高校教師から転職する方法とは?成功させるコツや流れを解説
高校教師として勤めている人の中には、転職をしたいと考える人は少なからずいるでしょう。高校教師を辞めたいと考えた際には、転職の方法を詳しく知っておくことが大切です。
この記事では、高校教師から転職する際の方法について解説します。高校教師を辞めたくなった時の転職方法や転職を成功させるコツ、おすすめの転職先などについても詳しく紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
高校教師からの転職を考えるよくある理由
高校教師からの転職を考える主な理由には、以下のようなものが挙げられます。
- 仕事量が多い
- 他の教師との人間関係
- 保護者との人間関係
教師は激務であると言われることが多く、休日もテストの作成や学校行事などで仕事をする機会が多いです。
仕事量の多さから疲弊して辞めたくなったと感じたタイミングは、転職を考える良い機会といえるでしょう。転職を考えるそれぞれの理由について、詳しく紹介します。
仕事量が多い
教師を辞めたい理由としてよく挙げられるものに「仕事量の多さ」があります。高校教師は多忙であり、朝早くに出勤してから仕事を終わらせて帰るまでの間で、長ければ12時間以上も学校に滞在していることもあります。
休み時間は他の授業の準備などを行うケースも多いため、十分な休息を取れず体力勝負ということもあります。
さらに、部活動を受け持った場合には、さらに仕事をする時間を確保する必要があるため、仕事量をこなすための時間の使い方が重要です。
限られた時間の中で多くの仕事を終わらせなければならず、大きなストレスを抱える人は少なくありません。
他の教師との人間関係
高校教師の転職理由の中には、他の教師との人間関係が上手くいっていないことも挙げられます。組織の体制が一般企業とは異なっており、校長と教頭以外の教師には分かりやすい役職などがなく同じような関係性になります。
しかし、同じような関係性でありながら、新人からベテランの教師がおり良好な人間関係を築くことを難しく感じる人は少なくありません。
人間関係を上手く築けず、相性が悪い相手とのやり取りがストレスになることもあるでしょう。そういったことが原因で辞めたくなるということはよくあります。
保護者との人間関係
教師は生徒だけとの関係性ではなく、保護者との人間関係も大切です。近年では、生徒だけでなく保護者とのトラブルが問題視されるようになっています。
トラブルは多岐に渡り、授業の内容といった学校内の問題だけでなく、友達同士の学校外のトラブルなどの相談などで頭を悩ますことも少なくありません。
高校教師から教育業界への転職先
高校教師から転職する際は、教育業界へ転職するというケースが多いです。実際に教師をしていたこともあり、教育業界であれば経験値なども評価されるため、転職もしやすいことも理由になっています。それぞれの転職先として有力な職業を見ていきましょう。
塾の講師
高校教師の経験を活かしやすい職業に塾の講師があります。塾の講師であれば、授業の方法や内容は高校の教師と大きな変化はないため働きやすく、部活などもないため自分の時間を確保しやすいです。
特に非常勤の塾講師は自分の都合の良い時間や期間だけ仕事をすることができます。
塾によっても違いがありますが、合わないと感じた際にはすぐに辞めることもできるでしょう。ただし、塾の講師は常勤講師(正社員)の募集が少ない点がデメリットです。
福利厚生や失業手当などのサポートが受けられないことも踏まえて、条件の良い塾に転職するようにしましょう。
常勤講師の場合は、非常勤講師ほど自由はありませんが収入を確保しやすいです。塾・予備校によってはクラスを受け持つこともあるでしょう。
家庭教師
家庭教師は高校教師時代に培った指導方法を活かすチャンスにもなるため、転職におすすめです。
高校教師・塾講師と異なり、マンツーマン体制で教えることになります。1対1での指導が主になるため、他の教師などとの人間関係が上手くいかず、苦手意識がある人におすすめです。
教材制作
教材制作は、教師からみた視点で教材を制作できるという点でも、転職先から歓迎されやすい職業の1つです。教科書や教材の出版社、通信教育や塾・予備校、eラーニングなどの会社で教材を企画から作成、編集が主な仕事になります。
教材の企画や開発、制作に携わる仕事は人気が高い仕事です。その一方で、採用人数は少なくなっており、求められる要件である経験やスキルも高くなっています。
生徒と接していた経験を活かして、「現場で有用な教材を制作すること」、「経験やスキル」も求められるでしょう。
デイサービス
デイサービスには、発達に何かしらの問題などを抱えている小学生などを放課後に預かるサービスが含まれています。
放課後等デイサービスや児童発達支援施設などは、市町村から業務委託を受けて運営していることも多く、教員免許の資格が優遇されていることも多くあります。
一人ひとりの学習面での苦手なことなどを理解して、苦手な教科のサポートをすることが主な仕事になります。
また、宿題など以外にも触れ合いの時間などを持ちます。外で遊んだり室内で遊びながら子供の発達のために、1日のスケジュールを考えたりします。
さまざまな特徴のある児童と関わることは高校教師でも経験しているため、児童を見守りながら、児童の発達の手助けができるため、やりがいのある仕事といえるでしょう。
塾や予備校以外の習い事の先生
学習塾や家庭教師以外にも英会話などの習い事や、教師ではパソコンを使う機会も多いため、プログラミング教室の先生なども転職先としておすすめです。
習い事の教室などの種類によりますが、自身で指導するのがメインとなる場合や、教室のマネジメントが中心になる場合などがあります。
高校教師から民間企業への転職は可能なのか
高校教師を辞めて転職を考えている場合、民間企業へ転職できるのかを気にする人は少なくありません。
実際に高校教師から民間企業へ転職している方は多くいます。年齢や能力によっては、転職が難しくなる場合もありますが、基本的に高校教師からの転職は可能です。
例えば、20代であればポテンシャルをアピールできれば可能性は十分にあり、30代以降になると年を取るにつれて未経験の業界への転職の難易度が上がっていきます。
転職活動の際には、教師時代にどのようなことに力を入れていたのか、スキルや経験などをしっかりと相手に伝えることが大切です。
年齢や経験年数などによっても、転職の難易度が異なる点を、理解して転職活動に望みましょう。
高校教師から民間企業への転職でおすすめの業界
高校教師から民間企業への転職を希望する際に、おすすめの業界を紹介します。高校教師としてのスキルや経験を活かしやすい業界であるため、ぜひ参考にしてみてください。
IT業界
高校教師からIT業界に転職するというケースはよくあります。教師はパソコンを使う作業が多く、基本的な操作スキルが必要になるため、IT関連の仕事には転職しやすいでしょう。
また、高校教師からIT業界へ転職した場合、教師よりもやりがいを感じる方が多いようです。高校教師の場合、サービス残業が多く、働いた分だけ給料に反映されていないと感じる人は少なくありません。
そのことからIT業界では、頑張って働いた分だけ給料に反映されるという点でも人気になっています。
人材業界
教師からの転職先として、人材業界もおすすめです。人材業界では転職志望者のキャリアや性格、適性、本人の意向などに合わせて求人を紹介するという仕事を担っています。
進路指導などを行った経験がある場合や、クラスを受け持ったことのある教師は、生徒の特徴などを捉えるといった経験やスキルを活かせるため適しています。
人材業界では経験が求められるケースが多いですが、企業によっては未経験の人材も募集しているため、興味がある人であれば応募してみると良いでしょう。
公務員
公立の高校教師は公務員ということもあり、転職しても公務員として勤務したいと考えている方も少なくありません。
高校教師から公務員に転職を考えている際には、公務員試験への合格が必須です。各自治体によって試験内容が違います。
市役所職員を目指すのであれば「行政職」の受験が必要になる場合が多いです。また、自治体によっては年齢制限などもあるため、確認してから試験に応募しましょう。
高校教師から民間企業への転職でおすすめの職種
高校教師で培った「人に何かを教える」というスキルや経験、生徒一人ひとりの成績などの管理、一人ひとりに合った学習の仕方の提案などの能力は、民間企業への転職にも役立ちます。高校教師から転職する際におすすめの職種を見ていきましょう。
事務職
一般事務や経理などの事務職は、高校教師から転職する際におすすめです。高校教師は普段から数多くの事務作業をこなしています。そのため、パソコンスキルは高くなっているでしょう。
しかし、面接の場でパソコンのスキルを見せることは試験などが用意されていない場合にはできないため、資格を取得しておくことで効果的にアピールできます。
ITエンジニア
高校教師からの転職におすすめなIT業界の中でも、ITエンジニアがおすすめです。IT業界の市場価値は上昇しているだけでなく、ITエンジニアでは働く場所や時間などが限定されないというメリットもあります。
高校教師では平日はほとんど学校での勤務であり、休日出勤や部活の受け持ちがあれば祝日でも勤務することが考えられます。
ITエンジニアではリモートワークを実施している企業などもあり、他企業への派遣によってスキルを身につけられることなどもあります。
これからも需要は高まると考えられるため、将来性なども考えるととてもおすすめの職種です。
営業職
営業職は前職を問わないことが多くなります。生徒や保護者とのやりとりなど、さまざまな人との関わりで培ったコミュニケーション能力を営業に活かせます。
実際に、高校教師から営業職への転職も多くなっています。また、営業職は結果を出せば出すほど給料に反映されやすい点も大きな特徴です。
部活などの顧問をしていても、手当などはあまり出ません。サービス残業などの教師のデメリットを考えると、やりがいを感じられるでしょう。
介護職
介護職は自宅で行う介護や、施設の利用者へ食事やお風呂などの介助を行ったりする職種です。重労働のために体力に自信があるという方におすすめです。
介護関連の資格は働きながら取得することもできるため、高校教師として働いていた場合でも、安心して転職することができます。
他にも利用者一人ひとりにケアプランなどの制作があり、教師として生徒の特徴などを捉えるのが得意だった人には適している職種ともいえます。
高校教師が転職可能な年齢
転職する際にそのときの年齢は結果に関わるため、高校教師の転職可能な年齢を気にする人は少なくありません。
高校教師から転職をする場合には、早ければ早いほど他の業界・業種で必要なスキルの習得が早くなるためおすすめです。
しかし、基本的には年齢に関係なく高校教師からの転職は可能です。そのため、年齢よりも転職理由や、転職活動を積極的にすることを重視する方が大切といえるでしょう。
年齢を気にして転職するのを躊躇ってしまうことは、自分の可能性を捨ててしまうことに繋がりかねません。
【年代別】高校教師からの転職で重視される特徴
高校教師から転職をする際に、面接などの選考で重要視される特徴を押さえることで有利に進められます。また、重視される内容は年代によって変わるため、それぞれの特徴を見ていきましょう。
20代
20代では前半と後半で見られ方が異なります。20代前半で転職する場合には、「第二新卒」として扱われるため、業務経験やスキルよりもポテンシャルが重視されます。
例えば、営業職を希望する場合には、営業経験があれば有利にはなりますが、それだけを重視されることは少ないでしょう。
20代後半で転職する場合には、経験やスキルも求められます。高校教師で培ったスキルを活かせる職種などでは強みになり、それ以外でもアピールの仕方などを工夫することで異業種への転職も可能です。
30代
30代で転職する場合には、教育業界や教師と似た業務内容になっている講師などの職種がおすすめです。教師としての経験を活かせる職種であれば、良い待遇で転職することもできます。
しかし、一般的に30代以降からの未経験の職種への転職は難しくなります。30代になると給与が上がっていることも多く、未経験者を採用するのであれば、給与相場の低い20代を採用しようという企業が多くなるためです。
未経験の職種などに転職できたとしても、現状よりも給料が下がることは頭に入れておく必要があります。
40代以降
40代以降では、転職自体の難易度が高くなります。高校教師からの転職のみならず、一般企業での転職も同様です。40代以降の場合では募集している企業の要件なども具体的になるため、選択肢も狭まってしまいます。
また、40代以降は求人の件数が少なくなることも転職の難易度が上がる原因です。40代を過ぎて転職したい場合、自身が教師として培った経験やノウハウが活かせる教育業界への転職が現実的な選択肢といえるでしょう。
高校教師が転職をする流れ
高校教師から効果的に転職をする場合の流れは次のようになります。
- 転職理由を明確にする
- 転職サイトや転職エージェントに登録
- 求人を探す、転職エージェントのサポートを受ける
- 転職先が決まったら学校側へ報告
それぞれについて詳しく見てみましょう。
転職理由を明確にする
まずは、「どうして高校教師を辞めたいと考えたのか」という理由を明確にすることは非常に大切です。転職の際にも聞かれる項目になるため、自分の気持ちなどを整理することも必要になります。また、転職を希望する業界や職種も明確にしましょう。
転職サイトや転職エージェントに登録
転職活動を行う上で、自分で求人などを見つけることも可能ですが、転職サイトや転職エージェントに登録しておけば、希望の職種などの求人情報などをリアルタイムで知ることができます。
求人を探す、転職エージェントのサポートを受ける
転職サイトや転職エージェントに登録後は、実際に求人を探します。求人を探しながら、転職エージェントに相談などをしながら転職に関するサポートを受けましょう。
転職エージェントへの相談は基本的に無料であるため、不安や懸念がある場合は気軽に相談をして、サポートをしてもらいながら進めることをおすすめします。
転職先が決まったら学校側へ報告
選考をクリアし転職先が決まったら学校側へ退職する旨を報告します。退職の日までに、仕事の引き継ぎや周囲の教師へのお礼などもしておきましょう。
転職先が決まったらすぐに辞めるわけではありませんが、辞める時期なども考慮して転職活動を進めるようにしましょう。
高校教師が転職を成功させるコツや注意点
高校教師から転職する際に成功させるためのコツや注意点は以下の通りです。
- 転職のタイミングを考える
- 転職前にスキルを身につけておく
- 同僚に転職活動の話をしない
- 複数の転職サイト・転職エージェントに登録する
それぞれのコツや注意点を詳しく見ていきましょう。
転職のタイミングを考える
高校教師での転職は、転職先への入社を4月を目指すことをおすすめします。4月から新学期となるため、学校側も2月に内定をもらって3月末での退職となれば動きやすいでしょう。
2月に内定をもらうことを考えて逆算すると、12月や1月には選考を進めておく必要があります。できるだけ早めに行動をして内定を早めにもらっておくこともおすすめします。
転職前にスキルを身につけておく
転職したい職業などに必要となるスキルや資格を、先に取得しておくことも大切です。実際に働かないと取得できない資格などもありますが、知識として本を読んでおくことなども大切といえるでしょう。
同僚に転職活動の話をしない
転職を考えていたとしても、同僚に転職を考えていることや転職活動のことは言わないようにしましょう。
なぜなら、転職活動をしていることが他の同僚や教師に明るみになった場合に、仕事がしづらくなることなどが想定されるためです。転職活動について話す必要はないため、内定が決まってから話すようにしましょう。
複数の転職サイト・転職エージェントに登録する
転職サイトや転職エージェントによって登録されている企業や求人などが異なるため、できるだけ多くの求人情報を見るためには複数のサイトに登録することがおすすめです。
高校教師が転職する時に活かせるスキル
高校教師が転職する時に活かせるスキルはどういったものがあるのでしょうか。
- プレゼン力
- コミュニケーション能力
- PCスキル
- 計画性
それぞれのスキルについて見ていきましょう。
プレゼン力
高校教師として学習内容を教えてきたスキルは、プレゼン力の高さと比例します。大勢の前で堂々と話せることや生徒などの子供相手にも分かるように伝えられる力は、他の仕事でも役立つスキルです。
プレゼン能力は特に社内プレゼンや営業職での新商品の売り込みなどで活かせるスキルのため、プレゼンなどがある職種では特に活かせるスキルです。
コミュニケーション能力
高校教師の強みとして、高いコミュニケーション能力があります。就職活動や転職で重要視されるコミュニケーション能力は、「相手に伝える力」「相手の話を傾聴する力」「相手の気持ちを読み解く力」です。
教師は生徒に分かりやすく学習内容を伝えることや生徒の話に耳を傾ける力などに長けています。そのため、教師として身に付いているスキルがすぐに発揮できるといえるでしょう。
PCスキル
教師は日頃からパソコンを使用するため、一通りのPCスキルは身に付けているでしょう。学級通信やプリント、テスト作成などで常にパソコンでの作業は尽きません。
特に、IT企業やSE、情報処理を行う事務職などで活かせるスキルのため、事務処理やICT教育の事例を元に自己PRをしてみましょう。
計画性
教師を経験して身につく計画性と、複数の仕事を同時並行しながら進めていく計画性の高さもスキルとして活かせます。応募する企業の職種が計画性の高さを活かせるところであれば、自己PR文でアピールすることをおすすめします。
高校教師におすすめの転職エージェント
おすすめの転職エージェントは以下の通りです。
- doda
- リクルートエージェント
- マイナビエージェント
それぞれの転職エージェントの特徴を見ていきましょう。
doda
dodaはさまざまな職種や年齢の求人にも対応しています。未経験者向けの求人を数多く揃えているので安心して利用できる転職エージェントです。
キャリアアドバイザーの対応が丁寧と言われているため、高校教師からの転職で一般企業未経験者には嬉しいエージェントといえるでしょう。キャリアアドバイザーに相談しながら転職活動を進めると効果的です。
リクルートエージェント
人材紹介業界トップクラスの求人数を誇り、在籍しているエージェントの数も非常に多いため、求人情報を数多く閲覧したい方にはおすすめです。教育業界内の職種や、教師から民間企業への転職についても親身に相談に乗ってもらえます。
マイナビエージェント
マイナビエージェントは、新卒採用を行っている「マイナビ」や、転職サイトの「マイナビ転職」を手掛けている株式会社マイナビが運営しているエージェントです。
20代を中心とした若手への手厚いサポートが特徴で、特に20代の転職支援に強みがあります。高校教師から民間に転職する際に、不安が多い方には丁寧にアドバイスをしてもらえます。
まとめ
今回は、高校教師からの転職について詳しく紹介してきました。高校教師から転職する際には、教師として培ったスキルや経験を活かせる業界や職種は多いです。
また、同じような職種がある教育業界だけではなく、IT業界や人材業界なども活躍できる可能性があります。また、高校教師から民間企業への転職も可能です。その場合は、未経験でも応募可能となっている求人を中心に探しましょう。
高校教師から転職する際には、まずは転職理由を明確にして、どのような職種で働きたいのか、タイミングはいつがいいのかという点などにも留意し、転職エージェントなどを利用して転職を効果的に進めると良いでしょう。
気になるけど、なかなか話しづらい。けどとても大事な「お金」のこと。 日々の生活の中の身近な節約術から、ちょっと難しい金融知識まで、知ってて得する、為になるお金の情報を更新していきます。