推しの健康を祈るために“ご祈祷ランニング”を始めた私が、オタクに「走ること」をおすすめする理由
あの日あの時アリーナで、手越祐也さんの輝きに心臓を捧げて幾数年。花と申します。
少し長くなりますが、まずは手越さんを推し始めたきっかけをお話しさせてください。
あれはスーパーブラック企業に勤めていた頃。友人が貸してくれたNEWSのライブDVD「NEWS LIVE TOUR 2012 ～美しい恋にするよ～」を観て、その内容に心を揺さぶられたのが一番の理由です。
手越さんの流した涙に「幻の銀水晶や；；手越くんはプリンセス・セレニティ(『美少女戦士セーラームーン』に登場するキャラクター)だったんや；；；；」と感極まり……「手越さんに恥じないファンでありたい」と心に決めました。
そして、会社を辞めました。辞めて悔いなし！
ルックスが良く、歌も上手く、運動もできる。でも、その裏側でめちゃめちゃめちゃめちゃ努力してる。好きやん……そんなん……クソデカ恋愛感情……持つやん……。いつの間にか手越さんは、私のヒーローとなっていました。
あれから5年以上の月日がたち、ジャニーズを筆頭に女子ドルや二次ドルなど、あらゆるアイドルを応援する中、「推しに恥じないファンでありたい」という思いはますます強まっています。
その延長線上で最近、推し・自担の健康と活躍を祈るために家の近所を走る「ご祈祷ランニング」を始めました。
そこで今回は、右手にペンライト、左手にうちわ、心の中に信仰を持ちながら現場を駆け回る私のランニングライフを、「お金」の視点からほんの少しご紹介しましょう。
「ご祈祷ランニング」とは
「ご祈祷ランニング」はもともと、チケットの当選確率を上げるべく「徳を積む」ために始めたものです。そのうち上記のような、推しの健康を祈るという目的が加わりました。
日々アイドルを追いかけていると、彼らがどんなにプライベートの時間を犠牲にし、我々に光を見せてくれているか気づきました。私は自分の好きなアイドルにプライベートの時間を犠牲にしてほしくないと思っていますが、それでも推しのいろいろな一面を見たいから、あれこれと欲張ってしまうことがあります。
でも、そういうファンを丸ごと認め、アイドルたちは「応援してくれてありがとう」って言ってくれるんです。え～～～光～～～！？！？！
そんな光に恥じない自分でいたいじゃないですか。光属性のオタクとして、推しのますますのご活躍をお祈り申し上げたいじゃないですか。
健全な精神は健全な肉体から……。ということで、チケットの当選、推しや自担の健康や活躍を祈りながら走るようになりました。
今は、ツアー前や元気なときだとなるべく週1、モチベーションが上がらないときは2週間～1カ月に一度くらいのペースで走っています。
距離は1回につき3〜6キロくらいと、やる気次第で変えます。コースも特に決めず、時には行ったことのない道に散策がてら足を運ぶことも。ルールを設け過ぎず、そのときの気分で楽しめるようにしています。
ランニングコースの途中にある小さな神社では、お賽銭を投げ入れます。金額よりも真剣さと回数が大事。これがマイルール。失礼のないように賽銭を投げ入れたらお辞儀もします。
あと、ツアー前にはだいたいアルバムが発売されるので、それを聴きながら走ると、アドレナリンが出まくります。ツアー開始後なら、ツアーのセットリストそのままのプレイリストを作ると、コンサート内容を反芻しながら走れます。狂人かな。でもある程度狂っていたほうが人生もオタク活動も楽しいので、これからも狂っていきたい所存です(開き直り)。
走れオタク。ジャニオタこそランニングをやるべき3つの理由
そもそも「ジャニオタこそランニングをやるべき」だと思っています。その理由は主に3つあります。
1.激しいオタ活と両立できるほどコスパが良い
推しや自担に貢いだり、遠征したり……オタク活動は何かと出費がかさみます。そんな厳しい懐事情があっても、ランニングってすぐ始められるんですよ。めちゃくちゃコスパが良い。実質無料を体現している。
だってTシャツとかジャージとか適当に着て、スニーカー履いて家から飛び出せば、それはもうランニングなんですから。別にアスリートを目指している訳じゃないので、しんどくなったら歩けばいいんです。走ってることをよく「偉いね」「すごいね」と褒めていただくのですが、全然偉くないしすごくないです。
ジムも良いんだけど、かかるお金と手間が全然違う。個人差はありますが、やっぱりランニングはハードルが低いのです。マジでオススメなので、まだ走ってない人類～～～早く気付いてくれ……健康にもいいよ……。
2.走ると痩せるので、コンサートの参戦服が毎年新調できる
走り続けていると(食事にも気をつければ)当たり前に痩せます。そしたらラッキーだし、コンサートの参戦服を新調する際にテンションが上がりますよね。
各人の応援スタイルや推しのグループにもよるけど、ジャニオタは自担カラーの服を毎年新しく買うことがあります。
毎年ツアーが春に始まるので、私のクローゼットはピンクの服で溢れています……。くすみピンクのチュールスカートやパフスリーブの上着など、コンサートのとき以外いつ着るんだというラインアップです。
でも現場で自担カラーの服を着て「自担～～！！！！ 君のファンだ～～～！！！ 私という存在は特に認識しなくていいが、君のファンがいるということだけ知ってくれ～～！！ 全世界がお前を愛していて、その中の一人が自担カラーを着てる俺だ俺だ俺だー！！！」と主張したいのがオタク心というもの。
3.遠征しても疲れない体力がつく
これも当たり前体操ですが、なんと！ 体力がつきます！！
でも案外これがバカにできないポイントなんです。というのも、ジャニーズってコンサートツアーで日本全国を回るんですが、限界社畜はそうそう月曜に有給を取れません。
なので、多くの場合、日曜の夜公演が終わった瞬間ダッシュで東京へ帰らねばなりません。ただ、同じ境遇の人はたくさんいて、大勢が一斉に帰ろうとするので交通はパニックになります。会場から退場するための待機列が長くなっちゃってなかなか道路に出られず、「あのシャトルバスにいち早く乗らないと、明日の私は人権がねぇ！！！」と焦った経験のある人は少なくないはず。
やはり真面目に出社してこそ、とっておきの有給が使えるというもの。社内での人権あってこそのオタク……。あとシンプルに「昨日遠征してたんですけど帰れなくって……」と会社に電話する人生はつらいので、是が非でも帰りたいところ。セキスイハイムスーパーアリーナ(※宮城県総合運動公園総合体育館。仙台駅からバスで約50分)のことかーッッッ！！
こういった時は、走力でめちゃくちゃ差が出ます。ほぼ竹馬では？ という厚底靴を履いたガールたちを追い越しつつ、ランニングでついた脚力を生かしてなるべく早く移動すれば、アリーナクラスの会場ならスッと帰れます。
また、大量に買ったグッズを自宅まで担いで帰るのにも体力は必須(※ジャニーズは原則通販をしない)。
遠征オタクは財力と有給取得力を、それが無理なら「体力」を養うべきなのです。どんなときも信じられるのは己の肉体のみです。
買ってよかった「ご祈祷ランニング」グッズはこれだ！
靴さえあれば何もいらない、それもまたマジLOVE1000%真実なのですが、一方で、あった方が幸福度が上がるな……と思ってそろえたものもあります。ここではそれらを紹介しましょう。
1.ウォークマンとワイヤレスイヤホン
ワイヤレスイヤホンは運動の時に真価を発揮します。今まで長い間有線のイヤホンを使っていて、日常生活に不便はありませんでしたが、動くと何かしらに引っかかるのがちょっとしたストレスになっていました。ワイヤレスに変えて、そんなストレスから一気に解放されました。値段も安く、Amazonのセールで3,200円ほどだったと思います。
携帯音楽プレイヤーの使い方は前述の通り。ツアーセットリストなどを聴きながら走ると、元気が出ます。
この2つは走る時の必需品で、自分にとって「財布や携帯より大事」かもしれません。マジで走れる距離がグッと変わります。価格帯はピンキリですが、値段で選ばず、自分にあったものをそろえたほうがよいですよ～！！ 快適度が全然違います！
2.日焼け止めとUVカットパーカー
日焼けはしたくない。外を走るようになってからは、常にSPF50くらいの日焼け止めを使うようになりました。顔にめっちゃ塗りたくります。
そして、2,100円ほどで買ったユニクロのUVカットパーカーをまといます。アイドルたちって日焼けも全然していなくて透明感がありますよね。NEWSくんたち……どうしてそんなに肌が綺麗なんだ。使ってる化粧水と日焼け止めを教えてくれ……。小山(慶一郎)さんとか、赤ちゃんなの……？ 産まれたての赤ちゃんなの？
ともあれ、UVカットパーカーは超オススメ。貧乏性には嬉しいことに、日焼け止めの減りが遅くなりますし、汗も乾きやすい。
あと、自担カラーの強そうなものを選ぶと、例えば君がいるだけで心が強くなれそう。そして何より大切なものを気付かせてくれます。日焼け止めは汗で流れ落ちるけど、パーカーは……消えないってことに。
3.スポーツ用サングラス
スポーツ用サングラス、ちょっと抵抗ある方もいるかもしれませんが、力強くオススメします。これがあればなんと、化粧をしなくていい。日焼け止めをサッと塗って、あとは眉毛でもサッと描いておけばいいので、朝起きて5分もかからず家を飛び出せます。
私は準備に時間がかかると急に何もやりたくなくなるタイプなので、ランニングを続けられているのは「走りたいかも」と思ったらすぐに家から飛び出せるところが大きいです。思ったら即行動へ移すためにサングラスは大事。あと、軽くてズレにくいのがランニングにピッタリです。
これだけ語ってますが、私は700円ほど(……だった気がする……忘れちゃった)の安いサングラスを愛用しています。壊れず、ちゃんと使えているので問題なし！
ちなみにサングラスの下にあるものは、普段使用しているUVカットパーカーです。自担カラーがピンクなものでピンクおばさん失礼いたします。
4.底が厚めのスニーカー
靴だけは、日常使いのスニーカーとは別に、運動用のスニーカーを買った方がいい。安くてもいいんです……。意外と安い……靴……お前こんなにお求めやすかったのか……！？ と靴屋で抱きしめたくなるほどお手頃プライスもあります。
私は、1足1万円いかないくらいで、adidas(アディダス)のスニーカーを購入しました。
スポーツ用品店には3,000円から10万円以上まで幅広い価格帯のスニーカーがあり、初心者は普通にパニックになると思いますが、そんな時は店員さんに相談してみましょう。私も、何が違うんだよ……と心の中でブチギレ気味でしたが、程よい価格、機能のものを選んでもらいました。
走るんだからちゃんとしたの買わないと！！ と意気込んでいたのですが、店員さんによると、今は安くても作りのしっかりしたスニーカーが多いそうで、結局予算内に収まりました。
もちろんガチの奴はガチのお値段なんですけど、オタクがご祈祷ランニングするくらいなら全然ガチじゃなくても良いと思います。個人的には。見た目がかわいいとかで選びましょう。
余談ですが、遠征時は底の薄いオシャスニーカーを履くことが多いです。
コンサート中にジャンプするところでめちゃくちゃ元気にジャンプできるし、終わったあとのラストオブバス＆新幹線チャレンジダッシュのことを思うと、やはり断然底薄スニーカー。翌日もホテルに泊まるという貴族の遊びができない貧民オタクはとにかく走るしかない。いずれにせよ、スニーカー、オススメです。遠征時の後泊代より安いしね……。
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ランニングをする上でそろえたものはこんな感じです。もともと持っていたものも合わせて、総額1～2万円くらいでしょうか。初期投資と思っていろいろそろえてみると、ランニングの楽しみが2000%向上します。
正直なければないでも大丈夫なのですが、やっぱり木の棒と布の服でダンジョンへ飛び出すより、鉄の剣と鉄の鎧くらいはあった方が何かとスムーズだし、単純にテンションが上がります。
テンションを上げるって重要で、虚無っている日はすぐ帰りたくなります。ヨッシャやったるで！！ というテンションで家を飛び出すと、やっぱ「いつもより多めに走っております」となるので、自分のご機嫌をとるためにもアイテムをそろえるのは重要なのかなと思います。
やはり人生を豊かにするのは課金です。
ジャニヲタよ、強く気高く美しく、自担に恥じない自分であれ
ランニングについてつらつらと書いてきましたが、詰まるところオタクは健康であればこそ。推しの健康を祈り、現場へ足しげく通うためにも、まずは自分がしっかりしていたい。
推しと会えるその日まで、ただ漠然と待っているのではなく、己を仕上げていくのです。修行僧のように……。
私は今年の3月から、NEWSのツアー4部作最終章「NEWS LIVE TOUR 2020 STORY」に気が狂うほど通う予定でした。ツアー初日から最終公演までできる限り参加しようと計画し、夜行バス用に空気を入れる枕を新調するなどウキウキしていましたが、アリーナ公演はすべて中止になりました。6月から始まる予定のドーム公演もおそらく厳しいでしょう(※2020年4月30日現在の情報です)。
NEWSにとって初めての名古屋ドーム公演も幻になってしまうかもしれません。
そんなぁ、ホテル取ったのに、交通手段もおさえたのに、有給も取ったのに、もうこんなにすごいドーム公演はやってもらえないかもしれないのに……と途方に暮れて、それなりに悲しくなったりしていましたが、彼らが出演するラジオ番組や、Webで公開した文章が優しくって……！落ち込んでばかりいてはダメだな、と前を向かせてもらいました。
この春はもう二度と来ないけど、それでも元気でさえいれば、いつかまた彼らに会えるはず。
繰り返すようですが、そのためには自分が心身ともに健やかでいることが大切だと思います。その上で、推しや自担が健康でいることに感謝を捧げ、今後も健やかでいられるように祈る。
当てたいチケットがないので、最近のご祈祷内容はもっぱらこれです。自担ッ元気でいてくれッ！！！
逆にもう今がチャンスと捉えてランニング！！！ 始めてみませんか！！？？ ランニングコースに「初心者です！！」という人が本当に増えました。みんなやってる！！ 恥ずかしくないの！！
君も推しや自担の健康を祈らないか！？ この期間にめちゃくちゃ体力つけて、いつか推しや自担に会えたら、その時は一緒に大喜びしましょう！！！
編集：はてな編集部