時間をお金で買った我が家の、導入して良かった家電・サービス7選
数年前、家事にかける時間の短縮……「家事短」に熱を上げ、「これで家事短、あれで家事短」と手当たり次第にやり込んでいた時期があった。仕事で忙しかった時期に子供が生まれ、子育てに家事にと時間がどんどんなくなっていき、家庭が崩壊しそうだったからだ。
このままではいけないと思い、日常生活にさまざまな家事短を導入した。骨の髄まで「効率化」を浸透させたのだ。その甲斐あって、今では「やらないと」と考える前に体が……というか家電が動いている。
「家族全員が楽しく過ごす時間」を確保するために、家事短を導入
2019年3月現在も、フルタイムで働く夫婦と就学前の児童1人という家族構成ながら、かなり時間の余裕が持てている。ご飯を作り、家族で食卓を囲み、子供を風呂に入れてから相応の時間に寝かせられるようになった。
さらに、趣味の時間もとれるようになった。毎日1〜2時間は、パン作りやコーヒーの焙煎、映画鑑賞、コスメ研究などを楽しんでいる。夫も時間にゆとりが持てるようになり、サッカー選手とM-1グランプリの動向を日々チェックしているようだ。
家電の導入以外にも、さまざまな見直しをした。職場と保育園と住居の移動距離を20分圏内(公共交通機関を使用)にして、いわゆる「職育住近接」の環境を整えた。また、私は午後6時半〜7時、夫は午後7時半〜8時ごろに帰宅して、家事・育児を分担するようにした。会合や出張などで生活リズムが崩れることもあるが、夫婦でスケジュールを共有して、効率良く回すようにしている。
家事を含む生活の効率化は、全て、家族全員が楽しく過ごす時間を確保するためだ。
住居や仕事環境、パートナーの状況は常に変化していくものであり、一般化することはできない。とはいえ、子供が小さい時期だけでもこうした効率化を取り入れておくと、人生はラクになると思う。
家事短を極めた私がオススメする「家事短七福神」
前置きが長くなったが、まずは「課金すれば明日にでもできること」として、導入して便利だった家電やサービスを紹介したい。私にとって不可欠な順番に、7つ挙げていく。「家事短七福神」というべき何かである。
【1】乾燥機(約5万円で購入/毎日約30分の節約)
これは、1台で全てが完結する乾燥機付き洗濯機のことではない。洗濯機と乾燥機、別々に購入するのである。乾燥機は、洗濯機にスタンドを取り付けて、上部に設置できるものを選んだ。見た目は悪いが、場所は取らない。
乾燥機を買った理由は、衣類を干す手間と、外に干して取り込む手間を省けるからである。外に干さないのであれば、衣類につく排気ガスや花粉を気にする必要もない。
さらに我が家では、乾燥機に入れた大きなもの以外は、畳むこともしていない。仕舞う場所を乾燥機の隣に用意し、そのまま水平移動させるだけである。
また、洗濯機と乾燥機が別々になっていると、洗濯が終わった後すぐに2回目の洗濯ができる。乾燥機が別にあれば、最初に洗濯した衣類の乾燥と、2回目の洗濯が同時進行でき、時短につながるのである。
乾燥機の購入価格は、約5万円。導入して5年ほどたつが、毎日……なんなら1日に複数回使っているので、十分に元は取れていると思う。洗濯ものを干す30分の間に別のことができるので、とても助かっている。干し方の流儀が違って揉めるなんていうこともなくなった。
5年×30分=912.5時間。この時間と上機嫌を、5万円で買えるのだ。メンテナンスは、週1回のホコリ取りくらいだ。電気代も大して掛からない。
せっかくなので買ったときの熱量を伝えるべくその時の記事のリンクを貼っておく。
▼ 衣類乾燥機ラブ♥過ぎる件
【2】食器洗い乾燥機(約5万円で購入/1日につき約30分の節約)
食器洗い乾燥機(食洗機)は、あらかじめキッチンに内蔵されているビルトインタイプではなく、据え置き型を購入した。据え置き型はあまり種類がないので、子供がいる家庭で使用するのであれば、一番大きいサイズを無表情で選択しておけばいいと思う。スペースがない? うちは流し台に少しはみ出していますけど、何か……?
実は、食器を洗うのは夫の役割だった。でも、疲れている中、食器を洗っている夫を見たくなかったので勝手に買った。結果、とても良かった。
また、夫が洗い物をする手前、以前は皿や調理器具をたくさん使うことに罪悪感があったが、食洗機があれば気にせず使える。何せ、夫は食洗機に皿を入れるだけでいいのだから。メンテナンスは、備え付けの清掃モードで時々洗うだけで済むのも良い。まさに、愛すべき食洗機ちゃんである。
食洗機が家出でもしようものなら、我が家には冬の時代が到来するであろう。
【3】大きい冷凍スペースつきの冷蔵庫(約15万円で購入/買い物や料理の時間を週90分節約)
我が家は家族3人がみんな少食で、週の3割程度は外食をしているにもかかわらず、500L超のでかい冷蔵庫を導入している。理由は「デザインを選んで買ったら、たまたま大きいものしかなかった」という消極的なものだが、結果として、この大容量が何よりも時短に寄与している。
庫内が広いと、単純にものを探す手間が省ける。実際に使用する倍くらいスペースがあると、ものの出し入れそのものがラクだ。冷蔵庫も収納のイチ形態。ならば広い方がいいに決まっている。
また、スペースが広いと整理整頓がしやすくなり、どこに何があるかもきちんと把握できるようになる。冷蔵庫にあることをいつの間にか忘れてしまい、調味料や野菜がカピカピに……なんて悲劇ともサヨナラだ。
この冷蔵庫のポイントは、冷凍スペースが広いというところ。自分で作った冷凍食品だって、たくさん保存することができる。すると、買い物の時間がぐっと減るのだ。買い物は、実は一番時間と体力を消耗する家事だと思う。
お客さんが来たときに出す自作のローストビーフは、冷凍庫の常連だ。さらに、子供の友達が来たときのおやつとして、冷凍フライドポテトも大量に保存している。「ちょっとあるとうれしいが、買うほどではない」といった柚子皮や山椒の葉も、冷凍保存におすすめだ。我が家では、納豆やキノコ類も冷凍している。
2kgの冷凍エビやパラパラの冷凍ミンチなども大量に保存しておくと、買い物の回数はぐんと減る。豆腐だけ買えば麻婆豆腐が作れるし、エビに衣をつけて焼けば子供が好きなエビマヨができる。買い物をする時間がなくても何とかなる状態を作っておくと、心は平穏だ。
【4】ルンバ622(約5万円で購入/1日あたり約30分の節約)
ルンバはすっかりメジャーな家電なので、特に驚きもないかと思う。スイッチをポンと入れれば、段差がない限り家中を掃除してくれるニクいやつ。我が家のルンバはかなり初期のモデルだが、今でも問題なく稼動している。
ルンバを中心に世界が回っている我が家において、本棚や椅子、ソファの脚などは、ルンバが動きやすいようにカスタムされている。もちろん、床に小物を放置するのも厳禁だ。もはやルンバのおかげで部屋がキレイになっているのか、ルンバのためにキレイにしているのか分からない。だがそれでいい。毎日、手間なく、出掛けている間にキレイ。これである。
購入したきっかけは社販だった(ちなみに、ルンバの販売元であるアイロボット社に勤務しているわけではない)。我が家に導入した結果、夫は喜び、子供は突然やって来た床を這いまわるヤツに恐怖して泣き叫んでいたことを思い出す。あの時は怖がっていた子供も、今では「ルン子」と呼んで仲良くしているようだ。
メンテナンスは、思いついたときにブラシに絡んだ糸などを取るくらいで済んでいる。バッテリーは買い替えられるので、長く使用できるのもうれしいポイントだ。
【5】LOHACOとAmazon(1回につき3,000〜1万円分購入/買い物の時間を週に約2〜3時間節約)
ECサイト「LOHACO(ロハコ)」と「Amazon」も、ルンバと同じく定番のように思う。他にもいくつもかサービスを試してみたが、最後まで残っているのはこの2つだ。せっかくなので、現在の使い分け方を記したい。
まず、ロハコは年々サービス内容が良くなっている。実はサービス当初から愛用していたが、Amazonが「Amazonパントリー」や「Amazon定期おトク便」などの便利なサービスを導入したことで、使用していない時期もあった。
だが最近は、指定の日時と場所に届けてくれる「ロハコの定期便」の導入や、魅力的なオリジナル商品、多くのブランド参入が進み、Amazonと同じくらいの割合で利用している。必ず購入しているのは、トマトピューレのパックとミネラルウォーター、トイレットペーパー、ティッシュなどの定番品だ。
ECサイトの大定番ともいえるAmazonは、何より懐が深い。いろいろな業者がいろいろな商品を販売しており、取り扱われていないものはほぼない。我が家では、外国の調味料や酒類を購入するときに頼っている。
「Amazon定期おトク便」を利用すれば、最大15%の割引で商品を手に入れることができる。他サービスでの販売価格などと見比べていつも購入する商品を見直しているが、「Amazon定期おトク便」には常時10商品くらい登録している。また、日用品を低価格で購入できる「Amazonパントリー」を利用すれば、ほとんどの商品はロハコよりも安い。
ただし、問題が一つある。段ボールの処分だ。これはかなり困っていて、毎月大量の段ボールを資源ごみに出す羽目になる。同じ悩みを持つ方がいらっしゃれば、どうやって対処しているか教えてほしい。
【6】ブラーバ(約3万円で購入/1日あたり約30分の節約)
床拭きロボット「Braava(ブラーバ)」は、とても良い子だ。仕事を黙々とやり、終わればスーッと元にいた位置まで戻る。
夏になれば、稼働率が上がる。ブラーバを走らせた後は床がサラサラになるからだ。冬でも、時間のある時はかけるようにしている。部屋にあまり砂埃が入らない家だと、ブラーバさえあれば床をキレイに保つことができると思う。我が家ではルンバと併用して使っている。ルンバは大きいゴミ専門だ。
買ったきっかけは、ルンバと同じく社販だった。家族の反応もルンバと同じで、夫は喜び、子供は泣き叫んでいたことを記しておく。
優秀なブラーバだが、一つだけお願いしたいことがある。床を拭いた後の雑巾を洗って干すことだ。これが面倒なあまり、平日はほとんど活用していない。願わくば、自分で立ち上がって雑巾を洗い、干してくれるようになってほしい。
雑巾を洗って干す以外のメンテナンスはない。ルンバと同じく、バッテリーを買い替えれば長い間使い続けることができる。
【7】布団乾燥機(約1万円で購入/1日あたり約15分の節約)
7つ目は、正直悩んだ。
家電でいうと、ホームベーカリーはもはやなくてはならない存在だ。毎日焼きたての全粒粉パンを食べられているのはこのおかげだし、ピザや生地作りにも使える。だが、これは趣味の家電だろう。
炊飯器は使わなくなった。代わりに、蒸し器にもなるデザインの良い土鍋を買い、こちらで米も炊いている。蒸し野菜も作れるので重宝しているが、家事短としてはおすすめできない。そもそも、サービスも含めると、最もお世話になっているのは保育園ではないかと思ったりもした。
しかし、7つ目を考える上で浮かんできたのは、家族全員が持っているアレルギーのことだった。ダニやハウスダストなど、みんなそれぞれ症状は違うが、夫婦はそろって花粉症である。
家事とは、家族の健康を維持するために、最も存在意義があるように思う。なので、ダニを防ぐためにも、布団は毎日干したいのだ。とはいえ、働きながら布団を毎日干すのは不可能に近い。よって、我が家では布団乾燥機を毎日かけている。機種はどんなものでも良いが、大体1万円のものを買っている。
朝は忙しいので、我が家では仕事が終わって帰宅した後に使用している。できることなら外でバサバサッとやりたいところだが、そうすると花粉がつくので、布団に掃除機をかける。掃除機は3,000円くらいのものを購入し、布団専用機にして近くに置いておくといい。
子供の布団は、丸ごと乾燥機に突っ込んで回している。実はこれが一番アレルギーには良いのだと、耳鼻科の先生が教えてくれた。ダニは熱で死ぬが、その死骸も取り除くことが大事なので、最後は物理的にはたいたり吸い取ったりしなければならない。完全に取り除くことはできなくても、減らすことでアレルギー症状を緩和できる。
布団乾燥機そのものは古くからある家電で、何を今さらと思われるかもしれないが、共働きで子育てをする環境になってから、あらためてその素晴らしさを実感することができた。
私にとって、家事は「健康を保つ」こと
これらが、我が家の「家事短七福神」である。
家事短とは何か? を突き詰めると、家事とは何か? という問いに行き着く。つまり、何のために家事をするかということが分かれば、省略や手抜きのできる家事を見つけられるということだ。
繰り返しになるが、家事とは健康を保つことである。健康とは何か? それは、住んでいる空間を清潔にし、栄養をきちんと摂り、上機嫌になることである。
「とにかく清潔であれば良い」という先には乾燥機やルンバ、ブラーバがあるし、「できるだけ良い栄養を摂る」という先には、保存のきく冷蔵庫や食品通販、食器乾燥機がある。
もっとレベルの高い洗濯や雑巾がけを目指そうとすれば、手作業に敵わないかもしれないが、毎日自動的にキレイにしていく方が運用は簡単だ。シワなく折り畳まれた下着は、健康を生んだりはしない。外食や弁当に頼ってもいいが、毎日それだとお金がかかり過ぎたり、栄養が偏ったりする。だが、家庭で調理するまでの過程や後片付けは、極限までそぎ落としていい。
運用をラクにすることで、結果的に健康が向こうからやってくる。気持ちもラクで、家族が各々の楽しいことをする余剰時間も生まれる。みんなが上機嫌になる。これが理想的な姿だと私は思っている。
頭で考えずに、自動的に回るようにしていくことが、理想の暮らしを継続するカギなのだ。
30代の会社員。建築好き。夫への家事・育児連絡用につくったブログが、本来の目的を終えてそのまま続いており、6年目に突入。最近は映画やコーヒー焙煎、化粧品など、趣味の備忘録としても活用中。読者層のよく分からないブログに変わりつつある。
編集:はてな編集部