更新日:

オールドレンズに費やしたお金は4年間で500万円以上。古いからこそ出せる“美”の魅力をマニアが語る

オールドレンズに費やしたお金は4年間で500万円以上。古いからこそ出せる“美”の魅力をマニアが語る

kujisanと申します。普段は「オールドレンズツイッタラー」を名乗って、毎日、ソニーのα7IIIとさまざまなオールドレンズで撮った写真をTwitter(@kujisan73)に投稿しております。

カメラ歴は6年目なのですが、4年前から「オールドレンズ」で撮った写真の美しさに魅せられ、ハマっています。気がついたら4年間で200本以上のオールドレンズを買ってしまい、総額で500万円以上の大金をつぎこんでしまいました。

そもそも「オールドレンズ」とは、フィルムカメラで使われていた昔のレンズのことです。今のデジタルカメラにも、マウントアダプターを用いることで装着して撮影することができます。そうして撮影した写真は、現在のレンズでは見られないような、独特の美しさを写し出してくれるのです。

いわゆる「オールドレンズ沼住人」として、今回はオールドレンズの魅力を語りつつ、どうしてここまで収集するに至ったかをお話したいと思います。

現代のレンズでは撮影できない「美」に衝撃を受けた、オールドレンズ写真との出会い

初めて本格的なレンズ交換式の一眼カメラ(ソニーのα6000)を購入したのは、2015年の春です。当時の職場で記録撮影をする必要が生じて、半ば仕事のために購入しました。

ただ、仕事のためだけに使うのではもったいない。せっかくの本格的なカメラでしたので、趣味としても楽しめたらと思ったのです。

【用語集】
レンズ交換式……用途に合わせてレンズを交換し、装着できるカメラ。レンズには遠くのものを撮るのに適した望遠レンズや、広く撮るための広角レンズ、近距離を撮るためのマクロレンズなど、それぞれ得意な距離がある。

でも何を撮るべきなのか、どう撮れば良いのか、何も知識が無かったので、Facebookで「写真教室」を検索。そこで見つけた北村佑介さん(@KEY8969)の写真教室に、まずは通うことにしました。

北村さんは「ドリーミーフォト」と題して、花をメインに独特の世界観の写真を撮影しているプロカメラマンです。教室に通っているうちに私も花を撮ることがとても好きになり、1年中花を追いかけて各地に遠征していました。

ところが2017年11月下旬のことです。そんな夢のような生活に、暗雲が立ちこめます。椎間板ヘルニアを患い、歩けないほどの激痛で即手術。2週間入院することになったのです。

気を紛らわせるために、ベッドの上では朝から晩までTwitterを見ていました。そんなとき、虹をまとう花の写真を見て、衝撃を受けたのです。これはすごい! 現代のレンズでは撮れない「美」がそこにはありました。

衝撃を受けた、ぷりんさん(@purin_tukiusa)がオールドレンズで撮影した写真
※掲載許可をいただきました



その写真は「オールドレンズ」なる謎のレンズで撮ったようです。自分もそのオールドレンズで花を撮ってみたい! そう強く思ったので、写真を撮った方にどんなレンズで撮ったのかを聞き出しました。

レンズ名は「オートタクマーの55mm f1.8 ゼブラ」とのこと。

何か新しいことをちょうど始めたいと思っていたこともあり、退院したその足で新宿の中古カメラ店に直行し、店員さんに「オートタクマーの55mm f1.8 ゼブラをください」と伝えました。

残念ながらそのレンズは無かったのですが、代わりに「オートタクマー 55mm f2」というレンズがあり、f1.8とf2だからそんなに違いはないだろうと思い購入。そのまま井の頭公園へ秋景色を撮りに行きました。

背景ボケを気にしながら、手前の枝にピントを合わせ……初めてのマニュアルフォーカスでの撮影に緊張しながら、慎重にレンズを操作します。すると、ある瞬間に光が差して美しいゴーストが出現。そこをパチリ。

これだ! こんな写真をずっと撮ってみたかったのだと感激しました。

【用語集】
f1.8とf2……これらはレンズの「絞り」という、レンズを通して入る光の量を数値化したもの。数字が小さいほど光の量は多くなる。レンズに記載されている数値は「絞り開放値」と呼ばれる、最小値。一般に、数字が小さいほど背景のボケを大きく楽しむことができる。

マニュアルフォーカス……ピントを合わせるためにレンズのつまみなどを手動で調整するタイプのもの。機械任せで自動で行うのは「オートフォーカス」と言う。

ゴースト……レンズやカメラのボディの中で強い光の反射が起こり、写真に光の帯が写り込む現象のこと。

私がいかにしてオールドレンズ沼に沈み、金銭感覚が壊れていったか

初めてのオールドレンズ・オートタクマー 55mm f2とソニーのα6500


以上の経緯で、ペンタックス(旭光学工業)の「オートタクマー 55mm f2(M42マウント)」が最初に手に入れたオールドレンズです。値段は3,000円。

それまで使っていた現代のレンズは最低でも5万円、高額だと20万円近くしましたので、オールドレンズってめちゃくちゃ安い! という印象でした。

【用語集】
マウント……レンズを装着するカメラにおいて、接合するための規格。カメラボディ側で決められているため、それと同じ規格のレンズを使う必要がある。ただし、マウントアダプター(カメラボディ側のマウントとレンズ側のマウントを変換するためのカメラ用アクセサリー)を使えば異なるマウントのものも装着できる。

オールドレンズと現代のレンズの大きな違いはピント合わせにあります。現代のレンズが備えているオートフォーカスだと、自動的にどこかにピントを合わせてくれるので、余分な操作をしなくてもただシャッターボタンを押すだけで綺麗な写真が撮れ、それで満足してしまいがちです。

ところがオールドレンズでは自分でどこかにピントを合わせなければなりません。最初はとても不安でした。

実際に撮ってみると、意外なところにも意図的にピントを合わせることができ、オートフォーカスよりも自分の思う通りの写真が撮れるのです。撮れば撮るほど、オートフォーカスのときよりも写真撮影自体が楽しくなってきました。

値段も安いし、撮影は楽しいし、だんだん他のオールドレンズならどうだろう、試してみたいと興味がわいてきます。でも、どんなレンズがあるのか全く分かりません。

そこで出会ったのがオールドレンズ初心者向けのバイブル的存在である『オールドレンズの新しい教科書』(技能評論社)という本です。

本に掲載されているのは、ぐるぐるボケの「ヘリオス 58mm f2」、虹ゴーストの「ジュピター 50mm f2」、ゆるふわ系の「ヤシノン 50mm f1.4」など、いずれも1万円以下で購入できる手頃なレンズばかり。どれも試してみたくなり、気がつくと理想のオールドレンズを探す旅が始まっていました。

オールドレンズを勧められる筆者(右端)
※写真提供:on and on shop(@onandon_shop)


そんな中、その本の著者、鈴木文彦さん(@snap_magazine)によるオールドレンズの即売会が玉川高島屋で開かれることを知って出かけて行きました。

そこで勧められたのが、ライカの「ズマール 50mm f2」というレンズ。ライカは名前だけは知っていましたが高嶺の花、一生縁が無いものだと思っていました。

ズマールは、沈胴という古めかしい形。それもそのはず、1930年代というとても古いレンズでした。おそるおそる持っていったカメラに装着して試写させていただくと……驚きでした!

ズマール 50mm f2による作例。とても柔らかく幻想的な描写です


それまで使ってきたオールドレンズとは全く違った幻想のような世界が、ファインダーの奥に広がったのです。そう、まさしくこれこそが、オールドレンズに求めていたものだと確信しました。

【用語集】
ライカ
……元々はドイツの光学メーカー「エルンスト・ライツ社」のブランド。ライツ社のカメラで「ライカ」という名前になった。ライカのレンズは非常に美しい写真が撮れることで有名だが、同時に高価なものも多く、高嶺の花となっていることも多い。

沈胴……レンズの鏡筒をカメラボディの内部に収納してコンパクトに出来る方式。手動式のものは1920年代から50年代までのレンズに採用された。カメラを使用しないときの収納性や携帯性に優れ、またレンズの保護にも役立つ。

ぜひとも買いたいと思い、値段を見てみると3万5000円。今までのオールドレンズにくらべるとかなり高額です。

さすがに買えないよと思っていたところ、横にいたお客さんが「絶対にそのレンズは買った方がいいよ」と背中を押してくれたのです。

そこまで言われたらもう買うしかないと、清水の舞台から飛び降りる決意をしました。後にして思えば、この瞬間こそが、オールドレンズ趣味の金銭感覚崩壊の始まりだったのです。

実は私には、小学生の頃からさまざまなものを集める収集癖がありました。切手、古銭、お札、記念切符、アイドルのレコードなど……どれもこれも、集め始めると止まりません。そしてついに、オールドレンズの収集に火が点いてしまったのです。

その結果、以下のように次々とオールドレンズを購入していくことになります。

  • バブルボケの「トリオプラン 100mm f2.8」……10万円
  • ライカの癖玉「ズマリット 5cm f1.5」……8万円
  • キヤノンの超大口径「50mm f0.95」……28万円
  • 富岡光学の「ヤシノン 55mm f1.2」……9万円
  • 標準レンズの帝王、コンタックスの「プラナー 50mm f1.4」……5万円
  • 激しいぐるぐるボケのシネレンズ「ダルメイヤー」……5万円
  • ニコン、キヤノン、オリンパス、ミノルタ、コニカ、リコーなど各社f1.2の大口径標準レンズ……各5万円前後

毎月5本前後、金額にして約10万円のペースで購入し、気がつくと集め始めてから2年目で100本を超えてしまいました。

集めたレンズはマウントの種類だけでも、15種類以上あります。広がり過ぎて、自分でも収拾がつかなくなりつつありました。

このままではオールドレンズ沼が永遠に終わりません。そこで、広げるのではなく、何かに特化して収集しようと思い直し、いったんそれまで集めたオールドレンズのほとんどを手放すことにしたのです。

何に特化していくのかで悩んだのですが、原点に立ち戻ることにしました。自分にとって一番衝撃が大きかったのはライカの「ズマール 50mm f2」です。この戦前のレンズとの出会いが収集のきっかけともなりましたので、関連したレンズに特化しようと決意しました。

具体的には、もともと興味のあった国産のレンズ、中でも「国産ノンライツレンズ」をメインに収集することにしたのです。

外見も美しく写りも個性的な「国産ノンライツレンズ」に魅了され、集中してコレクションしようと決意

美しい国産ノンライツレンズたち


「国産ノンライツレンズ」とは戦後直後、1945年から1960年代初頭までの間に、日本のさまざまな光学メーカーが「ライカに追いつけ、ライカを追い越せ」精神で、ライカやカール・ツァイス社のコピーをしながらも、オリジナルの描写を求めて四苦八苦した時代のレンズたちです。

ライツ社の「ライカ」の規格「ライカL39マウント」と同じものを採用しているものの、ライツ社の製品ではないということで「ノンライツ」と呼ばれています。

1960年代以降の大型レンズとは異なり、小型軽量で造形美も感じられる輝く銀色のレンズはとても魅力的です。技術としてはまだ発展途上の頃のレンズですので、写りも個性的なものが多くなっています。いわば、最もオールドレンズらしさを楽しめる時代のレンズと言っていいでしょう。

外見も美しく、撮っても個性的で楽しい「国産ノンライツレンズ」にすっかり魅了されていたため、メインで収集することにしました。

しかし、いずれも70年以上前のレンズですので、希少で高額になり、手に入れるのにはとても苦労しました。

それでも収集を続け、現在では100本の国産ノンライツレンズを所有することができました。中でも特にお気に入りの5本を紹介しましょう。

帝国光学「ズノー 5cm f1.1」……80万円で購入

ズノー 5cm f1.1とソニーのα7III


泣く子も黙る国産ノンライツレンズの王様です。1954年に、世界で最も明るいレンズとして登場し、世界を驚愕させました。

ズノー 5cm f1.1による作例。光が回転します


昼と夜とで写りが異なる、唯一無二の描写力は他の追随を許しません。

ちなみに、所有しているオールドレンズの中では最も高額です。通常は100万円以上するのですが、ヤフーオークションで出物が出品されていたため、思い切って落札。その後にレンズ修理の第一人者・山崎光学にメンテナンスしていただきました。

これくらいの大物クラスになると「レンズは資産です」が通用します。

東京光学「シムラー 5cm f1.5」……8万円で購入

シムラー 5cm f1.5


くっきりとした虹ゴーストの写り込みがとりわけ美しいレンズ。発売は1950年ですが、戦時中に設計が終わっていた大口径レンズです。

発売元の東京光学は陸軍御用達の会社でした。「シムラー」の由来は板橋区志村で製造されたため。

希少なレンズのため、松屋銀座で開かれた世界の中古カメラ市に朝一から並んで「シムラー、シムラー!」と叫んでゲットした思い出深いレンズでもあります。

シムラー 5cm f1.5による作例。くっきりとした虹ゴースト

日本光学「ニッコール 8.5cm f2」……4万円で購入

ニッコール 8.5cm f2


日本光学(現在のニコン)が世界に知られるきっかけとなった伝説のレンズです。1948年発売。

ニッコール 8.5cm f2による作例。美しいカーテン状の虹


所有するレンズの中でも最も美しいカーテン状の虹が出現します。

当時は大ヒットしたので流通数も多く、伝説といってもそこまで高額ではありません。私はヤフーオークションで初期の「日本光学東京」銘のものを落札しました。

サン光機「サンソフィア 5cm f2 」……17万円で購入

サンソフィア 5cm f2


国産ノンライツレンズの中でもとりわけ珍品といわれたレンズです。手に入れるのに最も苦労しました。

サンソフィア 5cm f2による作例。暴れる虹


1947年に、輸出を前提に少量製造されたため、幻ともいわれるほど数が少ないのです。コーティング(レンズの表面反射を防止し、光の透過率を上げる)がされていない時代のレンズのため「暴れる虹」とでも言うべき、幻想的な虹を写し出します。

ヤフーオークションでジャンク品として出品されているのを見かけたため落札しようとしたのですが、同じ考えの人がいたため4時間にも及ぶ延長戦になりました。なお、その後は出品されているのを一度も見たことがありません。

田中光学「タナー 5cm f1.8」後期型……12万円で購入

こちらも珍品のレンズです。というのも、製造した田中光学は1953年から59年までの、たった6年間だけしか営業していないからです。

タナー 5cm f1.8


その田中光学最後のレンズが「タナー 5cm f1.8 後期型」です。太いゼブラ柄がとてもカッコイイので気に入っています。

一度状態の悪いものをヤフーオークションで落札したのですが、その後に状態の良いものが世界の中古カメラ市に出品されていたため、再び購入しました。こうしたこともオールドレンズあるあるです。

タナー 5cm f1.8による作例。背景の玉ボケに特徴がある

オールドレンズを趣味にした場合の気になりごとを、私の経験をもとに回答

このようにオールドレンズを購入し続け、また写真もアップしているので、Twitterでもよくオールドレンズに関する質問をいただくようになりました。また、ここまで読んでオールドレンズに興味を持った方もいるかもしれません。

そういう人たちの参考になるように、よくいただく5つの質問とその答えをここで紹介いたします。

【1】オールドレンズはどこで買える?

オールドレンズは、当たり前ですが「新品」として量販店などに売られているわけではありません。購入できる場所は、自ずと限られてきます。

実物を見て買うなら中古カメラ店か、デパートで時折開催される中古カメラ市やオールドレンズフェスがいいでしょう。

実物を見ることはできませんが、ヤフーオークションやイーベイ、メルカリなどのオークションサイトで購入することもできます。また、ある程度オールドレンズ沼にはまった方向けではありますが、たまにオールドレンズ仲間から譲っていただくこともあります。

オークションサイトでは珍品が出品されたり、お店で買うより安く買えたりすることもありますが、あくまで素人検品であることを忘れてはなりません。メンテナンス前提での覚悟が必要です。

いざメンテナンスしようとお店に持っていっても、メンテナンス不可で終わることもありますのである意味、賭け事であることは常に念頭に入れておきましょう。

【2】オールドレンズはどこで売ることができる?

時にはオールドレンズを手放すことがあるかもしれません。

そんなときには、中古カメラ店に持ち込んで買い取ってもらうのが一番早いのですが、正直なところ二束三文になることが多いです。

そこでおすすめなのが、委託販売という形で中古カメラ店に預けることです。2割程度の手数料がかかりますが、きちんと保管してくれたり、必要としている人に届く可能性が高かったりと、何かと安心です。ただし、すぐにお金にならないことには注意しましょう。

少しハードルが高いのですが、自らヤフーオークションやメルカリなどに出品することも、もちろんあります。落札された場合には自ら発送作業をしたり、届いた後に些細なことでクレームがきたりと、悩ましいこともありますが手数料は1割程度で済みます。

【3】オールドレンズのメンテナンスはどうしている?

オールドレンズは基本的には中古品で、なおかつ古いものですので、カビがあったりクモリがあったり、時には絞り羽根が不調だったり、ヘリコイドが固くて回らないことなどがあります。

自分で分解してメンテナンスされる方もいますが、私はできないため、専門の業者(「ルミエールカメラ」や「ユー・シー・エス」など)にお願いしています。また、ガラス面に傷が多い場合には、山崎光学に研磨をお願いすることもあります。

メンテナンス費用は内容によって異なりますが、1万円以上になることが多いです。ときにはレンズ代より高額になってしまうこともあります。

【用語集】
絞り羽根……レンズ内部にある、取り込む光の量を調節する羽根状の板。不調だと適切な明るさで写真を撮ることができない。

ヘリコイド……レンズを前後に移動させるための機構。固くて回らないと、レンズが動かなくなり、ピントを合わせることができない。

【4】オールドレンズはどう保管している?

2台の防湿庫に、100本全てのレンズを保管しています。防湿庫はレンズを湿度や乾燥から守ってくれるので、カビやサビが発生しにくくなります。

24時間動作しているため電気代はかかりますが、歴史的にも貴重なレンズたちにカビが生えないよう、しっかりと守り、後世に引き継いでいきたいと思います。

【5】オールドレンズにフィルターは装着している?

私の場合はしています。

レンズのガラス面を基本的に触りたくないのと、当時の純正フィルターを装着することにより、できる限り当時の姿に近づけるようにしています。

また、フィルターだけでなく、前後の純正キャップ、純正フード、純正ケースも可能な限り収集しております。

【用語集】
フィルター……レンズの手前に装着し、レンズを保護するもの。フィルター自体に機能が搭載されていて、反射光を消したり青空を濃くしたりするタイプもある。

これからもオールドレンズとの一期一会の出会いを楽しんでいく

オールドレンズには大きく、「撮る楽しみ」と「所有する楽しみ」があります。

「撮る楽しみ」は、現在のレンズでは知ることができなかった虹色のゴーストやフレア、独特な背景ボケ、幻想的な滲み、淡い色乗り、フィルム調の描写といった写真が撮れることです。とりわけ、私は虹色のゴーストに惹かれていて、意識的に逆光を狙うことが多いです。

「所有する楽しみ」では、伝説のレンズ、世界一レベルの明るいレンズ、希少珍品レンズ、前期型後期型のコンプリート、今は無きメーカーのレンズ、「占領下日本」の刻印のあるレンズ(終戦後の1947年~1952年に製造された製品には、連合国軍の占領下で製造されたことが分かるよう「Made in Occupied Japan」「Occupied Japan」と刻印することが義務付けられていた)など、さまざまな歴史を背負ってきたレンズを集めることです。

そういったレンズは持っているだけでもうれしいですし、撮る楽しみもより増すのです。

そしてもうひとつ、こういった楽しみを分かち合う仲間と知り合い、一緒に撮影にでかけたり、オールドレンズ談義をすることはとても楽しいことです。仲間と知り合わなければ、ここまでオールドレンズに熱中していなかったかもしれません。

こうした仲間を探すためには、オールドレンズに関するサークルに参加することをおすすめいたします。

私の場合は、オールドレンズ界の二大スターともいえる澤村徹さん(@tetsu_sawamura)と上野由日路さん(@raylow331)がそれぞれ主宰している社会人講座や写真学校に参加したことが大きいです。お二人の先生方とお近づきになれ、オールドレンズ仲間の皆さんともお知り合いになることができました。

現在は、幸いなことにほぼ欲しいオールドレンズはコレクションできたので、以前のように毎月毎週購入することはほぼなくなりました。

まだ、数本、欲しいレンズがありますが、いずれも数百万円しますので、一生無理かもしれません。まずはその前に借金を返済しなければ(汗)。

でも、オールドレンズは一期一会。いつその出会いが待っているのかは全く分かりません。出会ってしまったらその時に勝負するしかありません。オールドレンズ沼は永遠なのです。

オールドレンズツイッタラー。2017年12月、Twitterでオールドレンズの存在を知り衝動買い。その後、オールドレンズ沼に陥り、200本以上購入。現在は国産ノンライツレンズを中心に100本所有。オールドレンズで撮った写真を毎日、Twitterに投稿している。

編集:はてな編集部