サーフィン移住事業で地域活性化に取り組む、日向商工会議所の取り組みをインタビュー!
宮崎県日向市は、「ISA 世界ジュニア選手権」のサーフィン会場として使われた日本で有数のサーフスポットです。
近年、サーフィンをする移住者が増えているこの街では、豊かな自然や街でとれる新鮮な魚や野菜、人情味溢れる人々などたくさんの魅力があります。
今回は日向商工会議所が取り組む「日向市の魅力」や、「サーフィン移住推進事業」について、日向商工会議所の専務理事 清水邦彦さんにお話を伺いました。
日向の市花「ひまわり(サンフラワー)」のように明るい町
ー本日はよろしくお願いします。まずは、日向市について教えてください。
清水さん:日向市は宮崎県の北部に位置する、人口が約5万8千人の都市です。江戸時代に参勤交代の出発港となった細島港があり、以来この地域の発展の核となってきました。
市内には日向の市花「ひまわり(サンフラワー)」にちなんだ「サンパーク」や「サンドーム」など、みんなで明るく楽しく遊べる施設も多くありますが、最も有名なのはサーフィンスポットです。
当市はサーフィンのスポットが数多くあることが広く知られており、年間で20万人以上のサーファーの方に来ていただいています。なかには飛行機を使って関東から来られる方もいらっしゃいますね。
「日向に来て、ゆったりとした時間の流れやサーフィンを楽しんでほしい」という思いを込め、日向市では「リラックスサーフタウン」というキャッチフレーズを掲げており、観光で訪れるみなさんを温かくお迎えしたいと考えています。
日向の街の重要な資源は「海・港・波」であり、いわゆる「氵」(さんずい)を活かしたまちづくりです。
商工会議所としてこれらの素材を生かし、ほかのどこにもないような「レアなまちづくり」に取り組んでいます。
活気あふれる日向三大祭り
ー観光で訪れた皆さんに参加してもらいたいイベントはありますか?
清水さん:日向市には三大祭りがあります。1つ目は7月に開催される「細島みなと祭り」です。
細島の商業港一帯が会場となり、太鼓台を担いだり、さまざまな屋台が出店したりと、港町らしい勇壮な活気あふれるお祭りです。
8月に開催される「日向ひょっとこ祭り」は、みなさんもご存知ではないでしょうか?
前夜祭と当日の2日間、日向市駅前の特設ステージで開催され、ひょっとこ踊りのパレードがおこなわれるほか、ひょっとこ踊りの個人戦やステージでの各種イベントもあり、毎年全国各地から多くの来場者で賑わいますね。
また10月には「日向十五夜祭」が開催されます。
御神輿や舞踊隊で賑わい、五穀の豊穣、商売繁盛を祈念するこのお祭りには約800年の歴史があり、日向市には欠かせないイベントです。
お祭り以外にもたくさんの魅力がある日向ですが、観光で来ていただく際には、日向三大祭りに参加して日向の活気を感じてもらいたいと思います。
サーフィン移住事業で地域活性化を目指す
ーサーフィン移住事業を開始するきっかけはどのようなことだったのでしょうか?
清水さん:先ほどもお伝えしたように、日向の資源の一つである「波」はウェーブであり、全国屈指のサーフスポットとしても広く知られています。
2017年には世界ジュニアサーフィン選手権が日向で開催され、約50もの国から400人ほどの関係者がおいでになりましたが、その際に「日向の波が非常にいい」「東京オリンピックが開催された時には、日向でやってほしい」と言われるほど高い評価をいただいています。
波の良さだけでなく、食や日向に住む温かい人たちに対しての評価も高くいただき、「多くの方が移住先として検討してくれるのではないか?」と考えるようになりました。
そこで、地方への移住を検討される方が増えているなか、優れたサーフィン環境を日向の宝として活かそうと、日向商工会議所ではサーファーの方に特化した「サーフィン移住」に力を入れるようになりました。
ー具体的にどのような取り組みをされているのでしょうか。
清水さん:「移住のためにはどのような情報が必要か」と会議を重ねた結果、「移住してきた場合にはこのような生活ができます」「仕事はこのようなものがあります」など、より具体的な情報を移住希望者に向けて確実に提供することが必要だと考えました。
移住は人生の大きな選択なので、ビーチで移住相談会を実施して不安に思っていることを聴取したり、会社訪問で社内の雰囲気を感じてもらったり、少しでも理解を深めてもらえるよう、地方都市として、またリラックスサーフタウンとして、工夫しながら取り組んでいきたいと思います。
ビーチ移住相談会を開催し、よりサーファーの方に知ってもらえるような活動も実験的におこなっていくなど、今後もネットワークを広げながら、さまざまな取り組みを行なっていく予定です。
素材のおいしさを楽しめる
ー実際に移住された方からの反響はいかがでしょうか?
清水さん:移住者の方から「来てよかった」という言葉をいただきます。
街自体はコンパクトなので、家からサーフスポットまで車で10分ほどの方が多く、サーフィンをより楽しんでいただけているようです。
移住後の満足度が高いことは、アンケート調査でわかっています。
温かい気候のため海水温が高く、冬でも冬用のウェットスーツを着用せずに波に乗れるところにも喜ばれていますね。
また日向は物価が安いので、おいしい野菜や魚が安く食べられると好評です。
B級グルメの天領うどんや辛麺などの地元グルメや、地域の特産品もおいしいので、日向に来た際には食べてみてほしいですね。
実際に来て日向市の魅力を知ってもらいたい
ー今後の展望を教えてください。
清水さん:日向商工会議所の会員事業所の方々の社業が発展するよう、会員還元事業の強化に努めていきたいと考えています。
身近にある商工会議所として、国や県の支援制度・補助制度をしっかりとお伝えしたうえで、「こういうこともしますよ」「これもお手伝いします」というように従来型の支援や、お手伝いを心掛けながら深く関わっていきたいです。
また日向にあるレアな資源をブラッシュアップして、サーフィン移住促進事業やプロ野球キャンプ1軍の誘致など、地域復興にも努め、今後もさらに地球総合経済団体として発展していけたらと思います。
ー読者の方にメッセージをお願いします。
清水さん:日向市は人が温かく、気候も暖かく、おいしい食や良い波など、小さな場所に魅力が詰まっている街です。
非常に住みやすい土地柄ですので、興味を持っていただいた際には実際に来ていただき、温かい地元の方々と触れ合いながら、さまざまな日向の魅力を感じてもらいたいと思います。
5月から10月にはお祭りも開催されます。
来ていただければ感動していただけると思いますので、一度お越しください。
ー本日はお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
日向商工会議所 専務理事