消防士の転職先は何がおすすめ?成功させるポイントやおすすめの職種などを解説
消防士は公務員であるため、周りからは好待遇でよい環境だと思われがちです。しかし、消防士だからこそ感じる、「転職したい」と考えるほどの不満もあるでしょう。
そこで本記事では、消防士がよりよい転職を実現するためのポイントについて解説しています。
消防士の強みを活かしつつ、よりよい環境で働きたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
【消防士】後悔しない転職をおこなうポイント
消防士になるために、勉強や訓練を頑張った方も多いでしょう。その消防士を辞めるのだから、転職後に「こんなはずでは」とならないよう、下記のポイントを押さえておきましょう。
- 現状を再確認する
- キャリアデザインをおこなう
それぞれについて解説していきます。
現状を再確認する
現状の再確認とは、「満足している部分」と「不満に感じている部分」を明確にすることです。
実際に転職活動をおこなう前に、現状の再確認をおこなわないと、転職後に後悔する可能性が高まってしまいます。
- 業務内容
- 労働条件
- 上司との人間関係
- 年功序列の環境
上記のように現状の再確認ができたら、「転職後にどうなるか」を想像してみましょう。また、「不満に感じている部分」は、転職を考えるほどに不満なのかを考えてみてください。
後悔しない転職とは、「満足している部分」に変化がなく、「不満に感じている部分」が解消される転職です。
どちらか一方が欠けてしまうと、転職後に「こんなはずでは」と感じてしまう可能性が非常に高いです。
そのため、転職をおこなった場合に、「満足している部分はどうなるか」と「不満に感じている部分はどうなるか」を想像しておきましょう。
キャリアデザインをおこなう
キャリアデザインとは、よりよい自分を実現するために、仕事と私生活を含めて、目標を設定することです。
後悔しない転職とは、よりよい自分に少しでも近づく転職です。
少しでも離れてしまう転職は、後悔する可能性が高まってしまいます。
特に、給料・休日数・残業時間などは、私生活に大きな影響を与える要素なため、よく考える必要があります。
【消防士】転職を成功させる3つのポイント
消防士からの転職は、一般的な職業からの転職とは異なります。つまり、営業職の方が、他業界の営業職に転職することとは異なるのです。
営業職の方の場合、「営業能力」は他業界に転職しても活用できます。一方で消防士の方の場合、消防士の能力をそのまま活かせる場面は少ないからです。
そのため、消防士が転職を成功させるには、下記の3つのポイントを押さえる必要があります。
- 消防士ならではの強みを活かす
- 転職軸を明確にする
- 労働条件にこだわりすぎない
それぞれについて解説していきます。
消防士ならではの強みを活かす
消防士が転職をおこなう際、人命救助や鎮火などの経験・知識・技術を活かすことは難しいです。しかし、「消防士ならではの強み」かつ「他業界にもアピールできるもの」は多くあります。
- 体力
- 時間管理能力
- 仕事への熱意
- 責任感
- 対応力
それぞれ、どのような強みなのかを解説していきます。
体力
消防士は、日々の訓練によって体力を得ています。それは、一般的な人とは比べ物になりません。そのため、立派な強みとなります。
時間管理能力
消防士は、少しでも時間が遅れたら、「助けられた命も助けられなくなる」という状況で働いています。そのため、人並み外れた時間管理能力が身についています。
仕事への熱意
消防士は、火災現場に行き、自分の命を懸けて人命救助をおこなっています。その際には、「手を抜く」とか「放棄する」という選択肢はありません。つまり、目の前にある仕事に対して、全力を尽くすことができるのです。
責任感
消防士は、それぞれが自分に与えられた仕事を全うしなければ、人の命を奪ってしまうかもしれません。そのため、「与えられた仕事は全うする」という意識が根付いています。
対応力
火災現場によって、「おこなわなければいけないこと」は異なります。どの現場であっても、「これをやればいい」という状態ではありません。そのため、臨機応変に対する能力が身についています。
転職軸を明確にする
転職軸とは、転職する際に重視する条件のことです。加えて、妥協できる水準を明確にすることです。
重視する条件とは、仕事に対して最優先で求めているものです。たとえば、年収とか休日数などです。
妥協できる水準とは、最低ラインのことです。たとえば、「年収は最低でも400万円」とか「残業時間は多くても月に30時間」などです。
このように、転職軸を明確にすることで転職先の候補を絞ることができます。加えて、転職後に不満を抱える可能性を大きく低めることができます。
労働条件にこだわりすぎない
消防士の多くは、「交代勤務」と呼ばれる勤務形態で働いています。一方で、一般的な職業の場合、月曜日~金曜日の9時~18時が多いです。このように、消防士と一般的な職業の労働条件は、さまざまな部分で異なります。
また、消防士は公務員であるため、一般的な職業と比較するとよい待遇であることが多いです。そのため、「消防士の労働条件」を基準に他職業の労働条件を見てしまうと、物足りなさを感じるかもしれません。
加えて、他職業に転職する場合、「未経験」から始めることになります。つまり、消防士と同じ年収や待遇は期待できません。
これらの理由から、「消防士としての労働条件」を忘れて、フラットな目線で見なければ、満足できる求人を見つけることは非常に難しくなるでしょう。
民間にするか公務員にするか?それぞれのメリット・デメリット
民間と公務員では、さまざまな部分で異なります。どちらのメリット・デメリットも理解して、よりよい転職を実現できるようにしましょう。
民間のメリット・デメリット
- 成果によって給料が異なる
- 副業できる可能性がある
- 独立できる可能性がある
民間は、利益を上げることを目的として運営されています。そのため、成果によって給与やボーナスに差ができます。つまり、頑張った分だけ得られるものがあるのです。
また、副業や独立の可能性もあるため、自身の頑張り次第で多くのお金を稼げるかもしれません。
- 職を失う可能性がある
- 利益を追求しなくてはいけない
- 自身の能力によって給料が異なる
民間の場合、会社の倒産などによって職を失う可能性があります。
また、利益を追求して会社に貢献しなくてはいけません。そのため、ノルマが課されるなど、精神的なストレスが多いです。もし、業績がよくなければ給料が下がってしまう場合もあります。
公務員のメリット・デメリット
- 安定した給料
- 充実した福利厚生
- 職を失う可能性が低い
公務員は、年功序列で給料が上がっていきます。そのため、継続して勤務していけば、必ずよい給料がもらえます。また、退職金も多いため、金銭的に不満を感じる部分は少ないです。
加えて、職を失う可能性が非常に低いです。何かの不祥事を起こさなければ、定年まで勤められる可能性が高いです。
- 給料が決まっている
- 仕事のやりがいがない可能性が高い
- 副業が禁止されている
公務員は、年功序列的に給料が上がっていきます。そのため、いくら仕事を頑張っても、その頑張りに応じた給料はもらえません。結果として、仕事のモチベーションが低くなってしまう場合が多いです。
また、副業が禁止されていることが多いため、ほかでお金を稼ぐことも難しいです。
【消防士】転職が難しいケースは?何歳までに転職するべき?
消防士から他業界への転職は簡単ではありません。特に、これから紹介するケースでは難しいです。また、年齢が上がるとともに転職の難易度も上がっていきます。
転職が難しいケース
- 就職活動の経験がない
- 転職軸が定まっていない
- 早期退職している
- 希望条件が多い
それぞれについて解説していきます。
就職活動の経験がない
消防士は、試験によってなるものであるため、就職活動の経験がない場合を多いです。就職経験がないと、企業に採用してもらう方法が不明確なため、転職活動も難しくなります。
対処方法としては、自力で頑張るのではなく、転職サイトや転職エージェントを利用して、プロからアドバイスをもらうとよいでしょう。
転職軸が定まっていない
転職軸が定まっていないとは、自分で自分の望みがわからない状態です。この状態だと、応募する求人も定まらなくなり、転職の時期が先送りになってしまいます。
対処方法としては、経歴の棚卸しや自己分析をおこない、「自分は何を大事にしているのか」を明確にするとよいでしょう。加えて、「妥協できるライン」も設定しておくことをおすすめします。
早期退職している
消防士として半年しか働いていないのに、転職を考える場合には転職が難しくなります。応募先の企業でも「またすぐに辞めてしまうのでは?」という疑念が生まれるからです。
対処方法としては、「早期退職した理由を明確に説明できるようにする」とか「早期退職をカバーできるような能力を取得する」などがあります。
希望条件が多い
消防士から民間企業への転職の場合、さまざまな部分で労働条件が異なります。
一般的に、民間企業よりも公務員の方が待遇がよいです。そのため、消防士の頃と同じ待遇を求めてしまうと転職は難しくなります。
対処方法としては、公務員と民間の違いを理解することです。また、自身の能力を客観的に理解することです。
転職におすすめの年齢
転職は一般的に、若ければ若いほど有利になります。
それは、これからの成長度合いが若い方が高いからです。
年齢が高ければ、その年齢に応じた知識・技術が求められるため、他業界からの転職は非常に難しくなります。
この理由から、転職におすすめの時期は20代です。30代でも転職は可能ですが、20代の頃よりも難しくなります。40代になってしまうと、即戦力でもない限り採用されません。
【消防士】転職先におすすめの職種5選
- 営業職
- トラックドライバー
- スポーツインストラクター
- 事務職
- 消防士
それぞれについて解説していきます。
営業職
営業職は、体力と時間管理能力が必要な職種です。そのため、消防士として培った能力を活かせます。特に、直接訪問をおこなう営業職がおすすめです。
しかし、商品に対する知識や営業スキルなどを磨く必要があります。
トラックドライバー
トラックドライバーは、体力と時間管理能力、責任感が必要な職種です。そのため、消防士として培った能力を活かせます。特に、長距離ドライバーがおすすめです。
トラックドライバーの「指定された時間に必ず届ける」という特性と、消防士の「与えられた仕事を臨機応変に対応しながら全うする」という特性はマッチしています。
スポーツインストラクター
スポーツインストラクターは、体力と責任感が必要な職種です。そのため、消防士として培った能力を活かせます。
スポーツインストラクターは、自身の身体が1つの商売道具になります。また、生徒に危険があってはいけないため、一定以上の責任感も必要になります。
事務職
事務職は、体力的な問題やケガが理由で消防士を辞めた方におすすめです。また、民間ではなく公務員に転職したい場合にもおすすめです。
事務職に就くには、一定のPCスキルが求められるため、PC教室などに通い勉強しておくとよいでしょう。
消防士
消防士の経験を最も活かせるのは消防士です。
もし、消防士を辞めた理由が業務内容ではなく、人間関係など環境によって変化するものであれば、今とは別の消防署に転職するのも1つの手です。
【消防士】転職におすすめの転職エージェント
おすすめの転職エージェントを3社ご紹介します。今後の転職活動にぜひ活用してください。
- リクルートエージェント
- マイナビエージェント
- doda
転職には大手転職エージェントを中心に複数のエージェントに登録するのがおすすめです。
それぞれの転職エージェントの特徴を紹介してます。
リクルートエージェント
リクルートエージェントは業界でもトップクラスの求人数で、非公開求人を10万件以上保有しています。
苦手職種や業界もなく、どんな方にもおすすめの転職エージェントで未経験歓迎求人も多く保有しています。
東証一部上場企業をはじめ、国内有数の大手企業、専門性の高い業界、スタートアップベンチャー企業などさまざまな求人があるため、未経験者だけでなくさまざまな求職者におすすめのエージェントで、初めての転職エージェント登録にも最適です。
マイナビエージェント
マイナビエージェントは20代~30代の若手に強い転職エージェントで、職種や業界未経験者にもおすすめの求人を多く保有しています。
マイナビエージェントはCA(キャリアアドバイザー)のサポートに定評があり、転職に慣れていない方に寄り添った親身な転職サポートが受けられます。
総合型エージェントサービスのほかに、専門特化型のエージェントサービスも複数展開しています。転職未経験者のかたにおすすめの転職エージェントです。
doda
dodaはレジュメビルダーやキャリアタイプ診断、エゴグラム診断など転職支援ツールが充実しており、効率的な転職活動ができます。
20代~30代がメインの利用者層ではありますが、専門性の高い求人の扱いもありキャリアに自信のある方、キャリアアップを目指す方にもおすすめのエージェントです。
転職活動は自己分析とキャリアデザインから始めよう
消防士から転職をおこなうためには、自己分析とキャリアデザインが必要です。
自己分析によって、「何ができるのか」や「どんな価値観を持っているか」を明確にしなければ、よりよい転職を実現できません。
また、キャリアデザインによって、「よりよい自分になるための目標」を設定しなければ、転職の指針を得られず難航してしまう可能性が高いです。
これらが難しいと感じる場合には、無理に自力でおこなうのではなく、転職サイトや転職エージェントを利用して、プロからアドバイスをもらうとよいでしょう。
キャリア形成支援を主な事業とするCareer Expertを経営。具体的には、就職・転職支援や自己理解支援、キャリアデザイン支援などを実行。その経験や専門知識を活かし、読者の役に立つ記事を執筆。