看護師は残業が多い?月の平均残業時間や残業を減らすための対処法も解説 PR

看護師は残業が多い?月の平均残業時間や残業を減らすための対処法も解説

人の役に立ちたい、社会に貢献したいなどの理由で、看護師を志す人は多いです。

しかし、残業が多くハードワークをしていたり、残業を減らしたいと悩んでいたりする看護師もいるかと思います。

残業が多いと、心身が疲弊し体調を崩す恐れがあります。残業が多くて悩んでいる看護師は、その原因を追求し改善することが大切です。

そこでこの記事では、看護師の残業が多くなる原因や対処法について解説します。

現職を続けながら残業を減らす対策も紹介するので、残業が多く悩んでいる看護師はぜひ最後まで読んでみてください。

看護師の平均残業時間は月約60時間

日本医療労働組合連合会の「2017年 看護職員の労働実態調査」によると、看護師の月の平均残業時間は約60時間です。

このデータは終業後の残業時間を示しており、始業前の残業時間は平均約31時間です。そのため、始業前と終業後の両方に時間外労働をしている看護師の場合、残業時間はより多くなるでしょう。

始業前は15~30分程度の残業が多く、特に20代の看護師が残業している点から、新人看護師が早めに出勤して準備していることが伺えます。

一方で、終業後は60分以上残業している割合が多く、定時後に仕事が残ってしまう看護師が多いといえるでしょう。

終業後の残業時間が長い要因としては、始業前のように残業を切り上げるタイミングがわかりづらい点や、看護師は遅くまで残業するのが当たり前という雰囲気がある点などが考えられます。

看護師の約9割が残業をしており、そのうち1.8%が50時間以上の残業をしています。また、月60時間以上の残業は看護師の過労死ラインとされており、0.8%の看護師がこのラインを超えていますが、改善の見込みはあまりありません。

看護師の残業時間が多くなるデメリット

看護師の残業が多くなるにつれて、様々なデメリットに繋がります。

先ほどの「2017年 看護職員の労働実態調査」によると、残業がない看護師の44.0%が体調不良を感じているのに対し、残業時間が60時間を超える看護師は72.4%が体調不良を感じています。

残業時間が多いと、身体を休める時間を十分に確保できません。疲れが残っている状態で長時間労働をすると、さらに体調が悪化する悪循環に陥ってしまいます。

また、病院によっては看護記録の作成時間や勉強時間は本来の業務とみなされず、残業をしても賃金が支払われないことがあります。本来、残業代が不当に支払われないことはあってはなりません。

しかし、一部の看護師のなかには、月に30時間以上の残業をしても賃金が支払われず、サービス残業をしているケースもあります。

労働勤務時間が増えるだけでなく、病院によっては残業代を支払われない点も、残業が多くなることのデメリットです。

看護師の残業が多くなる原因

ここまで、看護師の月の平均残業時間について解説をしてきました。

しかし、そもそもなぜ看護師の残業は多くなってしまうのでしょうか?

看護師の残業が多くなる原因として、次の5つが挙げられます。

残業が多くなる原因
  • 人手不足
  • 看護記録の作成
  • 申し送り
  • 急な入院や急変対応
  • 勉強会・研修会

看護師の残業が多くなる原因について、それぞれ詳しく解説します。

人手不足

看護師業界は全体的に人手不足な傾向にあります。

人手不足によって1人あたりの業務量が多くなり、定時内に仕事を終えられない看護師も少なくありません。特に、昨今は高齢化によって患者数が増えており、看護師一人に対する業務量や責任も増加しています。

さらに、過酷な労働状況に耐えられず看護師が退職し、残された看護師たちの業務量がさらに増えるという悪循環になっています。どれだけ看護師になる人が増えても、離職率が高ければ人手不足は解消されません。

人手不足によって担当業務量が増える点も、看護師の残業時間が多くなる一因です。

看護記録の作成

看護記録とは、患者の様子や施した処置などの記録です。看護記録は当日中に作成しなければならないケースが多く、休憩時間中やほかの業務が終わった後に取りかかる看護師も多いです。

日々の業務が忙しいと、定時内に落ち着いて看護記録を作成する時間を作れません。ほかの業務が定時内に終わっても、看護記録作成のために残業しなければならない場合もあります。

看護記録は患者一人ひとりに対して作成する必要があるため、担当患者数が多いほど作成にかかる時間も長くなってしまいます。

また、職場によっては看護記録のフォーマットが決まっておらず、どこまで詳細に記載すればいいかわからず、時間がかかるケースもあります。

看護記録は医療訴訟などの証拠となる可能性もあるので、正確に記載する必要はありますが、ルールを決めておかなければ看護師にとって大きな負担になってしまいます。

特に、新人や真面目な看護師ほど、すべての情報を記載しなければならないと考え、看護記録の作成に時間がかかってしまう傾向にあります。

申し送り

申し送りでは、どのような処置をしたか、患者の様子に変わりないかなどを細かく伝える必要があります。

担当している患者数が多いほど、申し送りだけでも数十分から数時間かかるため、残業が増える要因になります。

申し送り自体は業務とみなされず、業務時間外に申し送りをする病院は多いです。業務時間外ですので、看護師の残業時間は当然増えてしまいます。

また、申し送りを始業時間前にする場合は、本来よりも早く出勤しなければなりません。全員が同じ時間帯に働くのではなく、交代制で働く看護師だからこそ、引継ぎの機会も多くなってしまいます。

特に、三交代制の病院では、日勤・準夜勤・夜勤の8時間ごとに申し送りが発生するので、勤務前と勤務後の申し送りの時間が長くなります。

急な入院や急変対応

急な入院や急変対応によって、急な残業が発生するケースもあります。出勤中はもちろん、休日でもヘルプとして呼ばれるケースも珍しくありません。

救急車や重症患者を受け入れている科は、急な入院や急変対応による残業が発生しやすいです。

急患に対する治療だけでなく、家族に対するヒアリング窓口業務なども発生するため、残業時間も長引いてしまいます。

特に、緊急時のサポート体制が整っていない規模が小さい病院などは、看護師総出で対応する必要があるため、残業が多くなる原因になりやすいです。

勉強会・研修会

看護師の仕事は多くの専門知識やスキルを必要とするため、定期的な勉強会や研修会が開催されています。医療分野は日々技術が進化しており、新しい技術や用語が出るたびに勉強が必要となります。

勉強会や研修会は業務に関わるため、本来は定時内に実施するものです。しかし、ほかの業務が忙しく、どうしても残業して参加しなければならないケースもあります。

さらに、勉強会や研修会後にレポートを提出する場合、レポート作成も業務時間外におこなわなければなりません。

また、勉強会や研修会は業務としてカウントしない病院もあり、このようなイベントを含めると、実際に報告した残業時間よりも長く残業している看護師もいます。

看護師の残業が多い診療科

看護師は勤務する診療科によっても、残業の多さは異なります。

看護師のなかでも残業が多くなりやすい診療科として、次の3つがあります。

残業が多い診療科
  • 循環器科
  • 産婦人科
  • 整形外科

ここからは、看護師の残業が多い診療科について詳しく紹介します。

循環器科

循環器科は、心臓に関する疾患を中心に扱う科です。

心不全やカテーテル治療など、急な患者を受け入れるケースも少なくありません。循環器科は年収が高いメリットがある一方、その分ハードワークで残業時間も多いという特徴があります。

特に、病院勤務の場合、ナースコール対応や看護記録などの治療以外の業務も含めると、まともに休憩が取れない可能性もあります。

ただし、入院施設がない診療所などは、循環器科であっても緊急性が高くない患者がメインで、残業はあまり発生しません。

産婦人科

分娩治療を受け入れている産婦人科の場合、急な残業が発生しやすいです。

自然分娩のタイミングは予測できず、早朝や夜間になる可能性もあります。自然分娩の準備だけでなく、場合によっては帝王切開の手術準備もしなければなりません。

大きな病院の場合、複数の患者の分娩タイミングが重なる可能性もあります。勤務している医師や看護師だけで対応できなければ、休みの看護師がヘルプで呼ばれるケースも珍しくありません。

整形外科

整形外科は、骨や筋肉を治療する科です。骨折治療などをイメージする人もいるでしょう。

しかし、整形外科は運動器全般を治療するため、緊急手術だけでなくリハビリ業務なども担当しています。

運動器だけでなく身体全体を担当するため、患者数も多くなります。

ケガの治療やリハビリがメインで、患者が亡くなるような精神的ダメージは少ないですが、体力が必要で残業時間も長いことが多いです。

看護師の残業が少ない診療科

ここまで、残業が多い診療科を紹介してきましたが、診療科によっては残業が少ないものもあります。

看護師の残業が少ない診療科として、次の3つが挙げられます。

残業が少ない診療科
  • 内科
  • 精神科
  • 透析科

看護師の残業が少ない診療科について、詳しく紹介します。

内科

内科は所属する看護師が最も多いという特徴があります。

診療対象は内臓や血液、神経など幅広く、多くの患者を受け入れています。

内科は診療時間が決まっているケースが多く、時間外の外来患者は受け付けない場合も少なくありません。原則として予約患者の治療を優先し、そのほかの時間で外来患者に対応します。

急患や時間外の受付がないため、残業も発生しづらいでしょう。

午前と午後の治療に分かれている内科も多く、その間の休憩時間もしっかり確保できる可能性が高いです。

精神科

精神科はメンタル面に関する治療がメインです。

患者一人ひとりにじっくり時間をかけて向き合うケースが多く、緊急入院や急変が発生する機会は多くありません。

そのため、入院患者に関する治療や書類作成をおこない、急患のヘルプで呼び出されるという可能性も低いです。

精神科は患者との丁寧なコミュニケーション力が必要とされますが、残業時間を減らしたい看護師にはおすすめの科といえるでしょう。

透析科

透析科は、人工的に腎臓を機能させるための科です。

透析治療は注射によって血液循環を促し、体内の老廃物などを排出させる治療です。透析治療はあらかじめ予約をするケースがほとんどで、急患はあまり多くありません。

また、1回あたり4時間程度と治療時間が決まっているため、治療が長引いて残業に繋がる可能性も低いでしょう。

入院施設がない透析科であれば、入院患者に関する治療や書類作成による残業も発生しません。

看護師が残業を減らすための対策

「看護師の残業が多いのは仕方ない」と考えられるかもしれませんが、対策次第では残業を減らせる可能性もあります。

看護師が残業を減らすための対策として、次の5つを試してみてください。

残業を減らすための対策
  • 業務の進め方を見直す
  • 仕事の早い先輩看護師に教わる
  • ほかの看護師に協力してもらう
  • 看護師長に業務量を相談する
  • 違う病院への転職を検討する

ここからは、看護師が残業を減らすための対策について詳しく紹介します。

業務の進め方を見直す

業務の進め方を見直すことで、残業時間を減らせる可能性があります。

個人的な対策として、スキマ時間の有効活用ルーティンワークの効率化などが挙げられます。

例えば、看護記録や申し送りを患者巡りの合間等でこまめに進めると、定時後の作業量を大幅にカットできます。

また、患者巡りなどのルーティンワークも、時間がかからない患者から先に巡るなど、順番を工夫することで時間を減らせます。

病院全体の残業対策としては、勉強会や研修会の定時内開催受付体制の見直しなどが挙げられます。

「◯時以降の予約なし外来は受け付けない」「医師からの指示受け時間を終業時刻の◯分前までに制限する」などのルールを設けることで、突発的な残業を減らせるでしょう。

そのほかにも、申し送りをフォーマット化し記載内容を簡潔にする、出勤時間を固定化するなどの対策があります。

「看護師は残業が当然」ではなく、看護師業界全体で働き方改善を意識することが大切です。

仕事の早い先輩看護師に教わる

定時内に仕事を終えている先輩看護師がいる場合、その人に残業なく仕事を終えるコツを教わりましょう。

スキルや経験の差でカバーしきれない部分もあるかもしれませんが、すぐに取り入れられる対策もあるはずです。

先に述べたように、書類作成やルーティンワークにおいて無駄な時間をカットするだけで、残業時間を大幅に改善できます。

直接先輩に聞くことが難しい場合は、先輩看護師の仕事を観察しましょう。仕事の手順やスキマ時間の活用方法などをチェックすることで、真似できるポイントが見つかる可能性があります。

ほかの看護師に協力してもらう

ほかの看護師に協力してもらうことで、自分の業務量やスケジュールを調整し、残業時間を減らせる可能性があります。

看護師の仕事は、記録作成のように自分しかできない仕事だけでなく、患者の処置などほかの看護師もできる仕事があります。

ほかの看護師にできる仕事を任せている間に自分の仕事を片づけていくと、時間を効率的に活用でき、残業時間をカットできます。まずは自分にしかできない仕事と、ほかの人に任せてもいい仕事を分類することをおすすめします。

ただし、ほかの看護師の手を借りるためには、普段から自分も手伝うという意識が欠かせません。手伝ってもらうことばかりを前提にしていると、あまり積極的に協力してもらえない可能性もあります。

お互いに困っているときには助け合うことで、信頼関係を築いておくことが大切です。

看護師長に業務量を相談する

担当患者数や業務内容は、看護師長が振り分けているケースが多いです。そのため、看護師長に業務量を相談することで、残業時間が改善されるかもしれません。

心身の負担を我慢して残業をしていても、黙ってこなしていると看護師長には大変だと気づいてもらえない可能性があります。

「業務量が多すぎて残業時間が長い」「残業が多くなることで心身ともに疲れている」など、困っていることは看護師長に相談しましょう。

現状を伝えることで、看護師長が業務量の振り分けを見直してくれる可能性があります。現在の人員だけで対応しきれない場合は、増員希望の旨も伝えましょう。

違う病院への転職を検討する

ここまでの対策は、病院や職場の人たちの協力のもとで成り立つため、必ずしも残業を減らせるとは限りません。

どうしても現職で残業を減らせない場合は、違う病院への転職を検討しましょう。

現職の科や規模によっては、残業対策に限界があるかもしれません。

看護師の残業量は、勤務形態や科、部署などによって異なります。そのため、ほかの病院に転職すると残業なしで働ける可能性も十分にあります。

違う病院へ転職する方法として、自分で病院に問い合わせる・知人や友人に紹介してもらうなどが挙げられますが、効率的に転職したい場合は看護師転職サイトを活用しましょう。

多くの転職サイトは無料で利用できます。また、キャリアアドバイザーが在籍している場合は、客観的視点で転職についてアドバイスしてくれます。書類作成や面接などもサポートしてくれるので、転職活動が初めての人でも安心です。

残業なしだけでなく、年収やエリアなども含めて希望の条件で転職したい人は、看護師向けの転職サイトを活用してみてください。

残業が多すぎる看護師は転職を検討しよう

看護師が残業を減らす対策の一つとして、違う病院への転職があります。

違う病院へ転職できるか不安、現職と並行して転職活動できるかわからないという人は、ぜひ転職サイトを活用しましょう。

看護師の残業が少ない病院への転職を希望する場合は、次の3つの転職サイトがおすすめです。

おすすめの転職サイト
  • 看護roo!
  • レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
  • マイナビ看護師

それでは、残業が多すぎる看護師におすすめの転職サイト3選を紹介していきます。

看護roo!

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また、各種診断を利用すれば、向いている職場・向いていない職場もわかるので、簡単に転職先の目星を付けたい看護師はぜひ活用してみてください。

レバウェル看護(旧:看護のお仕事)

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まとめ

今回の記事では、看護師の残業が多くなる原因や対処法などについて解説しました。

看護師は平均で始業前に31時間、終業後に約60時間残業をしています。看護師の残業が多い理由として、人手不足や急患対応などが挙げられます。

看護記録や申し送りなどの事務手続きも、看護師の残業を長引かせる一因といえるでしょう。

また、看護師は科や職場の規模によって一人当たりの業務量に差があるため、職場によっては残業を減らしづらい可能性もあります。

上司・同僚への相談や業務効率化で対応できる場合は、現職でも残業を減らせますが、どうしても残業が減らなければ転職も一つの手段です。

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