ナポリンピックとは?坂出商工会議所の地域振興と経営支援をインタビュー PR

ナポリンピックとは?坂出商工会議所の地域振興と経営支援をインタビュー

香川県坂出市にある「坂出商工会議所」では、地域振興と事業者の経営支援を柱としてさまざまな活動を行っています。市内飲食店の協力のもと開催した「ナポリンピックinさかいで」では、県内外からお客さんが訪れ、個性豊かなナポリタン料理を楽しまれました。

創業・経営支援も事業者のニーズに寄り添う支援を大切にされているとのこと。今回は坂出商工会議所の多田さん、佐藤さん、下岡さんに地域活性化と経営支援のお取り組みについて伺いました。

「塩のまち」から「港湾工業都市」となった坂出市

角山から見た坂出市の街並み

坂出市は香川県を代表する河川のひとつ、綾川を中心に豊かな田園地帯が広がるまちです。海に出ると瀬戸大橋沿いに連なる島々、美しい瀬戸内海国立公園を眺められます。

瀬戸内海を眼下にドライブが楽しめる全長7.8kmの五色台スカイラインや、県有数の桜の名所である常盤公園、「讃岐富士」とよばれる飯野山などもあり、自然豊かな地域です。

また、坂出市にはかつて「塩のまち」として栄えた歴史も。戦後は塩田跡地を活用した港湾開発と番の州地区の埋め立て等により、全国有数の港湾工業都市となりました。

現在では、本州と四国を結ぶ鉄道網・高速道路網の要衝であり、新たなまちづくりを進めています。

地域振興と中小企業の経営を支える坂出商工会議所

坂出商工会議所の外観画像

―本日はよろしくお願いします。皆さんは坂出商工会議所でどのような業務を担当されているのでしょうか。

多田さん:青年部で地域活性化事業を担当したり、経営指導員として会員事業者さんのご相談に対応したりしています。

佐藤さん:当所には令和5年2月末時点で1180の会員事業者さんがいらっしゃいます。坂出には番の州臨海工業団地というエリアがありまして、製造業や工業が盛んです。

下岡さん:会員の8割以上が、従業員20名以下の製造業者や5名以下のサービス業者など、いわゆる小規模事業者となっています。

個性豊かなナポリタンが勢ぞろい!ナポリンピックinさかいで

ナポリンピックinさかいでのチラシイラスト

―地域活性化イベント「ナポリンピックinさかいで」について教えてください。

多田さん:ナポリンピックは、坂出市内の飲食店でナポリタンを食べることでスタンプラリーに参加し、生活家電や坂出の名産品などの豪華賞品に応募できるイベントです。令和3(2021)年、令和4(2022)年の2年連続で開催しました。

―参加店にはどのようなお店がありますか?

多田さん:青年部のメンバーが中心となり、ナポリタン料理を提供しているお店、あるいは提供可能なお店に声をかけて20店舗の皆さんに参加いただきました。

カフェやパン屋、定食屋、焼肉屋、居酒屋などお店のジャンルは幅広く、ナポリタンのバリエーションも豊富です。

ナポリンピック参加店の告知チラシ

ーチラシのイラストがかわいいですね。

多田さん:このイラストは、ナポリンピック運営メンバーである青年部の会員さんたちです。チラシの裏には応募ハガキを付け、坂出市役所宿泊施設などに協力いただき、配布しました。

―ところで、なぜナポリタンのイベントにされたのでしょうか。

多田さん:もともとは坂出駅前で「バル in SAKAIDE」という飲食ブースを構えたイベントを展開していたのですが、新型コロナウイルス感染症の影響で、この数年は断念していました。

当時飲食店が大打撃を受けたということもあり、少しでも売り上げに貢献できないかと考えたのがナポリンピックです。

当時、バル in SAKAIDEの実行委員長を務める予定だったメンバーがナポリタン好きで、東京オリンピックの開催もありましたので「ナポリンピック」と名付けました。

参加店「帰ってきたバカ息子」のナポリタン画像

―お客様の反応はいかがでしたか?

多田さん:1回目、2回目ともに大変好評でした。「また開催してほしい」という声も多かったです。

下岡さん:私自身もそうですが、スタンプラリー形式ということもあり、ご家族連れでランチを楽しまれた方が多かったように思います。

ナポリンピックをきっかけに、これまで行ったことのなかったお店に足を運ばれた方もいらっしゃいました。お一人で回って、開始から一週間くらいで全店をコンプリートした方もいらっしゃったんですよ。

多田さん:昨年(2022年)に関しては、瀬戸大橋を管理している本州四国連絡高速道路株式会社が主催する「せとうち麺フェスタ2022」と同時に開催しました。麺フェスタは、瀬戸大橋の中間にある与島パーキングエリアを拠点としたイベントです。

この同時開催によって、県外からのお客様もたくさん来られたとお店の方からお聞きしています。地域情報誌や地方のテレビ番組などでも紹介いただきました。

麺フェスタも電子スタンプラリーを実施するイベントなので、ともに盛り上げていこうということで連携して広報活動をしました。

創業支援から販路拡大まで幅広く経営をサポート

取材中の多田さん、佐藤さんの画像

―坂出商工会議所の経営支援事業についても教えてください。

多田さん:創業を希望されている方向けの創業塾やセミナーの開催、個別相談、創業されてからのフォローアップも行っています。

毎月第三水曜日の「なんでも相談の日」では、弁護士さんや税理士さんなどをお招きして、専門的な相談ができるようにしています。

また、坂出市が開設している「坂出ビジネスサポートセンター」、通称サカビズへつなげるなど、さまざまな機関と連携して経営相談ができる機会も設けています。

下岡さん:サカビズはどちらかというと困りごとに対するご提案やアイデア出しを中心にサポートをする相談所です。事業計画を作る、補助金を申請するといった段階は当所の役割ですので、事業者さんのプラスになるよう相互に連携しながら支援をしています。

ほかにも補助金や助成金の申請支援、中小企業の採用力強化を目的とした支援など、活動は多岐にわたります。

―創業を希望される方からは、どのような事業のご希望がありますか?

下岡さん:近年ですと、コロナ禍で勤めていた会社のお仕事が少なくなったことがきっかけで、起業された方が結構いらっしゃいます。スポーツトレーナーなどフィットネス関係のお仕事を始められた方などです。

―DX推進や販路開拓にも取り組まれているそうですね。

多田さん:GMOインターネットグループのGMOメイクショップ株式会社を立ち上げた坂出市ご出身の向畑憲良さんを講師として、中小企業のDX推進、IT化について講演をしていただきました。

販路開拓に関しては、県内外の展示会などに積極的に参加しています。たとえば高松空港にテストマーケティングで出店の機会を設けたり、東京ビッグサイトのイベントに参加したりと、会員事業者さんの販路拡大のサポートも注力しているところです。

伴走者、そしてハブとして寄り添う支援を

取材中の下岡さん、佐藤さんの画像

―坂出商工会議所の皆さんが経営支援で大切にされていることはありますか?

多田さん:経営者に伴走し、寄り添って支援することです。経営課題の解決を丁寧にサポートすることを心がけています。

従来のバックオフィス支援に加えて経営の分析、事業計画の策定、実行を通じて販路拡大や売上の増加に向けた伴走支援をすることを心がけています。

また今後は、経営者の課題解決のみならず、課題設定型の伴走支援にも取り組んでいきたいと思っております。

佐藤さん:自分で事業計画書資金計画を作成されてから来られる方もいらっしゃれば「まずは商工会議所に相談したい」という方もいらっしゃるなどご相談内容はさまざまですので、内容やご要望によっては、連携している国や県の機関もご紹介しています。

下岡さん:当所はハブ的役割も果たしつつ「商工会議所に行ったらとりあえず何か答えが得られるんじゃないか」と思っていただけるような存在を目指していきたいですね。

事業者のニーズに合った経営支援を進めたい

―今後のご計画がありましたらお聞かせください。

多田さん:坂出商工会議所が独自に行っている会員どうしをつなげる交流ウェブサイト「BBクラブ」を運営しています。営業・購買・交渉のオンラインサロンとして会員のお役立ちができるよう推進していきます。

経営支援については、長期化するコロナ禍と物価の上昇、燃料の高騰などの影響を受けた事業者がたくさんいらっしゃいますので、今後も各支援機関と連携しながら資金繰りの支援や事業再構築、事業承継の支援などにどんどん努めていきたいです。

また、IT化をはじめとして企業の強靭化支援も重点項目ですので、事業所へのIT導入支援、ビジネスチャンス作りにも努めていきたいなと考えています。

下岡さん:商工会議所の大きな核となる使命は地域振興と、事業所さんの経営支援です。それぞれの事業者さんのニーズ・希望に合った経営支援をこれからも続けていけたらと思います。

―本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!

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