看護師の転職は何年目がベスト?転職するメリット・デメリットを経験年数別に解説
日本医療労働連合会の調査(※)によると、看護職員の約75%が「辞めたい」と考えていることが分かります。労働環境や人間関係など、さまざまな要因で転職を考える看護師がいますが、ここで気になるのが「何年目で転職するのがベストなのか?」ということです。
中堅やベテランになってから転職する看護師もいれば、1年目で転職を考える看護師もいるでしょう。そこで今回は、看護師が転職を考える時期において何年目がベストなのかを解説します。経験年数別に転職するメリット・デメリットについても触れるので、ぜひ参考にしてみてください。
看護師は何年目から転職を考える人が多い?
勤続年数から見てみると、日本医療労働連合会の調査(※)では、看護職員の平均勤続年数は10. 7年です。つまり、平均すると10年程度で退職する看護師が多いことからも、同時に転職を考える人も多い時期といえます。
細かい内訳としては「1年未満」が全体の9.3%を占めています。「5年未満」では37.9%にも上り、「10年未満」になると57.9%に達します。この結果から、半数以上の看護師は10年未満で転職していることが分かります。
さらに「15年未満」では全体の70.9%であることから、看護師の約7割が15年以内に転職しているという結果になります。その一方で、勤続20年以上の看護職員は全体の約2割に留まり、勤続年数の短さからも看護師の移動の激しさがうかがえます。
その背景として、結婚後に出産し、育児をしながら働き続けることが難しい点があり、看護師にとって負担が大きい労働環境といえるでしょう。また、この状況は年々悪化している傾向にあります。
看護師の転職は何年目にすべき?
前職の希望や施設形態、任されていた業務内容によって違いはあるものの、一般的に「4年目以降」での転職がおすすめです。その理由は、看護師として一通りの業務がこなせるようになり、リーダー業務や各種委員会への参加、後輩看護師への指導など任される役割が増える時期であるためです。
4年目以降では、ある程度の看護師スキルを身に付けており、即戦力として評価されることで転職先の幅も広がり、条件交渉もしやすくなるのが一般的です。また、新卒から同じ職場に長く勤務することは、ひとつの事をやり抜く忍耐力や継続力、根気があると評価されやすいです。
前職と同様の環境に転職することで、より深い学びを得ることができ、自身の看護観や目標が明確になるためミスマッチが少なくなるといったメリットもあります。
1年目看護師の転職について
1年目の看護師は実務経験がほとんどなく、業務についての理解や知識、スキルがまだ身に付いていない状態が特徴です。
結論からいうと、1年目の新人看護師でも転職は可能ですが、経験が浅い1年目の看護師ならではのデメリットもあるため、転職の際には注意しなければなりません。看護師としての相対的な市場価値は低い傾向にあり、転職できる職場・求人も限られてしまうのが現状です。
退職理由によっては大きなマイナス評価にならない場合があるため、ポイントを踏まえて転職活動をおこなうことで、採用される確率も上がります。ここからは、1年目の看護師の転職におけるメリットやデメリットについて解説します。
1年目看護師の転職市場での評価
1年目の看護師の場合、転職市場における評価は低い傾向にあります。特に新人看護師の教育制度が充実しており、教育体制が整っている規模が大きい病院では、学校を卒業したばかりの新卒看護師を多く受け入れているため、中途の新人看護師の採用は少ないです。
また、新人看護師の教育体制が整っていない中規模以下の病院でも、中途採用の看護師には即戦力を求める傾向があります。中途採用のアピールポイントである経験やスキルがない新人看護師では、病院側も採用しづらいといえるでしょう。
しかし、近年の深刻な看護師不足を解消するために、経験が浅い第二新卒でも積極的に採用する職場も増加傾向にあります。早期の退職でも、退職理由によってはマイナスイメージを持たれることがなく、今後のポテンシャルを評価する職場も少なくありません。
1年目看護師が転職するメリット
1年目の看護師は経験やスキルが乏しいことが原因で、市場価値の低さが目立ちますが転職するメリットもあります。主なメリットとしては次のとおりです。
- 新しい環境に適応しやすい
- 無理のない働き方を選択できる
- 自分に合った仕事が見つかる可能性がある
1年目看護師が転職するメリットについて、それぞれ解説していきます。
新しい環境に適応しやすい
1年目で退職する新人看護師は、前職の仕事のやり方や考え方を身に付けていないため、良い意味でこだわりを持っていません。同じ職場で長い期間働き続けていると、その職場が働き方の基準になってしまい、新しい環境に馴染むことが難しくなる傾向があります。
なかには、新しい職場のやり方に納得ができず、転職しても早期に辞めてしまう看護師もいます。1年目の看護師には凝り固まった先入観が少ないため、新しい職場に馴染みやすいでしょう。
無理のない働き方を選択できる
転職を考える1年目の看護師は「自分は看護師に向いていないのではないか」と、自信をなくしているケースがあります。なかには、体調を崩してしまったことが原因で転職を考える看護師もいるでしょう。
転職活動において、無理せず自分のペースで働ける職場と出会うことで、負担なく看護師として働き続けることができます。
心機一転し転職先で頑張ることができれば、仕事のやりがいや楽しさを見つけ、看護師としての自信をつけることもできるでしょう。そのためには、比較的業務の負担が少ない職場や診療科を選ぶ必要があります。
自分に合った仕事が見つかる可能性がある
看護師の仕事は多種多様であり、病院以外にも転職先の候補があります。転職活動を通じてほかの分野を知ることで、自分に合った仕事や興味のある分野と出会える可能性があります。
新しい分野へチャレンジすることに関しては、ベテラン看護師よりも若い新人看護師の方が適しているでしょう。行動力や好奇心、新しいものを受け入れる柔軟性を備えた新人看護師は、さまざまな分野にチャレンジする絶好の機会でもあります。
自分に合う仕事ややりがいを感じられる仕事は、一度やってみないと分からないことも多いです。未知の分野にチャレンジすることで自分に合った仕事を見つけられれば、その後のキャリア形成にも繋がります。
1年目看護師が転職するデメリット
1年目の看護師の転職にはデメリットも存在します。デメリットの要素として大きいのが「経験の浅さ」と「早期に退職している事実」です。
希望する職場や働き方によっては大きなデメリットになるため、転職活動をする際には十分注意しなければなりません。主なデメリットは以下のとおりです。
- 新人を受け入れる職場は少ない
- 1年未満での退職によるマイナスイメージ
- 転職先の選択肢が少なくなる
1年目看護師が転職するデメリットについて、詳しく解説していきます。
新人を受け入れる職場は少ない
教育面などの問題から、1年目の看護師を受け入れてくれる職場は非常に少ないです。人手不足が深刻化する医療業界では、新人教育にまで手が回らないところも多く、中途採用によって即戦力を補充しています。
1年目の看護師は、引き続き段階的な教育や指導を必要とするため、即戦力としての期待度は低く、希望どおりの職場への転職は難しいです。しかし、看護師不足が深刻化している医療業界では、数は多くないものの新人看護師でも受け入れてくれる職場もあります。
転職活動が難航している場合には、まず希望に合った職場を探すのではなく、受け入れ可能な職場から探すといった視点から選んでみましょう。
1年未満での退職によるマイナスイメージ
1年未満での退職が職歴として残ってしまうため、応募先に悪いイメージを持たれてしまう可能性があります。早期で辞めている事実から、「辛いことから逃げる人」「根気強く仕事を続けられない人」であると疑念を持たれ、採用へのハードルが上がってしまいます。
やむを得ない事情により退職した場合は、面接時に必ず伝えるようにしましょう。そうでない場合にも、なるべくポジティブな退職理由として説明し、少しでもネガティブな印象を持たれないようにすることが大事です。
転職活動において合否を左右する大きな要素であるため、面接で聞かれることを前提に準備する必要があります。
転職先の選択肢が少なくなる
1年目看護師は経験が少ないことで、転職先の選択肢がかなり狭くなります。求人の多くは看護師経験が3〜5年以上が基準となっており、希望の職場や診療科目があっても応募できない場合があります。
看護師として一般企業などで働く際にも「実務経験が◯年以上」といった採用要件が多いことから、1年目の看護師は選考基準を満たせません。すでに希望の分野や職場が明確になっている場合は、その職場の採用要件と自分がマッチしているかを確認しましょう。
もし希望の転職先に応募できない状態であれば、実務経験を積んでから再チャレンジすることも視野にいれておく必要があります。
1年目看護師におすすめの転職先
ここからは、1年目の新人看護師におすすめの転職先についていくつか紹介します。教育体制が整っている職場や、高度な知識やスキルを必要としない職場など、新人看護師ならではのデメリットをカバーできる体制が整っていることが特徴です。
- 第二新卒を受け入れている中規模以上の病院
- 小規模の病院
- 精神科病院
- 療養型病棟
- 介護施設
1年目の看護師の場合はキャリアプランを重視するのではなく、経験を積み、看護師としての基礎を身に付けることから始めていく必要があります。まずは受け入れてもらえる職場で長く働き続けることで、キャリア形成を目指していきましょう。
第二新卒を受け入れている中規模以上の病院
中規模以上の病院では、新人教育や研修制度が充実していることが多いです。看護師としての基礎を身に付け、成長できる最適な環境であるといえるでしょう。
夜勤や研修会など、体力的な負担も多いのが特徴ですが、夜勤や病棟業務が可能であれば第二新卒を受け入れている中規模以上の病院がおすすめです。転職する時期としては、新卒が入職するタイミングに合わせた4月の転職が適しています。
新卒看護師とともに、イチから看護師としての教育を受けられるため、段階的に仕事を覚えられるでしょう。
小規模の病院
小規模の病院のなかにも、第二新卒を受け入れてくれる病院はあります。小規模の場合、教育体制や研修制度が整っていない病院も多いですが、ベテラン看護師が多く在籍しているケースがあります。
体系的な指導が受けられなくても、日々の業務のなかで個々の先輩看護師から学ぶ機会も多いです。そのため、経験に基づいた個別性の高い指導が受けられるのもメリットです。
しかし、人間関係が悪い職場の場合、かえって学びを得られない環境である可能性もあります。患者層やスタッフの年齢層など、職場環境によって働きやすさが大きく変わるため、事前に十分な情報収集をおこなうことが大切です。
精神科病院
精神科病院では、身体的には健康な患者もおり、医療的処置の機会が少ない点が特徴です。精神科では患者への対応や精神的ケアが中心であり、ほとんどの看護師がゼロからのスタートであるため、経験が浅い新人看護師でも比較的働きやすい環境です。
また、先入観を持たず、新しい知識を吸収しやすい新人看護師の方が向いている診療科ともいえるでしょう。しかし、病院によって患者の重症度や疾患の特徴も異なるため、事前に情報収集をしておく必要があります。
ほかにも、情緒的な影響を受けやすい人やコミュニケーションが苦手な人は注意が必要です。
療養型病棟
急性症状がなく、比較的病態が安定している患者が多い療養型病棟も、1年目の看護師にとって働きやすい環境です。急変も少なく、医療処置が少ないためスキルや知識が少ない新人看護師でも対応しやすい特徴があります。
しかし、特定の診療科に特化したケアをするわけではなく、さまざまな診療科の幅広い知識を必要とします。病院によっては、1年目看護師の受け入れをおこなっていない職場もある点にも注意してください。
また、小規模の病院と同様に、職場の人間関係が働きやすさに大きく影響するため、事前に情報収集をすることは必須といえるでしょう。
介護施設
介護施設で働く場合は、状況に応じて判断力や医療行為が求められる場面もありますが、ある程度限定的な判断で済むため、経験が浅い看護師でも対応可能です。
しかし、求められる医療処置も軽度で働きやすい反面、スキルアップが期待しづらいというデメリットもあります。看護師としての知識を身に付け、経験を積みたいと考える人にはあまり向いていないといえるでしょう。
2年目看護師の転職について
2年目の看護師では、1年目と比べると転職市場でのニーズは多少増加するものの、やはり経験不足の影響を受けます。そのため、全体的にメリットやデメリットは1年目とあまり変わらないといえるでしょう。
ここからは2年目の看護師の転職におけるメリット・デメリットについて解説します。
2年目看護師の転職市場での評価
2年目の看護師では1年目と違い、看護師として最低限のスキルを身に付けていると判断されます。1年目看護師と比べて大きく評価が上がるわけではありませんが、それでも1年目よりは評価が高く、転職先の幅も広がります。
夜勤ができる人材が不足している医療業界では、夜勤業務ができることや夜勤中の業務も問題なくこなせることが評価されるポイントになります。2年目の看護師のなかでも、勤務していた病院の規模や診療科などの実務経験によって評価の基準は異なります。
中〜大規模の病院で勤務していた場合には、ほかの職場よりも評価されやすい傾向にあります。また、2年目では専門性の高いクリニックなどの病院以外の職場も、一部は転職可能になります。
しかし、3〜4年以上の経験がある看護師と比べるとまだまだ選択肢は狭く、転職後の給料も1年目とほぼ変わらないどころか、むしろ待遇が悪くなる可能性もあります。
2年目での転職も1年目と同様に、早期での退職がマイナスポイントになるため、面接で常に問われることは覚悟して慎重におこなっていく必要があります。
2年目看護師が転職するメリット
2年目の看護師では、1年目に比べて転職市場での評価が高いことからもメリットが多いといえます。しかし、看護師としての経験は不十分であり、1年目とそこまで大きく変わらないのも事実です。
ここからは、2年目の看護師が転職するメリットについて解説します。1年目との違いや特徴を踏まえて確認してみましょう。
- 転職先の選択肢が増える
- 仕事に柔軟に対応できる
- 体力的な面でアピールできる
2年目看護師が転職するメリットについて、詳しく解説していきます。
転職先の選択肢が増える
2年目の看護師でも知識やスキルはまだまだ未熟ですが、1年目と比較すると転職先の選択肢は広がります。病院以外の選択肢も増え、病院勤務から離れたいと考えている人も病院以外への転職先を選ぶことが可能になります。
2年目看護師では主な新人研修を受け、夜勤業務などの経験もある程度積んでいるため、現場に出ても最低限の業務はこなせることがアピールポイントになります。
即戦力とはいえないものの、多少の経験でも評価してくれる病院も増えてきます。
仕事に柔軟に対応できる
2年目の看護師もまだ実務経験が浅いですが、経験が浅いからこそ新しい仕事や環境、人間関係に柔軟に対応できるメリットがあります。
ある程度経験を積んだ看護師はさまざまな先入観を持ってしまい、新しい仕事や環境にうまく馴染めずに時間が掛かってしまいます。2年目看護師は経験が浅い分、考え方の偏りや先入観を持っていないため、新しい仕事に対して素早く馴染むことができます。
体力的な面でアピールできる
ハードな業務が多い看護師業界では、若さによる体力面でのアピールは大きく評価に関わります。看護師業界における個人の評価基準は、一般的に経験年数による影響が大きく、経験が浅い看護師には不利に働きます。
そのため、2年目の看護師は経験によるスキルや、知識の乏しさをカバーするためのアピールが必要になります。若くて体力がある点や、新しい知識やスキル習得に対する積極性をアピールすることで、高評価に繋げることができます。
2年目看護師が転職するデメリット
2年目の看護師が転職する際にはデメリットも存在します。ここでも1年目看護師と同じく、早期に退職することや経験が浅いことが大きく影響します。
また、2年目という時期ならではのデメリットもあり、転職活動を進めていく際には理解しておく必要があります。
- 応募できない職場がある
- 新人として扱われる
- 即戦力を求められることがある
ここからは、2年目の看護師が転職する際のデメリットについて解説します。
応募できない職場がある
2年目の看護師になれば、1年目の時よりも転職先の幅が広がりますが、専門性が高いクリニックなどでは、3〜5年以上の実務経験がないと応募できない職場もあります。
また、看護師としての経験を期待される一般企業などでも、ある程度の実務経験を必要とするところが多く、2年目では採用されないこともあります。希望する分野への転職を進める前に、必要な経験年数などの採用要件を確認しましょう。
必要な経験を積んでから転職に挑むか、一度受け入れてもらえる職場へ転職するのかを考えておくことも大事です。
新人として扱われる
規模が大きい病院から規模が小さい病院へ転職しても、2年目程度の経験ではあまり評価してもらえず、新人として扱われることも多いです。身に付いているスキルと任せられる仕事にギャップが生じてしまい、不満を感じることもあります。
あまりプライドを高く持たず、再度イチからスタートする気持ちで新しい職場に臨むことも必要です。
即戦力を求められることがある
採用の段階では、まだ経験が浅い2年目の看護師が即戦力として評価されることは難しく、採用へのハードルも高いです。そのような現状とは反対に、人手不足の職場では1年以上の経験でも即戦力と判断し、早い段階で独り立ちを求められることもあります。
できることと求められることに大きな差があるため、医療事故にもつながってしまいます。自分ができることとできないことを把握し、転職時に正直に伝えることが大切です。
2年目看護師におすすめの転職先
2年目の看護師は1年目よりも転職先の選択肢が増えますが、やはり経験の浅さは大きなハードルとなります。今後のキャリアプランのために新しい分野へチャレンジすることは可能であるため、その点を理解したうえで転職活動をおこないましょう。
- 急性期病院
- 精神科病院
- 診療所
- 保育園
それでは、2年目看護師におすすめの転職先をそれぞれ紹介していきます。
急性期病院
2年目の看護師では、基本的に病院全般の転職が可能になるため、急性期病院のように高難易度の分野にチャレンジすることもできます。しかし、急性期病院から急性期病院へ転職する場合には、退職理由の伝え方が難しくなります。
前職と同じような職場へ転職する際には、なぜその職場を辞める必要があるのかを伝え、採用担当者を納得させる必要があります。自身のキャリアビジョンを伝え、向上心をもって長期に働き続ける向上心をアピールすることが重要です。
精神科病院
精神科に必要なスキルは、医療処置よりも精神的なケアであり、経験が浅い2年目の看護師でも働きやすい職場です。精神科領域への興味関心があり、今後専門性を高めていきたいと考えている看護師は2年目での転職もおすすめです。
精神科は職場の雰囲気や患者への対応の仕方が独特であるため、一般領域とは大きく異なります。なかには向いていないと感じる看護師も多いため、医療行為の少なさだけで選ぶことは避けましょう。
病院によっては患者層や治療方針も異なり、雰囲気も変わるため事前に情報収集をおこないましょう。
診療所
クリニックや診療所は若い看護師も多く、2年目の看護師が転職しやすい職場のひとつです。夜勤もなく週末に休めることが多いため、急性期病院のような負担が大きい環境から離れたい看護師にとって、余裕を持った働き方が可能です。
しかし、内科系のクリニックの場合、実務経験がある看護師が評価される傾向にあります。診療科目によっては採血や点滴などの医療行為を必要とする場面が多く、手技に自信がない看護師は苦労する可能性があります。
将来的に病棟勤務へ戻りたいと考えている場合、クリニックや診療所での勤務経験はカウントされないため、病院の外来勤務を検討するのも良いでしょう。
保育園
保育園で働く看護師は、医療行為がほとんどなく体力を使うといった特徴があります。そのため、経験が浅くてもやる気と体力がある若い看護師が好まれる傾向があります。
子供と接する保育士業務も多く、子供が好きな人であればやりがいを持って楽しんで仕事ができるでしょう。しかし、医療行為がない反面、看護師としてのスキルアップはほとんどできないため、長期的にスキルアップしていきたい場合には不向きな職場です。
3年目看護師の転職について
3年目の看護師になると、一通りの業務はこなせるようになり、プリセプターとして新人の指導をおこなうようにもなります。同時に転職市場における評価も、1〜2年目と比べて大きく変わります。
ただし、3年目だからといって、どこにでも受け入れてもらえるわけではありません。3年目の看護師にもメリット・デメリットがあるため、十分に理解したうえで転職活動をしていく必要があります。
ここからは、3年目の看護師の転職でのメリットやデメリットについて解説します。
3年目看護師の転職市場での評価
一般的に2年目までは新人として扱われていましたが、3年目になると基本的なスキルや知識が備わっていると判断し、即戦力として期待されるようになります。
多くの医療機関で実務経験3年を応募条件としていることからも、転職市場において3年目の看護師は評価が高く、転職先も増えてきます。
ただし、注意が必要なのは3年目の途中での転職よりも、3年満了時の転職の方が望ましいという点です。専門性の高い職場を希望する場合は、3年目でも経験不足とみなされることもあり、応募できないこともあります。
また、3年目といっても、勤務していた病院の規模や配属部署、業務内容によって評価も異なります。例えば、看護師としての経験というよりは、病棟経験がどの程度あるかによって大きく変わります。
大規模な急性期病院で経験がある場合は、通常よりも高い評価を受けやすい傾向にあります。
3年目看護師が転職するメリット
3年目の看護師は新人時代を乗り越え、一人前の看護師として認められる時期であり、このタイミングで転職をするメリットは多いです。今後のキャリアを考えていくうえでも大事な時期であるため、転職するメリットを押さえましょう。
- 転職先の幅が広がる
- キャリアプランを考える良いタイミング
- ライフプランを重視する良いタイミング
それでは、3年目看護師が転職するメリットを解説していきます。
転職先の幅が広がる
即戦力としても期待される3年目の看護師は、今までよりも市場価値が高くなるため、転職先の選択肢も広がります。高度な専門性が求められるような診療科目や職場を除いては、ほとんどの職場へ転職ができるようになるでしょう。
働いていた病院や診療科、業務内容によって個々の評価は異なりますが、基本的には即戦力としての活躍が求められます。また、若手看護師が不足している病院などでは教育担当としての役割を任せられることもあり、需要は高くなります。
キャリアプランを考える良いタイミング
キャリアの面からも、看護師として基本的な業務をこなすことができる3年目は、新しい分野への挑戦や、さらに専門性を高めるためのステップアップに適した時期であるといえます。
キャリアプランがある程度明確になる時期でもあり、今後の方向性を考えることで、看護師として充実したキャリアを選択できるようになります。
すでに理想のキャリアが固まっている場合には、市場価値が高く年齢的にも若い3年目を狙って、キャリアアップを目指した転職がおすすめです。
ライフプランを重視する良いタイミング
3年目の看護師は、年齢的にも結婚や出産といったライフイベントが起きやすい時期です。
そのため、ライフプランを重視した転職にも適した時期といえます。これまでのように夜勤や残業、土日の出勤が難しくなる人も多く、働きやすい勤務条件を重視した転職先選びをするようになるでしょう。
看護師として基礎的なスキルが身に付いている3年目は、転職先の選択肢も多く、自分に合った働き方ができる職場へ転職しやすい時期です。現状に気を取られず、先を見据えたライフプランを考えることで転職の計画も立てやすくなります。
3年目看護師が転職するデメリット
2年目までと比べて基本的なスキルも身に付き、即戦力として期待される3年目の看護師ですが、転職ではデメリットもあります。
転職先の選択肢も幅広くなる時期ですが、どこでも通用するというわけではありません。看護師業界には、より優秀な人材を求める職場もあり、3年目では不十分であることも多いためです。
3年目だからと安心せず、いくつかのデメリットを把握したうえで転職活動に取り組みましょう。
- 3年目の転職では経験が足りなくなる
- 教育制度が整った職場ではまだ独り立ちできない
- 専門性の高い職場には転職できないこともある
3年目看護師が転職するデメリットについて、詳しく解説していきます。
3年目の転職では経験が足りなくなる
業務の幅が広がる3年目の看護師は、プリセプターやリーダー業務などの仕事を任せられる時期です。この時期に転職することは、成長に必要な業務経験を積む機会を逃してしまうことになりかねません。
特に、プリセプターなどの新人看護師への指導は、自身のコミュニケーション能力やマネジメント能力を伸ばすために重要な機会です。転職市場の価値においても、指導経験は大きく関わるため、同じ経験年数でも大きな差が生まれます。
看護師として十分な経験を積み、基盤を作りたいのであれば5年目以降での転職を目指しましょう。
教育制度が整った職場ではまだ独り立ちできない
経験年数が同じ3年目の看護師であっても、大学病院などの公的病院と民間病院では異なる評価になる場合があります。教育体制が充実している公的病院では、段階的な教育課程のもと指導しているため、独り立ちまでに時間が掛かる傾向があります。
その一方で、民間病院は早いうちに現場へ出て、2年目でリーダー業務などを任せられるなど、独り立ちまでが早い傾向があります。3年目の看護師に限っては、引き続きのフォローが必要な公的病院出身の看護師よりも、早い段階に現場で活躍している民間病院出身の看護師が好まれるケースは少なくありません。
大学病院などから転職を考えている場合は、4年満了まで経験した方が身に付くものが多いでしょう。
専門性の高い職場には転職できないこともある
もし興味関心がある分野や診療科が明確にある場合でも、職場によっては3年目での経験では、採用側が求める基準に対して不十分であることがあります。
特定の専門性が高い分野では、実務経験が4〜5年以上必要なものもあり、更なる経験を積み重ねる必要があります。自分が思うキャリアプランが明確であれば、まずは情報収集をおこない、看護師としてどのような経験が求められるのかを理解する必要があります。
3年目看護師におすすめの転職先
3年目の看護師になると、2年目よりも転職可能な職場の幅も格段に広がります。選択肢が増えることで、自身のキャリアプランやライフプランを考え直すタイミングとしても最適といえるでしょう。
また、希望する働き方に合った職場を選択できるようになるため、看護師としての将来を見据えた転職活動を進めましょう。
- 急性期病院の外来
- 2次救急・3次救急病院
- 産業看護師
それでは、3年目看護師におすすめの転職先を解説していきます。
急性期病院の外来
今後起こりうるさまざまなライフイベントを考慮し、夜勤がない働き方を希望する場合、日勤のみで働ける急性期病院の外来への転職がおすすめです。
急性期外来では、救急搬送時の対応などがあり、日勤のみで働きながらも看護師としてスキルアップできる環境です。
結婚や出産後に、無理のない働き方としてクリニックを選択する看護師は多いですが、規模が大きい病院の外来を経験することで、クリニックにはない成長機会を得ることができます。
夜勤もなく体力的にも余裕を持って働くことができるため、3年目で外来勤務にシフトする看護師も多いです。
2次救急・3次救急病院
急性期病院のなかにも、緊急性の高さや医療のレベルによって区分があります。2次救急病院では急性期よりも余裕ある働き方ができ、なおかつ看護師としてのスキルを磨くことができる環境が特徴です。
3次救急病院は高レベルの医療に携わることで、看護師としても高いスキルを磨くことができます。体力的にも余裕がある3年目の看護師にとって、より高度な医療技術を身に付けられる絶好の機会でもあります。
最先端の医療機関で勤務していた経験は、その後の転職活動においても強力な武器となります。
産業看護師
求人自体が非常に少ないため、転職先を探すことの難しさはありますが、3年目からは産業看護師にチャレンジすることもできます。産業看護師は、一般の企業にある医務室で勤務する看護師のことで、社員の健康管理や衛生管理が主な業務です。
勤務先の企業によって勤務時間は異なりますが、主に日勤のみで働くことができるため、体力的にも余裕のある働き方が可能です。夜勤がない分、病院看護師に比べて収入は低くなる傾向があります。
4〜5年目看護師の転職について
4〜5年目の看護師は年齢的にも20代後半から30代になり、仕事においても重要な役割を任せられることも多くなる立場です。職場内でも中堅に差し掛かり、後輩や新人への指導をはじめ、リーダー的な役割もこなす存在として活躍できる時期でもあります。
知識や技術にも磨きがかかり、看護師としての市場価値はこれまで以上に高くなります。転職においても有利に働く要素が多く、さまざまな働き方に対応できるでしょう。理想の働き方やより良い条件での転職を実現するためにも、4〜5年目の看護師の特徴について理解しておきましょう。
4〜5年目看護師の転職市場での評価
4〜5年目の看護師は、経験・年齢を踏まえたうえで最も評価が高い時期です。看護師として十分なスキルが身に付いており、人間性への評価も受けることが多いです。
4年目以降では通常の病棟業務だけでなく、プリセプターやリーダー業務、委員会への参加、看護研究など多くの経験を積み重ねているため即戦力として期待されます。
看護師としてのキャリアプランも明確になり、転職後のギャップを感じることも少ないため、積極的な条件交渉が可能になります。
4〜5年目看護師が転職するメリット
4〜5年目の看護師は転職市場での評価も高く、多くのメリットがあります。そのメリットを十分に理解したうえで転職活動をしなければ、最大限に活かすことができません。
今の自分の状況が客観的にどの程度評価されるのかを知り、希望の働き方やキャリアを実現させるために活かせる「強み」とは何かを見極めて転職に臨みましょう。
- 条件交渉ができる
- キャリアアップへの転職ができる
- 実績を高く評価してもらえる
それでは、4〜5年目看護師が転職するメリットをそれぞれ解説していきます。
条件交渉ができる
4年以上経験がある看護師は、基本的にどの職場でも歓迎される人材です。積極的に採用したい職場も多いことから、転職先へ条件交渉の余地が生まれ、より好条件での転職が可能になります。
年収などの給与条件以外にも、配属先や夜勤の回数なども考慮してもらえる可能性があります。また、いくつかの候補のなかから、最も好条件の職場を選ぶといった方法で転職できるようになります。
キャリアアップへの転職ができる
看護師として基礎的なスキルを身に付け、教育や研修の経験、リーダーとしての経験を積んできた4〜5年目の看護師は十分にキャリアアップが狙える時期といえます。
これまでの経験と紐付けて身に付けたスキルをアピールすることで、説得力も格段に上がります。さらに専門性を高めるための転職であることを伝えられれば、魅力的な転職理由として転職先へ好印象を与えることもできるでしょう。
実績を高く評価してもらえる
看護師として4〜5年の経験があれば、実績として十分に評価してもらえます。特に、看護師業界においては離職率が高く、同じ職場で5年勤務していれば長く勤めていたと捉えられることが多いです。
長く働いた経験があると評価されれば、新しい職場でも働き続けてくれるのではないかと期待されやすく、採用にプラスに働く実績になります。我慢強さや根気強さ、継続力を評価してもらうための実績としては4〜5年は十分な実績といえるでしょう。
4〜5年目看護師が転職するデメリット
4〜5年の経験がある看護師の転職には非常に多くのメリットがありますが、デメリットになりうる点もいくつかあります。即戦力としての期待値が高まることによって発生するデメリットも多く、転職するうえで思わぬ失敗にも繋がりかねません。
工夫や考え方次第で避けられるものもあるため、転職活動をおこなう際にはデメリットとなる点も理解しておく必要があります。
- 経験に対して転職先が求めるものが合わない
- 業務の負担が多くなることがある
- 転職先とのギャップが大きくなることがある
それでは、4〜5年目看護師が転職するデメリットを解説していきます。
経験に対して転職先が求めるものが合わない
市場価値が高い4〜5年目の看護師の転職では、今までの経験と求められている経験や採用要件が合わないこともあります。転職活動をする際にはどのような役割を求められているかを把握して、自分が活躍できる職場であるのかを判断する必要があります。
もし求められる要件が自分の経験とマッチしない場合でも、できることとできないことを明確に伝えることで、転職後のミスマッチを防ぎやすくなります。
業務の負担が多くなることがある
これまでの看護師としての経験を高く評価され、即戦力として期待される分、仕事の負担が前職よりも多くなる可能性があります。
4〜5年目看護師の転職理由の一つとして、夜勤や残業などによって増えすぎた負担を減らす目的がありますが、転職先でも同様の業務を任せられることも多いです。また、実力以上の業務を求められることもあり、大きなプレッシャーを感じてしまうこともあります。
転職先とのギャップが大きくなることがある
勤続1〜2年程度の新人看護師では気付きにくいものですが、4〜5年間同じ職場で勤務していると、転職先とのギャップを大きく感じやすくなります。新卒が多い病院から中途が多い病院へ転職すると、風土や考え方などが大きく異なります。
それまで当たり前だと思っていたことが、環境が変わることで間違いだということに気付き、混乱することもあるでしょう。また、前職の勤務期間が長いことでイチから人間関係を構築することへの労力も多く、これまで悩むことがなかった職場でのコミュニケーションに苦悩する看護師も少なくありません。
4〜5年目看護師におすすめの転職先
4〜5年目の看護師になると、ほとんどの職場へ転職が可能なため、選択肢の自由度は高いです。そのため、自分のキャリアプランや希望の働き方によって、おすすめの転職先は異なります。
4〜5年目以降では、それぞれのキャリアプラン・ライフプランに応じたおすすめの転職先を紹介します。
夜勤や業務負担を減らしたい場合
結婚や出産などの都合により、日勤のみで働ける職場へ転職したい場合でも、選択肢が多く条件交渉も可能でしょう。
仕事の負担を減らしながらも専門性を高めたい場合には、透析クリニック・美容クリニック・精神科病院・整形外科病院などがおすすめです。
日勤のみで働きたい場合には、訪問看護・介護施設・一般クリニック・検診センター・産業看護師や、治験コーディネーターといった一般企業などがおすすめです。
急性期病院で働き続けたい場合
急性期病院に勤務していて、さらに規模が大きい病院や3次救急、救命センターへの転職を考えている場合は、体力がある4〜5年目のうちにチャレンジするのがおすすめです。
これらの病院では高い医療技術に触れ、看護師としての能力を高められる反面、体力があって柔軟性や吸収力に富んだ若い看護師を好む傾向があります。規模や運営主体が異なる急性期病院を経験することで、適応力も身に付き、知見が広がるメリットがあります。
急性期病院から離れたい場合
急性期病院から離れたいと考えている場合には、その理由を明確にしましょう。明確な理由なく急性期病院から離れると、転職先で物足りなさを感じたり、給料に不満を感じて急性期病院に戻るといったことも起きてしまいます。
なぜ自分は急性期病院から離れたいのかを自己分析し、不満点や悩みを解決できるような転職先を選びましょう。ハードな業務や過度なプレッシャーにより転職を考えている場合には、療養型病院やリハビリテーション病院、精神科病院などは比較的余裕を持って働けるためおすすめです。
大学病院から転職したい場合
大学病院からの転職の場合、転職先とのギャップを大きく感じやすい点に注意が必要です。一般的に大学病院は人員配置も多く、分業で仕事をするため個人の負担が少ないことが特徴です。
民間病院などでは、看護師一人ひとりの業務量が多く、負担の大きさから後悔する人も少なくありません。民間病院と大学病院では仕組みが異なるため、事前に十分な情報収集をしたうえで転職しましょう。
大学病院は一度離れると出戻りが難しい傾向があり、より慎重に転職をすすめる必要があります。おすすめの転職先としては、民間でも比較的業務負担が少ない療養型や精神科などがあります。
また、大学病院は民間と比べて福利厚生などの待遇が良いことが多いです。そのため待遇面においても後悔しないために、なるべく高待遇の職場を選びましょう。
6〜7年目看護師の転職について
6〜7年目の看護師は十分な経験・知識・スキルがあり、仕事においても非常に安定感があります。転職をする場合にも多くのメリットがありますが、経験年数が長いからこその懸念点も存在します。
分野を問わずさまざまなチャレンジができる時期であるため、これまでのキャリアを振り返り、看護師としての方向性についてもう一度考えてみましょう。
6〜7年目看護師の転職市場での評価
同じ職場で6〜7年の経験を積んでいると、看護業務に限らず業務改善に関わる機会も増え、中堅として重要な役割を担うことが多くなります。転職する際は、多くの経験と知識から病院以外の職場や、一般企業への転職にもチャレンジしやすいです。
未経験の分野に転職することも可能で、主任やリーダー業務、プリセプターの経験は高く評価されるため、条件交渉も有利に進めることができます。
しかし、長い経験年数での転職では「長く勤めた職場をなぜ辞めるのか」という疑問を持たれてしまうため、転職理由を明確にしておく必要があります。
6〜7年目看護師が転職するメリット
ここからは6〜7年目の看護師が転職するうえでのメリットを紹介します。豊富な経験ならではのメリットが多く、転職活動ではかなり有利に進めることができるでしょう。転職結果に大きく影響するため、メリットについて詳細を把握することが重要です。
- 転職先の選択肢が多い
- より好条件での転職が可能
それでは、6〜7年目看護師が転職するメリットをそれぞれ解説していきます。
転職先の選択肢が多い
看護師としての6〜7年の経験があれば、幅広い業務に携わることができるため、経験の幅も大きく広げることが可能です。必要な経験は一通り積んでおり、看護師の資格を活かしてどんな職場でも転職ができるようになります。
急性期病院以外にも、介護施設や訪問看護、一般企業などさまざまな方面へキャリアチェンジができます。社会人としての経験も豊富といえるため、未経験の分野に転職してもある程度即戦力として活躍できるでしょう。
より好条件での転職が可能
6〜7年目の看護師は転職市場での価値は高く、即戦力として評価されるため、良い条件を提示してくれる職場も多いです。明確なキャリアプランがあればそれを実現することも可能なうえに、今後のライフプランに合わせた働き方を選ぶこともできます。
採用に積極的な職場は多く、転職先を選ぶ際にはより好条件を提示してくれる職場から、自分に合った転職先を選択しましょう。給与条件だけではなく、勤務時間や休日などの勤務条件で考慮してもらえることもあるため、交渉してみるのも良いでしょう。
6〜7年目看護師が転職するデメリット
数少ないですが、豊富な経験を積んでいる6〜7年目の看護師の転職でもデメリットはあります。年齢的な問題や生活背景から発生するデメリットもあり、受け取り方は人それぞれです。
次のデメリットを踏まえて転職活動をすすめていくことで、失敗しない転職先選びが可能になります。
- 柔軟性を求める職場には合わないこともある
- ライフイベントの影響を受けやすい
それでは、6〜7年目看護師が転職するデメリットを解説していきます。
柔軟性を求める職場には合わないこともある
6〜7年目になると、看護師として十分な知識やスキルがあると評価される一方で、柔軟性に対して疑問視される可能性があります。前の職場に長く勤めていることから、新しいやり方や環境に、柔軟に対応できないのではないかと思われてしまうこともあります。
特に、大学病院や国公立病院から民間病院へ転職する場合は、大きく体制が異なることもあり、ギャップを感じやすいです。そのため病院に馴染めず、スタッフとうまく連携が取れずに孤立して、早期退職してしまうのではないかと懸念されることもあります。
ライフイベントの影響を受けやすい
経験6〜7年目のタイミングでは、結婚や出産、育児といったライフイベントの影響を受けやすく、働き方によっては転職先を絞らざるを得ない状態になりやすいです。
多くの職場では、長期的に働ける若い看護師を求めているため、ライフイベントによって長期休暇や退職をする可能性がある6〜7年目の看護師は敬遠される傾向があります。
しかし、家族の理解や協力を得られる環境であれば、ライフイベントによるさまざまな制限を最小限に抑えられるでしょう。転職を考える際には、結婚や出産など先のことも考えたうえで家族と話し合っておくことも大切です。
6〜7年目看護師におすすめの転職先
結論からいうと、6〜7年目の看護師が転職する際におすすめできる転職先は人それぞれです。十分に経験を積み重ねており、基礎的な知識やスキルを持ち合わせているため、大抵の職場には転職ができてしまうためです。
6〜7年の経験がある看護師は、転職によって何を実現させたいか、どんな働き方をしたいかを考えるタイミングです。場合によっては本当に転職すべきかを考えるべき時期でもあります。
豊富な経験を積んでいても、転職によって前職とのギャップを感じやすく、せっかく身に付けた経験やスキルを活かせずに転職を繰り返してしまう看護師も多いです。
キャリアプランやライフプランを確立させたうえで転職活動をおこなうことも大事ですが、時には先輩看護師やキャリアアドバイザーなど、第三者の意見を参考にするのも良いでしょう。
経験年数に関係なく今すぐ転職すべき看護師の特徴
ある程度余裕がある状況であれば、自身のキャリアや今後のライフプランをもとに、適正な経験年数での転職を考えることが重要です。しかし、場合によっては今すぐ転職した方が良い状況もあります。
転職活動には色々と準備やリサーチが必要であり、時間を要することもあるでしょう。ここからは、経験年数に関係なく、すぐに転職を検討すべき看護師の特徴について解説します。
- 精神的に体調を崩している
- 職場の人間関係に長期間悩んでいる
- 将来のビジョンが明確に定まっている
それでは、経験年数に関係なく今すぐ転職すべき看護師の特徴を解説していきます。
精神的に体調を崩している
看護師の仕事は、業務の幅が広く心身の負担が大きいです。人の命に関わる仕事ということもあり、肉体的・精神的に疲弊し辛いと感じる人は少なくありません。
特に、精神的な苦痛やストレスは、症状が出始めた時には進行していることが多く、最悪の場合はうつ病になる危険性もあります。急に泣きやすくなったり、体が仕事に行くことを拒否していたりする場合は、うつ病のサインの可能性があり、休養をもらうなどの対処が必要です。
しかし、職場が非協力的で休暇をもらえない場合には、精神面での健康を優先して転職を検討した方が良いといえるでしょう。
仕事に支障が出たり、仕事に行くことすらできなくなったりしてしまった場合は、精神科や心療内科への受診がおすすめです。健康なくして仕事はできないため、無理せずに心身の状態を優先させましょう。
職場の人間関係に長期間悩んでいる
職場の人間関係に不満や悩みがあり、長期的に解決に向かっていない場合も転職すべきタイミングです。看護師が働く現場は、業務量の過多や背負うプレッシャーなどから、人間関係が劣悪になりやすい特徴があります。
考え方を変えることや接し方を工夫することで、解決できることもあります。しかし、時間をかけても人間関係に悩まされる環境が改善しないのであれば、転職して環境を変えることが賢明です。
人間関係に悩まされ続けることで疲弊する状況は、精神衛生の面でも望ましくありません。うつ病にも繋がるおそれがあるため、早い段階で転職を検討しましょう。先輩看護師や上司からのいじめ、セクハラを日常的に受けている場合も同様に、転職すべき状況といえます。
将来のビジョンが明確に定まっている
すでに看護師としての明確なキャリアプランが確立しており、実現するために転職したいと考えているのであれば、経験年数問わず転職することがおすすめです。
看護師の転職では、ある程度の経験とスキル、知識を身に付けていることで市場価値が高まりますが、なかには柔軟性や体力面を重視する職場もあります。
経験年数が必要だからと我慢して働き続けることで、かえってタイミングを逃してしまうことも考えられます。明確な目標や将来のビジョンがあるのであれば、そこで何が求められるかを把握したうえで、ベストだと思ったタイミングで転職しましょう。
転職するなら看護師向け転職サイトを活用しよう
看護師の転職にあたり、それぞれの経験年数に応じたメリット・デメリットを理解して自分に合った転職先を探すことが大事です。しかし、経験年数が長い・短いに関わらず、転職活動を自分ひとりで進めていくことは難しいです。
仕事をしながら転職活動をするケースも多く、なかなか時間を割けないといった懸念点もあります。そこで、失敗しない転職を実現するためには転職サイトの活用がおすすめです。
転職サイトは、担当のキャリアアドバイザーが転職相談から求人紹介、応募書類の添削、面接対策、条件交渉まで一貫したサポートをしてくれます。応募者一人ひとりの状況に合わせた転職活動を無料でサポートしてくれるため、転職の進め方に悩む看護師は一度登録してみましょう。
ここからは、看護師の転職におすすめの転職サイトを3つ紹介します。
- 看護roo!
- レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
- マイナビ看護師
それでは、看護師におすすめの転職サイト3選を紹介していきます。
看護roo!
看護roo!は、上場企業である株式会社クイックが運営する転職サイトで、看護師向け情報発信サイトの運営もおこなっています。大きな特徴は面接対策や条件交渉などのサポートが手厚い点です。
希望に応じて面接への同行もしてくれるため、面接に不安を感じる人にとって心強いサポートです。30年以上にわたる豊富なキャリア支援実績により、累計利用者数50万人以上であることも魅力のひとつです。
また、全国の求人を扱っていますが、特に都市部の求人数が豊富なことも特徴のひとつです。都市部在住の人や、都市部への転職を考えている人にもおすすめできる転職サイトです。
レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
レバウェル看護は、累計利用者数40万人以上を誇る転職サイトです。大きな強みのひとつは、10万件を超える業界トップクラスの求人数です。より多くの求人から希望に合った転職先を探したい人におすすめです。
全国の求人を扱っているだけでなく、各エリアに専任のキャリアアドバイザーが在籍しているため、地域に特化したサービスが受けられます。また、年間4,000回以上の施設訪問により、職場の雰囲気や人間関係、医療情報などの内部事情を数多く保有しています。
質の良い情報収集ができることで、転職後のミスマッチを抑えられる点でもメリットといえます。
マイナビ看護師
マイナビ看護師は、人材・職業紹介の大手企業である株式会社マイナビが運営している看護師専門の転職サイトです。医療機関とのつながりも強く、好条件の求人が多く集まる傾向があるため、非公開求人などの好条件の求人も多数保有しています。
全国に21ヶ所の事業所を持っており、全国各地の求人情報を保有することで、転職サポートを全国にわたりカバーしています。地元での転職に加えて、Uターン転職やIターン、Jターンを検討している人にも便利な転職サイトです。
美容クリニックや一般企業、治験関連企業、保育施設といった病院以外の求人を多く取り扱っており、さまざまな働き方に対応できるメリットがあります。
まとめ
この記事では、看護師が転職を考える時期において何年目がベストなのかを解説しました。深刻な人手不足である看護師業界では、経験年数を問わず総じて転職が可能です。
しかし、何年目で転職するかで働き方や転職先の選択肢は大きく変わります。そのため、ある程度希望の働き方を実現したいのであれば、基本的なスキルや知識を身に付けている4年目以降がおすすめです。
転職を考えている人は、今の自分にどのくらい市場価値があるのかを理解し、メリットやデメリットを把握したうえで自分に合った転職先を探しましょう。また、転職サイトを有効活用して適切なアドバイスやサポートを受けることも、転職を成功させるポイントです。
まずは、自分の状況に応じた特徴を理解し、理想のキャリアプランや働き方を実現させましょう。
気になるけど、なかなか話しづらい。けどとても大事な「お金」のこと。 日々の生活の中の身近な節約術から、ちょっと難しい金融知識まで、知ってて得する、為になるお金の情報を更新していきます。