精神科看護師は使えないって本当?身に付くスキルや向いてる人の特徴も解説
精神科看護師は、看護師として「レベルが低い」「使えない」などといわれることがあります。しかし、実際のところはどうなのでしょうか?気になる人も多いかと思います。
本記事では、上記の疑問を解決すべく、精神科看護師について詳しく解説していきます。精神科看護師について理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてください。
そもそも精神科とは
精神科とは、心の病気を治療する診療科です。しかし、心の病気は可視化できるものではありません。そのため「病気なのか」の判断が非常に難しいです。この点が、外科や内科などの他分野と異なる点です。
心療内科との違いは「身体的な症状があるかどうか」です。心療内科では、「精神的な不調によって生じる身体的な症状」を治療します。例えば、「ストレスが原因となって生じた胃潰瘍」などが挙げられます。
精神科看護師の役割
精神科看護師の役割は、精神科医師が処方した薬の与薬・管理や患者の心のケアが挙げられます。
精神科の治療は、薬物療法が一般的です。そのため「患者は処方された薬を正しく服用しているか」が重要です。心の病気を患っている人は、薬を多く服用したり、拒否したりすることもあるため、適切に管理する必要があります。
また、患者の心のケアをおこなうことは、精神科看護師の最重要の役割です。心の病気を患っている方は「人が信用できない」と人間不信になっていたり、「自分は不要な人間だ」と自己肯定感が下がっている場合が多いです。
そのため、患者とのコミュニケーションをとおして信頼関係を築き、心に安定をもたらす必要があるのです。
精神科看護師は使えないって本当?
「精神科看護師は使えない」といわれる理由は、精神科看護師とそれ以外の分野の看護師では、おこなう業務が異なるからです。
精神科看護師は、心のケアをおこないます。患者は心の病気を患っていますが、身体的には健康である場合も多く、身体のケアをおこなう機会は少ないです。
一方で、ほかの科に来院する患者は身体的な病気を患っており、看護師は身体のケアをおこないます。具体的には、移動介助や食事介助などの介助業務が挙げられます。同時に、病気によって心が病んでいる場合もあり、心のケアをおこなうこともあります。
看護師の役割 | 身体のケア | 心のケア |
---|---|---|
精神科看護師 | △ | ◎ |
他分野の看護師 | ◎ | 〇 |
上記の表からわかるとおり、身体のケアをする部分に差があります。
精神科以外の分野では、身体のケアが最も重要な役割です。そのため、要求されるスキルが異なる点から「精神科看護師は使えない」といわれてしまうのでしょう。
「精神科看護師は使えない」は誤解
しかし、「精神科看護師は使えない」は大きな誤解です。
たしかに、他分野の看護師と精神科看護師を比較した際、介助業務などの身体ケアスキルは劣っているかもしれません。
しかし、精神科看護師は非常に高度な心のケアスキルを有しています。心が不安定でコミュニケーションが取りづらい患者に寄り添い、信頼関係を築けます。
患者の心をケアするスキルは、精神科看護師として非常に重要です。患者に不安感や嫌悪感を与えてしまえば、治療に支障が出る可能性もあるためです。
この理由から「精神科看護師は使えない」は大きな誤解であるといえます。
精神科看護師として働くメリット
精神科看護師は「使えない」といわれることがあります。しかし実際には、精神科看護師になるメリットも多く存在しています。「精神科看護師は使えない」という噂だけで判断するのではなく、メリットについての理解も深めましょう。
- 患者とじっくり向き合える
- 負担が少なく働きやすい
- 社会的貢献度が高い
患者とじっくり向き合える
心の病気を患っている患者は、自己肯定感の低下や孤独感を抱いている傾向にあります。そのため、人間関係に苦手意識を持っていることが多いです。
精神科看護師は、患者が持つ「人間関係の苦手意識」を克服できるようにケアすることが必要となります。具体的には、患者の話をじっくりと聴くなどの活動を通じて、信頼関係を築いていきます。
患者の発言や表情から気持ちを読み取り、寄り添うことで信頼関係が築けます。また、患者の性格に合ったケアをおこない、患者が安心して自己表現できる環境を作ることが大切です。
精神科看護師は、患者と深く関わることによって、患者に心の安定感をもたらします。これらの活動をとおして、精神科看護師は仕事に大きなやりがいを感じられます。
負担が少なく働きやすい
精神科看護師は、他分野の看護師として業務的な負担が少ない傾向にあります。
精神科には、容態急変や事故による急患などのような、緊急の業務が発生しにくいです。そのため、残業や休日出勤が少ない傾向にあります。仕事とプライベートの両立がしやすく、育児や介護をおこないながらでも働きやすい点がメリットです。
また、精神科看護師は他分野の看護師と比較して休日数が多いため、しっかりと休むことができます。休日にリフレッシュの時間を設けることで、仕事だけでなく趣味なども充実させられます。
社会的貢献度が高い
心の病気を患っている患者は孤立しやすく、生活に不安を感じている場合が多いです。また、偏見や差別、人間関係などの問題にも悩んでいることがあります。
精神科看護師は、上記の悩みを抱えている患者に対して、心の健康維持や社会復帰の支援をおこないます。その支援によって、患者が社会復帰を果たした場合には社会に貢献したと感じやすいです。
また、患者が社会復帰できたことについて、患者本人やその家族から感謝されることもあり「自分は社会の役に立てている」と感じられる場面が多い職業です。
精神科看護師として働くデメリット
これから「精神科看護師を目指そう」という方は、デメリットを理解したうえで目指すことをおすすめします。
デメリットを理解せずに精神科看護師になった場合、「こんなはずではなかった」と後悔する可能性があるためです。
- 精神的なストレスが大きい
- 暴力・暴言を受ける可能性がある
- 身体のケアスキルが身に付きにくい
精神科看護師として働くデメリットについて、それぞれ解説していきます。
精神的なストレスが大きい
精神科看護師は、患者の状態をきちんと把握し、即座に対応する必要があることから、精神的なストレスがかかりやすいです。
心の病気を患っている患者は、精神的に不安定な場合が多く、予測不能な行動をすることもあります。時には自傷行為をすることもあり、精神科看護師は常に気を張っていなければいけません。この点において、精神的ストレスを感じる精神科看護師は多いです。
また、精神科看護師は患者とのコミュニケーションをとおし、心のケアをおこなうことも重要な役割です。些細な言葉一つにも気を付ける必要があることから、慣れていないと精神的なストレスがかかることでしょう。
暴力・暴言を受ける可能性がある
精神科看護師は、患者から暴力・暴言を受ける危険性もあります。
患者の状態によっては、感情のコントロールが効きづらい場合があります。また、幻聴によって傷つけることを指示されている場合もあります。これらの状態によって、患者は非常に暴力的になり、精神科看護師に対して暴力・暴言などの攻撃的な行動を取ることがあります。
患者が暴力的になる事態に備えて、精神科看護師は自己防衛のためのトレーニングなどをおこなう必要もあるでしょう。
身体のケアスキルが身に付きにくい
精神科看護師は、身体のケアスキルが身に付きにくいこともデメリットの一つです。
一般的な看護師は、日常動作が難しい患者のために身体のケアをおこないます。また、病気によって不安になっている患者に対して、心のケアをおこなうこともあります。
しかし、精神科看護師は心の病気を患っている患者を対象に、心のケアをおこないます。心の病気であるため、日常動作には問題がない場合も多く、介助業務などの身体のケアをおこなう必要がありません。そのため、一般的な看護師とは異なり、身体のケアスキルは身に付きにくいです。
精神科看護師に向いている人の特徴
精神科看護師は他分野の看護師と異なり、特殊な労働環境で働きます。そのため、向き不向きが明確でわかりやすいのが特徴です。
精神科看護師を目指している人は「自分が精神科看護師に向いているのか」を事前に確認しておきましょう。
- コミュニケーション能力が高い
- 精神的な問題に敏感
- メンタルが強い
それでは、精神科看護師に向いている人の特徴について、それぞれ解説していきます。
コミュニケーション能力が高い
精神科看護師は、患者の話を聴くことが重要な役割の1つです。しかし、患者の状態によってはコミュニケーションが取りづらいこともあります。そのため、精神科看護師には高いコミュニケーション能力が求められます。
また、心の病気は治療に長期間を要することから、精神科看護師は患者と長期的な関係を築くことが多いです。コミュニケーション能力が高ければ、患者と良い関係を継続させることができます。
加えて、精神科看護師はほかの職種と連携して治療をおこなうことが多いです。具体的には、カウンセラーが挙げられます。連携する人と業務を円滑に進めるためにも、精神科看護師にはコミュニケーション力が必要です。
精神的な問題に敏感
心の病気は可視化できるものではありません。そのため、本当に病気なのかどうかは、医療的な知識を持った人にしか判断できません。
また、「鬱病は甘え」という間違った言葉があるように、病気ではないと誤った判断をしてしまう人もいます。
精神科看護師も医療的知識を持たない人と同様に、心の病気を甘く見てしまえば、患者が頼れる場所がなくなってしまいます。
そのため、精神科看護師は精神的な問題に敏感である必要があるのです。
メンタルが強い
精神科看護師には、メンタルの強さも求められます。患者の予測不能な行動に直面することが多く、精神的ストレスやプレッシャーを感じるためです。
メンタルが強くなければ、ストレスやプレッシャーに負けて、自身の精神的な健康を維持できません。
また、患者のなかには病気によって、暴言・暴力などの攻撃的な性格になってしまう場合もあります。
このような事態になった際、メンタルが弱ければ「仕事に行きたくない」と自身も鬱病のような状態に陥る可能性もあります。
これらの理由から、精神科看護師には強いメンタルが求められるのです。
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まとめ
「精神科看護師は使えない」などといわれることもありますが、精神科看護師は社会貢献度も高く、非常に重要な職業です。また、そもそも「精神科看護師は使えない」というのは誤解であり、気にするべきものでもありません。
もし、「精神科看護師になりたい」と思った際には、噂を信じず、挑戦してみることをおすすめします。その場合、自力で転職するのではなく、転職エージェントの利用をおすすめします。転職のプロが転職をサポートしてくれます。
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