看護師にならない方がよい人の特徴とは?幸せに働けるポイントも解説
看護師として就職してから「看護師にならなければよかった」と感じても遅いです。離職すれば経歴に傷がついてしまいますし、早期離職の場合には転職先の企業に与える印象が悪くなります。
そのため、看護師になる前に「自分に向いているのか」を理解しておくことが重要です。
本記事では、看護師の向き不向きについて解説しているため、「自分は看護師に向いているのかな」と不安な方は、ぜひ参考にしてください。
「看護師にならない方がよかった」と感じる人も多い
看護師になるには、大学や専門学校などで勉強して、看護師資格を取得する必要があります。その過程で、「自分が看護師に向いているのか」の判断ができると思っている方も多いです。
しかし、「看護師の勉強をすること」と「看護師として働くこと」は別物です。そのため、勉強中には「自分に向いている」と感じていても、「働いてみたら向いていなかった」というケースも少なくありません。
では、「勉強」と「実際に働く」では、どのような差があるのでしょうか?
想像以上に肉体的な負担が大きい
多くの病院では、夜勤が採用されています。公共財団法人『日本看護協会』が2021年に公表した『看護職員実態調査』によると、正規雇用看護師の85.8%が夜勤をおこなっています。
看護学生でも「夜勤実習」などで、夜勤を経験するかもしれません。しかし、実際の夜勤とは「年に何度か経験するもの」ではなく、「継続的に経験するもの」です。
1度や2度の夜勤に耐えられても、将来的に何年間も続くと考えた際、「耐えられない」と感じてしまう看護師も多いです。
このように、「看護学生が想像する肉体的な負担」と「実際に経験する肉体的な負担」には大きな差があります。
この差が大きければ大きいほど、看護師になってから「ならない方がよかった」と感じてしまう可能性が高くなります。
仕事に見合った給料がもらえない
看護師の平均年収は、厚生労働省が公表した『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、約499万円です。全体の平均年収は、約489万となっています。男女別では、男性の平均年収が約545万円で、女性が約386万円です。
これらのことから、看護師の平均年収は高いといえます。看護師は、専門的な知識や技術が必要であり、人の命を預かる職種であるため、想像どおりの結果ではないでしょうか?
しかし、新卒看護師の平均初任給は、下記のようになっています。
卒業区分 | 額面の金額 | 手取りの金額 |
---|---|---|
3年課程卒 | 259,233円 | 203,445円 |
大卒 | 267,440円 | 209,990円 |
当然とはいえますが、初年度から平均年収と同等以上の金額はもらえません。
しかし、経験が浅いとしても、人の命を預かる業務をおこなっていることに違いはありません。また、夜勤などもおこなっており、肉体的な負担も大きいです。
上記の要素に対して、「見合った給料ではない」と感じる人が多いです。
特に、その業界で働いたことのない人は、業界の平均年収ばかりを見てしまいます。看護学生も同様で、「看護師として自分が働いたら何円もらえるのか」を明確に理解していない人も多いです。
看護師ならない方がよい人の特徴
- 年収が高いと思っている人
- 体力に自信がない人
- 自己管理が苦手な人
- コミュニケーションが苦手な人
- 看護業務にやりがいを感じない人
それぞれについて解説していきます。
年収が高いと思っている人
全体の平均年収は、厚生労働省が公表した『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、約489万円です。男女別で見ると、男性が約545万円で女性が約386万円となっています。
看護師の平均年収は、約499万円となっており、ほかの職業と比較して高いことがわかります。また、看護師は、93.5%が女性(※1)となっているため、女性のなかでは特に高い年収です。
しかし、単純に年収が高いとはいえないのです。
多くの看護師は、夜勤をおこなっており、その比率は正規雇用看護師の85.8%(※2)です。
夜勤をおこなった場合、企業側は従業員に対して「深夜手当」という手当を支給する義務が発生します。この「深夜手当」は、通常の労働に対して1.25倍の割増賃金を支給するものです。
また、2交代制の勤務形態で夜勤をおこなった場合、「深夜手当」に加えて、「時間外手当」の支給義務も発生します。「時間外手当」は、通常の労働に対して1.35倍の割増賃金を支給するものです。
これらの手当によって、看護師に年収は高くなっているのです。しかし、割増賃金を支払うということは、通常の労働よりも負担が大きいと判断されているということです。
つまり、看護師の年収は単純に高いのではなく、一般的な職種よりも負担が大きい環境で働くことによって、高くなっているのです。
そのため、単純に「看護師の年収は高い」と考えて看護師になってしまうと、想像と現実のギャップが大きく、不満を抱く原因になります。
体力に自信がない人
看護師の勤務形態は、一般的な職種と比較して特殊です。公共財団法人『日本看護協会』の調査によると、41.4%の正規雇用看護師が16時間以上の夜勤をおこなっています。
16時間以上の労働でも大変です。夜勤ともなれば、多くの体力が必要になります。加えて、ミスが許されず、精神的な負担も多い業務をこなさなくてはいけません。
上記で解説した、「約4割の看護師だけが大変なのか」というとそうでもありません。同調査によると、実に85.8%の看護師が夜勤をおこなっているのです。
日勤と夜勤では、同じ労働時間だとしても、肉体的な疲労には大きな差があります。昼夜逆転の生活になると、睡眠障害などを引き起こし、体力の回復が十分におこなえないためです。
また、看護師の業務には、患者の体位変換やリハビリのサポートなど、肉体労働も非常に多いです。
自己管理が苦手な人
看護師など医療業界に従事している人は、一般的な職種の人よりもミスが許されません。たとえば、投薬する薬を間違えてしまった場合、患者の命を奪ってしまうかもしれません。
一般的な職種の場合、うっかりしたミスは笑い話になる可能性もあります。しかし、看護師の場合には、非常に大きな問題に発展する可能性の方が高いのです。
そのため、自己管理をきちんとおこない、常に高い集中力や注意力などを保たなければいけません。寝不足や二日酔いなどの状態に陥らないように、自己管理を徹底しなければいけないのです。
コミュニケーションが苦手な人
看護師には、コミュニケーション能力が必須です。
同僚や上司とのコミュニケーションでは、「報・連・相」が重要になります。どの患者の話で、何をしてほしいのかなどのコミュニケーションにミスは許されません。書類などでも管理されていますが、基本は口による伝達が多いです。そのため、伝えミスをしてしまうと大きな問題に発展する可能性が高いです。
また、患者とのコミュニケーションでは、気遣いが重要になります。患者のなかには、気分がよくないのに我慢してしまう方がいます。その際には、「患者の様子が違う」ということに気づき、看護師から歩み寄らなければいけません。
加えて、患者の声に耳を傾けて真摯に対応しなければ、病院の評判が悪くなる可能性もあります。
看護業務にやりがいを感じない人
前述したとおり、看護師は勤務形態や業務内容などが一般的な職種と比較しても過酷です。そのため、看護業務自体にやりがいを感じられない場合、非常に大きな不満だけが残ってしまいます。
たとえば、「年収が高いから」という理由だけの場合、夜勤や長い労働時間に耐えられない可能性が高いです。
また、「看護師は重要な仕事だ」とか「人の役に立てて嬉しい」という気持ちがなければ、「人の命を預かっている」という気持ちが抜けてしまい、重大なミスを引き起こしてしまうかもしれません。
看護師を辞めたら後悔する人の特徴
看護師は、一般的な職種と比較して過酷な労働環境となっています。しかし、「年収が高い」とか「将来的に生活が安定している」などのメリットも多いです。
そのため、多少の不満で看護師を辞めてしまうと後悔することも少なくありません。突発的に辞めるのではなく、しっかりと考えてから辞めるか否かを選択することをおすすめします。
本章では、看護師を辞めたら後悔する人の特徴を解説するので、参考にしてください。
- 人間関係が理由で辞めた
- 職場の方針に納得できずに辞めた
- 比較検討をおこなわずに辞めた
それぞれについて解説していきます。
人間関係が理由で辞めた
人間関係とは職種に依存するものではありません。つまり、看護師を辞めなくても、職場を変えることで改善する可能性が非常に高いです。そのため、まずは異なる病院への転職を検討するとよいでしょう。
一方で、さまざまな病院を経験して、それでも人間関係に不満がある場合、「看護師になる人」との波長が合っていない可能性もあるため、そのときに初めて違う職種への転職を検討する方がよいです。
職場の方針に納得できずに辞めた
人間関係と同様に、職場の方針は職種に依存するものではありません。つまり、看護師を辞めなくても、職場を変えることで改善する可能性が非常に高いです。
ただし、その分野全体の方針に疑問を持っている場合には、その分野では方針に納得できない状態が続くと思われます。
たとえば、緩和ケア病院のように、症状の治療・完治ではなく痛みなどの緩和のみを目的としている病院などです。この病院に勤務していて、「どうして治療してあげないんだ」という不満を抱いても仕方がありません。
このように、病院を変えることによって変化しない方針に納得できない場合、違う分野の病院に転職するか、違う職種への転職をおすすめします。
比較検討をおこなわずに辞めた
現職と転職先の比較検討をおこなわずに、転職をおこなってしまうと後悔する可能性が高まります。
たとえば、「今の職場は残業ばかりだから」という理由で、転職を実行したとします。その際には、給料や休日数などのほかの労働条件において、転職先の方が悪い可能性があるのです。
特に看護師の場合、年収が高いことや将来的に生活が安定しているなど、多くのメリットがあります。そのため、ほかの職種に転職した際に、「看護師の方がよかったな」と感じてしまうかもしれません。
看護師のおすすめの転職サイト
- 看護roo!
- レバウェル看護
- ナース人材バンク
それぞれについて解説していきます。
看護roo!
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レバウェル看護
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ナース人材バンク
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まとめ
看護師には、「年収が高い」とか「将来的に安定している」などの大きなメリットがあります。一方で、「夜勤がある」とか「16時間以上の労働がある」など、ほかの職種よりも過酷な労働環境であるというデメリットもあります。
メリットだけを見て「看護師になろう」と決断してしまうと、「看護師になれなければよかった」と後悔してしまうかもしれません。そのため、デメリットも理解したうえで決断するようにしましょう。
キャリア形成支援を主な事業とするCareer Expertを経営。具体的には、就職・転職支援や自己理解支援、キャリアデザイン支援などを実行。その経験や専門知識を活かし、読者の役に立つ記事を執筆。