独自の文化が魅力!地域経済の創造を目指す上野商工会議所の取り組みを紹介
三重県の北西部に位置する伊賀市は、上野市、伊賀町、島ヶ原村、阿山町、大山田村、青山町の6市町村が平成16年に合併したまちです。
古来より京都、飛鳥、奈良などの都に隣接するまちとして栄えてきました。
今回は伊賀市の上野商工会議所にスポットを当て、地域活性化を目指す取り組みについて紹介します。
「古きよきもの」と「新しきよきもの」が合わさったまち「伊賀市」
伊賀市には、京都、奈良、伊勢を結ぶ「大和街道・伊賀街道・初瀬街道」があります。
江戸時代には伊勢神宮参拝者の宿場としても栄え、伊賀流忍者や松尾芭蕉のふるさととしても知られています。
上野駅に降り立つと伊賀上野城が見え、伊賀流忍者博物館や芭蕉翁生家、史跡旧崇広堂といった文化財など観光資源が豊富なまちです。
※史跡旧崇広堂とは、武士の子弟を教育するために建てられた藩校のこと
三重県内「住みたい田舎ベストランキング」4年連続1位!
伊賀市は、宝塚社が発行する「田舎暮らしの本」2022年2月号の第10回「住みたい田舎」ベストランキング(※)で、4年連続県内1位を獲得するほど、居住地としても魅力あふれるまちです。
三重県内で初の「移住・交流」専門部署を設置し、伊賀市移住交流ポータルサイト「iga-style」を立ち上げ移住者をサポート。
「iga-style」では、以下のように移住者向けの情報など伊賀市の取り組みやサービスを確認できます。
(※)宝塚社が、移住者数や移住支援対策など276項目のアンケートをもとにランキングづけしたもの
支援内容 | |
住む・空き家バンク |
・伊賀流空き家バンクを設置し移住や定住をサポート ・住宅検査などのサービスを実施 ・支援金や補助などの案内 |
子育て |
・結婚~子育てまで支援 ・子育て支援センターによるサポート ・中学生までの医療費無料化 ・子供の成長に合わせた支援の実施 |
働く |
・伝統産業など地域の特性を生かした就労 ・起業家応援セミナー ・農業、林業をはじめたい方のサポートを実施 |
暮らす |
・伊賀市で暮らす上で役立つ情報を掲載 ・交通の便や医療機関などを把握できる |
伊賀市では「移住コンシェルジュ」を設置し、伊賀市体験セミナーや移住・交流事業、就職相談など移住希望者への総合的なサポートをしています。
全国規模の移住相談会に参加するなど、「来たい・住みたい・住み続けたい伊賀市」の実現に取り組んでいるまちで、地域活性化を目指す「上野商工会議所」の取り組みについてお話しを伺いました。
伊賀市オンリーワンの魅力で地域活性化を目指す「上野商工会議所」
早速ですが上野商工会議所では、どういった事業に取り組んでいるのでしょうか?
上野商工会議所では、地域の商工業事業、人材づくりや農商工連携の強化、地域資源の世界市場進出、観光事業に取り組んでいます。
特に力を入れているのは、「伊賀」のもつ歴史や文化を活かした観光事業です。
伊賀市は、伊賀流忍者や松尾芭蕉、日本100名城に選ばれた「伊賀上野城」、城下町など観光資源に恵まれています。
伊賀市の魅力を伝える観光事業に力を入れ、より多くの方に知ってもらうことで、ほかの事業へ波状していく取り組みです。
朝から夜まで楽しめる「伊賀上野 灯りと忍びの城下町」
上野商工会議所では、平成21年より城下町の夜の町歩きイベント「伊賀上野灯りの城下町」を実施してきました。
2020年は、新型コロナウイルスの影響により伊賀市内のイベントはほぼ中止。
そこで、春に開催される「伊賀上野NINJAフェスタ」やお盆の時期のライトアップ「お城のまわり」のイベントと合同で委員会を立ち上げ、コロナ禍でも楽しめる「伊賀上野灯りと忍びの城下町」を特例的に実施しました。
「伊賀上野 灯りと忍びの城下町」の特徴を教えてください。
昼から夜まで1日中楽しめるが特徴です。
伊賀上野城下町にて、昼は「秋の忍者イベント」、夜は灯りでつなぐ「灯りイベント」を開催しています。
「秋の忍者イベント」では、レーザー手裏剣を使った次世代忍者スポーツ「e-NINJAバトル」や目の錯覚を利用した「忍者だまし部屋」など忍者にまつわるイベントが開催。
中でも伊賀忍者学や手裏剣術、抜刀術、捕縛術の5種競技を争う「伊賀上野NINJA選手権」は、2日間連続で開催され、大いに盛り上がります。
「灯りイベント」では、竹灯りや行灯、和傘といった灯りで城下町の街灯がひとつにつながり、「上野天神宮」や建築家板倉準三が設計した「上野西小学校体育館」など、市指定文化財や国登録文化財の建物もライトアップ。
いつもと少し違う風情がある夜のまち歩きを楽しめるイベントです。
残念ながら2021年は新型コロナウイルスの影響で中止となりましたが、今年は10月8日(土)・9日(日)に開催。
「伊賀上野城下町バル」も同時開催するので、城下町の食べ歩き、飲み歩きが楽しめます。
伊賀市の歴史や文化の伝承「伊賀学検定」
「伊賀学検定」とは、どのような検定なのでしょうか?
松尾芭蕉や伊賀流忍術など、さまざまな伊賀に関する歴史、文化にまつわる知識力を試すための認定試験です。
平成18年よりスタートし毎年1回実施されています。2022年2月に実施した試験の受検者は、8歳から84歳までの男女108名と幅広い世代の方々。
試験内容は忍術や松尾芭蕉、祭り、歴史、文化財、生活文化など「伊賀」に関するあらゆる問題から幅広く出題され、合格者には特典もあります。
難易度は初級・中級・上級の3種類。
初級は四者択一方式で50問、中級は100問。上級は記述式で50問と難易度が上がっていきます。
まずは初級から受検いただき、合格すると翌年に上の級へ挑戦することができます。
「伊賀学検定」をはじめた経緯を教えてください。
伊賀市のみなさまに、歴史や文化のある「伊賀」について深く知ってもらうことでこのまちに誇りを持ってほしいという想いから始めました。
伊賀の観光振興の一端となることを目的として活動しています。
伊賀学検定は、「伊賀」のありとあらゆる知識を求められます。
歴史や文化だけではなく、食や伝統産業のなど伊賀の魅力を余すところなく網羅しているので、観光客へのおもてなしの手助けとなり、観光業に携わる方々の仕事のやりがいや人材育成にもつながっています。
次回は2023年2月19日(日)に開催予定です。受付は2023年1月6日から1月31日までの予定のため、ぜひお申し込みください!
初級 | 対象11施設のうち☆3施設を1回限り拝観無料 |
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中級 | 合格後1年間11施設の拝観無料 |
上級 |
伊賀学検定が続く限り期間無制限で対象11施設の拝観無料 |
- 伊賀流忍者博物館
- ☆だんじり会館
- 史跡旧崇広堂
- 入交家住宅
- 旧小田小学校本館
- 城之越遺跡
- 芭蕉翁記念館
- 伊賀上野城
- 蓑虫庵
- ☆芭蕉翁生家
- ☆伊賀市ミュージアム青山讃頌舎
「ロケーションナヴィゲーター伊賀 NAVIGA(ナヴィガ)」で観光促進、地域活性化へつなげる
ロケーションナヴィゲーター伊賀 NAVIGA(ナヴィガ)について教えてください。
伊賀市で撮影された映像を、日本をはじめ世界に配信されることで、伊賀の知名度を上げ観光客の増加につなげることを目的としたフィルムコミッション事業です。
伊賀地域で映画やTVドラマの撮影をしてもらうことで、伊賀地域をPRし地域活性化を目指しています。
撮影内容によっては、普段見慣れたお店や学校、街並みがロケ地になることもあります。
混乱がおきないよう、撮影する地域の情報の提供や撮影地の調整、食事やスタッフ、出演者の宿泊先の手配、エキストラ協力など、撮影をスムーズに行うためのサポートを上野商工会議所で行います。
エキストラの手配もされているのですね。一般の方もエキストラになれるのでしょうか?
依頼内容に合わせた年齢層、性別といった条件はありますが、伊賀市在住の方を対象に募集していることが多いです。
ご自身で出演した映画やドラマであれば、伊賀市に対する思い入れもより大きくなると思います。
ぜひ伊賀市をもっと身近に感じるきっかけにしていただきたいです。
エキストラとして協力していただける場合は、NAVIGAの公式ページで募集しているのでチェックしてみてください。
「うちグルメ」外食業界を応援!一食が力になる
「うちグルメ」とはどういったサイトなのでしょうか?
新型コロナウイルス感染症により、ダメージを受けた外食業界の活性化につながるよう開始した伊賀市の飲食店サイトです。
「うちグルメ」では、お店の味をそのまま自宅で楽しめるよう、現在では約50店舗のテイクアウト・デリバリー商品を掲載しています。
おいしそうなテイクアウト・デリバリー商品が写真で掲載されていて選びやすいですね。
飲食店ごとにおすすめの商品を写真で掲載することで、視覚からも商品を楽しんで選んでもらえるようにしました。
店舗所在地をサイト内の地図で表すことで、検索することなく、伊賀市のどこにいても、近くのおいしいグルメを発見することができます。
最後に、この記事を読まれた読者の方へメッセージをお願いします。
伊賀市は伊賀流忍者など独自の文化と魅力を持つまちです。
上野商工会議所では、独自の文化と魅力を活かしつつ地域活性化につながるような観光業に力を入れています。
ぜひ一度足を運んでいただき、伊賀市の魅力を堪能していただけると大変嬉しく思います。
上野商工会議所 中小企業相談所まちづくり課
子供が大きくなったのを機に、2017年より本格的にWebライターとして始動。クレジットカードとカードローンを得意分野とし、恋愛・離婚・エンタメ系や商品紹介など、さまざまなメディアのライターを経験。誰もがわかりやすい記事を作成するのを信念に、自分の無知さや語彙力のなさに落胆しながらも、持ち前の探求心を武器に奮闘中。クレジットカードは、楽天カード・Yahooカード・地元のマイナーのカードを利用。キャッシュレスはPayPayとメルペイを利用し、家計を整理するのが目標。