養護教諭から転職する方法とは?転職先の代表的な業界や職種を解説
同じ養護教諭が職場に少ないことからくる孤独感、いつかやってくる転勤に対する不安を抱いたことはないでしょうか。残業の多さや休みの取りづらさに不満を持つ方もいるかと思います。
このような方は、一度転職を考えてみてはいかがでしょうか。
「養護教諭から民間企業への転職がイメージできない」と諦める必要はありません。養護教諭として働いていた経験が活かせる職種はありますし、スキルを身につければ未経験の職種であっても成功率を高められます。
本記事では、養護教諭を辞めたくなったときに知っていただきたい、転職の方法や成功のコツ、おすすめの転職先について紹介します。ぜひ、参考にしてください。
養護教諭からの転職を考えるよくある理由
養護教諭の方が転職を考える理由としては、次のものが挙げられます。
- 残業が多い
- 転勤がある
- 孤独感がある
- 休みが取りづらい
学校の生徒の保険・環境衛生に関する問題解決、実態の把握、生徒指導などを行う養護教諭は、民間の会社で働く会社員とは異なる性質を持ちます。養護教諭ならではの悩み事、つらさがあり、転職を決断することもあるでしょう。
次項以下で、よくある転職理由とその背景について説明していきます。
残業が多い
養護教諭に求められる職務は次のとおりです。
- 学校保健情報の把握
- 保健指導や保健学習の実施
- 救急処置や救急体制に関すること
- 健康相談活動の実施
- 健康診断に関すること
- 保健室の運営
これらの職務に伴い様々な事務作業も発生します。予定的に行われる職務に加え、保健室に訪れる生徒と向き合うのも大事な職務です。
生徒一人ひとりにしっかりと向き合っていると、なかなか書類作成なども進められません。
また、生徒の深刻な相談に乗るにも精神的な負担がかかります。責任感を持って生徒の悩みに応える必要がありますし、幅広い職務をこなしつつこうした時間を確保しようとすると、残業時間も多くなってきます。
転勤がある
勤務先は永年固定されるわけではありません。学校自体は全国に設置されていますし、1つの自治体だけに着目しても多数の学校があります。小学校や中学校、高等学校など、異なる学校種も視野に入れるとさらにその数は多くなります。
そして、養護教諭に限った話ではありませんが、教諭として勤めていると、勤め先となる学校が変わることもあります。
新たな勤め先での人間関係構築、具体的職務内容の確認、仕事に慣れるのにも時間がかかります。
新しい環境への転勤を強いられることにストレスを感じることもあるでしょう。自治体によっては学校種を超えた転勤もありますし、結果的に引越しをすることになるかもしれません。
こうした転勤の存在がネックとなり、転職を考えることもあります。
孤独感がある
全国に学校は多数あり、その分教諭の数もたくさんいます。ただ、養護教諭に関してはそもそも学校に配置される員数が少ないです。そのため勤め先に同僚がいるといっても、職務を共有できる仲間は数少ないです。
1つの学校に1人しか養護教諭がいない、ということもあります。そのため養護教諭として働いていると孤独を感じることもあり、これが原因で転職を考えるケースもあります。
また、孤独であることが直接職務に悪影響を及ぼすこともあります。仕事のことで相談できる相手がおらず、自分自身の問題解決をするのが難しいという問題を引き起こします。他の教諭との連携、コミュニケーションが上手く取れない場合、より孤独感は増してしまうことでしょう。
休みが取りづらい
学校に1人しか養護教諭がいない場合、替えが効きません。自分以外にもう1人いたとしても、他の先生方に比べるとなかなか休みは取りづらいです。
子どものお世話、両親の介護など、家庭の事情で休みたいときでも、誰かに代わりを頼むという手段をとりにくいです。
こうした急な用事ができたときや休みが必要になったときでも、臨機応変に対応できないという点に悩み、転職を考えるケースもあります。
養護教諭からの転職で代表的な業界や職種
養護教諭の転職先としては、養護教諭としての経験や知識が活かせられる次の業種が代表的といえます。
- 介護職
- 産業保健師
- 行政保健師
- 放課後児童デイサービス
- 老人ホーム
- 医療事務
それぞれどのような職種なのか、仕事内容など簡単に説明します。
介護職
「介護職」にも具体的な勤め先はいろいろあります。老人ホームでの勤務などはその代表格です。
養護教諭としてのスキルがそのまま活きるわけではありませんが、病気や怪我、心の問題に向き合ってきた経験は介護職に広く活用できます。
介護に伴いコミュニケーションも取ることになりますが、保健室で生徒たちと日々コミュニケーションを取ってきた養護教諭であれば、大きな障壁とならず転職することができるでしょう。
ただし、養護教諭に比べると体力を使う場面が多くなるため、「体力に自信がない」「体が弱い」との自覚がある方にはハードルが高いかもしれません。また、「養護教諭として勤めてきたが、頻繁に他人とコミュニケーションを取るのは合わない」と感じた方にとっても難しいかもしれません。
産業保健師
保健師のうち、民間企業で勤める保健師、健康保険組合で勤める保健師などは「産業保健師」と呼ばれます。
役割としては養護教諭に近いです。学校だと生徒の健康状態を把握、個別指導を行いますが、産業保健師は勤め先企業の従業員等に対して同様の指導を行います。
具体的には、健康診断に関わる事務・管理、健康相談および保健指導、健康増進活動、さらにはメンタルヘルス対策が求められることもあります。
就職にあたって「保健師資格を持っていること」は必要ですが、「産業保健師の経験があること」や「臨床経験者であること」といったよくある応募条件については、各社独自に作った条件です。
未経験者でも採ってくれることはありますし、養護教諭としての経験をアピールして就職することも不可能ではありません。
行政保健師
民間企業に勤める産業保健師に対し、保健所や保健センターなどで公務員として勤める保健師は「行政保健師」と呼ばれます。現状、公立学校で勤めており、公務員であることにこだわりたい方にとっては良い選択肢かもしれません。
なお、養護教諭や産業保健師のように、特定の学校や企業に属する方のみを対象に、健康状態の把握・指導をすれば良いという職種ではありません。
その地域に関わる衛生管理、感染症予防、住民のメンタルヘルスケア、介護に関する相談対応、子育て相談などを行うことになります。「学校」から「地域」へと範囲が広がります。
放課後児童デイサービス
「放課後児童デイサービス」とは、障がいを抱える子どもが利用する、放課後の保育・教育サービスです。
学校に通っている子どもに関しては、平日の放課後や土日などの休日に利用することになります。未就学児に対しては、保育所や幼稚園のように日常生活の動作指導から集団生活での適応支援といった「児童発達支援」を行います。
学校に通っている子どもたちを相手にするという意味では、養護教諭とも近しい職種であるといえます。ただ、未就学児の対応が必要になることもありますし、障がいに対する知識なども必要です。
そのため放課後児童デイサービスで働きたい場合、保育士や介護福祉士、ホームヘルパー等の資格取得、同種の施設での従事経験などがアドバンテージとなります。
老人ホーム
「老人ホーム」で働く場合でも、養護教諭としての知識が活かせます。老人ホームにも「特別養護老人ホーム」や「介護老人保健施設」などがありますが、必ずしも特別な資格を取得しておく必要はありません。
ただし訪問介護を実施する場合は別です。設備が整って同僚もいる環境とは異なり、訪問介護では、1人で利用者の自宅を訪問し、介護を実施しなければなりません。そのため十分なサービスを提供するには、一定以上のスキルや知識が必要です。
そこで「介護福祉士」を取得しているなど、介護職員初任者研修以上の資格を持っていなければなりません。転職活動前に介護職員初任者研修を修了しておく、あるいは訪問介護以外の職務に就きながら資格取得を目指すなどして目指すと良いでしょう。
医療事務
具体的な職務内容としては養護教諭から少し離れますが、「医療事務」という転職先候補もあります。
医療事務は、診療報酬の請求に関する書類作成、窓口対応、入退院の手続などを行います。一般的な事務員に比べるとやや専門性があるといえ、カルテの読み取り、薬に関する知識、健康保険に関する知識などが求められます。
とはいえ特別な資格を取得していなければ就職できない仕事でもありません。内容に差はありますが、日々書類作成も行ってきた養護教諭としての経験も活かすことができるでしょう。
養護教諭から民間企業への転職は可能なのか
養護教諭としての働いてきた実績が活かせる職場は限られています。とはいえ転職ができないわけではありません。企業に提出する職務経歴書の書き方、面接での受け答えといった基本的な対策ができていれば、選択肢も広がります。
また、上に挙げた介護や保健師の仕事などの関連職種であれば、養護教諭として働いてきた実績をプラスに評価してくれることもあります。
どの職種に就くにしても、専門性を身につけておくことが大事です。
養護教諭として培ってきた専門性を活かす、あるいはプライベートの時間を使って学習に取り組み、専門性を身につけ、転職活動を成功に近づけることは可能です。
養護教諭から民間企業への転職でおすすめの業界や職種
養護教諭からの転職先となる候補はいろいろ考えられますが、おすすめの業界・職種としては次のものが挙げられます。
- 事務職
- ITエンジニア
- 営業職
それぞれの理由と仕事内容について紹介します。
事務職
事務職は、比較的転職のハードルが低いことからおすすめできる職種です。募集をかけている件数が多いですし、どの企業でもバックオフィスを担う人員は必要です。そのためいったん事務職としての実績を積んでおけば、さらにその後転職をしてキャリアアップしていくことも目指しやすいです。
また、細かな作業を着実にこなす力が事務職には求められます。「先生」や「(公立の場合)公務員」という立場であることが良い方向にはたらくことも期待できます。
未経験者が応募できるケースも少なくありませんし、簿記検定などに合格しておけば、経理担当として専門性のある事務職にも就きやすくなります。
ITエンジニア
養護教諭とはまったく異なる職種ですが、ITエンジニアもおすすめです。
もちろん、何ら知識やスキルもない方がいきなり養護教諭からITエンジニアに転身するのは困難でしょう。しかしITエンジニアになるための道は多数開かれています。
近年は大人向けのプログラミングスクールであるなど、ITに関わるスキル習得を支援するサービスも多数展開されています。意欲と根気がある方は、新たなスキル習得に向けて活動を始めると良いでしょう。
IT業界が今後伸びる市場であるという点もおすすめポイントです。これからITエンジニアの需要は伸びるといわれており、にもかかわらずITエンジニアの数は足りておらず、今後さらに不足度合いが増していくと予想されています。そのため時間をかけてでもスキルを身につけておくことが、将来的の安定のために効果的といえます。
また、実力があれば認めてもらいやすいのもIT業界の特徴です。結局のところは各企業により採用に対する考え方は異なりますが、学校のように年功序列が重視される企業ばかりではありません。未経験であっても、確かなスキルがあることをアピールできれば、転職を成功させやすいです。
営業職
営業職も養護教諭からは離れた職種です。しかし、養護教諭として培ってきたコミュニケーション能力が強く活かせます。
「養護教諭としての働き方に不満はあったものの、子どもたちの相談にのることや指導を行うことなど、コミュニケーションを取ることに不安はなかった」という方にはおすすめできます。
コミュニケーション能力に自信があり、人と接することが好き、という場合に転職先として視野に入れてみると良いでしょう。
養護教諭から民間企業に転職するメリット
養護教諭として働いていると、勤務先を自由に選ぶことはできませんし、転勤も発生します。学校が変わっても働き方が大きく変わるものではありませんし、休みも取りづらいです。
一方で民間企業に転職すれば、次のようなメリットが得られます。
- 勤務先を選ぶことができる
- 転勤を避けられる
- 働き方が改善される
- 休暇が取りやすくなる
当然のことながら、転職さえすれば常にこの恩恵が得られるというものではありません。自分に合う企業を探し、転職活動を成功させることで、このメリットは生まれます。
勤務先を選ぶことができる
養護教諭として働くことに縛られると、勤務先は学校に限定されます。
特に公立の学校で勤める場合、勤務先の学校も選ぶことができません。
これに対して民間企業への転職を視野に入れると、数多の勤務先が候補に挙がってきます。特定の企業を自ら選んで働くことができるからです。
希望する勤務先に採用をしてもらわないとそこで働くことはできませんが、1つ採用に落ちたとしても、探せば募集をかけている企業を他に見つけることは可能です。
転勤を避けられる
養護教諭として働く以上、転勤を避けることは難しいです。
しかし転勤のない民間企業に転職すれば、転勤の可能性をなくすことができます。大企業など、拠点を複数持つ企業だと転勤が発生することはありますが、「転勤がないこと」を条件に転職活動を進めておけば問題ありません。
働き方が改善される
学校で勤める場合と民間企業で勤める場合では、働き方が大きく異なります。養護教諭など、その学校で働く職員が一致団結しても、公立学校だと働き方を変えることはできません。法令により方向性は決まっているからです。
私立学校であったとしても子どもたちがいることに変わりはなく、職員側の都合で突然大幅な働き方の変更をすることは難しいです。
一方で民間企業の場合、そのような縛りはありません。組織内で意思決定を出すことができれば、それまで出社して働いていたのを突然在宅勤務に変えることも可能です。
そのため従業員の間で現状の問題点などを出し、働き方の改善を提示して、よりよい職場環境を作っていくこともできます。
民間企業への転職には、このような自由度の高さ、働き方の改善ができるという利点があります。養護教諭としての働き方に不満があり転職を思い立ったという方には大きなメリットといえるでしょう。
休暇が取りやすくなる
制度として有給休暇が与えられていても、学校で働いていると簡単にこれを消化することはできません。
しかし民間企業では比較的休暇も取りやすいです。その企業の空気感、雰囲気、忙しさにもよりますが、有給休暇の消化に積極的な企業に勤めることで、休みやすくなります。
特に近年はコンプライアンスへの配慮も重視されるようになってきており、有給休暇の消化に積極的な姿勢を示す企業も増えてきています。そもそも原則として従業員の意思表示により自由に消化できるものですし、本来のあるべき姿に近づいてきているといえます。
養護教諭が転職をする流れ
その日の思いつきで、無計画に退職の意思を伝えるべきではありません。次の手順に沿って、転職活動を始めると良いです。
- 転職理由を明確にする
- 転職サイトや転職エージェントに登録
- 求人を探す、転職エージェントのサポートを受ける
- 転職先が決まったら学校側へ報告
各ステップの内容を示していきます。
転職理由を明確にする
具体的な転職活動に着手する前に、転職理由を明確にしておきましょう。
退職をするときに伝えることがありますし、今後転職先としてふさわしい企業を探す際にも重要です。転職理由がはっきりしていると、応募を避けるべき企業も見定めやすくなります。
例えば、給与に不満があって転職をするにもかかわらず転職先でも給与が低いと、転職をした意味がありません。給与条件が第一であることを認識した上で転職活動に取り組めば、企業調査における着眼点もはっきりし、採用面接の場でも必要に応じた質問を行い、ミスマッチを防ぎやすくなります。
転職サイトや転職エージェントに登録
転職に向けた具体的なアクションとしてまず、転職サイト・転職エージェントへの登録がおすすめです。
効率的に自分の条件に合う企業を見つけられますし、転職サイトやエージェントサービスの運営側からのサポートを受けることもできます。
こうしたサービスを利用せずに転職活動を進めようとしても、転職先の候補を見つけるのに時間がかかります。
全国に設置されているハローワークを利用して転職先を探すこともできますが、転職サイト等に掲載している企業とハローワークに掲載している企業とは、少し毛色が異なります。
転職サイト等への掲載には費用がかかるのが一般的です。これに対してハローワークへの掲載は無料です。
そのため転職サイト等に掲載されている企業には、費用をかけてでも採用をしたいという強い意欲がありますし、それだけ人材を重要視していると考えることもできます。
求人を探す、転職エージェントのサポートを受ける
転職サイトや転職エージェントへの登録ができれば、実際に求人を探し始めましょう。
年収や勤務時間、雇用形態、勤務地など、様々な条件で絞り込むことができます。ただし具体的なサービス内容は登録するサイトによって異なります。転職希望者が自ら探す能動的なタイプもあれば、合う企業の提案を受けるまで待つ受動的なタイプもあります。
特に「転職エージェント」は、キャリアアドバイザー等からのサポートが手厚いです。
ヒアリングから条件に合う求人の紹介、応募書類に対する添削や模擬面接を実施してくれることもあります。その他企業とのスケジュール調整から条件交渉なども、エージェント登録者だからこそ受けられるサービスです。
転職先が決まったら学校側へ報告
転職先が決まれば、学校側にも退職したい旨を伝えます。
ただし、退職の時期や退職理由の伝え方などには要注意です。
いきなり「来月から辞めます」と伝えても、引継ぎに間に合わないかもしれません。他に養護教諭がいないこともあるでしょう。そのため前もって早い時期に伝えること、できれば年度の切り替わり時期の退職が望ましいでしょう。
また、現状に不満があったとしても、強い対立関係を生むような形で伝えるべきではありません。無理に本音を伝える必要はありませんので、残りの期間トラブルなく過ごせるよう、穏便に話すことが大事です。
養護教諭が転職で活かせるスキル
自身の強みを上手く伝えることが、転職活動成功の秘訣です。
養護教諭が転職をする場合であれば「子どもと関わった経験」や「コミュニケーション能力」が活かせるスキルになります。
子どもと関わった経験
子どもと関わることのできる職種はそう多くありません。そのため養護教諭として日々子どもに接してきた経験は、転職にも活かすことができます。
今後学校で働かないとしても、子どもが相手になるサービスを提供する企業への就職、あるいは直接子ども向けのサービスでなくとも、現場で子どもとの接触が生まれる職種であれば広く経験を活かせるでしょう。
コミュニケーション能力
学校の規模が大きいほど、多数の人と接することになります。保健室にやってくる子どもはもちろん、他の先生方とも連携を取りますし、場合によっては保護者とのやり取りも必要になります。
そのため保険に関わる知識だけでなく、養護教諭として働くことでコミュニケーション能力も養われます。
その能力は民間企業でも求められるものですし、活用の場も広いです。
養護教諭が転職を成功させるコツや注意点
狙う業界や職種にもよりますが、転職を成功させるのは簡単なことではありません。
絶対に転職できるという保証はありませんので、「どうすれば転職を成功させられるのだろうか」「具体的にどのような点に注意する必要があるのだろうか」とよく考えることが大切です。
転職のタイミングを考える
まず考えておきたいのは「転職のタイミング」です。
養護教諭のように学校で勤めている場合、年間のスケジュールが決まっていることも多いです。そのため、個人に転職する自由はあるとはいえ、ある程度学校側のスケジュールにも配慮する必要があります。
転職したいという気持ちを広く知ってもらう必要はありませんが、業務に関わりのある先生には転職活動に関して伝えておくと、スムーズに退職しやすいです。
転職前にスキルを身につけておく
企業は慈善活動で人を雇用しているわけではありません。自社の利益になる人物を求めています。
そのため企業側から見て「この人が欲しい」と思えるような人柄やスキルの存在がとても重要です。
この点、人柄を変えることは難しいですが、スキルに関しては後から身につけられます。そのため実際に応募を行う前に学習期間を設け、「スキルを身につけること」をおすすめします。
資格の有無を確認する
スキルの習得とも関連しますが、転職を希望する職種で「資格が必須とされていないかどうか」は要チェックです。
特定の国家資格を取得している方でなければその職務に就くことができないと法令で定められているケースがあります。また、法令上の問題はないものの、企業側が条件として有資格者を求めているケースもあります。
そのため、希望する職種の資格要件については必ず確認しておくようにしましょう。
勤務場所を考える
転職先が勤めている学校の近くだと、子どもや保護者、先生方に会う可能性があります。接客業だとよりその可能性が高まります。
人間関係などに悩んで退職をしたのであれば、「勤務場所にも配慮」して転職先を探しましょう。
最近であれば在宅勤務を認めている企業も増えているため、その場合は、本社が学校の近くであっても問題ないでしょう。
複数の転職サイト・転職エージェントに登録する
転職サイトや転職エージェントにもいろいろあって、「どれに登録したらいいのかわからない」と悩むこともあるでしょう。
おすすめは、複数サービスの併用です。
そもそも1つのサービスにこだわる必要はありませんし、複数サービスを利用した方が幅広い案件を探し出すことができます。また、いったん複数のサービスに登録して、実際に扱ってみることで、自分との相性も確認できます。
「案件の提案が来るまで待つのは性に合わない」「アフターフォローまで含めた手厚いサポートが欲しい」「サポートは最小限でいいから自分で積極的に企業にアプローチをかけたい」など、人それぞれ求めているものは違います。
複数サービスに登録をすれば、その見極めができますのでおすすめです。
養護教諭におすすめの転職エージェント
参考までに、養護教諭にもおすすめできる転職エージェントを紹介します。
ここで紹介するのは次の3つです。
- doda
- リクルートエージェント
- マイナビエージェント
それぞれの特徴を以下に示します。
doda
「doda(デューダ)」では多数の求人を取り扱っています。10万件ほどの求人数に、dodaだけで扱っている非公開求人、そして700万人を超える登録者がいるなど、大手ならではの安心感が得られます。
営業、ITエンジニアの求人が多いとされ、養護教諭から営業職、ITエンジニアへの転身など、異業種にもチャレンジしたいと考える方にはおすすめです。
また、現場の従業員から集めた福利厚生や社風などの情報、口コミの掲載機能なども備わっています。
リクルートエージェント
「リクルートエージェント」も大手転職エージェントです。公開求人数が多く、転職成約実績も豊富です。2022年時点では、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」における有料職業紹介事業者のうち、無期雇用・4ヶ月以上の有期雇用の人数がもっとも多かったという実績を持っています。
また、無理に登録後の応募や面接について勧められることもなく、人それぞれのペースで転職活動に取り組みやすいといわれています。給料や待遇に関する交渉の代行も頼むことができますし、求職者の強みや適性を個別に評価し、適切なキャリアプランの提示を受けることもできます。
マイナビエージェント
「マイナビエージェント」も大手転職エージェントですが、特に2,30代の利用が多いとされています。GMOリサーチのアンケート(2021年12月実施)から、20代からの満足度が転職エージェントNo.1であったとの結果も得られています。そのため第二新卒の利用にもおすすめできます。
また、キャリアアドバイザーはITなどの業界別に専任制をとっており、初めての業界への転職を希望するときでも的確なアドバイスを受けることが期待できます。業界ごとの専任のほか、企業の人事担当とやり取りをするアドバイザーもおり、求人票からだけでは読み取れない社内の雰囲気なども聞き出すことができます。
まとめ
養護教諭の資格、経験を直接活かせる民間企業は少ない、というのが実態です。しかしながら、転職自体は不可能ではありません。
実績をアピールして介護系や医療系への転職すること、養護教諭とは関係のない事務職やITエンジニア、営業職などへも転職も、しっかりと対策を練ることで成功させられるでしょう。
異業種への転職を成功させる上では特に専門性を身につけておくということが大事です。スキルを身につけるためのスクールや資格勉強に取り組むとともに、転職エージェントにも登録して、何が求められているのかを把握しておくと良いでしょう。
気になるけど、なかなか話しづらい。けどとても大事な「お金」のこと。 日々の生活の中の身近な節約術から、ちょっと難しい金融知識まで、知ってて得する、為になるお金の情報を更新していきます。