多彩な業界に約5,000台のゲーム機をレンタル!オリジナルゲーム機の開発も手がける株式会社CUEに聞いてみた
ガチャガチャなどのゲーム機は多種多様な業界から需要があり、また海外からの旅行者からも人気を集めるなど注目されています。
奈良県に本社を構える株式会社CUEでは、ゲーム機の製造販売やレンタル事業などアミューズメント事業を展開しています。国内では現在約5,000台のゲーム機をレンタルで提供する同社。
今回は株式会社CUEの川井さんに、人気の機種、ゲーム機のレンタルに必要な費用やレンタルの流れなどを伺いました。
ゲーム機レンタル事業を軸に、企画開発など幅広い事業を展開する株式会社CUE
―本日はよろしくお願いします。まずは、御社の事業内容について教えてください 。
当社は奈良県の奈良市と大和高田市で、2軒のゲームセンターを運営しています。ゲームセンターの店舗運営に加え、ゲーム機のレンタル事業、オリジナルゲーム機開発を3つの柱として事業を展開してまいりました。
ゲーム機のレンタル事業では、設置先様の業種を問わずさまざまな場所にゲーム機を提供しています。マルイさんやイオンさん、ツタヤさん、各社ドラッグストアなどのチェーン店でも展開しており、現在4,000〜5,000台のレンタルを行っています。
最近では海外メーカーと提携したゲーム機のOEM生産なども手がけており、業界の主流となっているUFOキャッチャーやクレーンゲーム機の企画開発、製造から販売も行っています。
また、メーカーとして業界のイベントやゲームショーにも積極的に出展してきました。世界中から約2,000社が参加する東京ギフトショーなど大規模なイベントにおいて、さまざまな業界に向けたアミューズメントの提案をしております。
ゲーム機のレンタルは長期にも単発にも対応
―ゲーム機のレンタル事業が中心とのことですがどのような機種が人気なのでしょうか?
最近は1,000円で遊べるガチャガチャが人気です。当社では直径20cmのカプセルが出てでくるイベント専用の機械も展開しており、プロ野球のファン感謝祭や住宅展示場、水族館のオープニングイベントなど単発イベントでよくご利用いただいています。
本屋さんの軒先に置いているような長期間レンタルするものと、イベント時に単発でレンタルを行うケースなど、設置先様それぞれのニーズに対応可能です。
―ゲーム機をレンタルする際の料金形態を教えてください。
設置先のお客様のご要望に合わせて細かくご提案させていただきますが、企業向けの単発イベントなどは1日10万円〜30万円程度です。
お客様が景品を用意するのか、当社で用意するのかなどによっても変わってくるため、相談しながら決めていくことになります。長期のレンタルの場合は、基本的にレベニューシェアとなっており、売上を歩合でシェアする形になります。
―ゲーム機を長期レンタルする際は、運営のサポートもしていただけるのでしょうか?
お客様には場所と電源だけご用意いただければ、あとは景品の補充から集金、機械のメンテナンスまで、すべて私たちが行います。ゲーム機の中に入れる景品については相談に応じますし、当社で景品を用意する場合はターゲットに合わせて景品を選定することも可能です。
例えば、若い利用者が多い場合は若い方向けの景品を、ファミリー層が多い場合は小さなお子さまが好きそうなものを選ぶようにしています。
現在は大阪、神戸、東京、福岡に事務所を持っており、各地にレンタル専任担当者を配置しています。月に一回以上、必ず集金に伺いますし、何か問題があればすぐにご相談いただける体制です。
―ゲーム機をレンタルしたい場合は、どのように手続きを進めていけばよいのでしょうか?
まず、当社にお問い合わせいただき、どのような機械をレンタルしたいのかご要望をお聞かせください。その後、当社のスタッフが現場に訪問し、ゲーム機を設置できるか確認を行います。「配線の距離が遠い」など問題がでてくる場合もありますので、状況に応じてご相談させていただきます。
設置先の状況やお客様のご要望に合わせて、最適な提案をいたします。
自社開発により、世の中にない新しいゲーム機を生み出せる
―御社ではゲーム機の企画から製造、販売まで一貫して行われているそうですね。
はい。海外の生産工場と提携し、自社でも開発から製造、販売まで手掛けています。
大手メーカーが販売しているゲーム機は非常に高額です。しかし、ゲーム機本体が高いか安いかは、ゲームをプレイするお客様にとっては関係のないことです。
当社の場合、ゲーム機の自社開発により機械本体のコストを抑えることができるため、同じコストで大手メーカーから購入するよりも多くのゲーム機を設置することが可能です。設置数が多くなれば、設置先様の売上にも貢献できます。
その結果、これまでに累計で4,000〜5,000台のゲーム機を展開することができています。
―ゲーム機を自社開発される際は、既存のものとは異なる全く新しいものを企画されることもあるのですか?
全く新しいゲーム機を企画することもありますし、これが当社の強みでもあります。当社はゲームセンターを2店舗運営しているので、新しい機種のテストが可能です。
テストの結果に応じて製造の判断ができるため、ゲームをプレイするお客様に、より楽しんでいただける機械を生み出すことができます。
現在は、クレーンゲームが非常に人気で、ゲームセンターに設置されている機械のうち7割以上がクレーンゲームです。
自社開発のゲーム機は、ゲームをプレイするお客様が景品を獲得しやすい設定や陳列を美しく見せることに重点を置きながら、機械の開発に取り組んでいます。最近では、クレーンゲームの上に動画が流せるモニターを搭載した機械を発売しました。
通常、モニターを別途持ち込んで機械に組み込む形が一般的ですが、当社の機械は最初からゲーム機にモニターを組み込んでいます。自社開発を行うことでコストを抑えながら、機能に工夫を凝らして、大手メーカーの製品にも引けを取らない機械を開発しています。
―企画からゲーム機ができるまで、どのぐらいの期間がかかるのですか?
当社は中国の製造メーカーとアライアンスを結んで、ゲーム機を作っています。中国のメーカーにある程度完成したものがあるので、それをベースに開発を進めており、製造から販売までに1年もかかりません。早ければ、半年ほどで販売ができます。
大手メーカーは企画から販売まで2〜3年かけて行いますが、当社はまず自社の店舗で使ってみて特に問題がなければ、そのまま第一弾として市場に投入します。
もし不具合や使い勝手の悪さが出てきた場合は、すぐに第二弾へバージョンアップするので、常にバージョンアップし続けるようなイメージですね。
―景品の企画開発なども行われているのですか?
景品の企画開発については、今後取り組んでいこうと考えています。現在、メーカーとの話も進めているのですが、当社のゲーム機でしか手に入らないような景品の展開を考えています。企業とのコラボレーションなども計画中です。
また、現在はゲーム業界で事業を展開していますが、ゲーム業界だけに捉われる必要はないと考えています。ゲーム業界においても未開拓の領域も数多く存在しており、開拓されていない隙間の部分を埋めていきたいですね。
強みを活かし独自の路線でゲーム事業を展開していく
―今後のご計画・展望がありましたらお聞かせください。
今まで世の中になかったような新しい製品を生み出し、OEMで製造していく予定です。企業とのコラボレーションや、海外のトレンドを取り入れて日本に逆輸入することも考えています。
テナントの空きスペースが増えているため、大手のGMS(ゼネラルマーチャンダイズストア)などの空きスペースに、当社が企画開発した商品のみを使用したコーナー展開も計画しています。これは他社には真似できない、当社の強みです。
また、新機能を追加した1,000円ガチャガチャの開発も進めており、第一弾を製造中です。改良を重ね、年末までに展開する予定です。さらに、来年2024年の秋には紙幣が変わるため、両替機を新しい紙幣に対応できるように準備を始めています。
日本ではキャッシュレス対応のゲーム機がまだまだ浸透していませんが、海外ではキャッシュレス対応が主流になっているため、当社でもキャッシュレスの対応の機械を増やしています。
ゲームセンターのキャッシュレス対応といえばICOCAやSuica、ゲームセンター独自のプリペイドカードに対応している機械が主流ですが、当社は全てのQRコード決済、FeliCa系、交通系、クレジットカードが使える機械の開発を進めています。
日本は使用できる決済種別が多く、すべてに対応するのは難易度が高いのですが、クリアできる端末が既に開発されているので、当社のゲーム機に搭載できないか交渉を進めているところです。
―マネ会の読者へ向けて、メッセージをお願いします。
当社は、今後も皆さまに楽しんでいただけるゲーム機をどんどん展開していきます。ゲームセンターも従来のイメージとは異なる雰囲気に変わってきているので、これまでゲームセンターに足を運んだことのない方にもぜひお越しいただけたら嬉しいですね。
―本日は、ありがとうございました。
株式会社CUE レンタル事業部
気になるけど、なかなか話しづらい。けどとても大事な「お金」のこと。 日々の生活の中の身近な節約術から、ちょっと難しい金融知識まで、知ってて得する、為になるお金の情報を更新していきます。