海峡の街を駆ける門司港レトロ観光列車「潮風号」とは?平成筑豊鉄道株式会社に聞いた PR

海峡の街を駆ける門司港レトロ観光列車「潮風号」とは?平成筑豊鉄道株式会社に聞いた

福岡県北九州市の門司区港町には「門司港レトロ」と呼ばれる観光エリアがあります。平成21年から運行を開始した門司港レトロ観光列車「潮風号」に乗車すると、門司港のレトロな街並みや関門海峡の景色を楽しむことができ、関門海峡を周遊できるルートになっているのも魅力です。

今回は門司港レトロ観光列車「潮風号」の運行を担う平成筑豊鉄道株式会社門司港事業所の所長・中村亮太さんに、潮風号や周辺のおすすめ観光スポットについて伺いました。

レトロな街並みと自然が楽しめるトロッコ列車「潮風号」

潮風号と乗客、桜景色の様子

ー本日はよろしくお願いします。御社の事業内容について教えてください。

平成21年の4月から15年近く、観光トロッコ列車「潮風号」の運行を行っています。

出発駅はJR門司港駅そばの九州鉄道記念館駅で、出光美術館駅、ノーフォーク広場駅を経由して、終着駅の関門海峡めかり駅まで、時速15キロで約10分かけて運行しています。

―トロッコ列車の運行が始まったのは、なぜだったのでしょうか?

貨物線の廃止に伴い観光トロッコ列車を走らせることが決まり、元々は貨物が走っていた線路を活用することになりました。

明治初期に開港した門司港の周辺・門司港レトロ地区は、九州の人気観光地のひとつです。「潮風号」の始発駅側には昔ながらの歴史ある建造物や市街地が広がり、海沿いを走る際には関門海峡を眺めながら行き交う漁船やタンカー、大きな船なども見ることができます。

山の中のみを走る観光トロッコ列車はあると思いますが、街の様子や自然などを楽しめるのは「潮風号」ならではの魅力ではないかと思います。

関門海峡をのんびり観光!海外観光客にも人気

ー車体についてなど、「潮風号」の特徴をお聞かせください。

公募により命名された門司港レトロ観光列車「潮風号」は、ブルートレインのような濃紺のボディが特徴です。海峡を望む区間や門司港レトロの歴史ある街並みにマッチするようにデザインされています。

小型のディーゼル機関車にトロッコ客車2両を挟んで運行しており、機関車は熊本県の南阿蘇鉄道でトロッコ列車「ゆうすげ号」に使用されていた車両を、トロッコ客車は長崎県の島原鉄道で「ハッピートレイン」に使用されていた車両を活用しています。

「潮風号」は上下分離方式を採用しており、レールや車両、施設に関するものは北九州市が保有し、営業や運行に関わる部分は、当社平成筑豊鉄道が担う形で運営しています。

ーどのようなお客様が乗車されていますか?

小さいお子様連れのファミリー層やシニアのご夫婦、そして最近はインバウンドのお客様も多いですね。一便の大半をインバウンドのお客様が占めることもあります。

ー九州は海外からの観光客が多いようですが、門司港レトロも同様なのですね。乗車したお客様の反応も教えてください。

運行時間は10分間と短いですが、関門海峡をゆっくり観光しながら周遊もできるため、多くのお客様に喜んでいただけています。

終着駅の関門海峡めかり駅から徒歩10分ほどで、下関へ渡れる全長780mの歩行者専用海底トンネル関門人道トンネルもありますし、下関側の路線バスに乗って唐戸市場などへ出かけることもできます。また、関門汽船という連絡船を使って門司港に戻れるのも便利です。

ー乗車する際の留意点はありますか?

「窓や屋根はありますか?」というお問い合わせをよくいただくのですが、「潮風号」には屋根も、開閉式の上下に閉まる扉も備わっていますので、雨の日でも快適にご乗車いただけます。

ただし暖房設備はありません。海沿いを走行しますので、寒い時期は防寒・防風のために暖かい服装でお越しください。

1枚で3つの乗り物に乗れる「関門海峡クローバーきっぷ」がおすすめ

夜間走行する潮風号の様子

ー何かお得な切符はありますか?

看板商品となっているのが「関門海峡クローバーきっぷ」です。クローバーきっぷは、トロッコ列車の切符と、トンネルを歩いた先の路線バスの切符、関門連絡船の切符がセットになった切符です。この「クローバーきっぷ」1枚で3つの乗り物に乗れて、関門海峡をぐるっと観光して回ることができます。

この切符を利用して、トロッコ列車の乗車後に関門人道トンネルを歩いて対岸の下関に渡り、路線バスに乗って唐戸で下車し、最後に船で戻ってくるという関門海峡の周遊ルートを楽しまれる方が多いですね。2時間ほどあれば、観光周遊ができると思います。

「クローバーきっぷ」の他には、「潮風号」の1日フリー乗車券なども販売しています。

―「潮風号」は夜間の運行をすることもあるそうですね。

はい。特定の日での実施となりますが、令和5度の10月から夜間運行も開始しました。門司港レトロ地区で夜間のイルミネーションがあるため、「潮風号」の車窓から美しいイルミネーションを楽しむこともできます。

こうした夜間運行の他にも、旅行会社などと協力しながら様々なツアーを企画して販売しています。

歴史ある鉄道記念館や跳ね橋も。見どころ満載の門司港レトロ

ー門司港レトロ地区の見どころについても教えてください。

まずおすすめなのは、「九州鉄道記念館」です。ここは鉄道の博物館で、歴代の車両のなど、鉄道にまつわる展示が多数あります。記念館自体も歴史ある建物で、入口にはディーゼル車が停まっています。

また、恋人の聖地と言われている国内最大級の跳ね橋「ブルーウィングもじ」も人気スポットです。近くには海峡プラザというお土産屋さんや飲食店もあります。門司港レトロでは焼きカレーが名物ですので、特にカレー屋さんはたくさんあります。

ー時期としては、いつ頃の観光がおすすめでしょうか?

春休みやゴールデンウィークの時期がおすすめです。春になればめかりのほうでは桜が綺麗に咲きますし、気候も穏やかで快適に観光が楽しめると思います。

ー今後のご計画や目標がありましたらお聞かせください。

令和6年4月から6月にかけて、福岡県と大分県、JRグループが共同で開催する「福岡大分のディスティネーションキャンペーン」という大規模な観光キャンペーンを実施します。お越しの際は、ぜひ潮風号にも乗車していただければ幸いです。

ー最後に、マネ会読者にメッセージをお願いします。

北九州に来た際は門司港レトロで潮風号に乗って、観光周遊ルートを楽しんでみてはいかがでしょうか。トロッコ列車・路線バス・連絡船の切符がセットになったおとくな「クローバーきっぷ」もご用意していますので、ぜひ活用していただけたらと思います。

―本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!

平成筑豊鉄道株式会社
門司港事業所 所長

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