男性から見たジャニーズの魅力は、どこにあるのか。私が「ジャニヲタおじさん」になるまで

男性から見たジャニーズの魅力は、どこにあるのか。私が「ジャニヲタおじさん」になるまで

こんにちは、ジャニヲタおじさんと申します。ジャニーズのヲタク(オタク)をしている44歳の妻子持ちで、文字通り「ジャニヲタ」のおじさんです。ジャニーズ事務所に所属するタレントの活動を日々楽しみつつ、自分が感じたこと、他のファンと分かち合いたいことをTwitter・ブログに記しています。

ジャニーズのファンと聞くと、女性が多いというイメージが強いかもしれません。実際も女性が多いですし、私はジャニヲタの中では珍しいとされている男性です。

そこで今回は、男性の私がなぜジャニヲタになったかを紹介しつつ、男性の目線から見たジャニーズの魅力と、私が思うジャニーズに対するお金と時間の使い方をお話ししたいと思います。

私が「ジャニヲタおじさん」になるまで

まずは、男性のジャニーズファン、というものをイメージしていただくために、私が「ジャニヲタおじさん」になった経緯を紹介します。

妻が嵐のファンだった影響で、嵐が10周年を迎えた2009年ごろから、妻が熱中していたライブやミュージックビデオのDVDを一緒に見るようになった私。この曲はここがいいとか、このダンスはここが好きとか、妻がいろいろな見どころを教えてくれました。

DVDを見る妻は、とても楽しそうでした。そして私は妻を通じて、メンバーの魅力やパフォーマンスだけでなく、彼らにまつわるさまざまなサイドストーリーを知っていったのです。

2007年の東京ドーム公演を収録した「SUMMER TOUR 2007 FINAL Time-コトバノチカラ-」と、初の東京・国立競技場公演となった2018年の「ARASHI AROUND ASIA 2008 in TOKYO」のDVD、2人でもう何度見ただろう。車で旅行に行くときも、車内で映像を流したなぁ。運転中は音だけを聞いていて、それだけでも映像が脳内再生されちゃうから、「この場面の大野くんのステップがメッチャ好き!」とか、「ええ、ここはニノの表情がいいんだよ!」とか話したなぁ。

ジャニーズのCDやDVD
居間に備え付けの棚には、ジャニーズのCDやDVD(ライブ・映画・舞台など)の他、コンサートのパンフレットなどが詰まっています。家族がよく見るものや、思い入れのあるもの、直近で発売されたものを中心に置いています。ここに入りきれないものを含むと、この棚の倍以上は所有しています

しばらくは妻と一緒にDVDやテレビなどで嵐を楽しむ生活が続き、ライブには妻だけが行っていました。子供が小さかったので、誰かが家にいないといけませんでしたし、私はDVDでも十分に楽しんでいたので、一緒にライブに行くという発想はまだなかったです。

そんな状況が変わったのは、NHK BSプレミアムで放送されている番組「ザ少年倶楽部」(通称・少クラ)を家族で見るようになった2015年。Sexy Zone、ジャニーズWEST、A.B.C-Zといった、それまで知らなかったジャニーズのグループや、ジャニーズJr.と呼ばれるまだデビュー前の若い子たちの存在を、少クラを通じて知るようになったのです。

顔と名前を覚えるにつれ、彼らに対する愛着が湧き、それぞれのグループや個人が持つ魅力を理解できるようになりました。同時に、まだ若い彼らが、日々激しいサバイバル競争に晒されていることも知りました。

機会を得て前に出てくる子、後方でなんとか存在を主張しようとする子、そして、人知れず去る子。不安定で発展途上の彼らが人を魅了する術を体得し、名を挙げて世に出る過程を、少クラは明るく楽しく、そして残酷に伝えています。いずれは嵐のような存在へと通じる道を必死に走っているようで、彼らから目が離せなくなりました。

そんな中、私が住む福岡で上演された堂本光一くん主演のミュージカル「Endless SHOCK」を見て、文字通りの衝撃を受けました。体力と気力を削るような激しい演出、その限界の中でこそ表現できる極限の感情、常に観客を裏切る個性的で緻密(ちみつ)な脚本、そしてこのような舞台をほぼ毎日こなしている事実。

嵐以外にも、こんな到達点がジャニーズにはあるのか。「Endless SHOCK」を見て、少クラから出発した彼らの道が、アイドルに限らず、さまざまなエンターテインメントの行く先へと通じているように感じました。

もっと広く知りたい、深く知りたい。そう思い、インターネット上にある情報を片っ端から漁る中で惹かれたのは、本当にジャニーズのことが好きだということが伝わってくる、ジャニヲタさんの書かれたブログでした。

アイドルから強い魅力を感じ取り、それをさまざまな表現で伝えようとする文章。言葉の一つ一つが熱を帯びつつも、的確に彼らの魅力を伝えているように感じたのです。私も同じように「楽しい」「応援したい」という思いを表現しようと、2015年8月からTwitterとブログを始めました。

このとき、心のどこかにあった「ジャニーズは女性を魅了するもの」という見方が変わり、男性である私も彼らにすっかり魅了されていると気づきました。誰が見ても面白いと思うエンターテインメントとしての魅力が、ジャニーズにはある。それを多くの人に届けたいと思い、日々ネット上に言葉として残しています。

こうして、妻と一緒にジャニーズの活動を追うようになったことで、ジャニヲタ活動は家族のアクティビティとなりました。必然的に子供2人も親の影響を受け、毎日のようにジャニーズが出演する番組を見たり、曲を聞いたり、ライブも一緒に行くようになったりと、家族で楽しみを共有するようになりました。

2016年のクリスマスには、ジャニーズWEST初のドーム公演を家族全員で見に行くために、福岡から京セラドーム大阪まで夜通し車を運転しました。今思い出しても、楽しかったなぁ。かっこいいも、かわいいも、面白いも、いろいろな魅力が凝縮した最高のライブでした。広いドームのステージに堂々と立つ7人の姿を家族と共有できたことは、今でも私たちにとって大切な思い出です。

神ちゃん
「神ちゃん」とは、ジャニーズWESTの神山智洋くんのこと。この"家族うちわ"は、家族みんなで神ちゃんを応援したくて、妻が作成したものです。2016年に開催されたコンサート「ラッキィィィィィィィ7」の福岡公演では、このうちわに気づいてくれた神ちゃんから、家族みんなでファンサービスをいただきました

他には、2018年11月に開催された嵐の20周年ツアーや、2019年1月に行われたジャニーズWESTのツアーにも家族全員で参加しました。コンサートが終わった後は、家族4人でごはんを食べながら「あの嵐の演出はマジやばかった」「あのWESTのコント、めっちゃ面白かったね」などと感想を言い合うのが楽しみの1つだったりします。

家族というのは、楽しいときばかりではありません。親子や夫婦、兄妹同士で対立することもあります。それでも、ジャニーズという共通の話題があって、ジャニーズの話になると何となく家族で話が盛り上がる……というのは、父親としては本当にありがたいことです。

ジャニーズ以外の話や、コンサート以外の家族旅行も、もう少ししないとなぁと思わなくもないですが、それでも今の私たち家族にとって、ジャニーズをみんなで楽しめる環境はとても幸せなことだと思います。

男性である私から見た、ジャニーズの3つの魅力

ここで、男性である私から見たジャニーズの魅力について、あらためて語ってみようと思います。

なりたくてもなれなかった憧れ

まずは「憧れ」です。

思い起こせば、典型的なテレビっ子だった私にとって、最初のアイドルは「たのきんトリオ」(田原俊彦さん、近藤真彦さん、野村義男さんで結成されたジャニーズアイドルのグループ)でした。彼らが出演する番組は欠かさず見ていたし、「ザ・ベストテン」などの歌番組にも夢中でした。

小学校の帰り道、周りに誰もいないか確認しながら大声で歌っていたのは、マッチこと近藤真彦さんの「ブルージーンズメモリー」。マッチが主演した映画「嵐を呼ぶ男」のサウンドトラックが、私が初めて買ったCD……ではなく、カセットテープでした。

中学生時代、テレビを賑やかしていたのは、デビューしたばかりの光GENJI。妹が持っていた「少年御三家」(ジャニーズ所属の光GENJI・少年忍者・男闘呼組の総称)のビデオをこっそり見たり、妹が持っていた靴型のローラースケートをこっそり履いたりしていました。男闘呼組に憧れて、中古で買った8,000円のエレキギターを手に、見よう見まねで練習したこともありました。

もちろん、本気でアイドルになりたかったわけではありません。いや、正確に言えば、アイドルになれるものならなりたい、モテたい、キャーキャー言われたい……そう思っていたかもしれませんが、それを実行することはできませんでした。

そういう意味では、同じ男性としてなりたくてもなれなかったのがジャニーズという存在でしたし、それは今でも変わりません。彼らが歌って、踊って、他人を魅了する……その姿に同じ男性として強い憧れを抱いています。

私が与えられない感情を妻に与えてくれる存在

また、ジャニーズは「妻に幸せを提供してくれる存在」でもあります。

ジャニーズが好きな妻にとって、ジャニーズでしか得られない感情や興奮があるのは事実です。嵐の二宮和也くんがキラッキラの顔でウィンクすると、妻の目にはハートマークが現れます。妻が一生懸命応援しているジャニーズJr.のグループ・Travis Japanの松田元太くんにすごくいい仕事が入ったときは、我が子が受験に合格したかのように涙を流して喜びます。

ジャニーズを見て喜んでいる妻の顔は、私がどんなに頑張っても作ることのできない表情をしています。

もちろん、夫の私にしかしてやれないこともたくさんあります。しかし、私だけの力で、妻を幸せにすることはできません。私の妻が幸せになるには、ジャニーズの力を大いにお借りするのが、現在最も合理的な方法なのです。ありがたやありがたや。

仕事に生きる者としての共感

さらに、社会で働く私にとって、ジャニーズは「仕事に生きる者」としての魅力があります。

彼らにとってアイドルとは、誰かの「憧れ」であると同時に「職業」です。多くの人を魅了するということは、仕事を全うした結果であると言えます。さらに今は、アイドルにさまざまな要素を求める時代。単にかっこいい、かわいいだけでアイドルとして生きていけるほど甘くはありません。

確かに彼らの仕事は、私たちの仕事とは大きく異なるものかもしれません。しかし彼らが日々鍛錬を積み、さまざまな人に出会って新たな仕事を獲得し、流れに乗ったり、壁に当たったり、悩んだりしながら何かを掴む姿は、私たちにおける「仕事」に通じるものがあります。彼らがさまざまな仕事で表舞台に立つ姿を見て、つい自分の仕事と重ね合わせて考えてしまいます。

夢や憧れだけでは、どうにもならないこともあります。それでも彼らは、日々前を向いて、頑張るしかありません。表に出ていない事情を知ることはできませんが、それでも私は、彼らが華麗に泳ぐ水面下でどれだけもがいてきたのだろうかと思いを馳せます。

彼らと同じく仕事に生きる者だからこそ、共感できることもある。私はそう思うのです。

ジャニーズにお金と時間を使う意味

芸能事務所に所属する彼らは、仕事を通じて事務所の売上に貢献しなければいけません。つまり、基本的に彼らの価値は、売上に対する貢献で決まる。少しドライかもしれませんが、私はそう考えています。

なのでファンとしては、アイドルを長く応援するためにも、彼らには価値があるのだと所属事務所や各企業に認知してもらう必要があります。その方法の一つが「彼らの活動に対してお金を使うこと」です。私自身、アイドルを応援することは「継続的に彼らに対価を支払うこと」だと定義しており、可能な範囲で積極的にお金を使っています。

その一例がCDです。ジャニーズの楽曲はApple Musicなどで配信されていない(2019年3月時点)ため、曲を聞くには基本的にCDを購入するしかないのです。

2018年に購入したCDを数えてみたところ、シングルが33枚、アルバム11枚でした。ざっくり、月平均で7,000〜8,000円くらいはCDにかけている計算でしょうか。もともとCD収集が趣味だった時期があり、当時もこれくらいはお金を使っていたので、個人的には「こんなものか」という気がしなくもないです。ただ、Apple Musicの月額が980円だと考えると、近年の感覚としてはかなり高いですね。

ジャニーズは1年でこんなにCDを出すのかと、意外に思う方もいるでしょう。これはジャニヲタの方ならピンとくると思いますが、同じCDでも「初回盤A」「初回盤B」「通常盤」というように、収録曲や特典の異なるものが展開されているのです。私が買ったCDから種別の重複を省くと、実際はシングルが14種、アルバム7種。つまり枚数がかさんでいるのは、特典の違う同じCDを購入しているからです。

ジャニーズのCD
2018年に購入したCDを、積み上げてみました。こうして並べてみると、いかにCDにお金を費やしたかが露呈してしまいますね。ちなみにDVDはここには含まれていません。……どうりで居間の棚がすぐに埋め尽くされるわけです

これでも、ジャニーズが2018年にリリースした全てのCDを所持しているわけではありません。本音を言うと全て買いそろえたいですが、限られたお小遣いから支払っていることもあって厳しいというのが実情です。

それでも極力CDを買うようにしているのは、やはり「お金を使うこと」が応援につながると思うからです。CD以外にも、DVDやライブのチケット、グッズ、ファンクラブの年会費……お金を使うところを挙げればキリがありません。

バインダーの画像
ファンクラブの会報やライブのチケットなどを保管するためのバインダー。グループ別に保管し、年代ごとに分類しています。現在は全部で4冊ありますが、全然足りておらず、5冊目の購入を検討しています

先に触れたように、応援は継続的でなければいけません。家計を壊してまでお金を使うと、継続そのものができないのです。そう考えると、「お金を使うこと」によってできる応援はかなり限られます。

そこで大事なのが、「お金を使う」という直接的な貢献ではなく、「ファンを増やす」という間接的な貢献です。ファンが1人でも増えて、その人がCDを購入するとなれば、直接的な貢献にもつながります。私がファンのブログを見て彼らの魅力を認識したように、ファンが彼らの売り上げに貢献する最も効果的な方法は、彼らの魅力を多くの人に伝えていくことだと思うのです。

KAT-TUNがずっと貫いてきた美学と生き様を知って、すでに販売されているDVDを遡るように買いました。NEWSが4人で作り上げてきた愛と絆を知って、コンサートに単身足を運びました。関ジャニ∞がたくさんの笑いと涙をファンと共有したと知って、6人組となった彼らを応援するためにファンクラブに入りました。全て、ジャニヲタさんのブログやTwitterがきっかけでした。

ファンができることは、お金を使うこと以外にもたくさんあります。さまざまな方法で彼らの魅力を発信していくことで、初めてそれに気づくという人もいると思うのです。彼らにお金を使うのと同じくらい、彼らの魅力を届けるために時間を使うということは、重要な貢献です。

私は文章を書くのが好きですから、私が思うジャニーズの魅力を文章で伝えることで、彼らの価値を向上させたいと思っています。お金だけでなく、時間も使って、彼らのためにアウトプットする……こうした間接的な貢献の方が、実は大きな力を秘めていると私は思うのです。

これからも「ジャニヲタおじさん」らしい応援を

いろいろとお話しましたが、彼らを長く見続ける上で何より大切なのは、「自分らしく応援すること」だと私は思います。

私がジャニヲタでは珍しい男性であるために、ブログやTwitterに書いた言葉を見て「いいな」と思ってくれる方もいるかもしれません。それがきっかけでジャニーズに興味を持ってもらえるのであれば、こんなにうれしいことはありません。

男性ファンはまだまだ少数派ですから、別の言い方をすれば、それはジャニーズのファン層に伸び代があるということでもあります。ジャニーズを見てかっこいいな、かわいいな、面白いなと思っている男性の皆さま、彼らの本当の魅力は、その先のもっと深いところにあります。ゆっくり、気長に、彼らの表舞台を一緒に楽しみませんか?

ジャニーズのみんなが少しでも長く、少しでも豊かに活動できるように、これからもお金と時間を上手に使って、自分らしく応援していきたいですね。

ジャニヲタのおじさん。1974年生まれ。福岡県在住。AB型。妻、息子、娘の4人家族。ジャニーズを見て、かっこいいな、素敵だなと思ったことをTwitterやブログに記しています。ジャニーズなら「誰でも大好き」ですが、あえて誰のファンかと聞かれたら、Sexy Zoneの中島健人くんと答えています。

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編集:はてな編集部