バブル期と現在の家計を比較して見えてきたこと

バブル期と現在の家計を比較して見えてきたこと

はじめまして、らくからちゃです。
はてなブログで、お金や世の中のデータを調べた結果を自分なりにまとめてみた「ゆとりずむ」というブログを書かせて頂いております。

最近、わたしは妻と那須へ遊びに行き、楽しい休日を過ごしました……。が、クレジットカードの利用明細を見て震えております。((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
乏しい口座残高を見るたびに、「バブルの頃は凄かったぞ~」という話を思い出します。

バブルっていいなぁ

ギラギラに輝くネオン街の合間を、海外で買いあさった高級ブランド品を身につけたおねぇちゃんが闊歩し、おじさんたちはタクシーを呼び止めるために1万円札をひらひらさせ、海外旅行ガンガン行き、現地のブランド品を買いあさる。バブルの頃は、とにかくすべてがすごかった。そんな話をよく耳にします。

でも本当にそんなことがありえるのだろうか? 実際はどうだったのだろう? いろいろと気になったので、自分なりに調べてみることにしました。

全国消費実態調査で比べてみました

さて今回は、全国消費実態調査の結果を基に、バブル期と現在で、家計の比較をしてみたいと思います。

統計局ホームページ/平成26年全国消費実態調査

同調査は、総務省統計局が5年おきに全国及び地域別、世帯属性別などに集計・公表され、介護・年金等社会保障政策の検討などの基礎資料として利用されています。家計の収入や支出などなど、お金に関する情報を見るのに最適です。

この統計の中から、バブルまっただ中に行われた1989年(平成元年)のものと、直近の2014年(平成26年)のものとを品目別に比較してみることにしました。全世帯を対象にした結果では、高齢者世帯の増加の影響を大きく受けてしまいますので、勤労世帯のみを対象としております。その上で、1人あたり金額に人数調整をした値をベースといたします。

余談ですが、この全国消費実態調査の品目は、年々変化しています。例えば1989年段階では存在せず、今回2014年段階に登場する品目としては、

●インターネット利用料
●タブレット端末
●テレビゲーム機

などのものが挙げられます。その他にも項目名が「ぶどう酒」から「ワイン」に変わっていたり、「そうざい材料セット」が「そうざい材料セット(宅配)」と「そうざい材料セット(宅配以外)」に分けられていたり、項目の変遷を見ていくのも面白いですね。

もちろん、より生活実態に合わせた調査を行うためには必要なことなのですが、複数の期間を比較するときにはちょっと困ってしまいます。

正確に分類を紐付けるのは大変なので、まずはごく単純に、1989年時点と2014年時点の項目名を比較し、1989年時点でのベスト20の項目がどうなったのかを見てみたいと思います。

1989年の支出額ベスト20と現在を比べてみると……


まず全体の支出額は、世帯ひとりあたり81,803円から94,218円へと、15%ほぼ増加いたしました。意外なことに、平均ベースで見ると、バブル期より現代のほうがより多くのお金を使っているんですね。ただその内訳を見ていくと、なるほどなあと思う変化が見られます。

まず目を引くのが第3位の「交通・通信」。いまや、ひとり1台は当たり前、人によっては2台3台持っている携帯電話の費用が影響しているんでしょうね。

教育・住居・光熱・水道といった生活に必要不可欠なコストが、大幅に増加しています。

また、8位と20位に自動車関係の費用がランクインしています。若者のクルマ離れなんて言われているのに不思議だなあと思い、より詳細な区分で見てみると、自動車等維持費に含まれるガソリン代が1,321円から2,586円、自動車保険料が663円から1,279円へと大幅に増加しています。

金額だけ書くと、あまり大差は無いように思いますが、これは自動車を乗る/乗らないを問わずに集計した結果ですので、車が欠かせない地方に住む人の家計にとっては大きな負担になっているのではないでしょうか?

ただ、自動車購入そのものについては、2,012円から2,005円と、あまり大きな差はありません。バブルといえば、高級車を乗り回して、いたイメージがあるのですが、案外全体で見ると、自動車への出費は変わっていないのですね。


では今度は逆に、減少した項目を見てみると、「こづかい」「衣服及び履物」「贈与金」などの項目が挙げられます。このあたりは、なんとなくイメージ通りですね。その一方、意外なことに「教養娯楽サービス」については増加しています。

さてこの「教養娯楽サービス」、ゲームやら旅行やら、いろんな娯楽に関する支出がひとまとめとなっています。

大雑把に分けると、

● 教養娯楽耐久財
● 教養娯楽用品
● 書籍・印刷物
● 教養娯楽サービス

と4つにわかれます。それぞれの動向について、もう少し細かく見ていきたいと思います。

教養娯楽サービスの支出額を比べてみると


まずは、具体的な「使うもの」を示す「教養娯楽耐久財」全体として、下落傾向にあります。娯楽も「モノ」から「サービス」へということでしょうか。特に注目のポイントは、「楽器」ですね。以前は、「ピアノ」が独立した項目だったのですが、今では、楽器単体でも過去の「ピアノ」を超えることはできません。また、テレビやパソコンなど、近年成長著しい分野についても、お金はそれほど動いていないことが見て取れます。


お次は、教養娯楽用品。こちらは、全体としては増加傾向です。特に大きなウェイトを占めているのが「ペット関連の支出」です。どうやら、現代のほうがバブルの頃より、みんなペットにお金を使っているようです。関連するものも含めると全体で3倍以上の出費増です。また、新たな区分として、ゲーム機関連のものも登場していますね。


次に、書籍関連の項目を見てみましょう。うーん……、思った以上に変化はありませんね。新聞離れが激しいとは聞くものの、世帯レベルの消費額ではだいたい同じくらいでしょうか。

旅行はバブル期のほうが……


最後に、上記に該当しない旅行や習い事などの「サービス」について見てみましょう。旅行関連については、パック旅行にかける費用は、国内では大きな変化はありませんが、海外が約1.8倍伸張しています。宿泊料も、2.7倍近い伸びとなっておりこれは意外な結果でした。LCCの登場や航空機の発着本数増加によってより安価に、海外に行きやすくなったことも大きな理由と言えそうです。バブル期よりも、自分たちで好きなところを選んで、いろんなところに旅行に行っているんですね。

習い事関連については、語学・スポーツ関連が伸びているのに対し、音楽が減少しています。なんとなく「趣味と実益を兼ねるもの」が伸びた感じでしょうか。とはいえ、映画やスポーツといった観覧料といった純粋な娯楽の伸びも見られます。そして何より、インターネットやそのコンテンツの利用料が大きく影響し、全体としても1.47倍の伸びとなりました。

バブル期と現在の家計を比べて見えてきたこと

「バブル期」と「現在」の家計について、全体を振り返ってみると、生活に最低限必要なコストが上昇し、小遣いや交際費にかけられるお金が減っている傾向が見られます。しかし教養娯楽にかけている金額を見ると、多様化する社会の中で、自分の趣味を探して、少ないお金でも生活を楽しくする工夫は現在のほうが多いのかな?なんて気もします。

そう思うと、この期間を通して、社会の変化だけでなく、消費者の考え方に大きな差が生まれたのは確かなようです。

バブルの頃のようなお金の使い方はしなくなったものの、モノやサービスが多種多様になりいろいろな選択肢が増え、現代人は自分で調べて賢くお金を使うことが上手になったのかもしれません。うん!こっちのほうがなんだかんだで性にあってるかも。

わたしも、もっといろいろな生活に掛かっているコストを比較して、より豊かな生活ができるように挑戦してみたいと思います( ・`д・´)

ではでは、今日はこの辺で。

三度の飯よりグラフが好き。87年生まれのゆとり系サラリーマン。 経済や会計をメインとした「ゆとりずむ」なるブログを書いおります。お手すきの際にでも是非!

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