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看護師の退職理由ランキングTOP10｜転職面接での説明方法も解説

看護師は、人の命を預かる職業であるため、精神的なストレスが非常に多いです。また、移動介助や夜勤、長時間労働など、肉体的なストレスも多い職業です。そのため、「看護師を辞めたい」と感じることもあるでしょう。その際には、可能な限り円満に辞めたいと多くの方が考えていることでしょう。

そこで本記事では、看護師を円満に退職するための方法や、転職面接での退職理由の説明方法について解説していきます。ぜひ参考にしてください。

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看護師の退職理由ランキングTOP10

厚生労働省が公表した『看護職員就業状況等実態調査』によると、退職理由ランキングTOP10は下記となっています。

プライベートな理由を除いて、職場に対する不満という観点では、「人間関係」と「労働時間」というカテゴリーに大別できます。

人間関係が悪くなる理由は、看護師が人の命を預かる職業だからです。人の命を預かっているため、少しのミスも許されません。新卒看護師などで知識や経験が足りない人材には、ミスをしないように徹底的に厳しく指導する必要があります。しかし、先輩看護師も自分の仕事で忙しいため、優しく丁寧に教えている暇はありません。

労働時間については、夜勤や急患による休日出勤などに不満を持つ看護師が多いです。病院の多くは夜勤を採用していて、夜勤をおこなっていない看護師は12.2％(※1)しかいません。また、夜勤1回あたりの時間は、16時間以上が最も多い(※2)です。このように、一般の職業では経験しない労働時間が看護師の退職理由の原因となっています。

看護師の退職率

日本看護協会が公表した『2021年病院看護・外来看護実態調査』によると、2020年度の正規雇用看護職員の離職率は10.6％となっています。2019年度と比較して0.9％減少(※1)しています。

厚生労働省が公表した『令和3年雇用動向調査』によると、全業界の平均離職率は、13.9％となっています。男女別では、男性が12.8％で女性が15.3％となっています。

看護師の93.5％(※2)が女性であることを踏まえると、看護師の離職率である10.6％は、他業界と比べて低いと言えます。

離職率が高い病院の特徴

人口が多い地域にある病院は、離職率が高い傾向にあります。

人口が多ければ、それだけ病院の利用者も多いということです。そのため、看護師の負担も大きくなり、離職率の高さにつながっているのでしょう。

離職率が低い病院の特徴

看護師のキャリア支援に力を入れている地域の病院は、離職率が低い傾向にあります。

看護師のキャリア支援に力を入れている地域の具体例として、岩手県と山形県が挙げられます。どちらの県も離職率が最も低い6.1％(※)となっています。岩手県では、『いわて看護職員確保定着アクションプラン』が実施されています。山形県では、『山形方式・看護師等生涯サポートプログラム』が実施されています。

看護師を円満に辞めるための退職理由と例文

看護師の退職理由は基本的に「一身上の都合により」で問題ありません。

退職時に、「一身上の都合」以上の詳細を伝える義務はないです。しかし、より円満に退職したい場合には、退職理由を明確に伝える方法もあります。その際には、職場への不満などではなく、これから紹介する理由を伝えましょう。

個人的な理由での退職

個人的な理由で看護師を退職する場合、次の3パターンで退職する人が多いです。

それぞれの退職理由と例文について、詳しく解説していきます。

結婚・出産・育児の例文

介護の例文

体調不良の例文

キャリアが理由での退職

次に、キャリアアップ等を理由に退職する場合の例文を3つ紹介します。

キャリアを原因とした退職理由と例文について、詳しく解説していきます。

専門性を高めたいの例文

自分の力を試したいの例文

資格取得のために勉強したいの例文

看護師が職場を円満退職する6ステップ

退職する際の流れについて、6つのステップに分けて解説していきます。この流れで退職の手続きをおこなうことで、円満に退職できる可能性が高まるでしょう。

就業規則を確認する

就業規則には、退職に関するさまざまな情報が記載されています。たとえば、退職申告日の期限や退職金に関する情報などです。

また、競業避止義務についての確認も重要です。競業避止義務とは、競合他社への転職や同業種の起業を禁止するための契約です。在職中に得た知識や顧客情報などの転用されることにより、企業の不利益を避けることが目的となっています。競業避止契約に違反した場合には、退職先の企業から損害賠償請求される可能性もあります。

上司に退職する旨を伝える

退職する意向は伝えづらいかもしれませんが、必ず直属の上司に伝えるようにしましょう。

伝えるタイミングは、業務中で問題ありません。しかし、上司が忙しそうにしている最中は止めておいた方が無難です。可能な限り時間が空いてそうなタイミングを選ぶとよいでしょう。出社直後や帰宅直前などは、時間が空いている場合が多いです。

退職を伝える際には、適切な場所を選ぶとよいでしょう。多くの社員がいるなかで、「退職したいです」と伝えるのはよくありません。会議室などのように、極力人がいない場所で伝えるようにしましょう。

退職届を提出する

退職届は必須ではありませんが、基本的には提出するものです。

法律的には、退職の意思表示さえしていれば、退職届を提出する必要はありません。民法第627条において、退職の意思表示をしていれば退職できると定められています。そのため、特別な事情がある場合には「退職届を出さない」という選択も可能です。

しかし、不要なトラブルが発生する可能性もあるため、基本的に退職届は提出しておきましょう。書類として残るため、「退職するなんて聞いてない」というようなトラブルを避けられます。

社内外へ退職する旨を伝える

社内や関係のあった社外の人に退職することを伝え、退職後に混乱を招かないようにしましょう。

仕事の引継ぎは、円満に退職するためには重要な要素です。上司に辞めることを伝えれば、退職はできます。しかし、仕事の引継ぎをおこなっていなければ、同僚や社外の人の大きな迷惑をかけてしまうかもしれません。そのため、上司だけでなく関係のあった人には退職する旨を伝えておきましょう。

必要書類を受け取る

退職する際には、以下の書類を受け取る必要があります。

離職票は、失業保険を受給する際に必要になる書類です。次の転職先が決まっていて、失業保険を受給しない場合には必要ありません。しかし、基本的にはもらっておいた方が安心です。

退職証明書は、失業保険の受給や国民健康保険への加入の際に必要となる可能性のある書類です。転職先から、「本当に前職を辞めているのか」の確認の目的で提出を求められることもあります。

源泉徴収票は、転職先に必ず提出しなければいけない書類です。要求しなくてももらえる書類ではありますが、「もらえない」というトラブルを防ぐために、「いつ発行してもらえるのか」を確認しておくとよいでしょう。

健康保険資格喪失証明書は、国民健康保険に加入する際に必要となる書類です。基本的には、退職の手続きとして自動的に発行してもらえます。

年金手帳は、年金に関する情報が記載されている重要なものです。入社時に会社に提出することが義務となっており、そのまま会社が保管していることも多いです。

退職に向けた準備をおこなう

「会社に返却しなければいけないものの確認」や「デスク周りの整理」などをおこないましょう。

特に身の回りの整理整頓は、円満に退職するためには重要です。自分が使ったものを綺麗に掃除したり、整理することは社会人のマナーです。

看護師が退職理由を伝える時の注意点

下記の注意点を押さえなければ、円満どころか険悪なムードで退職する事態に陥る可能性があります。そのため、必ず押さえておきましょう。

ネガティブな退職理由は避ける

退職時にネガティブな退職理由を伝えるメリットは、一切ありません。

退職理由は、詳細に伝える義務もなく「一身上の都合」で問題ないものです。そのため、ネガティブな退職理由を伝えてしまうと「嫌味」になってしまいます。この場合、相手がよい気持ちになるはずもなく、円満な退職とはかけ離れた結果となる可能性が高いです。

退職の意思は期間的に余裕を持って伝える

退職の意思は、退職日の2週間前までに伝えることが民法によって定められています。しかし、会社によっては退職日の2週間前よりも前に意思を伝える必要がある場合もあります。退職の意思を伝える期限は、就業規則に記載されているため、よく確認しましょう。

また、業務の引き継ぎなどで慌ただしくなる可能性もあるため、退職する意思を固めたら、可能な限り迅速に伝えるようにしましょう。

嘘をつかない

当然のことですが、退職理由を伝える際、嘘はつかないようにしましょう。

伝えにくい理由であれば、「一身上の都合」で問題ありません。嘘をついてバレた場合、非常に気まずい空気となります。

たとえば、「親の介護が必要で帰郷します」と伝えていたのに、同じ町で出会ったら気まずいですよね。このような事態に陥らないためにも、嘘はつかないようにしましょう。

看護師が転職面接で退職理由を伝える際のポイント

看護師が転職面接を受ける際は、多くの場合退職理由の説明を求められます。退職理由を面接で説明する際には、以下のことを心がけましょう。

嘘の退職理由をいわない

退職理由に後ろめたさがあったとしても、嘘をつくのは得策ではありません。

採用担当者は日ごろから多くの応募者の面接を担当しており、嘘はすぐに見抜かれてしまうでしょう。

また、嘘をつくと他の話と整合性が合わなくなるなど、面接自体に大きな悪影響を及ぼす恐れもあります。

待遇や人間関係のトラブルはNG

給与などの待遇面、人間関係のトラブルによる退職は、そのまま説明するとネガティブな印象を与えてしまいます。

待遇面に不満があって退職したとなると、「また不満をもって退職してしまうのではないか」と思われるかもしれません。

また、人間関係のトラブルで退職したと説明した場合、「コミュニケーション能力に問題があるのではないか」と見なされてしまうケースもあります。

ポジティブな退職理由に置き換える

たとえ本当はネガティブな理由で退職したとしても、面接ではポジティブな理由に置き換えて説明したいところです。

スキルや経験、人間性に問題がないと印象を与えることで、転職の成功率も向上すると考えられます。

退職理由をポジティブに説明する方法

次に、ネガティブな退職理由をポジティブな理由に置き換えたり、最後にポジティブな説明をすることで、退職理由の印象を良くすることも可能です。自分に当てはめて考えてみてください。

残業や夜勤が理由で退職した場合

どんなに残業や夜勤が体力的にきつかったとしても、それをそのまま面接官に伝えることは得策ではありません。

もし夜勤がない職場だとしても、体力がない、精神的にもろいと思われるリスクがあります。

残業や夜勤が辛かった場合は、スキルアップや自己学習と絡めて話すと良いでしょう。

たとえば、「自己学習の時間を確保しながら現場でスキルアップしていきたい」などと置き換えることで、スキルアップや自身の成長に積極的な姿勢をアピールすることができます。

体調不良が理由で退職した場合

体調不良が理由で退職した場合は、それ自体を隠す必要はありません。
ただし、現在は体調が回復していること、仕事に影響はないことをアピールする必要があるでしょう。

また、新しい職場に適応していく前向きな姿勢も見せておくことが重要です。

夜勤がある現場の場合は、夜勤が可能かも尋ねられるため、現実的な範囲で回答しましょう。

人間関係が合わないことが理由で退職した場合

人間関係が理由で退職した場合も、そのまま伝えるのではなく、前向きな理由に置き換えることが重要です。

たとえば、「より専門性の高いチームのなかで働きたいと思ったから」など、ポジティブな理由に変換することができます。

少しでも人間関係のトラブルによる退職だと印象付けてしまうと、関係性の構築が苦手な人と思われてしまうかもしれません。

新しい環境や専門性を求めた結果転職を選択したと思えるような説明が必要でしょう。

結婚が理由で退職した場合

結婚で退職したこと自体は、ネガティブな理由ととらえられるものではありません。

そのため、結婚を理由に退職し、家事や育児に専念した、時短のアルバイトに切り替えたなど、正直に説明しても問題ありません。

ただし、退職後にブランクがある場合は、なぜ看護師として復帰するに至ったのか、以前のように働くことができるかなどを聞かれるため、回答を準備しておく必要があります。

看護師が離職しないための対処方法

転職を早々に決断する前に、まずは離職せずに解決できる方法がないか探してみましょう。離職の回数が多くなれば、当然ですが転職で採用される可能性も低くなります。そのため、まずは離職しないための対処方法を試すことをおすすめします。

人間関係への不満の対処方法

上司や同僚との人間関係が悪いと感じた際には、自分の態度を客観的に見てみましょう。

心理学には、「相手は自分の鏡である」という考え方があります。これは、「相手の態度は、自分が取っている態度である」という意味の言葉です。つまり、相手の態度が悪い場合には、自分の態度が悪いかもしれないということです。

看護師は、精神的にも肉体的にも非常にストレスの多い職業です。そのため、知らず知らずのうちに自分が悪い態度を取ってしまっているかもしれません。もしあなたが悪い態度を取ってしまっている場合、相手側も「優しく接しよう」とは思わないことでしょう。

労働時間への不満の対処方法

労働時間への不満を解消する方法は2つあります。

1つ目は、現在の仕事に対して納得する方法です。夜勤があることに納得している場合、「何で夜勤があるんだ」という不満は出にくいです。看護師という職業を選択した以上、「夜勤があることはわかっている」という方もいるでしょう。しかし、心の奥底では「何で夜勤をしなくちゃいけないんだ」と感じているのかもしれません。

2つ目は、客観的なデータを用いて勤務条件の変更を申し出る方法です。たとえば、「平均の時間外労働が4時間なのに、私だけ10時間も時間外労働をしているのはおかしい」という具合です。客観的なデータを用いて上司に交渉することで、労働時間に関する不満も改善される可能性が高まります。

看護師の転職に強い転職エージェント3選

退職しないための努力をおこなっても改善されなかった場合には、転職も視野に入れましょう。転職する際には、自力でおこなうより、転職のプロからアドバイスをもらっておこなう方法をおすすめします。転職活動を効率よく進められます。

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まとめ

退職するだけの理由がなければ、安易に看護師の退職はしない方がよいです。数多く退職している場合には、転職の成功確率が下がり、よい条件で働けなくなる可能性が高まってしまうからです。

しかし、「どうしても看護師を退職したい」と思うこともあると思います。その際には、可能な限り円満に退職するようにしましょう。険悪なムードで辞めてしまうと、噂が広まり転職先にも悪影響を及ぼすかもしれません。

執筆者

山岸 竜雅

キャリア形成支援を主な事業とするCareer　Expertを経営。具体的には、就職・転職支援や自己理解支援、キャリアデザイン支援などを実行。その経験や専門知識を活かし、読者の役に立つ記事を執筆。

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