看護師が年収1000万円を稼ぐ方法とは?おすすめの働き方や稼ぐ人の特徴を解説
「年収1000万円」は、高収入であることを示す分かりやすい指標です。
いつか年収1000万円になることを夢見て働き続けている方もいるかもしれませんが、職種や勤務先によっては昇給を繰り返しても現実的に難しいケースがあります。
この点、看護師に関してはどうでしょうか。
看護師が年収1000万円を稼ぐことはできるのか、年収を上げるためにおすすめの働き方など、1000万円に近付くために必要な情報をここでまとめていきます。
看護師が年収1000万円を稼ぐことはできるのか
看護師が年収1000万円を稼ぐことは不可能ではありません。
ただ、頑張れば絶対に達成できるという目標ではありませんし、難度は高いと捉えておくべきでしょう。
以下で詳しく説明していきますが、年収1000万円は看護師の平均的な年収からは大きく離れています。そのため1000万円を稼ぐには、それ相応の条件を揃えていなければなりません。
好条件の勤務先への転職をする、ニーズのある資格やスキルを身につけるといったことに取り組むなど、「どうすれば年収を上げられるのだろうか」と考え、行動を起こす必要があります。
看護師で年収1000万円を稼ぐ人の特徴
まずは、看護師で年収1000万円を稼ぐ人がどのような人なのかを見てみましょう。目指すべきところを具体的にイメージすることで、何をすべきか見えてくるものもあります。
ただ、以下に挙げるものすべてを満たしている必要はありません。
また、そのすべてを満たしたからといって必ず年収が1000万円以上になるわけでもありませんので、留意してください。
開業看護師
従業員として働き続けるのでは、なかなか年収1000万円には到達しません。
優れた能力を持っていたとしてもすぐに給与を上げてもらえるわけではなく、所属組織の規定に従い徐々に昇給していくしかありません。
これに対して自ら独立開業して仕事をすれば、ある程度自由に自分の収入を設定することができます。売上、利益が出ていることは大前提ですが、業績が好調であれば自身の年収を1000万円以上にしても問題ありません。
看護師としての経験・スキルを活かすには、介護支援施設や訪問介護などの事業を行う法人を設立するのが良いでしょう。
その他自由な発想に基づき「自分の力を活かして開業をするにはどのような事業が適しているだろうか」とアイデアを模索してみましょう。
必ずしも自分1人の力で達成する必要はありません。ビジネスパートナーを見つけてそれぞれに足りない部分を補い合うことができれば、相乗効果によりビジネスも成功させやすくなるでしょう。
役職に就いている
自ら開業をして年収1000万円以上を目指すほか、看護部長などの役職に就くことで1000万円以上を目指すことも可能です。
むしろ役職に就かず一般的な看護師として1000万円を超える年収を獲得するのは難しいかもしれません。
また、看護部長以外にも看護主任や看護副主任、福看護師長などの役職もありますが、できるだけ高収入を実現するためには看護部長など、役職の中でも上位の位置に就く必要があるでしょう。
ただしその分仕事への責任も増します。
例えば看護主任だと看護師の管理やサポート、中間管理職のような立ち位置で管理職と現場看護師との橋渡し役を担います。
これに対して看護部長は病院組織内の看護師について、その全体を取り仕切る責任ある立場です。病院自体の運営にも携わることがあり、この役職にまでくると、現場での看護業務というよりもマネジメント業務が主になってくるでしょう。
大規模病院での勤務
決定的な指標とまではなりませんが、規模の大きな病院で勤務していることも年収アップに繋がると期待できます。
実際、公益社団法人日本看護士協会からも、看護職の給与データのデータが公表されています。
同データによると、勤続年数10年の場合、病床数が100未満の小規模病院では平均給与が約31万円であるのに対し、病床数500以上の大規模病院では約35万円であると示されています。
ただし大規模病院で働いている看護師がみんな1000万円以上の年収であるとまでは示されていません。
そのためあくまで年収が上がるという傾向に過ぎません。
しかしながらその後のキャリアアップも考慮すれば、「1000万円の年収に近いのは規模の大きな病院で勤務している看護師」であるともいうことができます。
看護師が年収1000万円を稼ぐことが難しい理由
看護師として働いて、1000万円以上稼ぐことも不可能ではありません。しかし開業看護師になったり大規模病院で勤務したり、役職に就いたりしても、1000万円以上を実現するのは簡単なことではありません。
なぜこれだけ看護師が年収1000万円以上を目指す難易度は高いのでしょうか。
看護師の平均年収に焦点を当てて説明していきます。
正看護師の平均年収
日本の様々な職種、性別、年齢などについての賃金は、厚生労働省の公表する「賃金構造基本統計調査」から確認することができます。
そして令和3年の調査によれば、正看護師の平均年収は498万6,200円であることがわかっています。
月給が諸手当を含んで約34万円、賞与が年間で約85万円の計算でこのようになっています。
日本の平均的な年収と比べて低いといったことでもありませんが、1000万円を望む方からするとその半分程度しかないという見え方になるでしょう。
勤務する病院によって実際の給与は異なるとはいえ、ある程度相場に引っ張られて給与設定を行うのが通常です。
目標値が相場の2倍以上であることを考えると、1000万円以上を稼ぐことの難しさがイメージできるのではないでしょうか。
准看護師の平均年収
前項で紹介したのは正看護師に関する年収です。正看護師は診療補助や患者に対するケアを自らの判断に基づいて行うことができる立場の看護師です。
これに対して准看護師は、医師または正看護師の支持を受けなければ業務ができません。そのため正看護師の方ができることが広く、その分年収にも差が出てくるのは当然とも考えられます。
実際、准看護師の平均賃金は406万7,200円であり、正看護師と比べて100万円ほどの年収差があります。
これは、月給が諸手当を含んで約29万円、賞与が年間で約63万円として計算された値です。
准看護師のままだと管理職への昇進もできないため、現状准看護師として働いているのであれば、まずは正看護師になることを目指すと良いでしょう。実務経験等を経て看護師国家試験に合格し、看護師免許を取得すれば、賃金を年間100万円上げられる可能性があります。
男性看護師と女性看護師の平均年収の違い
性別による平均賃金の差も確認されています。
男性の看護師であれば平均賃金が約506万円、女性看護師であれば平均賃金が約490万円です。
そもそも性別とは別に、看護師は勤続年数に応じて年収が上がっていく傾向があるため、長く働き続けられる方が年収を上げる上では有利であるといえます。
この点、女性は出産や育児期間にいったん職場から離れるケースも多いです。その差が平均賃金に出ているのではないかと考えられています。
そのため女性看護師である場合、男性と大きな差があるわけではありませんが、1000万円という目標から少し離れてしまいます。
看護師以外の助産師や保健師が年収1000万円を稼ぐことが難しい理由
看護師に近しい職種として「助産師」や「保健師」があります。
まったくの異業種への転職比べると、助産師や保健師への転職の方が成功させやすいと思われます。
ただ、年収1000万円を稼ぐという目標達成のために有効とはいえません。
助産師の平均年収
助産師とは、妊娠から出産までの様々なケア・指導などを行う専門家です。
出産時の介助はもちろん、妊娠時の相談対応や指導、新生児に関する生活援助なども行います。
勤務場所は看護師と同じく病院がメインです。
ただ、自分で助産院を開業することもできますので、看護師に比べると資格を直接活かした独立開業がしやすい職種であるともいえるでしょう。
また、平均年収自体も看護師より高いです。
厚生労働省のデータによると、助産師の年収は平均して約570万円です。
看護系の職種の中では高水準にあります。そのため助産師への転職を成功させることで年収アップは十分に期待できます。
しかしながら、単に助産師になったというだけで1000万円を達成するのは困難です。独立して助産院を始めるなどの工夫が必要でしょう。
保健師の平均年収
保健師は、地域や企業、学校などの健康維持、病気の予防に向けた指導などを行う専門家です。
保健所や役場など行政に所属する保健師もいれば、民間企業に勤める保健師もいます。どちらも所属するエリアや組織内の健康管理や療養に関する相談や指導役を担います。
看護師とも近しい職種ですので転職先として視野に入れることもあるかもしれませんが、平均年収は500万円弱と、看護師と大差はありません。
そのため保健師になったからといって年収アップが期待できるわけではありません。
民間企業に勤める保健師であれば、職種とは関係なく、選択する企業次第で年収を大幅に上げられる可能性はあります。とはいえ相場の2倍以上の年収を獲得するのは簡単ではありません。
看護師が年収1000万円を稼ぐための方法
看護師が年収1000万円を稼ぐための具体的方法をいくつか挙げていきます。
“必ず1000万円を達成する方法”というわけではなく、“年収を上げて1000万円の実現可能性を高める方法”という意味合いですので、以下を参考に、どうすれば1000万円が稼げるのかを検討していきましょう。
高年収の職場へ転職
現在の勤め先でいくら昇進しても1000万円には到達できない可能性があります。そのため従業員として1000万円を稼ぐためには、まず、高年収の職場への転職が欠かせません。
1つ有力な候補として挙げられるのが「美容外科クリニック」です。
一般的な病院ほど安定性はありませんが、給与は上げやすいといわれています。
その理由は“自由診療”にあります。
病院で怪我や病気の治療をする場合、多くは健康保険が適用されます。
これに対して美容医療では多くが自由診療であり、クリニックは収益性を高めやすいのです。
さらに、夜勤がないこと、患者の命に関わる仕事ではなく精神的な負担が軽減されるといった点に着目して転職を望む方もいます。
ただし給与の高いクリニックは人気も高くなりますので、転職を成功させるには激しい競争を勝ち抜かなければなりません。看護師として働いていたというだけでなく、外科関連の知識を備えておくことが大事です。
専門技術を活かした副業
1つの勤め先から1000万円をもらうのはなかなか難しいです。そこで、副業により、トータルの年収で1000万円を達成するというやり方もあります。
看護師として激務をこなしつつ副業を始めるのは現実的に難しいという方もいるかもしれません。そのようなケースでは、夜勤や身体的な負担が比較的小さい勤務先を探して転職しておくのも手です。
なお、勤務先が副業を許しているかどうかもポイントになってきます。特に公立の病院や保健所などで働いている場合、ほとんどのケースで副業が認められません。
民間の場合、就業規則で副業を禁止していても、法的には企業が個人の副業を禁ずることはできないと考えられています。
そのため本業に支障をきたすなどの特別の事情がなければ副業はしても良いのですが、企業や他の従業員との間でトラブルが起こるリスクがあります。
そのため副業を始める前には勤め先が副業に対してどのように考えているのかを調べ、就業規則等で規制を掛けているのであれば、事前に許可を得ておくことが望ましいです。
投資や資産運用
副業ができない忙しい看護師には、投資や資産運用もおすすめです。
- 投資信託
- 株式投資
- FX
- 仮想通貨
- 不動産投資
これら様々な選択肢があります。
副業より時間をかけずに実行できるという利点があります。もちろん、時間をかけてじっくり調査などを行うことが大事ですが、拘束時間は比較的短いです。
節税効果も得られますので、収入を増やすという観点のみならず、支出を減らすという意味でも効果的です。
また、成功させられたときのリターンが大きいため、投資する額や運用する資産の大きさ次第では1000万円以上を稼ぐのも現実的になります。しかしながら投下した資産が消失するリスクも覚悟しないといけません。
役職を上げる
役職を上げて、看護部長などの立場になるという方法もあります。ただし、一般的には一定以上の勤続年数が求められますし、マネジメントを行う立場としてのスキルも求められます。場合によっては特定の資格取得を求められるかもしれません。
看護部長となる前段階では、通常、10年以上の経験を経て看護主任となり、さらにその後看護師長へとキャリアアップ。その後看護師長としてもキャリアを積むことで、看護部長への道が開かれます。
単に長い実務経験があるだけでは不十分です。長さだけが求められるのであれば、誰でも看護部長になることができてしまいます。
そこで経験年数は前提問題として、別途看護師たちをまとめるリーダーとしての素養であったり、コミュニケーション能力であったり、また、マネジメント能力なども必要になります。
資格を取得する
看護師が資格を追加で取得してからといって、それだけで転職もせずに1000万円を稼ぐのはほぼ不可能でしょう。そのため投資などに比べると地道な行程ですが、給与を上げるという意味では資格取得は堅実なやり方です。
つまり、“取得した資格で今すぐ1000万円を稼ぐ”のではなく、“取得した資格を足掛けにしてステップアップしていく”という流れになります。資格取得を契機に新たな経験を積み、役職を上げていく。独立開業に必要な経験を積んでいく。といった道も開かれてくるかもしれません。
なお、看護師の範囲内でいえば、「認定看護師」や「専門看護師」、「認定看護管理者」などの資格があります。
認定看護師 |
19から成る看護分野のいずれかにつき、一定以上の技術・知識を持つと認められた看護師 他の看護師に対する指導や相談活動を担う |
---|---|
専門看護師 |
複雑な健康問題を抱える者に対して、高水準の看護を行うことができる技術・知識を持つと認められた看護師 特定の専門看護分野に卓越したスキルを有する |
認定看護管理者 |
管理者として優れていることが認められ、創造的に組織を発展させられる能力を持つ看護師 |
深夜勤務を増やす
身体的な負担は増してしまいますが、体力があるなら深夜勤務を増やすことで給与を上げることもできます。
深夜の勤務には手当ができますので、同じ時間働いたとしても多くの給与をもらうことができます。
三交代制か二交代制なのかにもよりますが、深夜の勤務に対しては、1回あたり5,000円~1万円ほどの手当てが出る傾向にあります。
開業看護師になる
開業看護師になることで1000万円を稼ぐのも現実味を帯びてきます。
訪問看護ステーションの開設を例にその方法を簡単に説明します。
まず行うべきは、開設しようとしている地域のニーズなどを調査することです。せっかく訪問看護ステーションを開設しても、そのエリアに需要がなければ稼ぐことはできません。そのためどこで開設をするのが効果的か、具体的にどのようなサービス内容にすると利用者は増えるのか、検討していきます。
事前調査を終えれば、法人を設立します。定款の作成から設立の登記などを進めていきます。行政書士や司法書士などにも協力してもらいながら手続を進めていきましょう。
また、訪問看護ステーションは勝手に始められる事業ではありませんので、指定申請を行う必要があります。都道府県や市区町村などに届出を行い、法令で指定された施設や人員、運営などの基準を満たす事業者であることを認めてもらわないといけません。
以上の手続を経て、ようやく開業ができます。細かい手続を挙げていくともっとあります。
訪問看護ステーション以外の開業であっても、立ち上げには大きな労力を要します。稼ぎを大幅に増やすことができる可能性を秘めていますが、その分スタートするまでのハードルが高いことは認識しておきましょう。
看護師が年収1000万円を稼ぐために役立つ資格
認定看護師や専門看護師など、看護師としてステップアップするための資格は紹介しましたが、年収1000万円を稼ぐ上では、看護師以外の資格を取得することも視野に入れると良いです。
以下でその例を挙げます。
ケアマネージャー
「ケアマネージャー」は、介護を必要としている人に対し、適切な介護サービスを受けられるように支援する専門家のことです。「介護支援専門員」とも呼ばれます。
介護全般の相談、関係機関との調整などをケアマネージャーは行います。また、援助を希望する利用者から希望する介護サービスをヒアリングし、その内容を受けて、本当に必要な介護サービスの内容を査定していきます。
介護保険が利用できるように計画を策定する役割も担います。
ケアマネージャーになるには、介護支援専門員実務研修受講試験への合格が必要です。
また、受験資格を得るには5年間以上(かつ900日以上)の指定業務経験がなければなりません。
看護師と直接の関係を持つ資格ではありませんが、ダブルライセンスとなることで幅広い業務への対応できます。転職の幅も広がりますし、試験への合格までの取り組みで身につけた知識を他で活かすこともできます。
不妊カウンセラー
「不妊カウンセラー」とは、不妊で悩む人に対して適切な情報提供をし、カウンセリングやケアを実施する専門家のことです。相談を通して最適な不妊治療の提案を行います。
また不妊カウンセラーに並ぶ「体外受精コーディネーター」という資格もあります。
不妊治療のうち、特に体外受精などの高度な医療を受ける人に対して適切な情報提供、カウンセリング、ケアを実施する専門家のことです。
不妊治療を取り扱っている産婦人科、あるいは専門のクリニックで働いている人や今後クリニックへの転職を目指している方におすすめの資格です。
看護師が年収1000万円を稼ぐためにおすすめの働き方
上述の投資や副業、開業などではなく、看護師として働くことにこだわって年収1000万円を稼ぎたいという方は以下の働き方も検討してみましょう。
美容クリニック
美容外科クリニックについてすでに触れましたが、やはり美容クリニックでの勤務は、年収を1000万円に近づけたいと考える方にはおすすめの働き方です。
美容クリニックにも美容外科と美容皮膚科の2つの分野があります。
美容外科は整形手術などの外科治療を主に取り扱います。そのため美容外科で従事する場合は、手術の補助なども行うことになります。
一方の美容皮膚科は脱毛やシミ取りといった美容に特化しています。
ただ、どちらも電話受付や予約の管理、利用者のカウンセリングなどの対応は必要になるでしょう。
一般的な病院勤務に比べると、夜勤がほとんどないというメリットがありますし、その一方で年収も上げられるという良さがあります。とはいえ勤務するクリニックによっては年収が上がらないこともありますし、自身の経歴やスキルによっては高い年収が得られない可能性もあります。
そのため美容クリニックでの就職を目指すにしても、アピールできるスキルや実績を持っておくことは大事です。
夜勤専従
夜勤専従という働き方もあります。
その名の通り、夜勤を専門に従事することを意味します。
夜勤専従看護師として働けば、短い日数で同等の給与を得ることができます。実際、月あたり10回ほどの勤務が一般的とされています。病院での勤務となるのが通常で、夜間における病室の巡回、検温、点滴の管理といった業務をこなします。
病棟以外でも、24時間看護師を常駐させる介護施設であれば募集がかけられていることもあります。就寝前後におけるケア、排せつ介助などを主な業務としてこなします。
勤務回数が少なくて済むのは、労働基準法の規定で規制がかけられているからです。
そのため夜に主に働くことに抵抗がないなら、夜勤専従で勤め、他の時間を使って収入をさらに増やすという働き方も候補にあがってきます。
訪問看護ステーション
開業の例で訪問看護ステーションを挙げましたが、経営者としてではなく、現場の看護師として働く選択肢もあります。
なお、訪問看護ステーションとは訪問看護をサービスとして提供する事業所のことであり、そこには看護師、保健師、理学療法士、助産師などが所属します。病院勤務とは異なり、訪問看護ステーションで働く場合、利用者の自宅に出向いてサービスを提供することになります。
訪問先ですることは病院と大差ないこともありますが、設備の違いからできることに差が出てくることもあります。
また、1人で対応しないといけない範囲も広がるため、看護師として高い能力が求められます。しかもスキルが優れているだけでは不十分で、利用者の自宅に訪問することになるため家族とのコミュニケーションなども発生します。
大変な業務が予想されますが、ゆくゆくは自分自身で訪問看護ステーションの開業をしようと検討している方は、一度勤務してみることをおすすめします。
現場での経験を経て経営者側に立つことで、より実態に即した事業が始められることでしょう。
臨床開発モニター
「臨床開発モニター(CRA)」は、新薬開発にあたっての治験が、適切に実行されているかどうかをモニタリングする仕事のことです。
新しい薬を開発する過程では、実際に流通する前段階で治験を経ておく必要があります。臨床開発試験とも呼ばれる治験は、リスクも伴います。そこで、所定のルール、計画に沿って実行されなければなりません。
その監視役を担います。
また、単に監視をするだけでなく、治験が円滑に進行するようサポートも行います。症例データを収集したり、進捗状況を管理したり、一般的な看護師とは働き方が大きく異なります。
特徴的なのは、出張が多いということです。
治験が行われる場所に行く必要があり、全国の医療機関を飛び回ることもあります。
外資系の企業で勤める場合は海外出張の可能性もあります。
年収は平均して一般的な看護師より高い傾向にありますが、常に新たな技術や薬に対する知識を身につける意欲が求められ、アクティブに新しいことに取り組んでいきたいという方に向いているでしょう。
ICU
「ICU」とはIntensive Care Unitの略で、「集中治療室」とも呼ばれます。
重篤な患者に対して特別な治療環境を用意する必要がある場面で利用されます。
そこでは医師や看護師が24時間体制で容態をチェックしています。高度な診療機器、モニタリング機器が配備され、それらを適切に扱える技術力、重篤な状態の患者にも対応できる能力や知識が求められます。
ただ、ICUに携わる看護師が他と比べて圧倒的に高い年収を得ているわけではありません。
特殊業務手当が月に数万円程度支給されることもありますが、1年で通算しても、大幅な年収アップに繋がるとまではいえません。
そのためICUで働くことで年収1000万円を目指すのではなく、その経験を次に活かすという姿勢で臨む必要があるでしょう。
フィールドナース
「フィールドナース」とは、医療機器メーカー等で従事する企業看護師のことです。
主に自社製品の営業に携わります。
企業により呼び名が異なることもあります。
「クリニカルコーディネーター」と呼ばれたり、「クリニカルスペシャリスト」と呼ばれたりもします。
フィールドナースの業務は製品のプロモーション活動が主ですので、営業スタッフと一緒にクリニックや病院を訪れて、ドクター等にプレゼンをしたりします。
一般消費者が扱う機器ではないため、看護師が説明をすることに意味があります。その他勤め先の企業によっては、機器のデモンストレーションをしたり、納品後の機器のアフターフォローまで対応したりすることもあります。
フィールドナースには、看護師資格やその経験に加え、プレゼン能力やコミュニケーション能力、一般的なビジネスマナー、英語力なども求められます。
病院での採用に比べると枠が狭いため、フィールドナースになるのは簡単ではありませんが、高い年収を期待することができます。
看護師が年収1000万円を稼ぐための転職におけるポイント
現状の年収が1000万円からほど遠いという場合、転職を視野に入れる必要があるでしょう。
転職して看護師になるにしても、転職後看護師以外になるにしても、次のポイントを押さえて転職活動を進めていくことが大事になってきます。
口コミや評判の良い看護師転職サイトを利用する
転職サイトもたくさんあります。
「どれを利用しても同じ」と考える方もいるかもしれませんが、実際には、利用する転職サイトによって結果は変わってきます。
まず、求人数に差があります。サポートサービスも転職サイトによって異なります。
そのため転職活動を始めるにあたっては、転職サイトの口コミや評判を調査するところからスタートさせる必要があります。
また、幅広い業種を取り扱っている総合転職サイトを利用するのでも良いですが、看護師として働きつつ年収アップを図るのであれば看護師に特化した転職サイトも探してみると良いでしょう。
複数の転職サイトを利用する
利用する転職サイトは1つに絞る必要がありません。
転職サイトの評判を調べていく中で、「この転職サイトは良さそうだ」と感じるものがいくつか出てきたなら、併用してみましょう。
実際に使っていく中で「やっぱりこのサイトは扱いにくいな」「自分にはこのサイトは合わなかった」といった感覚が掴めてくることもあります。
また、複数サイトを利用していれば、一方では掲載されていない求人が他方では掲載されている、といったことも出てきます。幅広い求人情報をチェックするためにも、転職サイトの併用はおすすめです。
アドバイザーに条件を伝える
転職サイトには、多くの場合アドバイザーがいます。名称はサイトにより違うかもしれませんが、転職希望者のサポートをしてくれる方がいるのが一般的です。
転職活動を効率的に、効果的に進めていく上では、このアドバイザーの有効活用がポイントとなってきます。
アドバイザーに対して細かく希望条件を伝えていきましょう。
その際、年収1000万円稼ぐことを目標にしていると伝えておくと、その目標達成に向けた活動内容の提案をしてもらえます。
特定の病院に転職する場合はWebサイトから応募する
転職サイトからの応募だけが転職活動のやり方ではありません。特に、狙っている特定の病院やクリニックがある場合は、Webサイトから直接応募してみるのも手です。
そこで、まずは「採用情報」などのページが設けられているかどうかを確認しましょう。
大きな病院であれば頻繁に情報が更新され、直接応募をする機会も多くやってくるでしょう。
ただし転職活動を支援してくれるアドバイザーがいませんし、エージェントのような条件交渉を代行してくれる存在もいません。すべて自分で対応しないといけない点には注意しましょう。
看護師が年収1000万円を稼ぐためにおすすめの転職サイト
年収1000万円の目標を果たす上で、転職は有効な手段の1つです。
とはいえ、転職サイトを検索するとたくさんヒットします。一つひとつサイトの評判を調べていると、なかなか本格的な転職活動に着手できません。
そこで「とりあえず早く転職サイトに登録して進めていきたい」という方に向けて、当サイトおすすめの看護師向け転職サイトを紹介していきます。
看護roo!
「看護roo!(カンゴルー)」は、看護師に特化したWebサービスです。転職サイトでもありますが、転職に限らず様々な看護師に関わるコンテンツが充実しています。
例えばサイト上には次のようなコンテンツがあります。
- 掲示板
- 漫画
- 看護知識
- 動画
- おみくじ
- 用語辞典
- ライフスタイル
- 国試
- イラスト
- 給料明細
- クイズ
「掲示板」で他の看護師とのコミュニケーションを取ることができます。
「国試」では看護師国家試験特集が組まれており、これから看護師になりたいという方でも利用できるサイトになっています。
また、「給料明細」の機能も特徴的です。他の看護師がどれほどの給与をもらっているのかがチェックでき、転職活動の資料として役立てることもできるでしょう。
レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
「レバウェル看護」も看護師に特化したWebサービスです。
過去には「看護のお仕事」という名称の転職サイトでした。
しかし人材サービスのみならず、看護師向けのメディアとも統合することになり、そのタイミングで「レバウェル看護」という名称へと変更された背景があります。
そのため転職サイトとしての機能はもちろん、看護師の悩みや課題を解決するための様々な情報も掲載された、看護師向けの総合サービスとなっています。
転職を目的として利用する場合、サイトへの登録後、15分ほどの条件ヒアリングが実施されます。ヒアリング後、アドバイザーからLINEあるいはメールを使って求人情報が届けられます。
2022年のオリコン顧客満足度調査、看護師の転職における「担当者の対応」の分野で第1位を獲得。レバウェル看護は、アドバイザーの対応について高い評価を得られています。
「職場インタビューあり」求人の掲載があり、職場のリアルを伝えてくれる転職サービスともいえます。良いところもそうでないところも、しっかり伝えてくれますので、転職後のミスマッチ発覚などを防ぎやすいです。
マイナビ看護師
大手転職サイト、マイナビ系列の看護師版が「マイナビ看護師」です。
全国に対応していますが、全国に20の拠点も構えており、地域求人にも広く対応しています。大手ということもありますし、看護師専門のキャリアアドバイザーも在籍していることから、初めて看護師として転職をするという方でも安心感が得られるでしょう。
キャリア面談の際、実際に会って話すこともできます。
サイト上には様々な特集が組まれています。
例えば社会人経験の少ない方向けに「教育・研修が充実した病院特集」が掲載されています。
他にも「働きやすい環境づくりを目指す病院特集」「助産師として活躍できる病院特集」など、様々な人のニーズに応えられるようなコンテンツが充実しています。
看護師で年収1000万円を実現できない場合は企業へ転職する
年収1000万円の達成にこだわるのなら、看護師以外の選択肢も視野に入れて、民間企業への転職も考える必要があります。
その観点から、利用がおすすめされる転職サービスを紹介します。
これまで看護師以外の実務経験がないという方は、未経験の領域への転職に不安を抱くかもしれません。そのためサポートが手厚い転職エージェント等を以下で挙げていきます。
リクルートエージェント
「リクルートエージェント」は、転職エージェントの中でも最大手と呼べる存在で、求人数がトップクラスであるという強みを持ちます。
公開されている求人数のほか、非公開となっている求人数も相当数あるといわれています。
全国・全年齢・全ジャンルに対応していますので、リクルートエージェントに登録するだけで幅広い企業をカバーして転職活動を進めていくことができるでしょう。
doda
「doda」は、一般的な転職サイトとしての性質と、転職エージェントとしての性質を併せ持つ転職支援サービスです。
そのため、まずは自分で求人情報を探し出したい、その後必要に応じてアドバイザーにサポートをして欲しいという方に利用が適しています。
求人数も多く、全国どのジャンルの業種にも対応しています。
その中でも特に営業やITエンジニアの取扱いが多く、看護師から未経験の業種にチャレンジしたい意欲的な方にもおすすめできます。
マイナビエージェント
「マイナビエージェント」も大手の転職サイトで、求人数なども多く取り扱っています。様々なジャンルを取り扱い、全国の転職活動で利用できます。
一番の特徴は、若年層に人気があるという点です。20代から30代をメインターゲットに展開しているサービスで、初めて転職するという方向けにサポートも充実しています。
また、業界別に専任のアドバイザーが配備されています。
「転職をしてみたい業界があるけど、実情をよく把握していない」と漠然とした不安を持つ方でも、専任アドバイザーを頼ることで悩みを解決できることでしょう。
まとめ
上述の通り、看護師の平均年収は500万円ほどであり、普通に働き続けたのではなかなか1000万円の年収を獲得するのは難しいです。
しかし大規模な病院で役職に就いたり、あるいは開業看護師として自分で事業を立ち上げたり、看護師という立場を利用して1000万円の年収に到達することも不可能ではありません。
いきなり1000万円の年収することを考えるのではなく、まずは資格取得に向けて学習を始めることや、副業を始めてみることも検討してみましょう。
転職により現状より大幅に年収をアップできることもありますし、上記転職サイトも利用して一度新たな勤務先候補を探してみるのもおすすめです。
気になるけど、なかなか話しづらい。けどとても大事な「お金」のこと。 日々の生活の中の身近な節約術から、ちょっと難しい金融知識まで、知ってて得する、為になるお金の情報を更新していきます。