子どもの預かり先を見つけるのは簡単なことではありません。
また、早退や欠勤で、職場に迷惑をかけていると感じるのは辛いものです。
同じく子育て中の看護師が複数在籍している職場であれば、お互いさまという気持ちで助け合うことができますが、独身や子どもがいない看護師の多い職場では、肩身の狭い思いをするかもしれません。
貯金ができない
シングルマザーになると、自分ひとりの収入で子どもを育てていかなければならないため、これまで以上に将来に備えて貯金をしておきたいと思うでしょう。
しかし、上述した理由により夜勤に入りづらくなるため、バリバリ働いていた頃と同水準の収入は期待できず、思ったように貯金が伸びないという悩みに直面するかもしれません。
自分の時間がとれない
シングルマザーになると仕事と家事・育児で時間がなくなり、趣味や恋愛、転職活動など、自分のための時間がとれないというのも悩みとなります。
子育てしやすい職場への転職を考えている場合は、看護師転職サイトなどを活用し、プロのキャリアアドバイザーと相談しながら転職活動を進めることで、より効率的に進めていけるでしょう。
もっと時間に融通が利く職場に転職できれば、もしかすると趣味や恋愛といった自分の時間もとりやすくなるかもしれません。
シングルマザーの看護師が転職すべきケース
転職を考えているが一歩踏み出せないでいる、そんなシングルマザーの看護師の方も多いのではないでしょうか。
自分ひとりの収入で生計を立てる必要があるため、ためらってしまうのも当然のことといえます。
そこで本節では、シングルマザーの看護師が転職すべき4つのケースをご紹介します。
以下のケースに当てはまる場合は、思い切って転職活動に踏み出してみてください。
- 人間関係による疲弊・ストレス
- より良い環境が見つかる
- 労働環境の不満
- キャリアチェンジ
人間関係による疲弊・ストレス
シングルマザーとして働くのであれば、子育てに関する周りの理解があるかどうかで、働きやすさは大きく変わってきます。
子育てに理解が得られない職場の場合、子どもの急な体調不良で早退や欠勤を迫られたとき、周りの目が気になって肩身の狭い思いをするでしょう。
また、研修や勉強会へ参加できなかったり、家での勉強の時間がとれないことで、嫌味をいわれたりすることもあるかもしれません。
人間関係は、職場を変えることでしか解決できないことが多いため、人間関係による疲弊やストレスで悩んでいる方は、理解のある職場への転職を考えた方が良いでしょう。
より良い環境が見つかる
シングルマザーとして子育てをしていくのであれば、労働環境はとても大切です。
夜勤なし・残業少なめで働ける・給与が増える・託児所がある・家から近いなど、より良い環境が見つかったのであれば、負担を軽くするためにも転職を検討する価値があります。
職場が家から近ければ、子どもの体調不良などで呼び出されたときも、すぐに駆けつけることができるでしょう。
託児所があれば、通勤時間も子どもと一緒に過ごせますし、夜間も預かってくれるのであれば、夜勤シフトに入ることも可能です。
このように、より子育てしながら働きやすい環境が見つかったのであれば、転職すべきケースといえます。
労働環境の不満
責任の重さ、スキルアップが難しい、人手不足といった労働環境に関する悩みは、本人の努力では解決できないことがほとんどです。
慢性的な人手不足で、看護師ひとりあたりの業務量が多すぎたり、責任が重すぎたりする場合は、思い切って転職を考えてみてはいかがでしょうか。
また、将来的にキャリアアップを目指している人は、子育てをしながらも看護師としてのスキルアップが大切です。
とはいえ、教育体制は病院によって異なるため、今の職場でスキルアップが難しい場合においても、早いうちに教育体制の整った病院へ転職を考えるべきでしょう。
キャリアチェンジ
看護師資格を活かして働ける職場は多種多様です。
やりたいことが見つかって、未経験の分野に挑戦したい場合は、転職するしかありません。
看護師から未経験の分野に転職を成功させた事例は数多くあり、転職サイトのキャリアアドバイザーに頼ることで、諸々の相談にのってもらえるでしょう。
もちろん、シングルマザーが働きやすい職場かについても把握しているため、キャリアチェンジを目指すのであれば、そういったプロのサポートを受けてみてはいかがでしょうか。
シングルマザーの看護師におすすめの転職先
看護師として活躍しながら、シングルマザーとして子育てにも時間をとれる職場は、意外に多くあるものです。
ここでは、シングルマザーの看護師におすすめの転職先をご紹介します。転職を考えている人はぜひ参考にしてください。
- 介護施設
- 保育園・幼稚園
- 健診センター
- 診療所・クリニック
- 産業看護師
介護施設
子どもと過ごす時間をできるだけとりたい方におすすめなのは、介護施設です。
デイサービスなど日勤のみの施設が多く、残業も少なめなため、子どもと同じ生活リズムを維持できます。
仕事内容は、バイタルチェック・薬の管理・軟膏の塗布・軽いケガの処置・口腔ケアなど、基本的な看護スキルがあれば対応できるケアです。
ただ、看護師は単独での医療行為が禁止されており、介護施設には医師が不在なことが多いため、判断に難しさを感じることはあるかもしれません。
しかし、患者さんの命に関わるような緊急性を要するケースは少ないため、病棟看護師と比べると、精神的な負担も少なくてすむでしょう。
保育園・幼稚園
保育園・幼稚園は夜勤がなく、また残業が少ないこともあって、シングルマザーの看護師に人気な職場のひとつです。
土日や祝日もカレンダーどおりに休めるため、子どもと向き合える時間も確保しやすくなるでしょう。
主な仕事内容は、子どもと子どもに関わる人たちの健康管理です。子どもたちの病気やケガの対応や、アレルギーのある子どもの食事・内服のサポートを担当します。
病院と違い健康な子どもを相手にする仕事ですが、子どもたちの小さな変化にも敏感に察知できる観察力が必要です。
「健康だより」を作成し、流行している病気や食中毒などを予防するための保健指導も大切な仕事になります。
また、上記の仕事にくわえて保育士の仕事のサポートもおこないます。そのため、経験のある方は、ピアノや工作といったスキルも活かすことができます。
健診センター
健診センターは一日に大人数の対応をしなければいけないものの、予約を取った人だけを対応するため、残業はほとんどありません。
そのため、ワークライフバランスを取りやすく、また仕事内容は下記に示すとおり、基本的な看護スキルがあれば十分やり遂げられる内容です。
- 問診
- 身長、体重測定
- 視力、聴力検査
- 血圧測定
- 尿検査
- 心電図検査
- 採血
- 乳がん検診、子宮がん検診、内視鏡検査などの医師の補助、患者の介助
- 内科、婦人科などの診察補助
- 健診結果のチェック、データ入力、書類作成
- 精密検査の予約、手配
なかでも、採血の技術は健診センターで働く看護師にとって、非常に重要なスキルです。
大人数のさまざまな血管の人をスムーズに採血していくことが求められます。そのため、採血が苦手な看護師は健診センターの勤務を一考すべきかもしれません。
また、健康な人を相手にすることから、接客業のような接遇スキルも求められるでしょう。
診療所・クリニック
入院施設がない診療所やクリニックであれば夜勤がないため、シングルマザーの看護師も働きやすいでしょう。残業も少ないところがほとんどです。
くわえて、診療所やクリニックは地域内に点在するため、転職先を自宅近くで探しやすいという点もメリットといえます。
特に子どもが小さなうちは、急な体調不良などで呼び出されることも多いため、すぐにお迎えにいける職場は利便性が高いといえるでしょう。
また、給与面に関しては、診療所やクリニックによって大きな違いがあります。
一般的な診療科であれば、夜勤のある病院と比較すると給与は少なめですが、客単価の高い美容クリニックなどは、夜勤がなくても高収入が期待できます。
ただ、美容クリニックは病気の患者さんではなく、美意識の高い健康な「お客さま」を相手にするため、命に関わるようなケースはほとんどありませんが、高い接遇スキルが必要になるでしょう。
産業看護師
産業看護師も夜勤がなく、残業も少なめの職業です。
一般企業で事業者と社員の間に立って、健康と労働のバランスをとり、社員が健やかな環境で労働できるようにサポートします。
仕事内容は、健康診断の計画と実施・健康診断結果に基づく保健指導・病気やケガの応急処置・メンタルカウンセリング・過重労働対策などです。
また、給与面に関しては、勤める企業によって異なります。企業の規模や雇用形態により大きな幅があるものの、産業看護師を置く企業は大手企業や上場企業が多いため、それら従業員と同水準の給与や待遇を期待できるでしょう。
シングルマザーの看護師におすすめの転職サイト
シングルマザーとして働きながら、希望条件に合った転職先を自分ひとりで見つけるのは、簡単なことではありません。
家事や育児を自分ひとりで担わなければいけない分、プロのサポートを受けられる部分は、しっかりサポート受けるべきでしょう。
なかでも、看護師の転職に特化したサイト・エージェントの利用をおすすめします。
転職のプロであるキャリアアドバイザーが、希望条件に合った求人の紹介や、転職を成功させるためのサポートを無料でやってくれます。
ここでは、おすすめの看護師転職サイトを3社ご紹介します。
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まとめ
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ただし、ひとりで仕事と家事、子育てをしなければならないため、仕事に充てられる時間やエネルギーも限られています。
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しかし、実際に子育てに理解があるかどうかは、入職してみないと分からないものです。
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