転職ドラフトとは?評判や口コミ、指名をもらうためのレジュメを書くコツを解説
エンジニアとしての実績を持っている方には、「転職ドラフト」という転職サイトの利用がおすすめできます。自分自身を競売にかける形で転職活動を行うという、少し変わったスタイルで転職活動を行うことができます。
本記事では転職ドラフトについて、「どのような人におすすめ?」「評判は良い?」「他の転職サイトとの違いは?」といった疑問を解消できるよう、詳しく解説していきます。
転職ドラフトとは
「転職ドラフト」は、転職サイトの1つです。従来の転職サイトにはない変わった特色を持つ転職サイトで、株式会社リブセンスが運営しています。他の転職サイトとどのような違いがあるのか、以下で紹介していきます。
転職ドラフトの特徴
転職ドラフトは転職サイトですので、ゴールは利用者の転職成功にあります。
ただ、転職成功に至るまでの過程が他の転職サイトとは異なります。
よくある転職サイトでは、採用をしたい企業が採用情報を公表し、その情報を求職者がキャッチするところから始まります。そして求職者が応募をし、その応募に企業が応答するという流れで採用フローが進みます。
しかし転職ドラフトはスカウト型の転職サイトです。
求職者が積極的に応募をしていくスタイルではなく、企業側が求職者を入札するスタイルをとります。
また、エンジニアの転職に特化しているという特徴も持ちます。そのためIT業界などで働くエンジニアにとっては有効な転職ツールの1つとして機能しますが、誰にでも利用がおすすめできる転職サイトというわけではありません。
年収を提示したうえでの採用
転職ドラフトでは、選考段階で企業から年収が提示されます。
一般的な転職活動だと、具体的な年収が提示されるのは面接がある程度進んでからです。応募者が自ら質問して聞き出すこともできますが、その時点で具体的な数値を把握できないこともあります。
また、自分から年収について聞きづらいという方もいるでしょう。
この点、転職ドラフトでは本格的に選考が始まる前に年収が提示されます。
「選考が進んだものの、年収についてのすり合わせができず結局辞退した」など、無駄な時間と労力をかけてしまうリスクも減らせます。
企業としても採用にかかるコストを抑えることができ、双方に利点のあるシステムであるといえるでしょう。
現役エンジニアによる審査制度
転職ドラフトを利用し、企業からのスカウトを受けられる状態にするには、審査に通過しなければなりません。
審査制度を採っているのも転職ドラフトの特色といえます。
多くの転職サイトにはこのような審査制度はありません。利用者が自身の基本情報を入力してサイトに登録をすれば、すぐに転職活動を始めることができます。
しかしながら転職ドラフトではスタート時点からハードルが設けられており、誰でも利用できるサービスにはなっていません。
登録時に、スキルの内容、過去の実績などをまとめた“レジュメ”を作成し、その内容を現役エンジニアが審査します。
「これまでにエンジニアとしての実績がない」「これから企業でエンジニアとしてのスキルを磨きたい」と考えている方だと審査に通るのは難しいかもしれません。
しかし、この審査制度があることで、転職ドラフトに参加しているエンジニアの質が一定以上に担保されます。
企業は安心してスカウトできますし、積極的なスカウトが行われることで、審査を通過した求職者としてもその恩恵を受けることができます。
サイトに登録後、最初にレジュメの作成をしないといけないのは大きな手間ですが、この過程を乗り越えることで、効果的・効率的な転職活動が実現されます。
面談承認率が高い
一般的な転職サイトを利用した転職活動では、企業は、幅広い求職者からの応募を受けることになります。そのため人気の企業であるほど、プロフィール等の基本情報のみで足切りをされる可能性が高くなります。
面談で自身のスキルや強みをアピールできる自信があったとしても、面談の承認をされなければ採用に至ることはありません。
一方、転職ドラフトでは、企業のスカウトから採用フローが始まります。
そのスカウトに応じるかどうかは求職者に権限があり、求職者がスカウトに応じることを決めれば、高い確率で面談を受けることができます。
また、企業は求職者の作ったレジュメを読んだうえでスカウトの判断をします。
学歴などの分かりやすい表面上の情報だけでなく、様々な情報を参照してくれます。
プロフィールに自信のない方でも、確かなスキルと実績があり、その内容をレジュメで上手くまとめることができれば、面談にまでこぎつけることができるでしょう。
レジュメのレビューとフィードバック
ここまでの説明からも分かるように、転職ドラフトを使った転職活動では、“レジュメの作成”がキーポイントです。
「レジュメの作り方が分からない」「上手くレジュメを作れる自信がない」と不安を抱く方もいるかもしれませんが、転職ドラフトでは、レジュメの作成に対するサポート体制も整っています。
具体的には、作成されたレジュメに対するレビュー・フィードバックといったサポートが受けられます。サポートを受けて、自身の経験や技術力を企業により伝えられるようなレジュメ作成を目指すことができます。
転職ドラフトを使うメリット
転職ドラフトの特徴を踏まえると、転職ドラフトを使って転職活動をすることには次のようなメリットがあるといえます。
- 登録してスカウトを待つだけ
- 自分の市場価値が分かる
- 年収アップが見込める
- 大手企業からスカウトを受けられる可能性がある
- 転職成功で高額なプレゼントがもらえる
各メリットの詳細を以下で説明していきます。
登録してスカウトを待つだけ
転職ドラフトで企業からのスカウトを受けるためには、レジュメの作成が欠かせません。
しかし言い換えると、レジュメの作成をしておけば、後は“スカウトを待つだけで良い”とも表現できます。
そのため効率的な転職活動ができるようになります。
レジュメを作るのに手間がかかるとはいえ、レジュメ作成を先にしておくことで自分自身を振り返ることができます。その過程で整理された情報は、後の転職活動、面談の場面などで活きます。
逆に、レジュメ作成のような準備段階を経ずに転職活動を進められても、応募がすぐにできるだけで、なかなか採用にまで至らない可能性があります。
自分の市場価値が分かる
企業が提示する年収を基に、自分の市場価値が把握できるという点は転職ドラフトを利用するメリットです。
なかなか客観的に自分自身の価値を把握する機会はありません。
しかし企業から「この人材なら、年収○○〇万円で欲しい」と示されることで、これまでの自己評価が過大評価であったのか、過小評価であったのか、ある程度把握することができます。
また、他の利用者がいくらで指名されたのかという情報も確認することができます。
他の入札状況を分析することで、「どのような技術や経験が求められているのか」「価値の高いスキルとは何か」「今後自分が見直すべき課題は何か」といったことが読み取れるようになります。
年収アップが見込める
転職活動における年収交渉では、多くの場合、前職の年収がベースとなってしまいます。
年収アップを期待して転職活動に励んでも「結局前職と大差ない年収に落ち着いた」「前職より下がった」という例は珍しくありません。
しかし転職ドラフトでは現在の年収を開示せずに転職活動を進めることができます。前職の年収を判断基準にされないことで、本来の市場価値に近い年収になりやすいです。
そのため力量が、多くの企業の求める水準に達していない場合は年収が下がるおそれがある一方で、実力がある方は年収アップも十分に期待することができます。
大手企業からスカウトを受けられる可能性がある
転職ドラフトには、大手企業も多数参加しています。
例えば過去には、「メルカリ」や「DeNA」、「ZOZOテクノロジーズ」、「DMM.com」などの著名な企業も参加しており、これらの企業からスカウトを受けた方もいます。
一般的な転職サイトとは異なるアプローチで、大手企業への就職を目指すことができます。
なお、転職ドラフトに参加している企業については公式ページから確認ができます。参加企業の、次の情報が確認できるようになっています。
- 指名数
- 最高提示年収
- 最低提示年収
- 平均提示年収
- 返答率
- 承諾率
- 過去の入札結果
転職成功で高額なプレゼントがもらえる
転職ドラフトを使って転職を成功させることで、プレゼントがもらえます。
採用の種類 | プレゼントの内容 | プレゼント獲得の条件 |
---|---|---|
正社員採用 |
Appleギフトカード10万円分 Amazonギフト券5万円分 ワイドモニター ロボット掃除機 ワークチェア 等 |
転職ドラフトで指名を受けて、または自己推薦機能から応募をして、転職をした |
契約開始日(入社日)から30日を経過した |
||
採用先企業での在籍確認ができた | ||
業務委託採用 | Amazonギフト券1万円分 |
業務委託として契約を開始した |
採用先企業での稼働開始の確認ができた |
||
採用先企業との契約成立は初めてである |
ただし、入社から30日未満に退職した場合や、継続勤務の予定がない場合にはプレゼントを受け取ることはできません。
また、入社から180日を経過すると申請できなくなるなどの条件もありますので、注意しましょう。
転職ドラフトを使うデメリット
転職ドラフトも、良いところばかりではありません。例えば次のようなデメリットがあります。
- レジュメを作成する必要がある
- 登録前の求人閲覧が出来ない
- 高い専門性が求められる場合がある
- スカウトを待つ必要がある
- ドラフトの開催を待つ必要がある
各デメリットの詳細を以下で説明します。
レジュメを作成する必要がある
やはりレジュメの作成は大きなハードルとなります。
そこで「レジュメの作成など面倒なことはしたくない」と考えている方にとっては、転職ドラフトを利用するデメリットは大きくなってしまいます。
また、レジュメの作成に意欲的ではあるものの、文章としてまとめる力に自信がない方にとってもデメリットは大きいです。
このような方は、やみくもにレジュメ作成に取りかかるのではなく、事前に作成方法やコツなどをよく調査することをおすすめします。
自身の技術力を説明するに足りる文章の作成を心がけましょう。
審査通過後に利用できる「再レビュー」という機能もあります。審査担当にレジュメのレビューを依頼することができ、レジュメ作成に自信のない方でも、再レビューを通してブラッシュアップすることができます。
登録前の求人閲覧が出来ない
転職ドラフトを使い、自分から企業にオファーをかけることも可能です。これは「自己推薦」と呼ばれる機能です。
ただし、どの企業に対しても自己推薦ができるわけではありません。自己推薦枠を設けている企業にのみ行うことができます。
しかしながら、登録前の時点で、どの企業が自己推薦枠を設けているのかは確認できません。確認できるのは、ドラフトに参加している企業の検索までです。
そのため狙っている特定の企業がある場合でも、登録をして審査に通過したものの自己推薦ができないことが発覚し、待つしかできないという事態も起こり得ます。
ただ、公式ホームページでは「今後、審査未通過会員やドラフト未参加企業も利用できるようにしていく予定」とも説明されています。
そのため今後は閲覧状況なども変わってくるかもしれません。
高い専門性が求められる場合がある
転職ドラフトで転職を成功させるには、企業がスカウトしたいと思えるような専門性を持っていることが大切です。高い専門性が求められる職種を希望している場合、審査に通過したものの一切指名がこないこともあります。
また、転職ドラフトの審査制度が考える水準を超えていない場合、そもそも審査に通らないという問題も起こり得ます。
スカウトを待つ必要がある
自己推薦により積極的なアプローチかけられる企業もいますが、これは企業が自ら自己推薦枠を設けた場合に限られます。
そこで、基本的にはスカウトを待つ必要があります。目当ての企業があっても何もできない状況が続くことがありますし、転職を急いでいる場合でも待たなくてはいけません。
ドラフトの開催を待つ必要がある
スカウトは、ドラフトの開催を受けて行われます。
そのためドラフトが開催されていない場合、あるいはドラフトに参加できていない場合は、ドラフトが開催されるまで待つ必要があります。
月に1度のペースで開催されており、1回の開催で半年ほどの期間が設けられています。
登録後、タイミングよくすぐにドラフトに参加できることもあれば、次のドラフトに参加できるようになるまでしばらく待たないといけないということもあります。
この間は、いくら待ってもスカウトが来ることはありません。即座に転職活動を開始したいと考える方にとってはデメリットが大きいと考えられます。
なお、ドラフト開催の年間スケジュールは公開されていますので、一度確認してみると良いでしょう。
転職ドラフトの活用が向いている人
転職ドラフトにはメリット・デメリットがありますが、利用する人によってそのバランスは異なります。
転職ドラフトのデメリットよりメリットによる効果の方が大きい、活用が向いている人の特徴を次に紹介していきます。
転職を急いでいない人
転職ドラフトの活用が向いているのは「転職を急いでいない人」です。
企業のスカウトを待つというスタイルで転職活動を進める以上、急いで転職をする必要のある方には向いていません。
逆に、「時間をかけても良いから年収アップを目指したい」「自分を求める企業を待ちたい」と、じっくり取り組みたい方には転職ドラフトの活用がおすすめできます。
高収入を目指している人
前職の年収にとらわれることなく年収が決まりますので、「高収入を目指している人」にも転職ドラフトは向いています。
実際、転職ドラフトを使い、年収800万円以上で指名された求職者も少なくありません。企業が提示する年収に上限規定はありませんし、高い専門性を持つ方には高額での入札も入るでしょう。
なお、最初に企業から提示された「提示年収」で必ず内定が決まるとは限らない点には要注意です。
ただし企業が内定を出すときの「内定年収」は、提示年収の90%を下回ることは禁じられていますので、それほど心配する必要はないでしょう。
スキルや経験に自身がある人
転職ドラフトでは、自身の作成するレジュメでスカウトが決まります。
そのため、「スキルや経験に自信のある人」に利用が向いています。レジュメに文章としてまとめていくことになりますので、特別なスキル・経験を持っているだけでなく、アピールする能力も必要です。
そこで、他のエンジニアと比べて秀でた能力があるわけではないものの、「レジュメに情報をまとめて自己アピールをする能力が高い人」にも転職ドラフトの活用が向いています。
匿名で転職活動を行いたい人
転職活動に取り組んでいることが現在の会社に知られてしまうと、働きにくくなってしまいます。
この点、転職ドラフトなら本名を公表する必要はなく、会社にばれる心配もありません。
そのため、まだ退職しておらず会社に勤めているなどの理由で「匿名で転職活動を行いたい人」には転職ドラフトの活用が向いています。
なお、開示される情報については、求職者自身が確認できます。マイページで「全体公開」と表示されている情報だけが開示されます。
名前やメールアドレス、電話番号、経験年数なども、指名をする企業には開示されません。
転職ドラフトの評判や口コミ
実際に転職ドラフトを利用した方の評判・口コミを紹介します。登録を検討している方は、良い評判と悪い評判の両方に目を通しておくと良いです。
公式ページで公開されている「転職ドラフト体験談」にもとりまとめられていますので、ぜひ参考にしてください。
良い評判や口コミ
まずは良い評判・口コミから紹介します。
- 指名してくれた企業が指名理由を詳しく記述してくれていたのが印象的だった
- 面談も私のことをよく知っている状態から始まるため、最初から突っ込んだ会話ができた
- レジュメを具体的に書くことで、面接での対話に無駄がないと感じた
- 選考が進んでも満足な年収がもらえないのではないかという不安がなかったのは良かった
- 年収が最初から提示されるのは転職ドラフトの一番いいところ
悪い評判や口コミ
次に悪い評判・口コミについてです。
- 転職ドラフトでは入札が入らなければ次のアクションに行けないため、自分から仕掛けていく就活をしたいなら別のエージェントを使ったほうがいい
- レジュメの書き方はすべて自分で決める必要があり、文章を書くのが苦手な人はきついかも
- エージェント経由だとエージェントが企業との調整をしてくれるが、転職ドラフトでは企業側とのやりとりする必要があり、メッセージの文章を考えるのが大変だった
- 最初に指名をくれた企業の提示年収に、他の企業の提示年収も引っ張られている印象だった
- スケジュール機能が分かりにくいと感じた
スカウトを待たないといけない、エージェントサービスのような支援はなく指名後は自分でやり取りを進めなくてはいけない、といった難点が指摘されています。また、システム面への改善を求める声もありました。
転職ドラフトの登録から内定までの流れ
「転職ドラフトをこれから利用したい」という方に向けて、簡単に登録~内定までの流れを説明していきます。
登録
まずは転職ドラフト公式ページにアクセスしましょう。
トップページに「ENTRY」のボタンがありますので、これを押下し、遷移したページから登録手続を進めていきます。
登録にあたっては、次の情報を入力する必要があります。
- ユーザー名
- メールアドレス
- 誕生年
- 好きなテキストエディタ
年収をはじめに提示してくれること、また、レジュメに目を通してくれることで効率的に採用が進められるといった点で良い評価が得られています。
レジュメの作成
ユーザーとして登録が完了すれば、レジュメ作成にとりかかります。
作成したレジュメが審査に通らなければドラフトに参加できませんので、“技術力が伝わるレジュメになっているかどうか”という視点で作成を進めていきましょう。
そこで、過去に参加した「プロジェクトの概要」、そのプロジェクトの中での「担当」や「使用した技術」をまとめていきます。
また、プロジェクトを遂行していく中で見つかった「課題」と、「解決のための取り組み」や「工夫した点」についてもレジュメにまとめていきましょう。
淡々と事実を記載していくだけでなく、企業の採用担当者の目線に立ち、第三者が見てどのような技術力を持つ人なのかが判断できる内容になっていることを確認します。
これまでにどんな活躍をしてきたのか、今後どのように自社に貢献してくれそうか、これらが具体的にイメージできるレジュメを作り上げましょう。
審査
作成したレジュメを審査してもらいます。審査の申請後、原則として1営業日内に結果が戻ってきます。
絶対的な指標ではありませんが、審査にあたっては、次の記載が十分にされているかどうかが結果を左右するといわれています。
- 開発した機能の内容
- どのような技術を使ってどのように実装をしたのか
- どのような技術的課題があったのか
審査の結果、不合格になったとしても、何度でも再審査の申請はできます。フィードバックの内容をよく確認して、追記や修正を行いましょう。
なお、転職意欲については審査に影響しないとされています。
ドラフト開催を待つ
審査に通過後、ドラフトには自動的にエントリーが行われます。開催期間が決まっていますので、エントリーできるドラフトまでしばらく待ちましょう。
2023年の開催期間および、指名を受けた方の返答期間については公式ページから確認が可能です。
指名を待つ
ドラフトに参加した後は、企業からの指名を待ちます。1回あたりのドラフトの開催期間は2週間ほどで設定されています。
企業から指名を受けたら、提示された条件等をチェックします。指名に対する返答期間として、ドラフトの開催期間終了から1週間ほど猶予が与えられていますので、その間に返答内容を考えましょう。
指名への返答
指名に対しての返答方法には次の4パターンがあります。
- 興味があります(承諾)
- 興味があるが相談や条件があります(条件付き承諾)
- 申し訳ありませんが、今回は辞退します
- 返答するに値しない
つまり、指名を受けたからといって必ず面談をする必要はありません。企業と話し合うかどうかは、求職者が決めることができます。
なお、「興味があります(承諾)」を選んだとしても、面談を了承したことにはなりません。文字通り、興味があり、前向きに捉えていることを伝える意思表示にとどまります。
そこで、面談に進むかどうかは、その後のメッセージのやり取りを通して決めてもかまいません。
面談
指名をしてくれた企業との面談に進む場合、面談のタイプを選択しましょう。
選考要素 | 面談タイプ | 詳細 |
---|---|---|
選考要素あり | 選考を希望 |
深いヒアリングが行われる |
書類を求められることがある | ||
ラフな面談を希望 |
気軽な話し合いができる | |
書類は基本的に不要 |
||
選考要素なし ※合否通知はないが、選考案内を受ける可能性はある |
ただ会って話してみたい | 気軽な話し合いができる |
書類は基本的に不要 | ||
なお、指名された企業から1社に絞って面談に進む必要はありません。同時に複数の企業との交渉を進めて問題ありません。
内定
面談やメッセージのやり取りを通して、最初に提示された条件等との差異がないか、よく確認しましょう。問題なくすり合わせが進み、双方納得できれば、無事内定となります。
内定の承諾後は、転職ドラフトの運営に連絡です。
その後入社し、採用先企業での在席確認が取れれば、登録しているメールアドレスに転職成功プレゼントの申請フォームが送られてきます。
そのため転職を終えても登録情報は残したままにしておきましょう。
転職ドラフトの審査に落ちる理由
転職ドラフトで審査に落ちる、大半の理由は、
“技術力を客観的に判断するだけの情報が記載されていない”ことにあります。
転職ドラフト公式でも例として「セキュリティレベルを保守のためにクラウドを使った」といった文章だと抽象的で審査には通りにくいと説明されています。
そこで、どのような技術を使いプロジェクトに臨んだのかが明確になるよう、「〇〇を用い、〇〇の機能を実装」といった記載。「クラウドを使って〇〇した」といった記載をさらに加えると良いです。
転職ドラフトでスカウトを増やすレジュメの書き方
レジュメを作成する本来の目的は、審査の通過ではありません。マッチした指名を受けることにあります。
そこで、以下で説明するポイントを押さえて、高い評価が受けられるようなレジュメ作成に努めましょう。
経歴や実績の棚卸し
まずは経歴や実績の棚卸しをしておきましょう。
いきなり文章を書いていくと、途中で書きたい情報が錯綜し、まとまりのないレジュメになるおそれがあります。
そこで、これまで経験してきたこと、プロジェクトのことなどをリストアップしてきます。
企業により刺さる内容は異なりますし、まずはとにかく雑多にでもこれまで取り組んできたことを挙げていきましょう。
業務として取り組んだことから業務外で個人的に取り組んだ開発のこと、いろいろ書き並べていくうちに頭の中の情報も整理されていきます。
アピールポイントを考える
棚卸ししたプロジェクトを見比べて、自分の強みを一番アピールできそうな、強く好印象を与えることができそうなプロジェクトをピックアップしましょう。
そして、そのプロジェクトについて深掘りをしていきます。
過去を振り返り、そのプロジェクトではどのような成果が求められていたのか、どのような目標を掲げていたのか、具体的な課題としてはどのようなものがあったのか、思い出せる内容はすべて書き出していきます。
また、課題を乗り越えるための工夫の記載は特に重要です。
どのような思考過程を経たのか、再現性はあるのか、といったことを意識して書き出します。プロジェクトでの成果の内容についても抽象的になり過ぎないよう、定性的・定量的な説明を加えます。
フィードバックを受けてレジュメを書き直す
自分1人でレジュメ作成を完結させようとせず、転職ドラフトの担当者の意見も取り入れる姿勢が大事です。
そこでフィードバックの内容を参考に、レジュメに修正を加え、ブラッシュアップしていきましょう。
大幅な修正が必要になったり、審査に通らなかったりしても落ち込む必要はありません。複数回の申請を繰り返してレジュメを仕上げていくつもりで臨むと良いです。
やりたいことを主張する
やりたい仕事、転職希望の領域との接点も意識して作成します。やりたいことの主張が伝わると、よりミスマッチは生まれにくくなります。
過去に取り組んだプロジェクト・実績の内容から、「どのようなことができる人材なのか」が伝わるようにし、さらに“できること”の内容が“やりたいこと”と繋がっていると、希望する領域での転職が叶いやすいです。
解決のための取り組みを詳細に書く
レジュメには情報を詳細に記載することを意識します。とりわけ課題への取り組み内容、工夫した内容については企業も着目するポイントです。
そこで利用した具体的なツール等を示したり、改善の効果を数値で定量的に説明したりしましょう。
工夫内容が詳しく書けている方は、スカウトをもらえる確率が10~20%ほど上がる傾向にあります。
転職ドラフトを活用する時の注意点
転職ドラフトの活用が向いている人がいる反面、あまり有効活用できない人もいます。以下の点に注意して利用を検討しましょう。
指名ゼロや市場価値を知った時に落ち込まない
“待ち”の転職活動となりますので、指名がゼロのまま時間だけが経過することもあります。あるいは指名を受けることができたものの、予想していた年収より低い額ばかり提示されることもあります。
そのときでも「自分は求められていないんだ」「市場価値の低い人間なんだ」と落ち込まないことが大事です。
本当の市場価値が把握できることで自分に見合った転職先が見つけられるようになることもありますが、正しい評価を受けられていない可能性もあります。
指名ゼロや提示された予想外の年収の原因は、レジュメの作り込みの甘さにあるかもしれません。
同じ人でも、レジュメの作り方次第で指名数や提示年収の額に差が出てきます。すぐに落ち込んで過小評価することなく、レジュメ作成に精一杯取り組むようにしましょう。
地方での転職を考えている人には向かない
転職ドラフトはエンジニア向けの転職サイトですし、大手総合転職サイトのように万人に適したサービスであるとまではいえません。
参加しているのも、多くは東京や大阪といった大都市で活動している企業です。そのため地方での勤務を希望している場合、長期的に採用が決まらない可能性も高まります。
ただ、昨今はリモートワークを採用する企業も増えています。
実際、転職ドラフトに参加している74%の企業はリモートワークをOKとしていることが分かっています(2021年時点)。2019年時点の59%に比べると、短期間に急増していることが読み取れます。
そのすべての企業がフルリモートを認めているわけではありませんが、近年のこういった傾向を鑑みれば、本社から離れた地方在住者にも転職ドラフトを活用する利点はあるといえます。
エンジニア経験が浅い
一般的な転職サイトでは、未経験者を採ってくれる企業を探すこともできます。しかし転職ドラフトは、企業にアピールするだけの経験を持つ方でなければなかなか面談の機会すらやってきません。
エンジニアに特化した転職サイトですし、企業もスカウトするなら即戦力の実力者を狙うのが通常だからです。
エンジニアとしての経験が浅い場合、レジュメ作成の時点で「何を書けばいいのか」と悩むことになるでしょう。エンジニアとしての直接的な実務経験が浅いのなら、関連する周辺知識やスキルについて高いレベルがあることをアピールするなどの戦略を考える必要があります。
転職ドラフトと他の転職サイトとの比較
他の転職サイトと比較することで、各サイトの特徴が掴め、自分に合ったサービスを選択しやすくなります。また、特色の異なる転職サイトを併用することで、効率的に転職活動を進めることも可能です。
そこで、代表的なサイトをいくつか紹介していきます。
ビズリーチ
「ビズリーチ」も転職ドラフトと同じくスカウト型の転職サイトです。
ただ、エンジニア専門の転職ドラフトに対し、ビズリーチは全ジャンルの職種を取り扱っています。そのため登録企業の数や、勤務地の幅もビズリーチの方が広いといえます。
登録企業の数について、ビズリーチでは2022年10月時点で2万社を超えていることが公表されており、一方の転職ドラフトでは「常時100社以上がドラフトに参加」といった表現がされているにとどまります。
具体的な企業数はわかりませんが、登録企業数に大きな差があるように読み取れます。ただ、転職ドラフトの場合はエンジニアに絞られていること、そして転職ドラフトの基準をクリアした企業のみが参加しているという特徴があります。
そのため単純に企業数で比較して良し悪しを評価することはできません。
ビズリーチについてもう1点紹介しておきたいのが「高年収求人の取扱いが多い」という特徴です。
「優良企業や一流ヘッドハンターから直接スカウトが届く」をうたい文句にしており、ハイクラス転職に強みを持っています。
項目 | 転職ドラフト | ビズリーチ |
---|---|---|
概要 | 企業からのスカウトを待つタイプ | 企業からのスカウトを待つタイプ |
職種 | エンジニアに特化 | 全ジャンルを扱う |
登録企業数 | 常時100社以上の企業がドラフトに参加 | 約2万社 |
対応地域 | 都心が特に多め | 全国 |
利用者層 | エンジニアとしてのスキル・経験がある方 | 経営幹部や管理職など、高年収の方 |
リクナビNEXT
「リクナビNEXT」は、転職サイトとして最大手と呼べる存在です。公開求人数は5万件を超えており、全国を対象に、全ジャンルの職種を取り扱っています。
そのため住まいがどこであっても、どの職種での転職を希望している方でも、求人情報を探し出すことができるでしょう。大手ならではの安心感が得られること、対応範囲の広さは、リクナビNEXTの強みといえます。
なお、転職ドラフトのように企業からスカウトをしてもらえるサービスも展開はしていますが、基本的には求職者が応募をして転職活動を進めていくスタイルをとっています。
項目 | 転職ドラフト | リクナビNEXT |
---|---|---|
概要 | 企業からのスカウトを待つタイプ |
求職者から応募するタイプ ※スカウトサービスもあり |
職種 | エンジニアに特化 | 全ジャンルを扱う |
登録企業数 | 常時100社以上の企業がドラフトに参加 | 「公開求人数」は5万件超 |
対応地域 | 都心が特に多め | 全国 |
利用者層 | エンジニアとしてのスキル・経験がある方 | 20~40代の求職者 |
転職ドラフトと併用して転職エージェントを活用する
転職を支援するサービスには、「転職エージェント」もあります。こちらで紹介するサービスの活用も視野に入れ、転職成功率を上げると良いでしょう。
リクルートエージェント
「リクルートエージェント」は、公開求人数約17万件、非公開求人数約23万件と、国内トップクラスの求人数を誇る転職エージェントです。全国どこで転職をするにも利用できますし、職種も全ジャンル取り扱っています。
そのためエンジニアとしてアピールできるほどの実績を持っていない方、これから新たにエンジニアとしての経験を積みたいと考えている方にも利用がおすすめできます。
また、サービス運営側の「エージェント」が転職を支援してくれるのが転職エージェントの特徴です。転職ドラフトのように企業からのスカウトを待つのではなく、エージェントのサポートを受けながら採用を目指すことができます。
エージェントに年収などの条件交渉を依頼することができますし、「自分1人では転職ができるのか不安」という方に適しています。
マイナビエージェント
「マイナビエージェント」は、公開求人数約3.5万件、非公開求人数約11万件と、リクルートエージェントほどではないものの、多くの求人数を持っています。
全国・全ジャンルの職種を取り扱っている点もリクルートエージェントと共通しますが、マイナビエージェントは特に若年層の利用が多いという特徴を持っています。
主に20~30代の転職に適しており、また、業界ごとに専任アドバイザーがいますので初めての転職でも安心して臨むことができます。
まとめ
転職ドラフトは「エンジニアに特化している」「企業からのスカウトを待つ」といった点で、一般的な転職サイトや転職エージェントとは特徴が異なるといえます。
また、サイトに登録後はレジュメを作成しなければならず、そのレジュメの質が一定水準に達しなければドラフトに参加できないなど、利用にあたっての難しさもあります。
しかし作成したレジュメは転職を成功させる上で重要な資料として使えますし、企業からの入札を通じて自分の市場価値を把握することができるといった利点もあります。
転職サイトそれぞれに特色があり、それぞれに良さがあります。1つにこだわる必要はありませんので、他の転職サイト等も併用しつつ、転職活動を進めていくと良いでしょう。
気になるけど、なかなか話しづらい。けどとても大事な「お金」のこと。 日々の生活の中の身近な節約術から、ちょっと難しい金融知識まで、知ってて得する、為になるお金の情報を更新していきます。