三浦商工会議所が取り組む地域活性化とは?楽しくておいしい、三浦市の魅力をご紹介。 PR

三浦商工会議所が取り組む地域活性化とは?楽しくておいしい、三浦市の魅力をご紹介。

神奈川県三浦市は県南東部、三浦半島の最南端にあるまちです。遠洋漁業が盛んなことで知られ、「三崎まぐろ」など多くの水産加工品や豊かな農産物で知られています。毎年、観光やマリンスポーツを楽しみに多くの人が訪れているのも特徴です。

このまちにある三浦商工会議所では、市の商工業を支えるさまざまな取り組みをおこなっています。今回は三浦商工会議所の中小企業相談所で事業所の支援をされている、井本和孝さんにお話を伺いました。

四季折々の楽しみが豊富な神奈川県三浦市

三浦海岸桜まつりの様子

ー本日はよろしくお願いいたします。まず、神奈川県三浦市について教えていただけますでしょうか。

三浦市は神奈川県の三浦半島最南端にあり、三方を海に囲まれ、北は横須賀市と接しています。昭和30年代から遠洋漁業の集積地として栄え、三崎まぐろを始め、多くのおいしい水産物に恵まれているまちです。三浦市産の大根やキャベツといった野菜も関東を中心に流通しています。

京浜急行品川駅から快速特急で70分、車でも都心から2時間程度と交通アクセスがよいこともあり、人口約41,000人ほどのこのまちに、年間600万人を超える観光客の方が訪れます。

新型コロナウイルスの影響で観光客は減少傾向にありますが、「密を避けて自然と触れ合いたい」というお客様も新たに来られるようになりましたね。

ー季節ごとにイベントは開催されていますでしょうか?

夏は三浦海岸での花火大会、秋にはまぐろを中心とした名産品を販売する「三崎港町まつり」、年末の「三崎まぐろ祭年末ビッグセール」という即売会など、さまざまなイベントがあります。

2月頃の「三浦海岸桜まつり」もおすすめですね。早咲きの河津桜が約1,000本、見頃を迎えます。

三浦商工会議所と事業者による「三浦ブランド」

ー三浦商工会議所の中小企業相談所では、どのような取り組みをされているのでしょうか。

日頃から事業所様のお困りごとに寄り添って、融資の申請など、幅広く支援をさせていただいています。

また、平成18年度から始まった地域活性化対策の1つに「三浦ブランド」というものがあります。これは三浦市の新鮮な農水産資源などを利用して、市外製品に対抗できる力をもつ観光土産や食品などを開発・販売する事業です。

鎌倉など三浦半島の他のまちと比べると、三浦市の観光消費額は半分以下となっています。加えて他の地域と同様に、人口は減少していく予想ですので、地元だけでなく市外へも三浦市の商品をご紹介していく必要があります。

さらに、このまちにある豊富な農水産物の生産加工者は、多くが10人以下で経営されている小規模事業者です。そのため、市外へ販路を拡大していくには個々の商品力を高めることが重要だと考えました。

そのため三浦市の名産品を使って、安心・安全性、デザイン性を始めとした消費者ニーズに応える「三浦ブランド」を立ち上げました。当所の加盟社数は8社でしたが、現在は23の事業所に加盟いただいており、59種類の商品が展開されています。

ー10年以上も続けてこられた事業なのですね。長年支援されている事業者さまもいらっしゃるでしょうか。

この15年ほどでお仕事の現役を退かれた経営者も多くいらっしゃいますが、ブランド開始当初から現在まで加盟いただいている方々もいらっしゃいます。親子2代にわたって私たちが支援させていただいている方も多くいらっしゃいますね。

ー事業者さまに加入を提案されるのは、どのようなときですか?

食品加工業者の方、あるいは自社商品をブラッシュアップしたりPRしたりしたい方から、お悩みを伺うことがあります。

そのときに支援のファーストステップとしてご提案するのが、三浦ブランドへの加入です。展示会への出展、イベントへの出店などを通して少しずつ事業者の方と仲良くなり、より深く支援ができるようにしています。

三浦ブランド例 有限会社くろば亭「鮪のカルビ焼」

有限会社くろば亭による「鮪のカルビ焼」のイメージ画像

ー「三浦ブランド」には、どのような商品があるのでしょうか?

たとえば、「くろば亭」という飲食店さんが開発された「鮪(まぐろ)のカルビ焼」という商品があります。

この商品はまぐろなのですが、本当にお肉のカルビのような味がするんです。インターネットからも買えるので、ぜひ召し上がっていただければと思います。

くろば亭の山田社長は商品開発にとても意欲的な方で、私たちが会社に伺う度に「まぐろのこの部位を使うとこんな商品ができる」「味をみてほしい」と新商品を提案してくださいます。これまで100種類以上のまぐろメニューを考案されているんですよ。

でも商品のパッケージをどうするかなどは、メニュー開発のプロであっても迷われることがありますので、そうした面のサポートをさせていただいています。

「鮪のカルビ焼」のパッケージ画像

三浦ブランド例 株式会社セブンシーズ「トロちまき」

株式会社セブンシーズによる「トロちまき」のイメージ画像

株式会社セブンシーズさんの「トロちまき」という商品もおすすめで、毎週日曜日に開かれている「三崎朝市」の名物商品となっています。

こちらはまぐろの尾の身を使った中華風のちまきです。この部位はゼラチン質がとても多くて、加熱するとフワッととろけるような食感になるんですよ。

ただの中華風ちまきではなく、横浜中華街にある有名店の料理長に、レシピを含めて相談して開発されました。

「三浦ブランド」加盟事業者の声

ー「三浦ブランド」に加入されている事業者の方々からは、どのようなお声がありますでしょうか?

ブランドに加入いただくと、観光誘客施設での販路づくりをご支援させていただくので、その点に感謝いただくことが多いですね。

加入されたタイミングで補助金申請など、より深いご相談を受けることもあります。

県内唯一の大漁旗職人とも商品開発

三富染物店によるミニ大漁旗のイメージ画像

ー「三浦ブランド」に対して、一般のお客さんからの反響はいかがでしょうか?

若い女性の観光客の方からとくに好評いただいている、「三崎の大漁旗」をモチーフにした手ぬぐいをご紹介します。

大漁旗とはもともと漁船が港に帰ってくるときに、大漁を知らせるために掲げられていた旗です。今では漁業関係者でなくても、人生の節目をお祝いするときに贈られることがありますね。

神奈川県内でこの大漁旗を製造しているのは、三浦市の三崎にある「三富染物店」さん1軒だけなんです。

三富染物店さんは飲食店に飾るような大漁旗、還暦祝いの旗などを作られていて、以前はとくにブランドなどは加入されていませんでした。

でも私は、大漁旗とは単なる旗以上の価値がある「文化」だと感じていたので、ぜひこの大漁旗をお土産にできないかと考え、お店にご相談させていただきました。それで大漁旗モチーフの手ぬぐいなどの開発をご一緒したんです。

ー特別なものというイメージのある大漁旗を、一般の方の生活に溶け込むような商品にしようと考えられたんですね。

幼いころから大漁旗を身近に感じていた三浦市出身の大学生の方から、三富染物店さんに「デザインをさせてくれないか」という提案もあったんですよ。「大学卒業を機に、地元のために何かできないか」と考えられたそうです。

このコラボではまぐろをモチーフにした新しい手ぬぐいを考えていただき、こちらも誘客施設のお土産コーナーなどで販売しています。

基本的に観光客の方へ向けてお土産用でご紹介していますが、美術館に置かせていただいたこともありました。

三浦で過ごす楽しさを伝える「みうら歳時記」

ー次に、観光PRのための「みうら歳時記」についても教えていただけますでしょうか。

平成27年度・28年度に「みうら歳時記」という観光PR用のDVDを制作しました。

これは三浦市を訪れる方々により深く充実した時間を過ごしていただき、また三浦に来たいと思っていただけるようにと考え、取り組んだものです。制作した動画は、YouTubeにもアップしています。

三浦市には年間600万人以上の方が来遊されますが、その滞在時間は平均2時間程度といわれています。おそらく近隣の横須賀市や鎌倉市も含めて、三浦半島全体を満喫しようという方が多いからではないでしょうか。

季節ごとのイベントを紹介することで、「これなら家族で行きたい」「友達と行きたい」と感じていただけるのではないかと思い、肌感覚が伝わりやすい動画を制作することにしたんです。

1年に1度の景色も動画に

ー「みうら歳時記」を拝見すると、お子さんから大人までさまざまな方がイベントを楽しむ様子が伝わってきます。動画そのものも商工会議所の皆さんが撮影されているのでしょうか。

外部の方にお願いしていますが、私たちも撮影に同行しています。たとえば三浦海岸で見られる初日の出は、5年ほど前に撮影をお手伝いしていますね。

初日の出は、さまざまな理由で見に行けない方が多くいらっしゃると思います。三浦のきれいな景色をぜひ多くの方に見ていただけたらと思い、みうら歳時記でもご紹介しました。

テレビ局や制作会社からの問い合わせも

ー「みうら歳時記」にはどのような反響があったでしょうか。

希望された当所の会員様には、DVDをお配りしています。会員の方々は、観光客の皆さんに「商工会議所のホームページに載っているから見てくださいね」とお伝えしているようです。

ーホームページではYouTube動画の形で一覧できるようになっているのでおすすめしやすいですね。

あとは、テレビ局や制作会社の方から「『みうら歳時記』の映像データを使わせてほしい」というお問い合わせをいただくこともあります。

元の映像にはナレーションが入っていたり、一般の方が映っていたりするのでなかなか難しいのですが、「じゃあ実際に三浦に行って撮ろう」とメディアの方がいらっしゃるきっかけになれたらいいなと思いますね。

今後の展望

ー今後の展望がありましたらお聞かせください。

これまでは事業者の皆さんがもつその時々のお困りごとに対して支援をすることが多かったのですが、今後は事業の目標設定も含めて面的なご支援ができるよう、取り組んでいきたいです。

ー最後に、この記事を読まれた読者の方へのメッセージをお願いします。

私は三浦市で生まれ育ちましたが、以前東京で暮らしていたことがあります。たまに帰省したとき、電車から降りると潮の香りがしたんです。離れたことで初めて、故郷の香りというものを知りました。

このまちに戻ってきて思うのは、三浦は変わらないように見えて、少しずつ環境の変化に応じているということですね。

三浦のいいところを残しながらも、今の消費者、観光客の方のニーズに少しでも寄り添えるようにみんながんばっているのを感じます。何度でも「また来たい」と思っていただけるような場所にしていきたいですね。

とくに三浦半島を訪れる方には、三浦市という楽しい場所、おいしいものが味わえる場所があるということを少しでも知っていただけたらと思います。

このまちの魅力をさらに高められるよう、商工会議所の私たちはお手伝いをしながら、皆さんをお待ちしております。

ー本日はお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!

三浦商工会議所 中小企業相談所

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